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特撮事典

ジュラシック・パーク

ロスト・ワールド ジュラシック・パーク


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1997年
スティーヴン・スピルバーグ(監)
 ジュラシック・パークでの悲劇から4年。インジェン社会長ハモンド(アッテンボロー)に呼び出された、前回の事件での生存者イアン(ゴールドブラム)は、もう一つの恐竜生息地があることを明かされ、そこでは人知れず恐竜たちが生き延びて繁殖しているという。その調査を依頼されたイアンだが、実はそこには恋人のサラがいるという事実を突きつけられ、嫌々ながら再び恐竜の生息地へと向かう…
 トム・クライトン原作をスピルバーグが作り上げた
『ジュラシック・パーク』の正統的な続編。一作目は色々言われているものの、映画の作りを根本から変えてしまうほどの大作だったので、それに敵うほどのものは作れないだろう。それに実は先に原作の方を読んでおり、これは「ジュラシック・パーク」ほどのカタルシスも得られないだろう。ということでスルーしており、確かテレビでやったから。と言うだけで観たわけだが…
 強いて言えば、これは『ジュラシック・パーク』の正統的な続編として無難にまとめたか?と言った感じ。
 それじゃ正統的な続編って何だ?と言う話になるのだが、
だいたいより派手に、人間的な物語性は低くとパターンは決まっている。ましてや本作は人間ドラマを観る作品じゃない。恐竜が暴れまくっていればそれで満足できる作品なのだから、そう割り切りさえすればこれで十分な作品だろう。
 限定された空間から飛び出て、町中で恐竜が存分に暴れ回る。これだけでも相当なカタルシスは得られる。怪獣であれ恐竜であれ、その存在には対象物が必要であり、それが見慣れているものであれば、更に楽しさは増す。恐竜が町中で暴れる。主題を偉大なる先達に倣って『ロスト・ワールド』としたのは伊達じゃないってことか。
 ただ、問題があった。
 やっぱり街中だと、恐竜の巨大感が今一つ。実際街に出てしまった途端に個性が無くなってしまった。今までにあった巨大トラックやエイリアンなどで、その描写自体が見慣れたものになってしまい、見栄えこそすれ、恐竜ならではと言う個性が急激に薄れる。結局最後はチェイスシーンだけで終わってしまい、終わり方も「ジョーズ」」を踏襲しただけのもの。恐竜の描写が悪くないだけに、ありきたりな出来になったのがかなり残念。
 なまじ『ジュラシック・パーク』が凄い描写だっただけに、それ自体を駄目にしてしまった感じがある。小説版は結構読める作りだったのに、映像化すると陳腐化するものだな。派手なだけで、映像に色気が無さすぎた。『ジュラシック・パーク』ではティラノサウルスよりもヴェロキラプトルの方が怖い。と言う面白い発想に持っていったのに、ここでは単にでっかいティラノサウルスが暴れて終わりなのも、ひねりがなさ過ぎ。
 丁度同時期に
『GODZILLA』があったのもマイナス点だった。あれは「ゴジラ」のリメイクとしては最低の部類だったけど、ぶっ飛び方は本作の上行ってたので、あれの後で本作観てしまうと、更にこぢんまりした印象を与える。
 単に派手なだけじゃなく、これならでは。と言う映像を見せてほしかった。特に曲がりなりにも作ってるのがスピルバーグなんだから、それくらいは。
 なんでこんな安易な続編に走った?金のためか?

 

