12'12'26 | アオイホノオ9
相変わらずのマンガ界を敵に回すような節回しが絶妙な作品。特にホノオの考えるマンガ家の円グラフが無茶苦茶で、しかも説得力があるという微妙な部分を見事に描き出している。まあ、最もバランスが悪いのが自分自身の円グラフと言うところに著者なりの韜晦があるわけだが。 少なくともこの円グラフを見るだけでも本作を読む価値はあると言える。 |
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12'12'22 | ストーリー・セラー
SIDEB:事故が元で発覚した旦那の癌。助かることのない病に冒されていることを知った妻は、少しでも一緒にいようと考えるが… 2編の中編からなる連作中編。どちらも夫婦の片方が死を迎えるまで、どのように生きたいように生きていくかを真面目に描いた作品となっているのが特徴。読みやすい作品ではあるものの、内容的に相当に重いもので、こういう作品も描くんだな。という感じ。 |
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12'12'18 | スパイダーマン3 (著)池上遼一 <amazon> 自らの強大な力をもてあまし、それをどう使って良いのか悩むユウの前に、悪の匂いを発散させつつ、それでも友のために命を張る不思議な魅力を持った男犬丸が現れる。自らの身の置き所を求めるユウは、その生き方に惹かれていくのだが… やはりすっきりしないヒーロー作品。自分のために力を使ってはいけないのか。そしてそれだけ強大な力を持っていても、本当に救いたい人を救う事が出来ないことの苦悩がこれでもか。と描かれている。しかし70年代というのは既にポストモダンに入りかけており、人間を相対化して見る視点がここにはある。ある意味で最もマンガらしいマンガとも言えるか。読んでてきついけど。 |
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12'12'14 | アキハバラ (著)今野敏 <amazon> 田舎から上京し、憧れの秋葉原に足を踏み入れた六郷史郎。だが物色していたパーツショップで万引の疑いがかけられてしまう。間の悪いことにそこにヤクザがやって来てしまい、思わず逃亡してしまうのだが… 無茶苦茶な設定の作品ではある。だが偶然に偶然が重なり、どんどんシャレにならなくなると言う構造は面白く、スピーディな群像劇にもなってるので、とても読みやすい。 |
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12'12'11 | 四畳半王国見聞録 (著)森見登美彦 <amazon> 京都下鴨神社近くの骨董的アパート「下鴨幽水荘」四畳半の部屋のあちこちに得体の知れぬ鉄管が張り巡らされているおんぼろアパートを部隊に、様々な奇人変人が集まり、夜な夜な不思議な事件が起こったり起こらなかったり。四畳半を舞台にした連作短編。「大日本凡人會」、「四畳半総括委員会」、「グッド・バイ」、「四畳半王国開国史」を収録する。 前に読んだ四畳半神話大系が面白かったので、その続編かと思って読んでみたが、一応は別物。ただ場所とかは同じようで、そんな中で不思議な人間関係や事件が展開していく。かなりメタが入った感じがあるが、充分楽しめる作品でもあった。 |
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12'12'08 | KEYMAN3
相変わらず謎から謎が次々に出てくる展開で、次にどんな物語が待っているのか全く分からない。書き込みが半端無いので、マンガとしても随分力入ってるし、とても楽しい作品でもある。 |
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12'11'30 | グイン・サーガ・ワールド2 <amazon> 「星降る草原」王子として草原の民の中で甘やかされて育った少年スカール。その中で自分がいかに恵まれているかを痛感させられる出来事と出会う。 「リアード武侠傳奇・伝」キタイの商人と共に旅を開始した芸人一座。だが立ち寄った村の住民が全員消えてしまうと言う時代に遭遇してしまう。 「宿命の宝冠」2年間の失踪を経てレンティア王室に帰還したアウロラ。そこで亡くなった母の後継者について話し合う。 グインサーガの外伝3話に著者の「氷惑星再び」の一部、日記の一部を加えた一冊。読みやすいものもあれば読みにくいのもある。これが味と言えばそれまでだが。 |
