ガイバー 1991 |
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スティーヴ・ワン(共)
和田豊
小峰昭弘(製)
ジョン・パーディ(脚)
マーク・ハミル
ヴィヴィアン・ウー
ジャック・アームストロング
デヴィッド・ゲイル
グレッグ・パイク
ジミー・ウォーカー
ピーター・スペロス
マイケル・ベリーマン
スパイス・ウィリアムズ
ジョニー・サイコ
ジェフリー・コムズ
テッド・スミス |
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かつて地球に来訪した宇宙人の究極兵器、“ガイバー”の力を手にいれたショーン(アームストロング)と、ガイバーを狙う悪の組織クロノスとの闘いを描く。
今でこそ日本の漫画はアメリカでもかなり受けいれられているが、10年ほど前はアメリカでは完全に漫画は「コドモと変なオトナ」の読むものと言うのが通説だった。
そんな逆風の中、日本の漫画が初めてハリウッドで映画化された。それがなんと本作。日本でも原作を知らない人の方が多いような作品を映画化しようと言うのだから、考えてみれば快挙だ。
元々原作は昔から綿々と続いていた特撮テレビものに対するアンチテーゼから生まれたような作品で、異形の、人間よりはるかに力を持つ存在が、いかに効率よく地球征服を行うか。と言う過程を丁寧に描いた作品だった(決して子供をさらったり、ダムに毒薬を投げ込んだり、ましてやヒーローと戦う事だけ以外に目的を持たないヘタレな組織ではない)。ヒーローである主人公は巧妙な組織力に押しつぶされそうになり、その一方で組織は世界各国に水面下に根回しをして、やがて地球そのものを乗っ取っていくと言う、その設定は非常によかった。主人公が僅か数話で本当に死んでしまったと言う物語にも度肝を抜かれたものだ(尚、ちゃんと生き返っているし、映画でもそこが肝になってる)。
そんな緻密な原作の割には、えらくコミカルに仕上がった作品だった。本当に良く動くモンスター造形や、ガイバーの変身シーンなど、見栄えはするが、ストーリーはかなり単純化され、原作ではとても存在感のあったバルカス(原作ではギュオー)が変にお馬鹿になってたり、原作ファンとしてはかなり複雑な気持ちになったものだ。楽しいB級特撮作品と思って観るのが良し。
ハリウッドでの初の日本の漫画映画化。ではあるけど、監督のスティーヴ=ウォンは台湾生まれ。スクリーミング=マッド=ジョージに至っては生粋の日本人である(本名谷穣治。ハリウッドで最も成功した日本人でもある日本でも『帝都大戦』などで腕を振るっている)。だから純粋な意味で「海外に認められた」とは言えない気もするけど…特撮屋(及び造形屋)の二人が作った映画。当然見所はストーリーでないのも事実。
ところでこのキャストは面白い。それとバルカス役のデヴィッド=ゲイルと言えば、『ZOMBIO 死霊のしたたり』(1985)で首だけ死体になって暴れ回る印象的な役回りをやっていた。残念ながら本作が遺作となったが…面白いキャストを揃えたもんだ。 |