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ゴジラの論理―解釈学の鬼才が説く「ゴジラの時代研究序説」
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東宝特撮怪獣映画大全集 Godzilla Movie Chronicile Godzilla(1954)~Godzilla Final Wars(2004)
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ゴジラ (MOVIEコミックス)
ゴジラ1990
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怪獣王ゴジラ 1 河本ひろし
絵本
ゴジラ

ゴジラ2000

(監)
SPECIAL EDITION GODZILLA2000 MILLENNIUM
ゴジラ2000ミレニアム超全集

 

石井
【いしい】
 不思議減少専門誌「オーパーツ」編集長。役は石井愃一。 甘崎
一ノ瀬由紀
【いちのせ-ゆき】
 「オーパーツ」記者。本人はコンピュータ関係の雑誌に移りたがっているが、篠田と出会うことでゴジラと深く関わることとなる。役は西田尚美。 甘崎
オーパーツ
【おー-ぱーつ】
 不思議現象を扱う科学雑誌。 甘崎
オルガ
【おるが】
 異星人ミレニアンがゴジラの細胞にあるオルガナイザーG1を吸収して、怪獣化した姿。 甘崎
オルガナイザーG1
【おるがないざー-じー-わん】
 篠田雄二がゴジラ細胞を解析中に発見した物質。富士見のゴジラを支える命の元。これを吸収したミレニアンは怪獣化してしまった。 甘崎
片桐光男
【かたぎり-みつお】
 内閣官房副長官兼CCI局長。篠田と大学の同窓生でライバル関係にある。ゴジラの研究を唱える篠田に対し、ゴジラ抹殺を主張する。役は安倍寛。 甘崎
カドミウム弾
【かどみうむ-だん】
 ゴジラの体内の原子炉を停止するために撃ち込まれた弾丸。照明弾を打ち上げ、それを目で追ったゴジラの口に撃ち込まれる。 甘崎
危機管理情報局
【きき-かんり-じょうほう-きょく】
 国家の危機管理に関するあらゆる問題を一本化して対処することを目的に、1998年に設立された内閣官房組織。その役割上、ゴジラ対策の任を帯びる。 甘崎
90式戦車
【きゅうまる-しき-せんしゃ】
 74式戦車の後継として1990年に自衛隊で採用された実在の戦車。映画の中では最も多く登場している戦車でもある。 甘崎
96式装輪装甲車
【きゅうろく-しき-そうりん-そうこう-しゃ】
 1996年に自衛隊に制式採用された8輪駆動装甲車。 甘崎
久慈川誘導作戦
【くじ-がわ-ゆうどう-さくせん】
 東海村付近に現れたゴジラを久慈川に誘導し、原発から遠ざけようとする作戦。 甘崎
ゴジラ
【ごじら】
 五代目。この世界のゴジラは単独。この世界においては不死とされるゴジラで、未確認ながら、1954年に現れたものと同一個体である可能性もあり。非常に荒々しい性格を持った個体で、特に人間の作り出したエネルギーに対しては積極的に攻撃を行っている。又放射熱線を吐く際、背びれが赤くなるという特徴がある。又全ゴジラ史上最も尻尾が長く、その攻撃力も激しい。 甘崎
S.H.モンスターアーツ ゴジラ2000ミレニアム
東宝30cmシリーズ ゴジラ (1999年版)
ギガンティックシリーズ 酒井ゆうじ 造形コレクション ゴジラ1999 (ゴジラ2000 ミレニアム)
ゴジラ細胞
【ごじら-さいぼう】
 ゴジラから採取された細胞で、ここからオルガナイザーG1が発見される。 甘崎
ゴジラ予知ネット
【ごじら-よち-ねっと】
 略称GPN。篠田雄二がゴジラに関心を持つ日本全国の人々と共に立ち上げた民間ゴジラ情報組織。会員は約300人とされる。 甘崎
Gセンサー
【じー-せんさー】
 危機管理情報局によって日本近海の海底に設置されたゴジラ用センサー。反応が1つでもあった場合、即座にレベル1の警告が出される。 甘崎
篠田イオ
【しのだ-いお】
 篠田雄二の一人娘。12歳ながら金銭感覚の薄い父親に代わりゴジラ予知ネットの経理を仕切っている。役は鈴木麻由。 甘崎
篠田雄二
【しのだ-ゆうじ】
 在野のゴジラ研究家。かつて大学の研究所でゴジラ研究をしていたが、科学の暴走に畏れを抱き、独自にゴジラを負うことを決める。ゴジラ予知ネットを主宰する。ゴジラが現れた際、ゴジラの細胞からオルガナイザーG1を発見する。役は村田雄浩。 甘崎
ショッキラス
【しょっきらす】
 ゴジラに寄生していたフナムシが放射能の影響で巨大化した怪物。ちなみにこの名称は劇中では語られていない。 甘崎
名称
【】
  甘崎

ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

 


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SPECIAL EDITION ゴジラ×メガギラス―G消滅作戦

 

SGS
【えす-じー-えす】
 SEARCHING GODZILLA SYSTEM。ゴジラ探索機の略称。G対策本部が開発したゴジラを探索し、自動追尾を行う海底探査ロボット。 甘崎
S3
【えす-すりー】
 特別G対策本部の部署の一つ。Shelterの略で市民の避難誘導を担当する。 甘崎
S2
【えす-つー】
 特別G対策本部の部署の一つ。Studyの略で、ゴジラを研究する部署。 甘崎
S1
【えす-わん】
 特別G対策本部の部署の一つ。Searchの略で、ゴジラの位置を探索する部署。 甘崎
大阪
【おおさか】
 1954年のゴジラ襲来によって壊滅した東京に変わって日本の首都となっている。大阪城に隣接して新国会議事堂が建っている。 甘崎
奥村知治
【おくむら-ともはる】
 Gグラスパー隊員。桐子を尊敬し、常に行動を共にする。 甘崎
奇岩島
【きがん-じま】
 太平洋上の無人島。ここにゴジラを誘導してG消滅作戦を敢行するが、メガニューラの大群が飛来して失敗。 甘崎
工藤元
【くどう-はじめ】
 秋葉原のジャンクショップで働いている青年。精密機械の開発にかけては天才で、その腕を特別G対策本部に買われ、ブラックホール砲の小型縮小化の開発を行う。役は谷原章介。ちなみに全く同じ名前で同じ顔の人物がゴジラ×メカゴジラ』にも登場しているが、別人という設定。 甘崎
クリーンエネルギー・ファクトリー
【くりーん-えねるぎー-ふぁくとりー】
 ゴジラの破壊を受けないエネルギー開発によって1996年に開発されたプラズマ発電による新エネルギー。しかしこの新エネルギーもゴジラに狙われてしまう。 甘崎
グリフォン
【ぐりふぉん】
 対ゴジラ戦闘部隊であるGグラスバー専用の小型高速飛行戦闘機。主武装はバルカン砲と光子砲。 甘崎
小型SGS
【こがた-えす-じー-えす】
 工藤元がSGSを小型化したもので、水没した渋谷の調査に用いられた。 甘崎
国立科学技術研究所
【こくりつ-かがく-ぎじゅつ-けんきゅう-じょ】
 渋谷にある国立の研究施設。プラズマエネルギーの開発を極秘に進めていた。メガギラスを倒したゴジラの標的にされてしまう。 甘崎
ゴジラ
【ごじら】
 六代目。この世界のゴジラは単独のもの。1954年に現れたものと同一個体の可能性もあるが、形態は異なる。オーバーテクノロジーによって作り出されたエネルギーを特に憎む性格が付与された。放射熱線は青色に戻されている。 甘崎
ゴジラ(初代)
【ごじら-しょだい】
 1954年に日本に来たというゴジラ。本来の初代ゴジラとは身体的敵特徴が異なるため、この世界における別個体とも言われている。 甘崎
G衛星
【じー-えいせい】
 ゴジラの動向を探るために特別G対策本部が打ち上げた探査衛星。 甘崎
Gグラスパー
【じ−-ぐらすぱー】
 特別G対策本部所属の対ゴジラ戦闘部隊。自衛隊から選りすぐられた5名の隊員で構成される。 甘崎
G消滅作戦
【じー-しょうめつ-さくせん】
 ディメンション・タイドにより空間ごとゴジラを別次元に送ってしまおうとする作戦。都合三回作戦は行われたが、ことごとく失敗している。 甘崎
杉浦基彦
【すぎうら-もとひこ】
 過去プラズマ・エネルギー推進リーダー。G対策本部長としてゴジラ消滅作戦の指揮を執る。非常に外面は良く、総理大臣とも強いコネクションを持つが、背後では禁止されているプラズマ・エネルギー開発を進めていた。役は伊武雅刀。 甘崎
名称
【】
  甘崎