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12'11'28 | はじめの一歩101
これまでとにかく話の引き延ばしに終始し、話が極限まで薄くなってしまった感のある作品だったが、ようやく一歩を中心に話が盛り上がり始めた。ここまでが長かったが、これで話が加速してくれることを望みたい。 今巻では、木村と青木の進退について、一歩に世界戦が舞い込む話、そしてアメリカに渡ったヴォルグが世界タイトルマッチの挑戦と、盛り上げるには良い素材が展開している。このままいってほしいものだ。 |
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12'11'24 | 怪人二十面相 少年探偵1
記念すべき二十面相と名探偵明智小五郎の初対決を描いた作品。推理自体は子供騙しのものだが、本書に求めるのはまさしくそのような子供騙しと痛快性。その意味では大満足。 このシリーズはこどもの頃図書館で読みふけった記憶があるが、多分その内半分位しか読んでなかった。これから全巻通じてちょくちょく読んでいくことにしよう。 |
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12'11'22 | のだめカンタービレ16 (著)二ノ宮知子 <amazon> 崩壊寸前だったマルレ・オケにも新しい団員が入り、常任指揮の千秋もやる気を燃やしていた。だが、メンバーは生活ぎりぎりで練習に来ている者も少なくはな く、思うように練習もできない状態が続いていた。その中で相変わらずの厳しさで、すっかり団員に嫌われつつある千秋だが… 今巻はほぼ一巻まるごとマルレ・オケの話。舞台では華やかなオーケストラも、実際にその中はとても大変らしい。特に家族がいる場合、生活のための仕事をこなしつつ練習もしなければならないため、ほぼ自分の時間は取れない状態が続いてるらしい。どの世界も裏は大変なもんだ。 |
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12'11'19 | 首都消失 下 (著)小松左京 <amazon> 東京上空を覆う霧の塊は消えることが無く、そしてそれに対して各界の反応も様々だった。明らかな日本の危機の中、それでも政界再編に向けヘゲモニーを取ろうとする者。この霧を平気として用いることが出来ないかと調査を開始するアメリカと、それに呼応するかのように南下するソ連軍…一体日本はどうなってしまうのか? 人間の科学の及ばないものが突然現れてしまったらどうなるか?このテーマはストルガスキーは「ストーカー」として著し、著者は本作として描いた。一体著者の頭の中はどうなってるのか?と思えるほどにその範囲は広く、政財界から科学、国際政治まで広がっている。ただ、広げた風呂敷が大きすぎて結局収拾突かなくなってしまったといった感じ。 しかしそれよりも、こんなものを映画にしてしまったというのが一番の驚きかも知れない。 |
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12'11'17 | テルマエ・ロマエ5 (著)ヤマザキマリ <amazon> 心は焦るものの、どうしても古代ローマへと帰ることができないルシウスだが、その地伊藤でもやっかい事に巻き込まれてしまう。その中でさつきとの恋を徐々に高めていくのだが… 4巻に続き、5巻もほとんど全編日本の温泉場の話となる。その中で一度はローマへと帰ってはいるのだが、結局は温泉場のごたごたで話は終始する。どうやらこの話をもって作品そのものも終わってしまうのだと思われる。最後の盛り上がりってところだろうか。 |
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12'11'14 | 首都消失 上 (著)小松左京 <amazon> 出向先の名古屋から本社の東京に戻ろうと新幹線に乗った朝倉達也。だが深い霧のため新幹線は途中で止まり、たまたま出会った知り合いの車で東京へと向かう。だが実は東京はその時とんでもない事態に陥っていた。山の手を中心として半径30キロがドーム状の霧に覆われてしまったのだ。中からも外からも決して出入りが出来ない霧の内部が全く分からないまま、首都東京を失った日本の行方は… 「日本沈没」と同じく、一つのあり得ない事象を前にした群像劇で、科学と政治経済を含んだ壮大なものとなっている。「日本沈没」と較べるとやや落ちる気もするが、さすが巨匠。充分すぎるほどに読ませてくれる。 |
