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中野裕之

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鑑賞本数 3 合計点 6 平均点 2.00
書籍
_(書籍)
2009 TAJOMARU 監督
イケ麺(新)そば屋探偵〜いいんだぜ!〜<TV> 監督
イケ麺そば屋探偵~いいんだぜ!<TV> 監督
2008 男たちの詩 監督・製作
東京オンリーピック 監督
2007
2006 ハヴァ、ナイスデー 監督・脚本
2005 Straw Very 協力
2004 花とアリス 出演
2003
2002 SF Short Films 監督・製作・脚本
2001 RED SHADOW 赤影 監督
2000 episode 2002 Stereo Future 監督・脚本・撮影・編集
1999
1998 SF サムライ・フィクション 監督・製作・脚色・編集
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969
1968
1967
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960
1959
1958 1'22 広島県福山市で誕生

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TAJOMARU 2009
2009日本映画批評家大賞審査員特別男優賞(萩原健一)

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市川森一
水島力也(脚)
小栗旬
柴本幸
田中圭
やべきょうすけ
池内博之
本田博太郎
松方弘樹
近藤正臣
萩原健一
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
TAJOMARU <A> <楽>
市川森一 (検索) <A> <楽>
藪の中 <A> <楽>
芥川龍之介 (検索) <A> <楽>
 足利義政(萩原健一)治世の室町末期。世は応仁の乱で乱れ切っていた。そんな中、名門・畠山家では長男信綱(池内博之)と二男直光(小栗旬)の間で家督争いが起こっていた。実は直光の許嫁である阿古姫(柴本幸)を娶った者が畠山家の家督を継ぐ。と義政が命令を下したのだ。もともと家督も次期管領職も手に入るはずだった信綱は動揺し、阿古姫を力ずくで奪いに掛かる。そんな兄の手から阿古姫を連れ出し、二人で逃げようとした直光。だが、幼いころより兄弟同然に育ってきた従者の桜丸(田中圭)の裏切りに遭ってしまう。その結果、たった二人、奥深い山中をさまようことになった二人だが、その前に多襄丸(松形弘樹)を名乗る一人の男が現れる…
 黒澤明の『羅生門』(1950)の翻案作品で、その主人公の一人多譲丸を主人公とした作品。
 世界に冠たる黒澤監督ではあるが、彼の作品が初めて世界的に評価されたのが『羅生門』で、その作りのユニークさもあって、国内外問わず大きく評価されている。芥川龍之介の「藪の中」をベースとしたこの作品は、一つの事件でも観ている人によっては全く違った解釈が成り立ち、更にそこに見ている人の主観が入ることによって、一つの事実がまるで違った出来事になってしまう。その辺が実にすばらしく、そして新しい作品でもあった。
そして評価されている分、リメイクやインスパイアされた作品も多い。私自身も何作かは観てる。
 
私にとってもこれはベスト・オブ・ベストに当たる大切な作品なので、本作は必ず観ようと思っていたし、あれをどう料理するかもかなり興味を持って観させていただいた。とは言え、監督が『RED SHADOW 赤影』の中野監督だけに、過剰な期待は出来ないものだが…

 リメイクに当たり、本作は『羅生門』の同時並行で物語が展開していく方式をやめ、連続した時間軸で物語を展開させた。それではオリジナルにあった味がなくなりそうなものだが、その中で告白と言う形で事件の多様性を演出している。ストーリーの流れによって、多襄丸と直光のシークェンスは3通りの解釈が出てくるのだが、なるほどこういうやり方もあったか。と思わせるうまい作りとなった。
 ただ、褒められるのはそこまで。告白を流にしたため、最後の告白が真実になってしまい、「藪の中」というシチュエーションが全く活かされてない。何が真実かわからないところが『羅生門』の楽しさだったのに、それをわざわざ分かるようにしてしまったら、シチュエーションの魅力は半減してしまう。
 ストーリー的にも、真実を悟ってしまったら、あとはこうなるしかない物語になってしまい、最後の部分は惰性でしかない。確かにこうした方が物語はすっきりするし、小栗旬ファンにとってもカタルシスは欲しかろうけど、正直どうでもいい部分で時間とりすぎたため、
後半30分ははっきりいって退屈極まりなし。義政によってちゃぶ台ひっくり返された時点で物語り終わってくれた方がなんぼか映画としての完成度が上がっていた。
 物語で言っても、これは応仁の乱当時のはずなのだが、その事について全部口でしか説明されず、京は無人のまま。当時の貴族の家ってこんなに警備がざるみたいなのか?その辺の説得力もまるでなし。
 後は、演出の悪さ。
 全般的にこれは映画の演出じゃなくて、舞台の演出を思わせる。具体的には、重要な画面が全部箱庭的な狭い空間で行われ、しかもしゃべっているときは役者のアップ多用。狭い場所だからこそ空間的把握が必要なのに、まるでその意識がない。良い役者を使って、その顔力さえあれば良い。という投げ出しっぷり。全般的に服装が綺麗すぎ。汚い服装まできちんとコーディネートされ、それなりにこざっぱりとして見えるくらい。
 てっきりこの作品、先行して舞台版があるかと思ったくらい。後で検索して映画オリジナルだと知った時は逆にびっくりした。
 なんで最初から映画で作るのだったら、映画的な撮影しないんだ?セットに対して金遣えなかったので、全般的に背景がちゃちになってしまい、それに頼らざるをえなかったんだろうか?いずれにせよ、今の時代に役者だけで見せようなんて無理がある。
 あと、脇を固めるヴェテラン俳優陣が存在感見せてる中、中心となってる小栗旬初めとした若手の存在感が薄い。微妙な心の動きを演技するのは上手いにせよ、本作の場合、
極限的な“濃い”演技が求められるのに、そこまで演技を広げることができず。桜丸の田中圭はミスキャストにしか見えないし。特に後半がだれたのは、演技の質によるものじゃなかったか?それを引き出せなかった中野監督の実力不足もマイナス。
 これは映画じゃなくてもうちょっと実力ある人に舞台用に作り直してほしい。かなり迫力ある作品に仕上げられるはず。
RED SHADOW 赤影 2001

