読書日誌
2024’1〜3月

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23'03'19 パタリロ!43
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 パタリロを訪ねてきた若き発明家が過去の日本に行きたいというので、気まぐれを起こしたパタリロが江戸時代の日本へとタイムワープを使ってやってきたのだが、トラブルを起こして人を一人殺してしまった。

 今巻もパタリロの発明品を巡ってのやりとりがメイン。今回の発明品は、タイムスリップ装置(パタリロ以外の人物もタイムワープ出来る装置)、100万回に1回の確立を引き当てる装置、悪魔を呼び出す装置、フェロモンを発するコンタクトレンズ。あとはタマネギ部隊の一人の弟を助けるための行動。作った本人であるパタリロ自身が酷い目に遭うことが多いことと、結構死人が出ると言うことで、ちょっとだけ雰囲気は異なるかな。
<A> <楽>
23'03'16 みどりの星へ
フレドリック・ブラウン (検索) <amazon> <楽天>
 不時着した調査船の調査に向かったマックガリー。しかし自身の宇宙船が壊れてしまい、それからこの星で何十年も彷徨い続けてきた。その肩には相棒となる五本脚の現住生物があり、それに語りかけながら緑なす故郷地球を夢見続けるのだが…

 著者らしいナンセンスSFと言った感じで、オチも含めて「世にも奇妙な物語」の一編として映像化されても不思議ではない。いや、ひょっとして既に映像化されてたりして?
<A> <楽>
23'03'12 令和のダラさん1
ともつか治臣 (検索) <amazon> <楽天>
 とある片田舎の山には、限られた巫女以外入ってはいけない忌み地があった。巫女の血を受け継ぐ三十木谷日向と薫の姉弟が教えを無視して山に入ってしまったところ、そこに封じられている蛇身を持つ悪霊のような存在屋跨斑(やまたぎまだら)と出会ってしまう。だが全く彼女に恐れることの無い姉弟は、彼女にダラさんという愛称を付け、友だちづきあいを始める。

 悪霊と友だちになってしまった人間を描くという一風変わった物語。その悪霊というのが昔は人間で、いたって人が良いために、お互いを受け入れ合って、それなりに楽しく過ごしているのが面白い。どっちかというとダラさん以上に村の住民の方が個性強めというのも面白い。一方で、何故ダラさんが悪霊にされてしまったのかの過去話がかなり重めで、バランスが面白い。
<A> <楽>
23'03'08 真田幸村
菊池寛 (検索) <amazon> <楽天>
 戦国武将で大坂夏の陣で豊臣家と共に散っていった真田幸村。彼が戦国の歴史の中でどのような役割を果たし、何を考えていたのか。謎に包まれた人物を歴史の中で検証する。

 知っているようで知らない真田幸村という人物を改めて読んでみると、やはりこの人物は本当に謎が多いこと側分かる。父と兄ははっきりしているのに、弟である本人だけ、大坂の陣以外では不明なことがほとんどで、それだけに想像を膨らませる意味があると言うことらしい。
<A> <楽>
23'03'05 アオイホノオ25
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 上京して初の週刊誌連載の開始を待つこととなったホノオ。経験不足を補うため、先輩漫画化である石渡治のアシスタントにはいる事になったのだが、事態はホノオの想像を超えたところで加速していた。

 もはや完全に漫画家昔話になっているが、方向性が変わっても面白いので良し。今巻に関しては主人公のホノオよりも担当の方が苦労話ばかりで、本当に大変だろうと思うばかり。
 初登場となる石渡治は、まさにこの当時「火の玉ボーイ」でブレイクしていた時代。その裏話にはちょっと興奮する。
<A> <楽>
23'02'29 最後にして最初の人類
オラフ・ステープルドン (検索) <amazon> <楽天>
 著者の頭に直接語りかける声。それは20億年後の人類からのメッセージだった。過去の人類の精神にアクセスを繰り返し、やっと第一期の人類にたどり着いたというその声が語るのは、滅亡と再生を繰り返し、実に第一八期にも渡る人類の歴史だった。

 先日映画の方を観て原作を探してみた。1930年に刊行されたSF小説で、物語性を排し仮想歴史だけで描かれた壮大な作品となっている。どんなに文明が滅びても、遺伝子がつながっている限り精神がつながるという設定は面白く、まさしくセンス・オブ・ワンダーにあふれた作品だった。
<A> <楽>
23'02'25 パタリロ!42
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 前にも増して食欲が増して常に食べ続けるパタリロは、タマネギ部隊の小言を抑えるため、食欲増進機械を作ってタマネギ部隊をどんどん太らせることに。

