読書日誌
2024’4〜6月

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24'06'28 おそるべき坊や
フレドリック・ブラウン (検索) <amazon> <楽天>
 オハイオ州の田舎に住むウェスターマン一家は息子のバービーを伴ってサーカスの奇術ショーへとやってきた。しかし実はそれはテントに集まった人間を生け贄とする悪魔召喚の儀式だったのだ…

 人知れず人知を超えた戦い展開するという話。実際本物の危機ってのはこう言う偶然で回避されたからこそ今の地球があると考えると奥の深い話でもある。ただし作りはナンセスコメディだが。
<A> <楽>
24'06'23 ばくうどの悪夢
澤村伊智 (検索) <amazon> <楽天>
 兵庫の片田舎にある東川町で凄惨な殺人事件が起きた。そんな町に敢えて引っ越してきた片桐一家。その息子である“僕”はこの町に居心地の悪さを感じながら、必死にこの町に馴染もうとしてきた。そんな“僕”はある日を境に悪夢を見るようになっていく。しかもそれは“僕”ばかりではなかったらしく…

 比嘉姉妹作品の長編で第一作である「ぼぎわんが、来る」と同様二部構成の作品になっている。前半のラストがとても意外な展開だったが、そこはタイトルにある「悪夢」に関わってくる。
<A> <楽>
24'06'19 うちの会社の小さい先輩の話8
斎創 (検索) <amazon> <楽天>
 いくつものトラブルなどもあったが、双方ようやく自分の気持ちに気づき、お互いに好き合っている事を自覚した篠崎拓馬と片瀬詩織里。二人とも夏祭りに告白を考えていた。だがいつもの如く夏祭りには知り合いばかりで…

 こうなるのは分かっていたのだが、ようやく告白に成功した。もどかしいまでの話なので、あっという間に読み終えてしまった。
<A> <楽>
24'06'17 白痴
坂口安吾 (検索) <amazon> <楽天>
 戦争の影響が強くなり、東京も空襲を受けるようになった中、映画演出家の伊沢は、自分が今作っている映画に虚しさしか感じられなくなってしまう。そんな時、爆撃に怯えた隣家の女房が伊沢の家に転がり込んできた。ほとんどものも言えぬ彼女を前に伊沢は命の危機から襲いかかってしまう。

 著者の思想が詰まった作品と言われるのだが、男の身勝手な本音というのをストレートに語る文体は今読むとかなりきつい。しかし、だからこそ文学として意味があるのだろう。ここまで本音を言える作家だからこそ今も評価されているのだろうな。
<A> <楽>
24'06'14 とんでもスキルで異世界放浪メシ1
江口連 (検索) <amazon> <楽天>
 異世界における勇者召喚の儀式に巻き込まれた普通のサラリーマン向田剛志。その能力は現実世界のネットスーパーからお取り寄せが出来るという「ネットスーパー」だった。戦士として全く使い物にならない能力に全く期待されず、向田はこの能力を生かしてこの世界で商売人として生きる事を決意する。しかしその矢先、伝説の魔獣フェンリルと遭遇してしまい、更に美味い飯を食わせたところ気に入られてしまい、契約を結ぶ事になってしまう。

 テレビアニメの方が結構楽しかったので原作を読んでみたが、文章はこなれてないし、物語も都合良すぎる。しかし一方でたいへん読みやすい上に楽しいのでつい読み進んでしまう。続けて読むのは決定。
<A> <楽>
24'06'12 パタリロ!44
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 ロンドンで銃撃戦の末バンコランが瀕死の重傷を負ったと聞かされたパタリロ。しかしその直後から不可解な現象が起こり、パタリロ限定で何度も事故が起こってしまう。霊感隊員の力を借りて理由を確かめたところ…

 バンコランが生き霊になってパタリロに祟るというところから始まって、霊界とつながりが出来てしまうと言う話がメインだが、無理矢理バンコランの事件に付き合わされたり、タマネギの新入隊員と精神が入れ替わるとかの話が展開。今巻はパタリロは基本的に被害者で不可解な事件に巻き込まれるのが多い。
<A> <楽>
24'06'08 まほうやしき
江戸川乱歩 (検索) <amazon> <楽天>
 少年探偵団の井上一郎少年の妹が突然姿を消した。相棒のノロちゃんと共に妹を探す一郎の前にチンドン屋が現れ、妹をあずかっていて、二人に面白いものを見せてあげようと言ってくる。妹を助けるためにあえてその誘いに乗る二人。