イアン
【いあん】
 イアン・マルコム。物理学者で、前回のジュラシック・パークでの経験を活かされ、サイトB探索に行かされる。 甘崎
イスナ・ソルナ島
【いすな-そるな-とう】
 サイトBと呼ばれる恐竜生息地。 甘崎
インジェン社
【いんじぇん-しゃ】
 ジュラシック・パークを作り上げたコングロマリット企業。パークの失敗によって経済的な危機に陥っている。 甘崎
ヴェロキラプトル
【う゛ぇろきらぷとる】
 中型の肉食恐竜。恐ろしくすばしっこく、群れをなして獲物に襲いかかる極めて危険な恐竜。 甘崎
エディ
【えでぃ】
 サバイバルの専門家。イアンの調査に同行する。 甘崎
ケリー
【けりー】
 イアンの娘。休暇中のイアンにくっついてきてしまった。 甘崎
コンプソグナトス
【こんぷそぐなとす】
 小型の恐竜だが、極めてどう猛な肉食恐竜。 甘崎
サイトA
【さいと-えい】
 前作ジュラシック・パークの置かれていた島のコードネーム。 甘崎
サイトB
【さいと-びー】
 イスナ・ソルナ島に設置された恐竜研究施設のコードネーム。 甘崎
サラ
【さら】
 イアンの恋人で古生物学者。サイトBの調査に向かったまま行方不明となる。 甘崎
ティラノサウルス
【てぃらのさうるす】
 サイトBで生き残っていた巨大恐竜。子供も何頭か確認される。 甘崎
テンボ
【てんぼ】
 ハンター。インジェン社に雇われ、恐竜を捕獲する作戦の指揮を執る。 甘崎
ニック
【にっく】
 ビデオドキュメンタリー作家。イアンの調査に同行する。 甘崎
ハモンド
【はもんど】
 インジェン社会長。私財をなげうってジュラシック・パークの建設に取り組んでいた。 甘崎
ルドロー
【るどろー】
 ハモンドの甥でインジェン社社長。会社の再生のためジュラシック・パークを再び作り上げようとする。 甘崎
名称
【】
  甘崎

ジュラシック・パークIII


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2002年
ジョー・ジョンストン(監)

 

アマンダ
【あまんだ】
 アマンダ・カービー。ポールの妻。ポールと共にアランに調査を依頼する。 甘崎
アラン
【あらん】
 アラン・グラント。古生物学者。かつてジュラシック・パークで恐怖体験をしたが、そこで生還したことを買われてサイトBの探索にスカウトされる。 甘崎
ヴェロキラプトル
【う゛ぇろきらぷとる】
 シリーズを通して多数登場する、頭の良いとされる恐竜。今回は羽毛が付与された。 甘崎
エリー
【えりー】
 エリー・サトラー。アランの親友で、かつてのジュラシック・パーク事件の際、アランと共に島にいた。今もアランとの友情関係は続いている。 甘崎
エリック
【えりっく】
 エリック・カービー。カービー夫妻の息子。2ヶ月前にサイトB付近にパラセールに行って行方不明となる。2ヶ月間生き残っていた。 甘崎
カービー・エンタープライズ
【かーびー-えんたーぷらいず】
 表向き巨大会社で、その社長であるポールはグラント博士にサイトBの捜索を依頼する。実際は小さな町工場。 甘崎
クーパー
【くーぱー】
 カービーに雇われた銃撃のプロ。スピノサウルスの襲撃にあって死亡。 甘崎
サイトB
【さいと-びー】
 かつてジュラシック・パークがあった島の近くにある島のこと。見たことの無いような恐竜たちが生息している。 甘崎
スピノサウルス
【すぴのさうるす】
 ティラノサウルスを超える巨大で凶暴な恐竜。背中に大きなたてがみを持つのが特徴。 甘崎
ティラノサウルス
【てぃらのさうるす】
 最強の肉食恐竜とされる。今回も登場するが、スピノサウルスにその座を奪われる。 甘崎
ナッシュ
【なっしゅ】
 カービーに雇われたパイロットの一人。スピノサウルスに捕食される。 甘崎
ビリー
【びりー】
 ビリー・ブレナン。アランの助手でアランと共にサイトBを訪れる。研究熱心のあまり、恐竜の卵を持ち出そうとして全員を危険にさらす。 甘崎
プテラノドン
【ぷてらのどん】
 巨大翼竜。今回は立体的な物語なので、多数登場する。 甘崎
ベン
【べん】
 ベン・ヒルデブランド。エリックと共にパラセイリングをした男。エリックと共に行方不明となったが、遺体で発見された。 甘崎
ポール
【ぽーる】
 ポール・カービー。カービー・エンタープライズの社長を名乗り、息子の捜索のためにグラント博士をスカウトする。 甘崎
マーク
【まーく】
 カービーに雇われた男。ヴェロキラプトルにかみ殺される。 甘崎
ユデスキー
【ゆですきー】
 カービーに雇われたパイロットの一人。ヴェロキラプトルに殺された。 甘崎
名称
【】
  甘崎

