読書日誌
2014’1〜3月

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14'03'27 サーカスの怪人 少年探偵15
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 東京へとやって来たグランド・サーカスの観客席に突然現れた骸骨男。サーカスはパニック状態になるが、座長の笠原には更に不気味な予告状が舞い込むのだった。たまたま現場に居合わせた少年探偵団の一員から連絡を受けた小林がやってくるが、その眼前で大胆不敵な犯罪が次々と起こる…
 これもサーカスを舞台にした少年探偵団もの。ただ、これまでの作品とは雰囲気が随分異なる。ここでの二十面相の狙いは金品ではなく復讐であったこと、そして二十面相の過去が少しだけ明らかになったことなど、作品全体のターニング・ポイントと言っても良かろう。二十面相の本名が遠藤平吉ということも明らかになった。
14'03'25 大砲とスタンプ2 (著)速水螺旋人 <amazon>
 徐々に兵站舞台の雰囲気に慣れてきたマルチナ。だが彼女のいくところ何かとトラブルが起きていく。そんな中、上司キリールの弟コースチャがやってきた。トラブルメイカーのコースチャにまとわりつかれてしまったマルチナだが…
 2巻になって動きが激しくなっていった。膠着状態に見えた戦線も移動しており、後方部隊である兵站部隊にも危機が訪れていく。1巻の時もそうだが、絵柄の割にかなり厳しい死の描写なんかもあって、お気楽さとは一線を画すものがあるのが著者らしさ。
14'03'23 ウルトラマン妹 (著)小林雄次 <amazon>
 兄一人妹一人でつつましく暮らしている如月家。やや引きこもりがちな兄翔太と、そんな兄を引っ張る元気な妹あかり。そんな翔太が天文台に面接試験に行ったところ、飛来した怪獣に襲われてしまう。そしてその怪獣を追うようにして現れた赤い光に包まれた二人は…
 近年のウルトラシリーズの脚本家が書いた円谷公認ライトノベルというので、ちょっと楽しみにしてた作品だったのだが、まさかここまで頭の悪い話を読ませられると思わなかった。ラノベと言うにしてもあまりな出来で、はっきり言って読むのがかなり苦痛なレベル。シリーズものっぽく作られているけど、流石にこの出来で続編は出てこないと思うし、多分もう読まない。そんなレベルの作品。
14'03'19 ヒーローカンパニー1
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 近未来。多発する犯罪に対し、治安を守るヒーローを派遣しつつ、利益を上げ続けているヒーローカンパニーという企業があった。正義大好きで、父親のいたヒーローカンパニーで働くことを夢見るアマノ・ギンガはその入社試験に出向く。だが、その道中はギンガが思っていたより遥かに過酷なものだった…

 元々から“ヒーローとは?”という事にこだわり続けた著者だからこそ描ける、新しいヒーロー像がここに登場。私自身が昔から考えていたヒーロー論とかなりかぶるところがあって、実に読み応えある。尤も、この巻は本当に入社試験しか描いてない訳だが。
14'03'14 紅の暴風姫 アクセル・ワールド2
川原礫(検索) <amazon> <楽天>
 バーストリンカーの中で唯一の飛行アビリティ持ちとなり、黒雪姫先輩(ブラック・ロータス)のネガ・ネビュラスの要となったハルユキのシルバークロウ。飛行アビリティの力により、連戦連勝だったのも束の間。その対策が取られるようになると、徐々に勝利が遠のいていった。もっと強くなれる方法を考えるハルユキの家に、いとこを名乗る少女が押しかけてきた…
 一巻の黒の王ブラック・ロータスに続き、赤の王スカーレット・レイン登場の話。戦力としてのシルバークロウの引っ張り合いの話になっていて、なんというかベタなハーレム系ノベル的な要素が強くなってしまった。大体冴えない情けない男が女性陣に引っ張りだこになるという展開は、あまりにベタすぎて。でもメインの話自体は活劇というところでぶれてないのは評価できる。
14'03'06 月光条例26
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 月の者シンゼツとガンドウの二人と戦い続ける月光に心強い助太刀鉢かづきが現れた。それによって戦いは優位に立てたものの、それによっておとぎ話キャラが北極にいることが月の者達にばれてしまう。北極で身動きの取れないおとぎ話キャラ達に絶体絶命の危機が訪れるのだが…
 この巻は全編激しいアクションと、どんでん返しに彩られ、実に読み応えのある話になってる。特に最後、はだかの王様の機転によっておとぎ話キャラ達が復活していくシーンは燃える。これあってこそ著者作品だな。
<A> <楽>
14'03'02 イケニエのマチ カルテット2 (著)大沢在昌 <amazon>
 クチナワからタケル、カスミ、ホウの三人に新しい指令が下った。川崎にある中国人街ミドリに潜入し、そこで行われている女児殺しの犯人を挙げよと言うものだった。中国人三世のホウによってすんなり街に入り込むことはできたものの、街の二大勢力「無限」と保安隊の駆け引きの道具に使われ、身動きが取れなくなってしまった。この街の秘密とは?そして本当の犯人とは?