 少年用に作られた少年探偵団の物語。大人げない大人がトリックを使って子ども達をびっくりさせるという、著者お得意の作風。今となっては他愛ない物語だが、子ども心としては怖がったかと思う。
<A> <楽>
24'06'04 袈裟の良人
菊池寛 (検索) <amazon> <楽天>
 平安の時代。遠藤盛遠が懸想したのは同僚の武士渡辺渡の妻袈裟御前だった。彼女に何度も言い寄り、脅迫まがいのことまでしてようやく彼女から夫の渡を殺したらと言う言葉を聞くことができた。そこで渡を殺すべく寝所へと向かうのだが…

 「平家物語」の中の一エピソードで、映画『地獄門』の元ネタ。なんだかんだで文覚の名前は出てくるので、このエピソード読めて良かった。
<A> <楽>
24'05'31 月刊少女野崎くん12
椿いづみ (検索) <amazon> <楽天>
 瀬尾結月は自分がローレライである事を若松博隆に告げようとするのだが、歌う度に若松が寝てしまうため、それが上手くいかないまま。一方千代と野崎の間には全く進展がないままいつも通り漫画家とアシスタントの関係が続いていたが…

 基本的にはいつもと全く変わらず進展も無い。安定した面白さを誇る作品。でもこのマンネリこそが本作の醍醐味。新しいキャラもいるのだが、レギュラーのあくの強さで今ひとつ伸びない感じか。
<A> <楽>
24'05'30 現実主義勇者の王国再建記4
どぜう丸 (検索) <amazon> <楽天>
 アミドニア公国との和平が成立し、一息つくことが出来たエルフリーデン王国王ソーマ。これで国内統治に力を入れられると思った矢先、アミドニアの各地で同時多発的な蜂起が起こり、新王ユリウスは国外逃亡してしまった。これは誰かの策略だと見抜くソーマだったが、まさにその陰謀の当人が現れた。彼女は自らをユリウスの妹ロロアと名乗り、驚くべき提案をしてくるのだった。

 新しい王妃(第三王妃)が登場。彼女の陰謀でアミドニアとエルフリーデンは完全合併する。経済に明るい人物によって、これからはこの二人で国の運営をしていくことになりそうだ。
<A> <楽>
24'05'25 ホワイトタイガーとブラックタイガー
にとりささみ (検索) <amazon> <楽天>
 強くなりたいと願うホワイトタイガーのこどもはある日ブラックタイガーというエビの子と出会い、すぐに二人は仲良しになるのだが、何かというとすぐに致命傷を負ってしまうブラックタイガーにいつもやきもきしっぱなし。そんな二人を見守る医者のウサギや警察の犬も巻き込んで賑やかな毎日を送っている。

 SNSでよく見かけた四コマ漫画だが、単行本になってるとは知らなかった。基本的に話の大部分は全部同じなのだが、それを味と見るなら楽しくなる。でもまとめて読むより毎日一本読むくらいが丁度良いか。
<A> <楽>
24'05'21 ぶっそうなやつら
フレドリック・ブラウン (検索) <amazon> <楽天>
 駅で汽車を待つ二人の男。折しも凶暴犯が病院から抜け出したというラジオニュースが流れ、二人はお互いに相手が凶悪犯ではないかと思い始めていた。そして二人が取った行動は…

 疑心暗鬼が昂じて、お互いに相手にばれないように武装しようとするナンセンスコメディで、著者の得意分野。こう言う作品は映画とかでも演出の一つに使われるが、本作の描写はドリフのコメディを彷彿とさせる。
<A> <楽>
24'05'19 転生したらスライムだった件13
伏瀬 (検索) <amazon> <楽天>
 東部帝国軍は西方連合に対して一方的に侵略を宣言し、圧倒的物量で攻め込んできた。その矢面に立ったテンペストでリムルはダンジョンを迎撃モードに変えて万全の用意をしていた。そして帝国とテンペストの戦端が開く。

