|
|
||||||||||||||||||||||
_(書籍) _(書籍) |
タイトル | |||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||
ISOLA 多重人格少女 2000 | |||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||
人の感情を読みとる能力を持つ由香里(木村佳乃)は、阪神大震災後の神戸でカウンセリングのボランティアにやってきていた。そんな時千尋(黒澤優)というひとりの少女に出会う。その少女・千尋は、何人もの人格を有する多重人格者だった。カウンセリングを続けていく内に、彼女の回りに頻発する自殺事件に否応なく気が付いていくのだった… 貴志祐介による「十三番目の人格 ISOLA」の映画化作品。一応本作が黒澤明の娘、黒澤優の映画デビュー作と言うことになる。 本を読んでみたら面白かったので、早速レンタルして観てみた。 原作はサイコサスペンスもので、派手な演出よりも、会話や間の取り方の方が重要な作品の上に、とても長いので、映画よりもテレビドラマ向けの作品だと思っていたが、それは確かに事実。実際こんなもん一時間半に治めようと言うこと自体が土台無茶だと言う事実に気付くだけだった。 それと問題なのは、無理なんだから、出来ることをやろうという心構えさえも感じられない点。枝葉末節を無くしても物語を全部押し込もうとしてるだけだったため、話が強引且つご都合主義で終わる。本来持つ会話の重要さとか、細かい仕草とかの演出をバッサリ切ってしまっていた。 元の情報量が多すぎる以上、どうそれを削り、自分の個性を入れるかが監督の力量だろ?それを、作る作品全部が失敗作の監督にやらせようとした時点で既に負けが決まっていたようなもんだ。 キャラクターの魅力も演出しきれなかったし(黒澤優はそれなりに個性あったけど)、最後のクライマックスさえあんな馬鹿みたいなやり方しなくても良いんじゃない?原作の最後に見せたケレン味を全く出せなかったのも酷すぎ。 ただ、時折出す映像表現で面白いところが出ていたり、千尋役の黒澤優の妖しさはそこそこあったし、所詮無理な作品だとあきらめて観るんだったら、なんとか観られないこともない。と言ったレベル。 セットはちゃちくていい。この3倍ほどの長さで、それなりに実力のある映像作家にテレビシリーズで作って欲しかった作品。 |