 トリオが結成され、ここで初めてのチームとしての話となった。一作目と較べても更に設定はおかしくなって、物語も行き当たりばったりと言った感じになった。とは言え、さすがの筆力。すいすい読ませてくれる。
14'02'25 はじめの一歩106
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 静かな内に始まった一歩対ゴンザレス戦。世界第2位の貫禄を見せるゴンザレスに対し、猪突猛進しか出来ない一歩はなんとか食い下がるが…

 なんというか、とにかく物語が動かない。この巻を読まなくても良いくらいの静かな展開になった。一歩戦は緊張感だけで保たせるのは難しいんだよな。それを無理矢理緊張感演出しようとしてるから、無理が生じてる感じかな。
<A> <楽>
14'02'20 渋谷デッドエンド カルテット1 (著)大沢在昌 <amazon>
 8年前、何者かによって家族を惨殺され、以来社会のゴミを叩きのめすことだけを己の目標とする少年タケル。そんな彼が過去に殴り倒した男達の属す組織から命を狙われ、それを助けた警察のはみ出しものクチナワから巨大な麻薬組織の壊滅を命じられる。胡散臭いが利害の一致を見たタケルは組織の主催するダンスパーティへと単身潜入する。ほとんど助けがなく、仲間がどこにいるのかも分からないまま…
 アンダーグラウンドを舞台に活躍する、一種の現代版仕事人を描く作品。ノリで書き殴ったような物語ではあるが、その分とても軽快で、気持ちがスカッとするような作品に仕上がってはいる。
14'02'15 大砲とスタンプ1 (著)速水螺旋人 <amazon>
 戦争中の大公国と共和国。大公国軍人で兵站部所属の新米士官マルチナは前線のアゲゾコ市に赴任した。士気がだだ下がりの軍にあって、特に目の敵にされがちの兵站部の中、一人努力奮闘するマルチナだが…
 架空のロシアっぽい土地で戦う軍のお話しだが、舞台が兵站部というのがユニークなところ。絵は可愛い感じなのだが、内容はコミカルな中にシビアな内容も含まれている。戦争だけに人も死ぬし、時に味方同士の殺し合いもあり。この辺が著者の魅力と言えようか。
14'02'09 魔法博士 少年探偵14
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 少年探偵団の団員井上とノロは不思議な老人を見かけ、それを尾行するのだが、逆に囚われの身となってしまう。そんな二人が突然探偵団へと戻り、小林団長に助力を願うのだが…
 少年版「パノラマ島奇譚」と言った風情の作品。内容は相当マイルドになってるが、著者の夢のギミック満載で、いかにも乱歩らしい仕上がりとなっている。
14'02'05 県立地球防衛軍1 (著)安永航一郎 <amazon>
 某地方県庁都市で、県知事に県制服を宣言する悪の組織“電柱組”。それに対抗する県は、今津留高校の野球部を急遽“県立地球防衛軍”に仕立て、電柱組に当てる。なし崩しにその構成員にされてしまった森田弘章、武井助久保、そしてマネージャーの伊福部明子は渋々電柱組と戦う事になるが…
 なんと約30年を経て、奇跡の復活となった作品。当時の単行本収録を全て収め、更に書き下ろしを収録。しかし、今になって読んでみると、どんだけ特撮ネタが詰まってるのか。今になってやっと分かったネタが多々。いやあ奥が深い。
 ちなみに帯にはでっかい字で「タッチ」と書いてあるあたり、やっぱりネタに走ってるなあ。
14'02'01 小説 仮面ライダー龍騎 (著)井上敏樹 <amazon>