 大規模戦争の話となると思ったら、ほぼ一方的な鏖殺で終わるという、あまりにあっけない話だった。新しく仲間に入った悪魔三人娘が凶悪すぎて、完全に一方的な虐殺と、それにこぼれた人間を他のキャラが潰していくような形。そしてダンジョンの内部での強力な敵を上回る味方ボス達。読んでいてスカッとするのは確か。
<A> <楽>
24'05'15 推し殺す1
タカノンノ (検索) <amazon> <楽天>
 高校時代に漫画家としてデビューし、天才と言われた大森卓。しかしネットの酷評に耐えられず全く漫画が描けなくなってしまい、そのまま本名の小松悠として大学に進学した。だが入学式当日、なんと大森卓の大ファンという同級生三秋縁と合ってしまった。しかも彼女は自分をこんなに夢中にさせた大森卓を殺すと宣言する。何故かそんな彼女に引きずられて漫研に入る事になってしまった悠だが…

 著者の独特な雰囲気が大好きで読み進めているのだが、続巻ではなく全く新しい作品が出てきた。これもまたかなり痛々しい青春賛歌なのだが、かなり特殊な雰囲気あり。ジェットコースターのように無理矢理どこかに連れて行かれる主人公の混乱と、異常な漫画バカの女性のパワフルさに引きずられていく感じ。推薦文には島本和彦が一文書いてるが、それもなんとなく納得。
<A> <楽>
24'05'11 温泉
梶井基次郎 (検索) <amazon> <楽天>
 著者が逗留中の温泉宿の様子を皮肉たっぷりに描いた作品。

 実際に逗留中の日記に近い私小説だが、何もかも皮肉に見てる著者らしさをよく表してる。
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24'05'10 33歳女騎士隊長。3
天原 (検索) <amazon> <楽天>
 攻めてきたソクオチ王国を逆に併合してしまったクロノワーク国だが、戦後処理は繁雑を極め、ますます忙しさが増していった。そんな中、人質のような立場にあるソクオチ王子オサナは、なんとかソクオチの復権を目指していた。一方、親衛隊長である女騎士メイルは、オサナと共に行動しながら、相変わらずのマイペースだった。

 やっと三巻が出た。基本的にはコメディ作品なのだが、結構人間とはそんなものという哲学的命題にも関わっていくのが面白い。戦争に勝てばそれで終わりではなく、併合した国の責任も一手に引き受けねばならないという問題が出てきて、今以上に忙しさが増す中での様々な陰謀などをはらみつつ、時代は進行していく。今回主人公であるメイルは全然活躍出来ていないが、姓がキガであることが分かった。姉がフレールで妹がシレーヌ…
<A> <楽>
24'05'06 ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン7 フォース・スクワッド・ジャム 中
時雨沢恵一 (検索) <amazon> <楽天>
 第4回スクワッド・ジャムで、強敵を倒すために連合が形作られていく中、単独で戦いを継続するレンたちのLPFMだが、レンにとってはライバルであるSHINCが連合に入った事を知ってしまう。単独チームにとって圧倒的不利な状況の中でレン達が生き延びる道は…

 前編が良い感じで終わったので、テンポ良く後編に入るかと思ったら中編が入っていて、決着は次巻に持ち越し。特に今巻では減ったチームがないため、あんまり動きもなし。概ね説明回だが、本来的に言えば、このゲームは連合を組むのが普通だろうから、最もリアルかも知れない。
<A> <楽>
24'05'03 世界の終わりに柴犬と1
石原雄 (検索) <amazon> <楽天>
 世界が滅び去り、たった一人生き残った女子高生が、愛犬のハルとあてどない旅を続ける。その途上で出会う他の犬たちや不思議な生物。彼らとの交流を通して犬と人間との関係を考え直す作品。

 何故世界が滅びているのか、何故主人公が犬としゃべれるのか、何故宇宙人や異性物が蔓延している中、主人公達は何の危険もなく旅をしているのかとか、そもそも主人公の名前は何なのかとかいろいろツッコミどころはあるものの、著者の柴犬愛に溢れた(あるいは小馬鹿にした)描写がとにかく心地良いので、あるがまま読んでいくのが良い作品。
<A> <楽>
24'04'28 武蔵野
国木田独歩 (検索) <amazon> <楽天>
 著者が住んでいる武蔵野がどんな町なのか、著者の目を通して語る、一種の紀行文。

 今で言うブログ記事みたいなものだが、これが文学の新しい形としてもてはやされたのは想像に難くない。歩いて小一時間の範囲の中の紀行文って、結構面白い。
<A> <楽>
24'04'24 へうげもの6
山田芳裕 (検索) <amazon> <楽天>
 いよいよ秀吉による天下統一が成り、朝鮮出兵への準備が着々と進んでいた。その中、最愛の弟子を殺された千利休は秀吉殺害に動き出す。そんな中、ついに自分の目指す詫びが見え始める織部。