ジュラシック・ワールド


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アパトサウルス
【あぱと-さうるす】
 パークにいる巨大草食恐竜。脱走したインドミナスによって全滅させられる。 甘崎
アンキロサウルス
【あんきろ-さうるす】
 パークにいる鎧竜。インドミナスに立ち向かうが全く通用しなかった。 甘崎
イスラ・ヌブラル島
【いすら-ぬぶらる-とう】
 ジュラシック・パークの後身ジュラシック・ワールドが作られている島。どことは言われていないが、中南米らしい。 甘崎
インドミナス・レックス
【いんどみなす-れっくす】
 遺伝子操作によって生まれた新種のハイブリッド恐竜。大きさはティラノサウルスを超え、凶暴さと知能も恐竜を越えている。檻から脱走した後、ジュラシック・ワールドを蹂躙する。 甘崎
ヴィヴィ
【う゛ぃう゛ぃ】
 ヴィヴィアン・オキアミ。ジュラシック・ワールドのオペレーター。ロウリーとコンビを組むことが多いが、オタク気質のロウリーはちょっと苦手っぽい。 甘崎
ヴィック
【う゛ぃっく】
 ヴィック・ホスキンス。インジェン社警備主任。ヴェロキラプトルを兵器として用いることを何度もオーウェンに申し出ている。役はヴィンセント・ドノフリオ。 甘崎
ヴェロキラプトル
【う゛ぇろきらぷとる】
 恐竜の中で最も知能が高いとされる中型恐竜。全長は約2メートルで、人語を解する。 甘崎
エコー
【えこー】
 四体いるヴェロキラプトルの個体名。 甘崎
エリック
【えりっく】
 ジュラシック・ワールドの警備員。インドミナス・レックスの檻を監視していたが、インド見なすに逃げられた際、捕食されてしまう。 甘崎
オーウェン
【おーうぇん】
 オーウェン・グラディ。元海兵隊員のパーク管理人。ヴェロキラプトルの訓練を行っている。恐竜についてはかなり造詣が深く、パーク内でもかなり信用されている。かつてクレアとつきあっていたことがあった。役はクリス・プラット。 甘崎
カタシ
【かたし】
 カタシ・ハマダ。インジェン社セキュリティ部門ACUメンバー。インドミナス捕獲作戦で、逆にインドミナスの張った罠にはまって死亡。 甘崎
ガリミムス
【がりみむす】
 パークにいるダチョウに似た獣脚類竜。 甘崎
カレン
【かれん】
 カレン・ミッチェル。ザックとグレイの母でクレアの姉。 甘崎
クレア
【くれあ】
 クレア・ディアリング。ジュラシック・ワールドの運用管理者。恐竜にはあまり関心はなく、ビジネスとして割り切っている節がある。二人の甥が遊びに来た時もパーク運営を優先するなど、ワーカホリックな一面を持つ。かつてオーウェンとつきあっていたことがあったそうだ。役はブライス・ダラス・ハワード。 甘崎
グレイ
【ぐれい】
 グレイ・ミッチェル。クレアの甥の弟。恐竜が大好きで、ジュラシック・ワールドに来ることが夢だった。そのためパーク内でははしゃぎ回っている。 甘崎
サイモン
【さいもん】
 サイモン・マスラニ。マスラニ社CEO。世界各国で活躍しているが、パークの事を人一倍愛している描写もあった。自信家で、免許を取ったばかりのヘリコプターを駆ってインドミナスを追い詰めようとするが、操縦をミスって翼竜をパークに放してしまう原因を作る。 甘崎
ザック
【ざっく】
 ザック・ミッチェル。クレアの甥の兄。恐竜にはあまり興味が無く、いつもクールを気取る。故郷に彼女がいるようだが、入場客の女性に色目を使うなど、割と節操なし。 甘崎
ザラ
【ざら】
 クレアの個人秘書。パークにやってきたザックとグレイの案内役を命じられる。二人を探している最中にプテラノドンに捕まり、プテラノドン毎モササウルスに食われてしまった。 甘崎
ジミー
【じみー】
 ジミー・ファロン。ジャイロスフィアの端末でパークの案内人。 甘崎
ジャイロスフィア
【じゃいろ-すふぃあ】
 ジュラシック・ワールド内の観光用移動ポッド。搭乗者によってある程度の操作ができる。 甘崎
ジュラシック・ワールド
【じゅらしっく-わーるど】
 「ジュラシック・パーク」構想を引き継いで開演した恐竜のテーマパーク。生きた恐竜とふれあえる施設。 甘崎
スコット
【すこっと】
 ザックとグレイの父。 甘崎
チャーリー
【ちゃーりー】
 四体いるヴェロキラプトルの個体名。 甘崎
ディモルフォドン
【でぃもるふぉどん】
 翼竜園に住んでいた翼竜の一種。 甘崎
ティラノサウルス
【てぃらのさうるす】
 22年前にジュラシック・パークを壊滅させた巨大恐竜。今も生き残っており、パークの奥で保護されている。インドミナス・レックスの暴走を抑えるためにクレアが解放する。1作目でヴェロキラプトルに付けられた傷が今もついている。 甘崎
デルタ
【でるた】
 四体いるヴェロキラプトルの個体名。 甘崎
バリー
【ばりー】
 パークのヴェロキラプトル調教師。ラプトルの暴走時にはギリギリで命を長らえる。 甘崎
プテラノドン
【ぷてらのどん】
 翼竜園に住んでいた翼竜の一種。 甘崎
ブルー
【ぶるー】
 四体いるヴェロキラプトルの個体名。 甘崎
ヘンリー
【へんりー】
 ヘンリー・ウー。遺伝学者で、実は最初のジュラシック・パークの時から恐竜の遺伝子操作を行ってきていた。恐竜の兵器化プロジェクトにも関わっていた模様。 甘崎
マスラニ・グローバル社
【ますらに-ぐろーばる-しゃ】
 インジェン社からジュラシック・パークを買い取り、新しく「ジュラシック・ワールド」として開演させた巨大企業。裏ではここで培われた遺伝子操作技術で兵器産業に手を出そうとしていることが匂わされている。 甘崎
モササウルス
【もささうるす】
 巨大海竜。この食事シーンはジュラシック・ワールドの目玉の一つ。 甘崎
ロウリー
【ろうりー】
 ジュラシック・ワールドのオペレーター。ジュラシック・パークのマニアで、デスクには恐竜のフィギュアを多数飾っている。 甘崎
名称
【】
  甘崎

