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内山雄人

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2023 妖怪の孫 監督
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レビュー

 

妖怪の孫
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★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 元日本国首相で、歴代首相の中で最長在位期間となった安倍晋三が、2022年7月8日に狙撃され殺害された。その事実を受け、安倍晋三という人物が日本の政治にどのような役割を果たしてきたのか。そして今現在その影響はどうあるのか。

 二年前に『パンケーキを毒見する』で当時首相だった菅義偉の過去を含め、彼が何を考え、何を目的にしているのかを深掘りした内山監督が、次に選んだのは安倍晋三だった。
 そもそも『パンケーキを毒見する』だって管首相を描きつつ、その姿を通して安倍元首相を描こうとした部分があって、本来的には安倍元首相をこそ描きたかったという本音があっただろう。ただ、まさかそれが追悼の意味を持ってしまうとは、なんとも皮肉である。それまでの取材で貯めてきた安倍元首相に対する告発が、これでは相手を失ってしまった感がある。それでも逆に追悼だからこそ作る事が出来たと言う側面もあって、その辺は痛し痒しか。
 安倍元首相に関しては、暗殺後に様々なことが明るみに出された。それこそ統一協会の件であったり、桜を見る会で明らかな虚偽が明らかになったり。それ以前に国会での証言の中のかなりの数が虚偽であったという事実も蒸し返され、日本という国はこういう人に舵取りをされていたのかと唖然とさせられる部分もあった。

 それで本作の構造は『パンケーキを毒見する』と同じで、政治家に至るまでの青年時代はどんな人だったのかを深掘りし、彼が地元のためにどれだけ発展に尽くした一方、逆に空疎化を進めていた事実を明らかにした。菅義偉と大きく違うのは、彼は世襲議員であって、幼少時から政治とは否応なく関わりを持ち、その中で恵まれたキャリアを歩んできたという事。それらはあらかじめ分かっていたが、この映画では父親である安倍晋太郎の不在がどれだけ青年期の彼に影響を及ぼしたかという点について結構突っ込んで描いていたのが特徴か。
 安倍晋太郎は岸信介の娘婿として知られるが、本人はそれはあまり好んでおらず、むしろ父親の安倍寛の息子であることを誇りに思っていたという。安倍寛は戦前から平和主義を貫いた政治家であり、国民目線で国を考える人物だったそうで、それを理想にしていた晋太郎と、全く逆の方向に向かって行ったというのが面白いところだ。
 そして後半になると案の定統一協会との関わりを語ることになるが、これは正直観てるだけで辛い。これが日本の現実かと思うと哀しくなるし、しかもそれが是正されることなく今も継続中だという事実
 真面目な話。これ観てると日本がどれだけ衰退してるのかを突きつけられてしまって悲しくなるばかりだ。

 タイトルの『妖怪の孫』は「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介の孫という意味だが、むしろ安倍晋三が撒いた悪意に憑依された国民のことも含めたものということも考えなければならない。自分自身にもこれは関わってくると言う問題もある。

 あと、これも『パンケーキを毒見する』から引き続いてだが、中にあるアニメーションはセンスが悪い。アニメーションパートはあって良いのだが、もうちょっと上手い人に演出させるべきだっただろう。
製作年 2023
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原作
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パンケーキを毒見する
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河村光庸(製)
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 日本国第99代内閣総理大臣となった菅義偉総理がどのような経緯で総理になったのか、そして日本をどこに連れて行こうとしているのか。インタビューとアニメによって構成する。

 2020年に前首相が“体調不良で”政権を放り出したことで自民党の総裁選挙が行われ、その結果、内閣官房長官だった菅義偉が総理大臣となった。
 しかし就任時期は最悪な時期だった。新型コロナウイルス蔓延の中での就任で、非常に難しい舵取りを任せられたのだから。正直、誰が総理大臣になったとしても、ほぼ失敗するのは確定してるようなもの。
 しかしその中でもおそらくは最も不適切な人物だったとは思う。官房長官の時も、野党の追及を的外れな発言で煙に巻くしかなかった。これは官房長官の役割の一つと割り切れば良いのだが、政治主導で引っ張る役割の首相がこんなことをしてたら国会は停滞するばかりだ。
 本作は、その部分、何故彼が総理大臣向きでないのかという事を語るのだが、まず彼がどのようにしてトップに上り詰めたのかを過去に遡って語る。
 まず彼は富農の生まれで、単純に農業の後を継ぐ事がいやだったから上京し、仕事しながら受験して大学に入った(空手部だった)。卒業後教授の勧めで政治家の秘書になったということ。下積み時代からリーダーとしてとりまとめが上手く、すんなり政治家となれたというところ。
 はっきり言うが、この部分の演出はとても下手くそだった。前提抜きでたたみかける情報に戸惑うことになる。これは「管首相ってこんな人だよ」というネット情報を知ってることを当然として語っているので、それなりに管首相のことを調べてないなら、何を言ってるのか分からない問題がある。この部分はかなり重要で、ちゃんと順を追って説明しておくべき部分。
 そして政治姿勢については様々なインタビューで管首相の人心掌握の巧みさを語る。ここの部分はまあ普通だが、インタビューを通して、管首相の視点というのがよく見えてくるのは良かった。
 このインタビューで分かったのは、管首相が見ているのは、小さな仲間内の中だけである。国民のために働くと言っていながら、首相にとっての国民とは多分千人程度。一つの村の中くらいの人数しか見えてない。
 この人、立派な村長にはなれるだろう。上手くやれば県知事程度までならなんとかうまく行けるかもしれない。しかしそれ以上のことをやらせてはいけない人だ。実際今の横浜市を見れば、その影響力はよく分かるだろう。
 しかし仲間内の利益だけを追求し、仲間にしか良い顔を見せない人間に国のトップやらせてはならん。官房長官か幹事長なら充分出来るだろうが、首相は無理。こんな人を国のトップにしたら富が偏り、大多数の国民は苦しめられるだけだ。彼自身は時分に人望があると思ってるだろうし、ある側面から言うならそれも間違ってない。ただし彼について行けば莫大な利益を受けられる、数千人の中には入れるならばである。

 その結果は今の日本で良く出ている。

 この部分を明確にしただけで本作は見る価値があると言える
 監督の政治主張もはっきりしているため、テレビでは観られない、圧力を掛けられた人たちの声もしっかり語らせているのも映画的。

 後はアニメ-ショーンシーンは無駄どころか不快なだけなので、全部カットした方が良かったくらい。サウスパーク感あったが、あれはアクロバティックな感性ないとやってはいけないもので、この監督程度の実力ではこの程度にしかならない

 結果として、本作にも良い部分は確かにある。ただ半分は下手か無駄かなので、アニメパートを無くして編集を上手くやって、尺を2/3位にすれば良かったと思う。
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