 謎の世界ミラーワールドで、一人になるまで戦い続ける宿命を負った者たち。仮面ライダーと呼ばれる彼らはそれぞれ強烈な願いを持ちつつ戦いに参加していた。そんな中、偶然からライダーバトルに参加することになってしまったお節介焼きな青年城戸真司は、こんな戦いを止めさせようとミラーワールドの中で必死に彼らを説得しようとする。その一方、真司はこんな世界が何故作られたのかを、同じライダーである秋山蓮を巻き込んで探し始める。
 TV版とは設定やキャラに少々違いがあり、新しい形での龍騎といったところ。非常にスマートにまとまっているけど、心にもあまり残らない。まあまあってところかな?
14'01'30 ハサミ男 (著)殊能将之 <amazon>
 女子高生ばかりを殺害し、その喉にハサミを突き立てる連続猟奇殺人事件が起こり、マスコミはその犯人を“ハサミ男”と名付けていた。その当の犯人は、3人目の犠牲者を物色しており、樽宮由起という女子高生にターゲットを絞っていたのだが、なんとその結構当日にハサミ男の模倣犯によって由起は殺害されてしまった。3件の連続殺人事件として警視庁はプロファイラーの堀之内を招いて特別捜査班を編制する。一方、本物のハサミ男“わたし”も又、この事件の犯人を追っていた。
 一人称と三人称が交錯する面白い構成の作品で、探偵ものの推理小説の形を取っているが、その肝心の犯人が殺人鬼というのがユニークなのと、最後に置かれている幾重にも張り巡らせているどんでん返しが実に面白い。いろんな意味で感心出来る著者が亡くなったのが悔やまれるな。
14'01'23 銀の匙8 (著)荒川弘 <amazon>
 牧場が倒産し、学校を離れることになった駒場。無力感に苛まれながら、それでも駒場の家庭の事情を知っている御影のことが放っておけず、積極的に関わろうとする八軒。御影のために何が出来るのか…
 これまでの話の中では最もリアルに重い。離農という重い話で、そんな渦中にわざわざ自分から飛び込もうとする八軒の姿が描かれる。大人の事情に首を突っ込むとか、ちょっと普通では考えられないような部分もあるが、むしろそんなお節介焼きだからこそ、物語が成立するとも言える。
14'01'17 黄金豹 少年探偵13
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 都内各所に物言う豹が現れた。しかも大胆にもその豹は貴重な豹を持つ園田家に予告状を送ってくるのだった。少年探偵の小林はそれを阻止せんと園田家に張り込みを開始するのだが…
 いつも通りの安定した物語。ただ、豹の正体は…というところで、「あ、なるほど」と思わせてくれるギミックがあるので、謎解きとしても楽しめる。
14'01'15 小説 仮面ライダーアギト (著)岡村直宏 <amazon>
 ある日を境に突然異形の者に変わってしまった二人の青年。記憶を失い、自分が何者であるかも分からないまま、現状を楽しんで生きている津上翔一と、触れ合った者全てを傷付け、拒絶される芦原涼。そんな折、超能力を持つと思われる者だけを襲う怪物が出現していた。アンノウンと呼ばれる彼らを狩るために警視庁は特別班を組織。特殊装甲服の装着者となった氷川誠。三人はそれぞれの理由から目の前に現れるアンノウンを狩っていくのだが、彼らは一様に一人の少女、風谷真魚に惹かれるようになっていく。
 本作はテレビ版を再構築した作品だが、テレビ版にあった深い設定部分をごっそり抜かし、割と単純なものに仕上げている。それにしても凉の扱いはテレビ版以上に悲惨。