 

ジュラシック・ワールド 炎の王国

<A> <楽>
2018年
フアン・アントニオ・バヨナ(監)
 事故によってイスラ・ヌブラル島のジュラシック・ワールドが閉園となってから3年が経過した。だが島の火山が爆発し、そこに取り残されて生き延びている恐竜たちに危機が迫っていた。なんとか恐竜たちを保護出来ないものかと思案する元運用管理者のクレア・ディアリング(ハワード)は、ジュラシック・ワールドのオーナーであるベンジャミン・ロックウッドの依頼で、恐竜たちを南の孤島に移動させるプロジェクトに参加する。その際元ヴェロキラプトルの調教師オーウェン・グレイディ(プラット)に協力させ、ヴェロキラプトルの“ブルー”の捕獲を依頼する。そしてチームは火山爆発ギリギリで多くの恐竜たちを避難させることに成功するのだが…
 『ジュラシック・ワールド』(2015)続編。あれから3年後の同じ世界の話で、主人公は前作から続き、プラットとハワードで、文字通り本当の続編となった。
 当初予告を観た際、閉園したジュラシック・ワールドに戻るということで、『ジュラシック・パーク』(1993)に対する『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』(1997)みたいなもんだろうと思ってた。

 だが、監督の名前を見て驚く。

 
なんでバヨナ?

 いや、バヨナ監督は確かに質の良い作品を作っている。私が観たのは2作だけだけど、どっちもとても面白かった。
 しかし、監督の出世作『永遠のこどもたち』はモロホラーだし、『怪物はささやく』だって、相当にホラー性が高い。この監督の面白さって、低予算ホラー向きのもの。
 こんな大作に抜擢され、しかもアクションとか?製作者は正気本気なのか?