 今巻は基本的にパタリロの発明品が迷惑を掛けるという話で、いつものようにタマネギ部隊と、時折登場するヒューイットが相変わらず酷い目に遭う。あとは珍しくタマネギ部隊に入りたいという少年が登場するのだが、やっぱり酷い目に遭う。そればっかか。
<A> <楽>
23'02'22 転生したらスライムだった件12
伏瀬 (検索) <amazon> <楽天>
 ユウキが東の帝国へと逃亡し、そこで将軍になっていることが分かった。これによって帝国が西部連合に攻め込んでくるのはほぼ確実となり、矢面に立つテンペストはそのための用意が必要になった。先行してテンペストの様子を見に来た転生者達は、偵察よりも腕試しで迷宮に挑むが…

 ルミナスの話が一段落し、今度は東の帝国とやり合う話へと移行する。今回はその前哨戦のような話で、帝国の転生者達がやってくる話。しかしあっけなく懐柔されてしまうあたりが面白い。しかもその理由が「飯が美味いから」というのも本作らしさだ。
<A> <楽>
23'02'17 新仮面ライダーSpirits24
村枝賢一 (検索) <amazon> <楽天>
 暗黒空間で戦う村雨のゼクロスだが、仲間であるはずのアマテラスが変質していく。一方地上では大総統率いるデルザー軍団をバダンの残党が襲っていた。そんな中で動けない仮面ライダー達。

 話は複雑化しているが、とにかく話が全くすっきりせず、中途半端に展開するので、大変間延びしてしまっている。もはや物語の大意は掴めず、そこに描かれる戦いを眺めているしかできない状態になってる。
<A> <楽>
24'02'14 生きている腸
海野十三 (検索) <amazon> <楽天>
 親の遺産で不自由なく暮らす医学生の吹矢隆二は、人間の腸の素晴らしさに気づき、自ら調合した薬品を用いて、死体から取り出した腸を生かし続けることが出来るようになった。医局の人間を買収し、死んだばかりの死体から腸を切り出し、それを保管していくのだが、生きている腸は徐々に感情のようなものを持ち始め…

 話としてはホラーに近いものがあるが、妙にコミカルな描写をしてるため、なんとも不思議な作品に仕上がっている。読んでいて気持ち悪くなるので読むのはお薦めしないが。
<A> <楽>
24'02'09 亜人ちゃんは語りたい8
ペトス (検索) <amazon> <楽天>
 高橋は改めて町に対して自分の思いを伝え、振られてしまった町は気持ちを切り替え新しい道へと歩み出そうとしていた。そんな町に対して仲間達は応援のために集まってくる。一方高橋は、佐藤先生と少しだけ進み出そうとしていた。

 少しだけ話は展開中。前巻末で世界の危機が訪れるみたいなことが起こっていたが、あっという間に元通り。あっけないオチだったが、これは、認識によって世界が変化する際、世界は元に戻ろうとするという、著者なりのホメオスタシスの解釈なのだろう。
 いずれにせよ、話はだいぶ進んでいる。そろそろ畳もうとしている感じ。
<A> <楽>
24'02'06 童貞
夢野久作 (検索) <amazon> <楽天>
 これまでの人生、ピアノ以外何もしてなかった昂作は、肺病にかかり死を待つばかりとなった。死ぬ前に童貞を捨てようと思い立ち、そんな彼の元に逃げてきた女性がおり、彼女の言うがまま警察に嘘をついて彼女を逃がしてやる。

 全編ただやるせないだけの物語。短編ながら、次々に新しい事態が始まってめまぐるしく展開していく。スピード感あふれるのだが、なんのオチもなく終わるという投げっぱなしの物語。逆にそれが面白い。
<A> <楽>
24'02'02 BEASTARS5
板垣巴留 (検索) <amazon> <楽天>
 隕石祭の夜、ハルが誘拐された。それを知ったレゴシとルイは双方独自に調査を開始し、彼女をさらったのはライオンだけで構成される暴力団組織シシ組であることを突き止める。このままではハルは食われてしまう。非常事態を前にレゴシは…

 これまでグジグジと悩むだけで一向に弾けないレゴシだったが、ここで完全に暴力に目覚める。暴力団相手に殴り込みとか、どこの不良漫画だ?という感じだが、チャンピオンコミックは結構そう言う展開多かった事を思い出した。
 レゴシとハルは完全にヒーローとヒロインの構図になってるが、それとは別にルイの物語もなかなか見せてくれる。
<A> <楽>
24'01'30 クトゥルフの呼び声
H・P・ラヴクラフト (検索) <amazon> <楽天>
 大伯父が遺した手記を紐解き、謎多き伯父の真相に迫ろうとした“私”だが、そこに恐るべきものを見つけてしまう。そこに書かれていたのは、この世の芯の支配者が人間では無かったという事実だった。

