12'11'24 |
怪人二十面相 少年探偵1
東京で噂が持ちきりの謎の怪盗。その変装の見事さから「怪人二十面相」と名付けられた怪人は、今日も獲物を狙い高価な美術品を持つ人物に予告状を送ってくる。その二十面相に対抗しうるのは、日本では唯一の名探偵明智小五郎と、その助手小林芳雄少年しかいなかった。明智不在の中で羽柴家の宝石強奪。そして初めての明智対二十面相となる博物館襲撃事件の顛末を描く。
記念すべき二十面相と名探偵明智小五郎の初対決を描いた作品。推理自体は子供騙しのものだが、本書に求めるのはまさしくそのような子供騙しと痛快性。その意味では大満足。
このシリーズはこどもの頃図書館で読みふけった記憶があるが、多分その内半分位しか読んでなかった。これから全巻通じてちょくちょく読んでいくことにしよう。 |
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13'01'18 |
少年探偵団 少年探偵2
二十面相の逮捕後、都内各所で全身黒ずくめの人物が現れるとの噂が飛び交っていた。そんな時、少年探偵団員の桂正一の友達、篠崎始の家にある呪いの宝石を狙っているのではないかと心配した桂は、断腸の小林芳雄に相談するのだが…
前回逮捕された二十面相が替え玉であったと言うところから始まり、特に後半に至って二十面相と明智との対決が非情に楽しめる。お互いに用意しあっての攻防だから、「こんなこともあろうかと」が何回も続いていく。これがあってこそだよな。 |
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13'01'30 |
妖怪博士 少年探偵3
少年探偵団の一人相川泰二は、ある日奇妙な行動を取っている老人と出会う。その不審な行動に興味を覚えた泰二は、その老人を尾けてみるのだが、実はそれは少年探偵団を陥れるための罠だった。蛭田博士を名乗るその老人に囚われの身となった泰二。そして次々に送られてくる挑戦状…
前巻で死んだと思われた二十面相の復活と、もう一人の名探偵殿村弘三の登場。となかなか盛りだくさんの内容となった。相変わらず神の如き推理力を持つ明智探偵と二十面相の化かし合いがやはりメインの話ではある。 |
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13'03'24 |
大金塊 少年探偵4
小学生宮瀬不二夫の家に泥棒が入り込んだ。一見何も盗られてないように思われたのだが、実はこの家には莫大な秘密の隠し財宝を示すヒントがあり、それが盗まれてしまったのだ。それを知った不二夫の父は明智探偵に連絡を取るのだった。
今巻は二十面相が登場しないかなり純粋な宝探しの話。犯罪と言うより冒険小説と言った風情。これはこれでこども向きの面白い話。 |
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13'04'28 |
青銅の魔人 少年探偵5
東京の街に突如現れ、高価な時計を次々に奪っていく青銅色の魔人。ヨーロッパの王宮からいただいたという由緒正しい時計を持つ手塚龍ノ助は、その魔人を恐れ、名探偵明智小五郎に時計の護衛を依頼するのだが…
これまでの4冊が戦前に書かれたものだったが、この巻は戦後になって初めて書かれたもの。明智も小林少年も、勿論二十面相も全く歳を食ってないという設定は、開き直った感があるが、これはこれで本作らしいところと言うべきか。物語は軽快で、意外な真相も楽しめる。 |
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13'05'25 |
地底の魔術王 少年探偵6
小林芳雄の従弟に当たる天野勇一少年の前に現れた不思議な人物。自分を“魔法博士”を言い、不思議な手品を見せてくれたその人物の誘うまま、洋館に足を踏み入れた勇一は、世にも恐ろしい体験をすることとなる。
今回は謎解きのトリックを存分に楽しませようという思いからか、読者に挑戦するような気術がいつに増して多い。対象が子どもなので、これこそがこのシリーズの醍醐味と言えようか。 |
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13'06'27 |
透明怪人 少年探偵7