 無難なものに仕上がるだろうという予測が一転。
一体どんな作品が出来るやらと、実はとても楽しみにしていた。

 事前の楽しみに対してその本編は、
予想を超えた面白さと、予想していたより期待外れの面と、双方あって一概に良作と言い切ることは出来ない。

 悪かった部分は、モロにB級ホラーの要素ばかりだと言う事。
 ホラーの中でもモンスターアクションを中心にする作品はパターンがほぼ決まっている。舞台は極端に広い古びた屋敷、もしくは病院で、モンスターが様々な遮蔽物を用いて主人公達を追いつめていくというパターンを使う。
 この作品も半分以上はロックウッドの屋敷での恐竜との追いかけっこに終始してる。
 予告を観た限りでは、舞台はジュラシック・ワールド園内で、もっと開放的なものになるのかと思ってただけに、こんなモロにモンスターホラーの絵柄を見せられ、しかもオリジナリティの無い画面ばかり見せられても気持ち的には高揚しない。
 まだ『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』のように街に恐竜を出してのパニックにした方が良かったと思う。せめて前半部の島での活動を半分以上の長さにするとかでも良い。このシリーズは開放的な場所で恐竜が存分に暴れ回るからこそ面白いのだ。単純なモンスター作品に押し込んでしまっては魅力半減である。
 この辺はさすがバヨナ監督と言えなくもない。ジュラシック・パークの定式にこだわることなく、自分の作りやすいフィールドで勝負を賭けたという訳だから。でも、そんな分かりやすいところで見せてほしくなかった。
 もっと違った魅力を見せられたんじゃないかな?

 だが、そんな悪い部分もあるものの、良い部分もしっかりある、というか、この良い部分こそが本作の本当の肝である。

 それは
本作ほど、モンスターの精神に共感する作品は無かったと言うことである。
 バヨナ監督がこれまでのフィルモグラフィで有名になれたのは、B級ホラーの作品の定式に則った作品を作りつつ、そこにいる人間の繊細な精神を描ききったところが評価されたからと思っている。
 バヨナは単なるホラー作家ではなく、ホラーというツールを用いて人間の本性や、繊細さと言った部分をきちんと描ける監督なのだ。
 モンスターの精神を描く試みはこれまでギレルモ・デル・トロ監督がこだわり続け、ようやく認知されたジャンルを既にものにしている。デル・トロがオスカーを取ったように、バヨナも一流監督として周知されたと言う事は喜ぶべきことだろう。
 前作の『ジュラシック・ワールド』においてオーウェンとヴェロキラプトルの“ブルー”との交流は一つの見所だったのだが、その異種間同士の交流をかなり深く描いてみせた。
 ブルーとの交流は勿論のこと、他の恐竜たちも捕らわれて苦しむ様や、見世物にされる屈辱のようなものもしっかり描いて、ちゃんと恐竜の方に感情移入が出来るように作られている。ヒューマンドラマとして奴隷制を描いた作品のようにも見える。
 そして一番の評価点は、人間と恐竜をつなぐ人物が複数登場すると言う事。
 恐竜は恐竜で、人間は人間でとドラマを分断することなく、人間と恐竜の間の交流を様々な観点で描いている。
 それは例えばブルーと精神的な共感を果たしているオーウェン、恐竜を愛し、なんとかして多くの恐竜を生き延びさせようというクレアとジア、恐竜に対して思い入れよりも恐怖を覚えつつ、それでも恐竜を助けようとするフランクリン、恐竜をビジネスの一環とだけしか見てないイーライ、恐竜に対する思いは人一倍だが、自分の思い通りに恐竜を作りたいと願う禁断のマッドサイエンティストのヘンリー・ウー、恐竜を兵器として考え、どう有効に使おうかと考える軍人達。全員ちゃんと恐竜と関わってるし、どんな形であれ、精神的な共鳴を持っている。
 これはこれまでの作品にもあった部分だが、その部分をかなり拡大しているのが特徴で、今までのモンスター映画にはない不思議な情感を作り出すことに成功してる。
 そして何より、本作で登場したメイジー・ロックウッドという少女の存在がある。当初、モンスター映画によく出てくる、パニックを拡大させる悲鳴役の子役だと思ってたし、事実その側面もあるのだが、実は彼女こそがクローン技術で作られた新人類であることが分かった。彼女の出生はこれまで恐竜を作り出してきた技術の集大成であったとも言えるので、彼女の存在が、物理的な意味で恐竜と人類をつなぐ役割を果たしていた。彼女の存在はそれだけ大きい。
 メイジーが最後に恐竜を街に放ったシーンは、彼女にしかそれはできないことであり、それこそが彼女の役割だったからである。
 その説得力を持たせたことは、この作品がこれまでのシリーズから更にもう一歩踏み出すことを宣言したものとなる。

 願わくばこの続編は『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』『GODZILLA ゴジラ』(1998)のような、恐竜を退治して終わりというものでは無く、更に踏み込み、ハイブリッド種の存在意義というものに踏み込んでいって欲しいと思う。少なくとも本作はその道を開いている。あとはそこに踏み出せるかどうかだ。