 昔全集で持っていて読んでいたが、改めて読んでみた。訳に違いがあるようで、少々違和感も感じるのだが、ホラー小説の名作の一つに数えられる理由はよく分かる。
<A> <楽>
24'01'26 魔法中年2
魔木 (検索) <amazon> <楽天>
灰刃ねむみ (検索) <amazon> <楽天>
 魔法少女のフォローで淡々と使い魔を退治していく魔法中年の田中。だがそんな田中が握る死の魔女の情報を巡り、彼を狙う魔法中年がいた。

 前巻が、あくまで淡々と任務をこなす魔法中年の姿を描いていたが、それだけでは間が持たなくなったか、話はだいぶきな臭い方向へと向かっている。しかし色々設定詰め込めそうな作品だな。
<A> <楽>
24'01'24 恐怖の橋
ラムジー・キャンベル (検索) <amazon> <楽天>
 イギリスの片田舎グロウチェスターシャーにある町には、町の規模にそぐわぬ立派な橋が架けられていた。ある科学者がこの町に越して、橋のことを詳しく調べ始めるのだが、町には異形のものが現れ始める。

 ゴシックホラーとクトゥルフものを合体させたような話で、地球には人類以前に異形の生物による高度な科学文明が存在したという設定は明らかにラヴクラフトの影響が見られる。
<A> <楽>
24'01'20 パタリロ!41
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 マリネラに帰ってきたパタリロは早速色々発明をし始める。その結果、タマネギ軍団は又しても迷惑ばかり被っていた。時に反撃に出たりもするが…

 今巻はいつもの通りマリネラの出来事に戻ってきた。マンネリながら全編発明にまつわる話になってるのが特徴かな。
<A> <楽>
24'01'17 スタンリー・ブルックの遺志
ラムジー・キャンベル (検索) <amazon> <楽天>
 資産家のスタンリー・ブルックが癌で死亡した。弁護士のボンドが預かった遺書を開いたところ、そこには親族の誰も知らない人物に遺産全てを遺すというものだった。そこでやってきた当人は、なんとスタンリーそっくりな顔をしていた。

 死者の復活をコメディのように書いてみたというもので、ラヴクラフトが昔書いたものの焼き直しっぽい感じ。笑えるという意味ではこっちの方が質は上かな?
<A> <楽>
24'01'13 新九郎、奔る5
ゆうきまさみ (検索) <amazon> <楽天>
 領地・荏原での生活にも慣れてきた伊勢新九郎だが、責任感と京の常識から統治をしようとしたことで地侍達の反発を招いてしまった。伯父である珠厳は、その意見を取り入れて新九郎を酒宴に招きそこで暗殺を企む。

 都会の坊ちゃんが田舎に来て反発を招くという、とても単純な構図ではあるが、本当に誰が敵で誰が味方なのか分からない。みんな自分と自分の領地を守るためだけに行動するため、状況の転換ですぐに敵に回ったり、打算で味方になったり。こんなものをよく漫画で描く気になったな。でもそれが面白い。今巻は新九郎だけでなく父盛定にも受難で、将軍から無官にされてしまい、更に混乱の中で刺客の影まで登場する。
<A> <楽>
24'01'09 呪われた石碑
ラムジー・キャンベル (検索) <amazon> <楽天>
 父親の死に実家に戻ってきた息子のマイケルは、そこで父親がオカルトの研究をしていたことを知る。遺品の中にあったノートには名もなき小島のことがいくつも書かれていたこともあって、興味を持ったマイケルはその島に行くことにした。

 好奇心は身を滅ぼすという話を素直に描いた作品。これも典型的なゴシックホラーではあるな。
<A> <楽>
24'01'07 織田シナモン信長2
目黒川うな (検索) <amazon> <楽天>
 何故か名だたる戦国武将が転生した犬たちが多数住む町で、柴犬に転生して「シナモン」と名付けられた織田信長が、この時代と戦国時代のギャップを感じながらも、他の犬たちと交流を深める話。

 相変わらずシュールな展開を見せる作品で、犬がもし転生前の武将の姿をしたら…信長や信玄達がふんどし一丁で四つん這いになって歩いてる光景はかなり凄まじい。作品そのものも意外にちゃんと歴史考証がされていたりして楽しめる。著者が歴史マニアなんだろうな。
<A> <楽>
24'01'03 魔女の帰還
ラムジー・キャンベル (検索) <amazon> <楽天>
 イギリスのブリチェスターの奥まった通りに、かつて魔女が住んでいたという噂の家があった。その噂を聞きつけたスランプ中の作家ノーマン・オーウェンがインスピレーションを得るためにその家を購入して移り住むのだが、その晩から悪夢と夢遊病に悩まされることになった。

 ゴシックホラーの教科書的作品。個性がなさ過ぎるのが個性と言うべきか。
<A> <楽>