目に見えない怪人が出没するというニュースに日本中が怯えていた。そんな中、透明怪人は次々と高価な宝石を強奪していく。本当に透明怪人はいるのか?そして彼の目的は?調査を開始した小林芳雄少年以下少年探偵団だが、その団員の一人が尾行中に怪人に捕らわれてしまう…
今回も蓋を開けてみると、いつも通りの二十面相と明智探偵の知恵比べが展開する。二十面相の挑戦に明智が応じて鮮やかに事件を解決していくことになる。二十面相自身が明智に変装することも多く、徐々に誰が誰だか分からなくなっていく。 |
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13'08'03 |
怪奇四十面相 少年探偵8
ついに囚われの身となってしまった怪人二十面相。だが牢に入れられていながらも二十面相は、今度は四十面相を名乗り大胆な犯罪予告を新聞社に送り、しかもまんまと脱獄に成功させてしまう。小林少年の活躍によって、次に四十面相が狙っているのは莫大な隠し財宝であることを突き止めるのだが…
二十面相が四十面相に名前を変えた話だが、この作品はすっぱり前半と後半に別れた二部作となっている。前半は四十面相の見事な脱獄を、そして後半は「大金塊」を思わせる冒険劇になっている。ただ、この辺りからややマンネリズムに陥った感はあるな。 |
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13'08'29 |
宇宙怪人 少年探偵9
東京上空に突如現れた宇宙船。そして不時着した宇宙船からはトカゲのような姿をした宇宙人が現れたというニュースが入る。日本中が騒然とする中、宇宙船は世界各国にも現れた。そして宇宙人にさらわれたという青年北村が明智探偵の元を訪れるのだが…
世界各国を舞台とした(実際の事件は日本だけだが)スケールの大きな話となった。話としては嘘の証言ばかりが出てくる他愛のないものだが、重要な部分として、世界的な犯罪組織が存在することと、四十面相は人間同士で争うことに対して嫌悪感を抱き、世界平和を作り出すために自分なりの方法で活動しているという事実が明らかになる。このような性格こそが四十面相の魅力の一つなんだろう。 |
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13'10'20 |
鉄塔王国の恐怖 少年探偵10
明智のお使い帰りの小林芳雄が出会った老人は、この日本に巨大カブトムシがいる鉄塔王国があることを告げて姿を消す。それからしばらくして資産家の高橋家に鉄塔王国の王を名乗る人物からメッセージが届く。それは一千万円を王国のために出すか、さもなくば息子を差し出せというものだった。不気味になった高橋は明智に連絡を取るのだが…
記憶によれば、私が一番最初に読んだ著者の作品。
今読んでみると、シリーズ中屈指の荒唐無稽ぶり。一番の問題は、二十面相が一体何を考えているのか、文章から全く伝わってこないと言うことだろうか? |
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13'11'19 |
灰色の巨人 少年探偵11
都内で高価な宝石ばかりが盗まれる事件が発生する。そこには必ず「灰色の巨人」と書かれている紙片が残されていた。そんな折、少年探偵団の一人園井少年の家の家宝である宝冠がお披露目となり、園井は団長である小林団長にそのことを打ち明けるのだが…
著者は結構サーカスをモティーフとした作品を描いているが、少年探偵で出たのは初めてかな?これが出てきたってことは、いよいよネタが無くなってきたのか、あるいはいよいよ趣味の領域に話を進めていくのか。 |
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14'01'05 |
海底の魔術師 少年探偵12
少年探偵団の一員宮田賢吉少年は、偶然取っ組み合う二人の男を目撃する。その一人から鉄の小箱を手渡され、訳も分からぬままその小箱を家に持ち帰る。だがそれには大きな秘密が隠されていた…
今回もオチは二十面相が後ろで糸を引いていたというものだったが、冒頭部分で人が一人死んでいるのがいつもとは違っているところ。最後は著者の好きな宝探しが展開していくが、そのパターンはいつも同じなのがちょっと残念なところ。 |
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14'01'17 |
黄金豹 少年探偵13