 

アパトサウルス
【あぱとさうるす】
 ジュラシック・ワールド内に生息している草食恐竜。2体が捕獲され、ロックウッド・エステートに移送された。 甘崎
アルカディア号
【あるかでぃあ-ごう】
 ロックウッド財団が恐竜保護のために出した大型タンカー。 甘崎
アロサウルス
【あろさうるす】
 本作が初出となる恐竜で3体登場する。 甘崎
アンキロサウルス
【あんきろさうるす】
 イスラ・ヌブラル島に生息していた鎧竜。救出され、オークションで競売にかけられた。 甘崎
イアン
【いあん】
 イアン・マルコム。かつてジュラシック・パークに招かれた数学者。恐竜をどうするかの会議で火山の爆発の恐れのあるイスラ・ヌブラル島を放置するよう提案している。 甘崎
イーライ
【いーらい】
 イーライ・ミルズ。ロックウッド財団のCEO。ベンジャミンの依頼を受け、恐竜保護のためにDPGと接触する。実は恐竜をオークションにかけて高値で売りさばくことが目的だった。 甘崎
イスラ・ヌブラル島
【いすら-ぬぶらる-とう】
 3年前までジュラシック・ワールドが置かれていた南海の孤島。現在は封鎖されているが、島の中央にある火山活動が活発化している。 甘崎
インドミナス・レックス
【いんどみなす-れっくす】
 前作でモササウルスに食われてしまった人工恐竜。海の底に骨が沈んでおり、何者かによって骨が回収された。 甘崎
インドラプトル
【いんどらぷとる】
 正式名称はインドミナス・ラプトル。インドミナス・レックスとラプトルの遺伝子を合成してロックウッド・エステートで開発された新型恐竜。 甘崎
ヴェロキラプトル
【う゛ぇろきらぷとる】
 小型の肉食恐竜。シリーズを通して最も知能が高い恐竜とされる。本編に登場するのは前作に登場したブルーという個体。 甘崎
オーウェン
【おーうぇん】
 オーウェン・グレイディ。かつてジュラシック・ワールドでラプトルの調教係をしていたが、ジュラシック・ワールドの崩壊と共に無職となり、現在は田舎で小屋作りをしていた。クレアの頼みで恐竜救出活動のために再びイスラ・ヌブラル島に向かう。 甘崎
ガリミムス
【がりみむす】
 小型の雑食恐竜。足が速く、パークの火山爆発で真っ先に逃げ出している。 甘崎
カルノタウルス
【かるのたうるす】
 中型肉食恐竜。数体の個体が確認出来、イスラ・ヌブラル島ではオーウェンらを襲い、後半にも短時間登場している。 甘崎
クレア
【くれあ】
 クレア・ディアリング。元ジュラシック・ワールド運用管理者。現在DPGを立ち上げ、生き残った恐竜保護に努める。つきあいのあったオーウェンにイスラ・ヌブラル島に同行するよう依頼する。 甘崎
ケン
【けん】
 ケン・ウィートリー。ロックウッド財団に雇われた傭兵の隊長。オーウェンにブルー捕獲を依頼し、成功した際ブルーとオーウェンに麻酔銃を撃ち込んでオーウェンを見捨てた。 甘崎
ジア
【じあ】
 ジア・ロドリゲス。DPG女性職員。クレアらと共にイスラ・ヌブラル島に行くが、傭兵の裏切りで拉致され、ブルーの治療を強いられる。 甘崎
シノケラトプス
【しのけらとぷす】
 装飾の大型角竜。麻酔銃に撃たれて昏睡状態だったオーウェンに目覚めるきっかけを作り、その際カルノサウルスと戦っている。 甘崎
シボ山
【しぼ-さん】
 イスラ・ヌブラル島の中央にある山。火山活動が活発化している。 甘崎
ジャイロスフィア
【じゃいろ-すふぃあ】
 ジュラシック・ワールドに残されていた園内の移動に用いられるカプセル状の乗り物。オーウェンたちが火山の爆発から逃れる際に避難用に用いた。 甘崎
ジュラシック・ワールド
【じゅらしっく-わーるど】
 3年前に事故を起こして封鎖された恐竜とふれあえる世界的テーマパーク。イスラ・ヌブラル島は封鎖され、現在は廃墟となっているが、パーク内の恐竜たちは今も生きている。 甘崎
ジョン
