| 「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 |
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外崎春雄(監)
ufotable(脚)
竈門炭治郎
花江夏樹
竈門禰豆子
鬼頭明里
我妻善逸
下野紘
嘴平伊之助
松岡禎丞
栗花落カナヲ
上田麗奈
不死川玄弥
岡本信彦
冨岡義勇
櫻井孝宏
宇髄天元
小西克幸
時透無一郎
河西健吾
胡蝶しのぶ
早見沙織
甘露寺蜜璃
花澤香菜
伊黒小芭内
鈴村健一
不死川実弥
関智一
悲鳴嶼行冥
杉田智和
猗窩座(上弦の参)
石田彰
慶蔵
中村悠一
恋雪
Lynn
獪岳
細谷佳正 |
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| ★★★☆ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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3 |
5 |
3 |
3 |
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鬼舞辻無惨の策略によって鬼殺隊は鬼たちの本拠地のある異空間・無限城へと落とされてしまう。瞬間毎に形を変える無限城の中でバラバラとなった鬼殺隊の面々は襲いかかる多数の鬼を討伐しながら無惨を探す。その中で蟲柱の胡蝶しのぶは宿敵である上弦の弐・童磨と、我妻善逸はかつての兄弟子であり、新たな上弦の陸となった獪岳と、竈門炭治郎と水柱・冨岡義勇は、かつて煉獄杏寿郎を倒した上弦の参・猗窩座と遭遇し、激しい戦いを繰り広げる。
日本アニメ界における化け物コンテンツに育った「鬼滅の刃」。先行して作られた鬼滅の刃 無限列車編(2020)の大ヒットは記憶に新しい。現在日本の映画興行成績では隔絶したトップ作品である(2位の千と千尋の神隠し(2001)が316億円だったのに対し、407億というから100億近い差がある)。本作も既にベスト10入りで、どこまで伸びるかが楽しみでもある。
そしてその出来であるが、「観てる間は凄く面白かった」という言葉で表されるだろう。とにかくアニメ演出は素晴らしく、特に奥行きを感じさせる無限城の造形は見事で、そこを縦横無尽にキャラが駆け抜け、そこで戦いを行う。その空間を存分に使った戦いの演出が見事。特にスピード感のある戦いが多いので、空間を広く使う演出は見事というしかない。見応えだけはトップクラス。
ストーリー面で言っても、ひたすら戦いが続くものの、存分に起伏のあるストーリーが楽しめる。全般的にクォリティは大変高い。特に無限列車編(2020)で師匠と仰ぐ煉獄杏寿郎を殺した猗窩座との決着が付くので、ストーリー上必要になるし、そんな猗窩座に過去の哀しい話があったことも良い具合に花を添えた感じ。原作は読んでないし、調べてもいなかったのでしのぶの死は意外だったが、それぞれにきちんと過去と向かい合っているのが分かってよく練られたストーリー性を感じさせてくれる。
概ね高評価を付けられる水準なのだが、ただ、映画の構成としてはちょっと違う感じ。
通常映画的な技法で言うなら、絡み合ったストーリーは同時並行で行い、クライマックスもザッピングで同時に行うことが普通となる。本作の場合、胡蝶しのぶ、我妻善逸、そして竈門炭治郎と冨岡義勇の三つのストーリーがそれに当たる。この三つのストーリーの導入部、起伏のある戦い、そしてクライマックスを経て終焉へ。構造上最初は静かに、中盤に盛り上げるだけ盛り上げ、ラストは怒濤の展開と終焉の虚しさを描くというパターンになるが、本作はその方法を採らず、個々のストーリーを最初から最後まで描いていた。
これは映画ではなくテレビの作り方になる。
おそらく本作は最初からテレビ用に30分番組を構成することを前提に作られた作品なのだろう。本作の二時間半という時間は概ねテレビ番組六本分に相当し、その時間配分で作られていたのだと推測される。おそらくは半年から一年後にそのまま再編制されてテレビ放映されるはずだ。
映画としてではなく、アニメ作品として作るならば、これは新しい作り方になって、これからのヒットアニメはこのような作り方ができるというモデルケースになるはずである。 |
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