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斉藤ひろし
木村雅俊(脚)
安藤政信
奥菜恵
麻生久美子
村上淳
竹中直人
藤井フミヤ
舞の海秀平
篠原涼子
谷啓
きたろう
神山繁
津川雅彦
松重豊
でんでん
越前屋俵太
ピエール瀧
スティーブ衛藤
アリーナ・カバエワ
中田大輔
風間杜夫
布袋寅泰
吹越満
椎名桔平
根津甚八
陣内孝則
物語 人物 演出 設定 思い入れ
仮面の忍者 赤影(コミック)横山光輝
 戦乱の日本。闇の世界で名を馳せる一族があった。影一族と呼ばれる彼らはかつてこの地に落ちた隕石からどのような鋼鉄にも負けない金属を鍛え上げ、その力を用い、多くの任務をこなしていた。現在統領の白影は三人の子供を成長させ、それぞれ赤影、青影、飛鳥と名乗らせる。危険な任務を次々とこなす三人だが、その中にあって、赤影と飛鳥は愛し合うようになっていった。だが、任務の途中で飛鳥が絶命。赤影は忍者の任務に疑問を抱き、青影は抜け人となる。赤影は任務の途中、琴姫と出会う。その理想主義に共感を覚える赤影は任務を無視し、姫を守ることとなる。
 馬鹿映画!
 これで全て言い切れる。最早あら探しをする気力も起きない(制作者が馬鹿に徹しようとしてるだけ、「パール・ハーバー」よりは救いがあるか)。多少でも
真面目な映画だと思った私が馬鹿だった。
 これでお色気が少なければ親子で見られる映画と言うことも出来るが、子供には見せられないようなシーンも結構あるし、その意味では中途半端に過ぎ、笑いの部分も妙に外すのばかり…
 ただ、この映画、見るべき部分がないわけではない。主演の赤影役、安藤政信は演技こそまだまだながら映画映えするキャラクターだし、悪役を嬉々として演じる陣内孝則、相変わらずのキレた演技の冴える竹中直人(白影)など、ヴェテラン俳優の演技はなかなか楽しい。ただ、だからこそ同時に
こんな映画で少しでも真面目な役に当たってしまった根津甚八や藤井フミヤなどがあまりに可哀想。あと、楓役の麻生久美子、琴姫役の奥菜恵は、もはや言う言葉もないほど、下手糞!殆ど素人同然。なまじ演技が上手い人に囲まれてるだけにそれが悲しい。
 強いて言わせてもらえば、テレビでだったら、多少なりとも見られる番組になっただろうけど。
SF サムライ・フィクション 1998

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斉藤ひろし(脚)
風間杜夫
吹越満
布袋寅泰
緒川たまき
内藤武敏
谷啓
神戸浩
藤井尚之
大沢健
藤井フミヤ
夏木マリ
ユキリョウイチ
桃生亜希子
岩松了
鈴木省吾
きたろう
高木完
田所豊
吉岡英明
高崎隆二
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
  江戸で武芸修行に励んでいた長島藩士・犬飼平四郎が国に帰った時、風祭(布袋寅泰)という刀番にお家の秘宝を盗まれ、大騒ぎになっていた。周囲の気弱な態度に痺れをきらした平四郎は、ふたりの友人と共に風祭を追うのだったが…
 近年になって作られた異色時代劇と言った風情。表題に“SF”と付いてるのもそうだし、冒頭のナレーションが、いかにも嘘くさくて人を食っている。
 それで出来だが、確かに面白い作品だとは思うのだが、何となくはぐらかされた感じ。最初は剣と剣のぶつかり合いを期待したのだが、癒し系の映画を見せられた。剣戟を主題とした時代劇で“癒し”を前面に持ってくるのは、確かに
“異色”と言って差し支えあるまい。着眼点は面白いけどね。
 カメラ・ワークや演出面など、作り手側が楽しんで作っているのは分かるのだが、それが観る側に立って本当に作ってるのか?と言う感じを受ける。風間杜夫の突出した演技の巧さを除けば、みんな演技をしてるように思えない。布袋寅泰演じる風祭のむっつりとした演技は、あれは何か素のようにしか見えないし。
 もう少し観客の側に立って作ってくれたら、非常に良質な作品になったような気もする。

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