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12'11'11 | のだめカンタービレ15 (著)二ノ宮知子 <amazon> たまたま気が合ったというだけの理由でフランスの名門ブノワ家でリサイタルをすることになったのだめ。千秋や同じアパルトマンのターニャ、黒木も同行しての旅と、マルレオーケストラのオーディションの様子を描く。 前半部分はやっぱりフランスでの物見遊山の旅が展開。なんだかんだ言ってのだめも世界的な意味で少しずつ認められるようになってきたことが軽く触れられている。物語にかかわるのは後半部分で、新生マルレの指導が千秋の下で始まっていく。相変わらず楽しい物語になっている。 |
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12'11'09 | あかんべえ 下 (著)宮部みゆき <amazon> ふね屋を見舞った怪異は続いており、店の営業もままならなくなってきた。人の良い幽霊たちも含め、おりんは幼いこの状況を何とかしようと頭を捻るのだが、良い案はまるで浮かんでこなかった。そんな時、ふね屋のお化け騒動を作った娘が人殺しをしたという事が分かってしまう。そして番所に行く前にふね屋で取り調べを受けることになったのだが… 話はぐだぐだになってしまった感があるが、クライマックスにかけての盛り上がりはたいしたもので、人間と霊が入り乱れての痴話喧嘩といった風情。ただ、これまで読んできた著者の作品は、人を殺した人間を絶対に許さないという意志に溢れていたのだが、それがちょっと崩れてきた感じもある。 |
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12'11'07 | あかんべえ 上 (著)宮部みゆき <amazon> 江戸深川に新しくできた料亭「ふね屋」。だがその最初の客が入ってきた時、客間に抜き身の刀が飛ぶという怪異が起こってしまう。実はここは30年前に悲惨な人殺しがあったという曰く付きの場所だったのだ。その娘おりんは何故かその家に入った時からこの場所に住み着く幽霊たちが見えていた。みんな人の良い幽霊ばかりなのだが、彼らもこの怪異が何故起こったのか分からないと言う。彼らの協力でこの怪異の調査を始めるおりんだが… 著者の得意分野である時代劇ものと怪異譚を合わせた作品で、普通の怪談とは違った独特の話となっている。こどもを主人公にすることでマイルドさと、その背後にある情念を描こうとしているようだ。 |
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12'11'03 | 荒川アンダー・ザ・ブリッジ3 (著)中村光 <amazon> 荒川の河川敷でニノを巡るリクと星の攻防は続く。だが、そんなリクの前に、かつてリクの父がリクに与えた秘書の高井が現れ、リクの部屋に一緒に住むと宣言してしまう。 相変わらず変人が変な事をしまくる作品なのだが、だんだんキャラクタが絞られてきて、少しずつリクの周りに変化が起こり始めている。この巻は、高井という男の登場によってその示唆が与えられたところ。話としてはまだこれからといった感じか。 まあ、今回は結局高井に全部取られてしまった感はあるな。リク大好きなあの性格はどん引きではあるが、微笑ましいところもあり。 |
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12'10'31 | 秘帖・源氏物語 翁OKINA
安倍晴明が主人公となる「陰陽師」にも登場する蘆屋道満を登場させた著者流の「源氏物語」であり、もう一つの「陰陽師」と言って良い内容になってる。 まあ「源氏物語」にしては生々しすぎるのが著者らしさってことなんだろうが。 |
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12'10'27 | 強殖装甲ガイバー29 (著)高屋良樹 <amazon> 晶の不在の間、哲郎と瑞紀の潜伏先が復活したギュオーと彼に協力するヴァルキュリアに襲われた。それを守るグリセルダとリベルタスだが、圧倒的な力量の前にその戦力は削がれていく。だが、そこに更に現れたのは… 大体一年に一冊くらいの割で出てくる新刊。しかし問題として、話がとにかく進まないという事実。丸々一巻使った割に、内容が薄い。描写を80年代的な意味ではとても濃く作ってはいるにせよ。 |
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12'10'24 | 偽物語 下 化物語5