 今回も盛りだくさん。ようやく主人公織部にも目指すものが言語化され、その方向に向かって邁進するべき時が来ている。一方、千利休は、織田信長の殺害を自分がそそのかしたことを明かした上で、今度は秀吉を殺す事を心に決めている。更に伊達が時代を引っかき回し始めている。なんかこれまで取りこぼしてきた歴史を再編集してる感じだ。
<A> <楽>
24'04'20 刺青
谷崎潤一郎 (検索) <amazon> <楽天>
 江戸時代。理想の肌を求める刺青彫り師清吉は、ある日ついに刺青の最も映える理想的な肌を持つ女性を見つける。どうしてもその肌に彫り物をしたいと熱望する清吉は彼女を騙して麻酔で眠らせた上、背中に女郎蜘蛛の刺青を施す。

 著者のフェティシズムが詰まった作品で、思いっきり変態性の高い話になってた。なんでも著者にとっては本作が最初の性癖解放作品となったのだとか。
<A> <楽>
24'04'18 デキる猫は今日も憂鬱9
山田ヒツジ (検索) <amazon> <楽天>
 会社の同僚尾代が猫カフェに行きたいと言い始め、それに付き合う形で初めての猫カフェに入った幸来。しかしすっかり猫カフェにはまってしまった尾代に引いてしまい、更に諭吉の嫉妬で大変な目に遭ってしまう。

 猫好きあるある話で、すっかり猫にはまってしまう人を脇から見てると、とても引いてしまう。まあペット飼ってるとどこか狂気じみてくるのは自覚もあるし、それで周囲の人がどう見てるかと思うとちょっと反省するところも。ちと心が傷ついた。
<A> <楽>
24'04'14 三体III 死神永生 上
劉慈欣 (検索) <amazon> <楽天>
 羅輯による地球と三体人との間の緊張関係が構築されるまでの時代。三体人に対してメッセンジャーを送るという計画が行われた。難病で死を待つばかりの雲天明という男性の脳だけを宇宙船に乗せて発射させた。それから時が経ち、雲天明を送り出した科学者程心はコールドスリープから目覚め、羅輯の後継者として三体人に対する脅迫役を担うことになる。

 二巻ラストから数十年後の話となるが、展開が意外すぎてかなり戸惑う。三体との緊張関係の中で生まれた文明の進化と、それが一瞬にして失われる恐怖。更に偶然が重なった結果、地球と三体がともに滅ぶことが定められるまで。怒濤の展開が待っている。しかしその“偶然”というのがちょっといい加減すぎないか?というところがひっかかる。
<A> <楽>
24'04'10 私の信条
牧野富太郎 (検索) <amazon> <楽天>
 80を越え、もう大好きな植物採集も引退した著者が、自らの生を振り返り、自分なりの信条を綴った作品。

 日本植物学の父とも言われる著者が、自らの信じることについて書いたものだが、80を越えてなお植物について情熱を燃やす言葉に驚かされる。本物の天才というのはこう言う人物のことを言うのだろう。
<A> <楽>
24'04'06 俺物語!!11
河原和音 (検索) <amazon> <楽天>
アルコ (検索) <amazon> <楽天>
 修学旅行で北海道へと来た猛男達。丁度大和も同じく修学旅行で北海道に来ており、半ばこっそり半ば公然に学校を離れてデートを楽しむ二人。開放的になった大和に近寄られてドキドキが止まらない猛男だが…

 今回はほぼ危機もなく、二人のラブラブで、もどかしい話がずっと続く。話はだいぶ進んでいるはずなのに初々しいままってのが良いところだな。でも代わり映えしない話っぽくもあり。
<A> <楽>
24'04'04 残された人びと
アレグザンダー・ケイ (検索) <amazon> <楽天>
 磁力兵器を用いた最終戦争から数年。人類の大半が消えた世界で、仲間からはぐれて孤島で暮らす少年コナン。ようやく助けが来たと思ったところ、奴隷としてインダストリアという島に連れて行かれてしまう。一方、コナンの幼なじみの少女ラナは避難していたハイハーバーで、身勝手な仲間たちや、インダストリアからやってきた使者との折衝で苦労していた。

 「未来少年コナン」の原作で、出てくるキャラもかぶっているが、内容はだいぶ異なるし、終わり方も中途半端。これをよくあんなバランスの良いアニメにしたもんだと逆に感心した。
<A> <楽>