都内各所に物言う豹が現れた。しかも大胆にもその豹は貴重な豹を持つ園田家に予告状を送ってくるのだった。少年探偵の小林はそれを阻止せんと園田家に張り込みを開始するのだが…
いつも通りの安定した物語。ただ、豹の正体は…というところで、「あ、なるほど」と思わせてくれるギミックがあるので、謎解きとしても楽しめる。 |
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14'02'09 |
魔法博士 少年探偵14
少年探偵団の団員井上とノロは不思議な老人を見かけ、それを尾行するのだが、逆に囚われの身となってしまう。そんな二人が突然探偵団へと戻り、小林団長に助力を願うのだが…
少年版「パノラマ島奇譚」と言った風情の作品。内容は相当マイルドになってるが、著者の夢のギミック満載で、いかにも乱歩らしい仕上がりとなっている。 |
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14'03'27 |
サーカスの怪人 少年探偵15
東京へとやって来たグランド・サーカスの観客席に突然現れた骸骨男。サーカスはパニック状態になるが、座長の笠原には更に不気味な予告状が舞い込むのだった。たまたま現場に居合わせた少年探偵団の一員から連絡を受けた小林がやってくるが、その眼前で大胆不敵な犯罪が次々と起こる…
これもサーカスを舞台にした少年探偵団もの。ただ、これまでの作品とは雰囲気が随分異なる。ここでの二十面相の狙いは金品ではなく復讐であったこと、そして二十面相の過去が少しだけ明らかになったことなど、作品全体のターニング・ポイントと言っても良かろう。二十面相の本名が遠藤平吉ということも明らかになった。 |
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14'05'03 |
魔人ゴング 少年探偵16
明智小五郎探偵の元に新しい少女助手マユミがやってきた。少年探偵団の面々も大喜び。だがそのマユミをターゲットにした脅迫電話が明智の元へとかかってくるのだった。その時に東京上空に浮かぶ巨大な顔があった。誰とも無く、それは魔人ゴングと呼ばれるようになるのだが…
ここに来て初めて少女探偵助手が登場。なんでもこの話は少女文芸誌に掲載された作品とのことなので、それは納得。いつもは罠にはめてばかりの二十面相が今回は罠にはめられるという、ちょっとだけいつもとは違った展開も、特徴的でよし。 |
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14'05'11 |
魔法人形 少年探偵17
人形好きの少女ルミは精巧な人形を持った腹話術師の誘いに乗ってしまい、囚われの身となってしまう。身代金を要求された両親が明智探偵事務所に連絡を取り、留守番役だった小林少年がその任務に就くこととなった。人形師の赤堀鉄州という人物に当たりを付けた小林だったが…
これまでの少年探偵ものの中ではかなり怪奇趣味に偏った話で、著者らしい人工の楽園を主題にした不思議な作品に仕上がっている。緊迫感の演出も中々良いのだが、設定上のアラがちょっと目立っており、物語上無理が生じてしまってる。まあ、それも魅力の一つか。 |
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14'06'30 |
奇面城の秘密 少年探偵18
レンブラントの名画を高額で買った実業家の神山の元に怪人四十面相から予告状が舞い込む。心配になった神山は明智小五郎探偵に相談を持ちかける。そこで分かったのは、三ヶ月前に明智によって捕まっていたはずの四十面相は、とっくの昔に脱獄に成功していたという事だった…
「宇宙怪人」(9巻)の直後から始まる作品で、これも掲載雑誌が違うものらしい。そのため今回はポケット小僧が大活躍する話になっている。掲載誌によって物語性も変えてくるのは面白いところだ。 |
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14'07'20 |
夜光人間 少年探偵19
夜の東京に突如光り輝く姿で現れた怪人。彼は高価な古い仏像を次々に盗み出していった。明智小五郎探偵が不在の中、少年探偵団とチンピラ別働隊を率いる小林芳雄少年が夜光人間に正面から戦いを挑む。