前巻でやや消化不良で終わった感のある偽物語の下巻だが、これもやっぱり消化不良と言った感じ。こういうまとめかたで良いのか?ただ、シュールな掛け合いが面白いので、それで良いと言われればそれまで。 |
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12'10'20 | スパイダーマン2 (著)池上遼一 <amazon> スパイダーマンとなると傷つくばかりとスーツを脱ぎ捨てたユウ。だがスパイダーマンの偽物が現れ、ユウは汚名をそそぐため、再びスーツを作り、それに対抗しようとする。 1巻に増して酷い目に遭うスパイダーマンの姿が描かれていく。正義感を見せれば不良学生と呼ばれ、好きな子には去られ、スーツを捨てれば偽物が現れる。なんともやりきれない話ばかり。でもそれが本作の面白さでもある。ヴェトナム戦争という背景があり、まさに70年代の熱い時代に描かれた作品で、このような作品こそ、マンガの原動力になったんだろうと思われる。 |
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12'10'19 | 偽物語 上 化物語4
快調に飛ばす化物語シリーズで、これは化物語の直後に当たる後日譚的な位置づけ。これまで何度か存在だけは登場していた暦の二人の妹の話。相変わらず軽快な語り口は楽しい。 |
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12'10'17 | 荒川アンダー・ザ・ブリッジ2 (著)中村光 <amazon> 恋人の癖にデートもしたことがないと星になじられたリクは、ニノとのデートを敢行する。しかしこれまで女の子とつきあったこともないリクは、そのために頭を悩ませる。そんなリクに、相変わらずのニノ… どんどんキャラが増えていっている本作。本作は一応ギャグマンガとジャンルされているが、爆笑できる部分はほとんどなく、その代わり、ほんわか笑えるというか、ちょっとツボを押さえた笑いを提供してくれるので面白い。そんな中にもちゃんと物語として成り立たせている話も多く、良い感じ。 |
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12'10'12 | デュラララ!! (著)成田良悟 <amazon> 田舎から刺激を求めて東京の池袋にある高校に入学した竜ヶ峰帝人。池袋は彼が思っている以上に刺激の大井町だった。街のあちこちで始まるカラーギャングと呼ばれる若者達の抗争。頻発する誘拐事件。そして突如現れるという首無しライダーの噂…我知らずそれらの渦中にどっぷりとはまってしまうことになる帝人だったが… アニメの方を前に観て、面白そうだったので読んでみた。アニメの前半部が一冊の中に入っている訳だが、小説だとしごくあっさりした印象を受ける。これに枝葉を付け、ミスリードを誘う伏線をいくつも加えたアニメ版の方が面白い感じ。勿論それは原作あってのことで、演出の巧さというところだろうか?作品自体は面白いので、これから時折読み進んでいく予定。 |
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12'10'09 | 青空にとおく酒浸り6 (著)安永航一郎 <amazon> 菌類型MMの塊になってしまった石野篠は、記憶こそそのままだが、性格が大きく変化してしまった。そんな彼女を「蟲籠り」と称し、排除を試みる女性が現れた。尻神楽ありえというその女性が狙うのは篠の命… 篠が中心となり、アクション変と言った感じの作品。でも著者の描くマンガって、アクション主体になるとあまり特徴が無くなってしまうのが問題で、やっぱりこの人の場合、かなり危ないギャグにあるんだよな。面白くない訳ではないんだけど、特徴が無くなったな。 |
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12'10'04 | ウルトラマンの東京 (著)実相寺昭雄 <amazon> かつて「ウルトラマン」を撮影していた時の東京と今の東京。それがどのように変わっていったのか。実際に思い出の場所を歩きつつ、著者が当時の東京を振り返り、映像の様子などの思い出話をイラストと共に綴る。 ウルトラマンの思い出話を読むつもりで買ったら、むしろ東京という町に対するノスタルジーがメインの作品だった。これはこれで良い具合の話でもある。なかなかに貴重。 |
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