トラック野郎 望郷一番星 |
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野上龍雄
鈴木則文
澤井信一郎(脚)
菅原文太
愛川欽也
島田陽子
土田早苗
春川ますみ
梅宮辰夫 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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3 |
4 |
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北海道に仕事に出かけた星桃次郎(菅原文太)と松下金造(愛川欽也)。多少の時間が出来たものの、妻の君江(春川ますみ)と9人の子供達から「もっと大きな家に住みたい」と言われた金造はアルバイトに余念がなく、桃次郎は暇をもてあましていた。そんな桃次郎は三上亜希子(島田陽子)という女性に一目惚れ。牧場の娘という彼女にくっついていき、時間が出来るといそいそと牧場の手伝いに通うようになった。一方、亜希子に目が眩んでしまったために女トラック運転手の涼子(土田早苗)と口喧嘩をやらかし、涼子に惚れている“カムチャッカの熊”大野田太郎左衛門(梅宮辰夫)と大喧嘩になってしまう…
大人気シリーズ第三弾。北海道を舞台に、ご当地アイテムが次々登場。都はるみやハイセイコーまで登場してヒット。1976年邦画興行成績10位。
70年代、特に東映作品が最も輝いた時期。ただし、そこで上映された映画は暴力と下ネタ連発の、今から観ると泥臭いものばかり。当時の最も流行ったものを何でもかんでもぶち込んだ雰囲気があるのだが、それがパワーに転換出来ていたのが当時だったとも言える。
本シリーズに関しては、これまでの1〜2作はどこか模索している雰囲気があって、行きすぎた所が多々見当たり、物語自体の完成度は無茶苦茶だったが、3作目の本作になるとかなり手慣れてきて、下品さを売りにしつつも、物語性を高めようと言う努力は認められる。北海道が舞台だけに雄大な自然もあり、その時その時に誠実な桃次郎による純愛あり、喧嘩によって醸成されていく友情もあり。色々詰め込んでいながら結構物語もきちんとしている。
確かに時代とは言え、風俗に子ども達を連れて行くなんて物語を作れた事だけでも充分凄いと言えるが、それだけでなく、本作は演出が結構良かったりする。カムチャッカの熊との喧嘩の中で突然女っ気が出てくるとか、恋に破れてやけくそになった桃次郎を応援する北海道のトラック野郎の声援に押されてゴールする一番星とか、観てるこっちが熱くなる演出に溢れている。
当時のパワーを味わいたい人ならお勧めする作品。それが本作の醍醐味って奴だろう。
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