【じょん】
 ジョン・ハモンド。かつてジュラシック・パークを設立した人物。故人で、写真のみの登場。 甘崎
スティギモロク
【すてぃぎもろく】
 小型の草食恐竜。頭が堅く、ロックウッド・エステートのコンクリートの壁を破壊した。 甘崎
ステゴサウルス
【すてごさうるす】
 イスラ・ヌブラル島に生息していた剣竜。捕獲された。 甘崎
DPG
【でぃー-ぴー-じー】
 Dinosaur Protection Group。クレアによって設立された恐竜保護を目的とするNPO組織。 甘崎
ティラノサウスル
【てぃらのさうるす】
 ジュラシック・ワールドの最古参となる肉食恐竜。救出作戦でも対象となり、後にライオンと闘技場で戦わせられる。 甘崎
ディロホサウルス
【でぃろほさうるす】
 エリマキトカゲのような小型恐竜。イスラ・ヌブラル島には多数生息する。 甘崎
トリケラトプス
【とりけらとぷす】
 ジュラシック・ワールド内にいた角竜。救出作戦で救出される。 甘崎
人間は恐竜と共存していかなければならない。真のジュラシック・ワールドにようこそ
【にんげん-は-きょうりゅう-と-きょうぞん-して-いかなければ-ならない-しん-の-じゅらしっく-わーるど-に-ようこそ】
 最後に恐竜が四に放たれたことを知らされた数学者イアン・マルコムが皮肉を込めて語った言葉。 甘崎
バリオニクス
【ばりおにくす】
 ワニのような恐竜。イスラ・ヌブラル島では放水路を伝ってコントロールセンターに現れる。 甘崎
プテラノドン
【ぷてらのどん】
 ジュラシック・ワールドで数多く棲息していた翼竜。数体が回収され、最後の脱走でラスヴェガスに現れた。 甘崎
ブラキオサウルス
ブラキオサウルス 画像 <A> <楽>
【ぶらきおさうるす】
 イスラ・ヌブラル島に生息していた巨大草食竜。おそらくジュラシック・パーク時代から生きていたと思われるが、火砕流に巻き込まれて死亡。 甘崎
フランクリン
【ふらんくりん】
 フランクリン・ウェブ。DPG職員の気の弱い男性。元ジュラシック・ワールドのスタッフでコンピューターに関してはエキスパートで、クレアと共にジュラシック・ワールドのセキュリティを破る。 甘崎
ブルー
【ぶるー】
 イスラ・ヌブラル島で生き残っていたヴェロキラプトルの個体。オーウェンによって調教を受けていたため、その言うことは聞く。兵器開発用のDNAサンプルとして回収された。 甘崎
ベンジャミン
【べんじゃみん】
 ベンジャミン・ロックウッド。かつてジョン・ハモンドの共同経営者で、ジョン亡き後ジュラシック・ワールドの経営者となった。今はジュラシック・ワールドに残った恐竜たちを救うべく働いていたが、既に高齢で寝たきり状態だったが、イーライの裏切りを知ったことで殺されてしまう。 甘崎
ヘンリー
【へんりー】
 ヘンリー・ウー。かつてジュラシック・ワールドの研究チームリーダーだった遺伝学者。表向きは行方不明だが、ロックウッド・エステートで新型恐竜を作り続けている。インドミナス・レックスを作った人物で、その技術を用いて最凶の恐竜インドラプトルを作り上げた。 甘崎
モササウルス
【もささうるす】
 ジュラシック・ワールド最大の海棲恐竜。イスラ・ヌブラル島に閉じ込められていたが、傭兵部隊によってラグーンの門が開かれた際に脱出している。 甘崎
ロックウッド・エステート
【ろっくうっど-えすてーと】
 ベンジャミン・ロックウッドの邸宅。財団の会社でもあり、地下には恐竜の研究施設がある。 甘崎
ロックウッド財団
【ろっくうっど-ざいだん】
 ベンジャミン・ロックウッドが過去の悪行を精算するために立ち上げた財団。DPGに資金提供してイスラ・ヌブラル島から恐竜を引き上げることを推進する。しかしそのトップであるイーライによって財団の資金は全く別な形で使用されていた。 甘崎
名称
【】
  甘崎