 

ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃

 


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2001年
金子修介(監)
 グアム島沖で米国の原子力潜水艦が消息を絶った。そして、その探索に向かった防衛軍の作業艇は海底で巨大な背びれをもつ生物を発見する。それを知った防衛軍准将・立花(宇崎竜堂)はゴジラの襲来を警戒よう軍にうながす。時を同じくして日本各地では次々と奇妙な現象が起こっていた。そんな中、超常現象をあつかうTV番組「デジタルQ」のスタッフである立花の娘・由里(新山千春)はあることを発見する。 それは、超常現象が発生した新潟県妙高山、鹿児島県池田湖、富士樹海と民間伝説「護国聖獣伝記」に出てくる「護国聖獣」が眠るとされている場所との奇妙な一致である。伝説の謎を調べているうちに、由里は謎の老人・伊佐山(天本英世)と出会う。そして、彼はおもむろに警鐘を鳴らした。「ゴジラは太平洋戦争で命を散らした、数知れぬ人間たちの魂が宿った強烈な残留思念の集合体だ。ゴジラは武器では殺せん。“ヤマトの守護神”たちを覚醒させるのだ!」 と。そして ついに破壊神ゴジラが日本へ上陸する。果たして、“ヤマトの守護神”ギドラ・モスラ・バラゴンそして人類はゴジラを撃退できるのか?
 まず、これは間違いなく現時点で作られた最高のゴジラ映画だ!さすが金子修介。まさに痒いところに手が届く配慮で、こうして欲しい。と思っていたことをちゃーんとやってくれている。『ガメラ 大怪獣空中決戦』の時もそうだが、バランスが取れた怪獣マニアが作った作品と言う感じに仕上がっている。素晴らしい出来である。
 キャスティングだが、久々に「生ける特撮」天本英世が登場しているのが嬉しいし、佐野史郎の存在も良い。宇崎竜堂も朴訥とした軍人の役を上手く演じている。高島ファミリーが出ていないのだけが心残りなくらいか(笑)
 ストーリーにゴジラに対応して3体の聖獣が出ると言うので、どういう風になるのかと思ったら、これも上手く仕上がっている(なんでも金子監督は『三大怪獣 地球最大の決戦』の大ファンで、それに合わせて四体の怪獣を出したのだとか)。冒頭の説明のシーンで笑える人間はゴジラ好き。結局『ゴジラ』(1954)とアメリカで作られた『GODZILLA ゴジラ』(1998)だけを残し、他の映画は全て切ってしまっているが、それは英断だろう。
 最初にゴジラの登場シーンは清水市と言う地方に上陸させたことで、ゴジラの巨大さがよく表されていた。こんな迫力あるゴジラ見たのも久々だ(しかもマニアックな市街地の作り!)。容赦なく人を踏みつぶし、のし歩く姿。今までここまで一般人とゴジラとの対比を描けたのは一作目を除けば今回がまさしく初めて。とにかくゴジラの圧倒的迫力に押される。
 その後、箱根で最初の聖獣であるバラゴンとの戦いになるが、今まで誰も行ったことがない試みがなされている。ゴジラとバラゴンの二体、体格がまるで違うのだ(バラゴンがゴジラの2/3くらい。これは『フランケンシュタイン対地底怪獣』の縮尺に合わせていると思われる)。中に人間が入る都合上、基本的に怪獣は同体型という不文律をあっさりと破ってくれた。しかもバラゴン側からのあおりでその大きさの対比を特徴づけているアングル付けは秀逸。スタッフロールで知ったが、あれは女性が入っているそうな。なるほど。考えつかなかった。
 そして横浜でのモスラおよびギドラとの戦いとなるが、ギドラの3段階変形は狙い通り格好良かった。ただのギドラがモスラの力を受け、2段階目の変形。これで金色に輝き、閉じていた翼が開いて空中を浮遊する様(この時、ギドラがキング・ギドラと呼ばれる)。そして神像のかけらが戻って3段階目の変形(違いは雷撃を光線として吐けるかどうか)。これがなかなか劇的で、ぐっとくる。なるほど、ラドンではなくキング・ギドラにした理由はここにあるのね(^^;。それにギドラがちゃんととっくみあいもしてるのも特徴か。これまでキングギドラは3本首という特殊な形状故にピアノ線での吊りがメインとなってしまい、どうしても格闘は難しかったから(その分首が太くなったのはちょい残念ではあるが)。
 そして人間側の物語が地に足が着いた雰囲気なので(そのまんま
『ガメラ』だけど)、それも良かった。何せ今回は逃げまどうだけでなく、しっかり殺される描写まで出てくるし、ちゃんと抵抗もしている。