今回は小林少年が中心となって怪人を追いつめていくという話で、軽快に物語が展開していく。都合3回も見せ場があって、その度毎に軍配がどちらに上がるかがなかなか楽しい。 |
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14'08'20 |
塔上の奇術師 少年探偵20
明智探偵の少女助手花崎マユミは、仲良くなった二人の中学生と散歩中、時計台に不思議な人物を見る。これが二人の少女が味わうことになる恐ろしい事件の始まりだった…
本作は少女雑誌に連載したものと言う事で、少女が事件に巻き込まれるというパターンの話になっている。内容としては小林幼年と四十面相の知恵比べに終始。明智探偵は最後の最後に解決のためだけに登場という感じ。四十面相もいつもの泥棒というのとは違い、守りに入っているのも違いと言えば違いか。『ガス燈』みたいな話だった。 |
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14'09'07 |
鉄人Q 少年探偵21
発明家を名乗る老人が講演で遊ぶ子ども達を自宅に連れ帰り、そこで人間そっくりのロボットを見せつける。ところが子ども達の見ている前でそのロボットは屋敷から脱走してしまうのだった。そして翌日から都内に起こる不思議な事件…
この辺になると推理小説ではもうなくなってしまい、だましのテクニックがあまりに稚拙になってしまった。対象年齢をかなり下げた感じがある。 |
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14'10'11 |
仮面の恐怖王 少年探偵22
都内で次々と怪事件が起こる。ある時は蝋人形館の鉄仮面が動き出し、ある時は黄金の仮面を着けた人物が夜な夜な都民を驚かせる。そんな怪人の噂を聞き、調査に乗り出した少年探偵団だが…
今回は少年探偵団を中心に、二十面相を相手に次々に起こる怪事件に立ち向かうという掌編の寄せ集めのような話になっている。いろんなものを詰め込んだのは良いけど、話が短すぎて今ひとつ乗り切れない感じを受ける。ただ、最後の物語の結末だけはかなり意外だが。 |
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14'11'06 |
電人M 少年探偵23
都内に突然現れたロボット。少々世間を騒がせた後姿を消すのだが、それは都内に作られたテーマパーク“月世界旅行”のサンドイッチマンだったことが分かった。突拍子も無い宣伝のために大賑わいのテーマパークだが、その背後では大きな陰謀が始まっていた…
“世間を騒がす”という意味ではこれまでの作品もそうだが、二十面相がまずテーマパークを作るということで世間を騒がすというのが面白いところ。そして本作では、“究極の兵器とは何か?”という考察もなされているのが特徴。人を仮死状態にする爆弾って、確かに究極兵器と言えるかもしれない。 |
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14'11'21 |
二十面相の呪い 少年探偵24
「二十面相の呪い」エジプトの秘宝を次々に狙う二十面相は、恩田氏の持つ真珠の象を盗み出すと予告した。連絡を受けた明智探偵は小林少年を恩田家に派遣するのだが…
「黄金の虎」魔法博士を名乗る人物から挑戦を受ける少年探偵団。金で出来た虎の置物をめぐり、丁々発止のやりとりをくりひろげる。
今回は2つの物語で展開。「黄金の虎」は二十面相では無く魔法博士なる人物とのやりとりになるが、やってることはほとんど同じで、メリハリには欠ける。 |
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15'02'22 |
黄金の怪獣 少年探偵26
宝石商に届いた大胆不敵な挑戦状。更にその家の周囲には次々と異変が起こり、その度に家人が次々に何者かによって入れ替わられてしまう。そして調査に来た小林少年までが…
これが少年探偵の最終巻。ほとんど同じ人間を整形手術によって作り出すという、どっちかというと推理と言うよりSFっぽい設定で、これまでのいろんな積み重ねを崩してしまったような感じもある。
このシリーズ読み返し始めてから、もう2年になるのか。面白かった。 |
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