14'01'12 アオイホノオ11
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 自分を取り戻し、漫画に打ち込むホノオ。だがその頃、日本のアニメ界を揺るがす一大プロジェクトが着々と進行していた。そしてついに現れた、素人のみで作られたDAICON IIIのオープニングアニメーションが公開される。

 前巻はホノオの痛々しいプライドが描かれていたのだが、ここで一転。DAICON IIIというイベント用アニメーションにまつわる話が展開していく。
 ここでは完全に庵野秀明と岡田斗司夫の異常性がメインとなっていて、あの当時から大きな事ばかりを言い続けてる岡田と、好きなことは浸食さえ忘れて没頭する庵野が良い対比になってる。それにしても大ゴマで「○×○マーク」とか言わせるのはなあ…事実なんだろうけど。
 思い出話になるが、「DAICON III」及び「IV」のオープニングアニメーションはビデオになっていて、友人がそれを購入したので、見せてもらった記憶がある。あの当時でなんと15kを超える値段だったはず。今や動画検索すればすぐに観られてしまうのは、時代が良くなったのか、それとも手軽になっただけなのか…
14'01'10 黒雪姫の帰還 アクセル・ワールド1
川原礫(検索) <amazon> <楽天>
 梅郷中学一年の有田春雪は典型的ないじめられっ子で、そんな彼が唯一くつろげる場所はネットの中だけだった。そんなハルユキの前に、学校の生徒会長であり、全校生徒の憧れの的、黒雪姫が声をかける。てっきりからかわれたとばかり思うハルユキに、先輩はとんでもない秘密を打ち明ける。それがハルユキの日常全てを変えてしまうことに…
 卑屈で内弁慶のオタクの日常ががらりと変わり、ネット世界のヒーローになっていくという、一体いつの時代に描かれた話だ?という設定の物語なのだが、著者の書き方が巧く、かなり面白く読ませてもらった。むしろこんな単純で燃える物語を自分自身が求めていたのかも知れないな。
14'01'08 げんしけん15 二代目の六 (著)木尾士目 <amazon>
 斑目に対する思いで感情が不安定になってしまい、女装を止める決心を付けた波戸。そんな波戸を見守る現視研の面々。一方、咲に振られてすっきりした斑目は会社も辞めて現視研に入り浸っていた。色々と問題をはらみながら、コミフェス当日がやってくる…
 前巻ラストで斑目にモテ期がやってきたような事が描かれていたが、まさかそれがこんな形になってしまうとは。一方当の斑目は全く耐性がないので、その状況に対応出来ず、右往左往。他の面々も波戸や斑目を巡っての憶測や自分の思いなどもあって、群像劇として結構ちゃんと出来ている。
 第一部はあくまでノーマルな恋愛を主題にしていたが、第二部になってファンタジー性が増したというか、何でこうなるのか?と言うところも多々あるけど、それがこの作品の面白さでもある。
14'01'05 海底の魔術師 少年探偵12
江戸川乱歩(検索) <amazon> <楽天>
 少年探偵団の一員宮田賢吉少年は、偶然取っ組み合う二人の男を目撃する。その一人から鉄の小箱を手渡され、訳も分からぬままその小箱を家に持ち帰る。だがそれには大きな秘密が隠されていた…
 今回もオチは二十面相が後ろで糸を引いていたというものだったが、冒頭部分で人が一人死んでいるのがいつもとは違っているところ。最後は著者の好きな宝探しが展開していくが、そのパターンはいつも同じなのがちょっと残念なところ。