 さて、褒めてばかりも何なので(?)、少し難点も言っておくことにしよう。
 先ず、ゴジラの造形だが、非常に重厚に出来ていて、目も怖いにも関わらず(本作は愛称として「金子ゴジラ」と呼ばれることがあるが、もう一つ「白目ゴジラ」とも言われる。これは敢えてゴジラから愛嬌を取っ払い、悪役に仕立てるために行ったとのこと)、歩く姿はまんま人間。モスラは全然動かない。ぬいぐるみ中心よりCG多用すべきだった。バラゴンは顔が鬼からシーサーに変わった。魅せ方が上手いだけに、アップになった時にそれらのアラが気になってしまう。
 防衛軍は怪獣同士の戦いにおいて、その足下で活動している。何に命を懸けているのか分からぬが、あれじゃ犬死にだ。
 それから設定のアラを言わせてもらうと、ゴジラの吹く火炎は放射能を帯びているようで、チェレンコフ光を帯びているが、被爆については殆ど言及されておらず、破壊した跡も焦げていない。水中で怪獣が格闘しているというのに、その直下で潜水艇が動けるわけがない。空気と違い、水は波動の伝わり方が極端に早いため、水にあんな衝撃を与えたら潜水艇の中は生物が住める環境ではなくなっているはず(人間の形を留めずペースト状になるんじゃないかな?)。更にキング・ギドラが水上や水中で電撃を吐いているのに、電導体であるはずの水(しかも塩水)を泳いでいる人間が無傷。こんなところかな?

 最初にこの映画は、最高のゴジラ映画と私は言ったが、これは褒め言であると同時に、「ゴジラ」と言う素材の持つ限界性をも感じてしまった。この作品は良くできた作品だが、最高の怪獣映画にはなり得ない。ゴジラの亜流というのはそこまでしか作れないのかもしれない。金子修介監督は実に巧みに映画作りをしているが、「これをやって欲しかった」と言う作りだと、満足は行くが、衝撃は与えられない。『ガメラ 大怪獣空中決戦』の時も持った感想なのだが、非常に優等生的な出来映えではあるが、それを超えることが出来てない。
 金子監督は上手いだけに、それだけで終わって欲しくはない。ファンの希望通りではなく、裏切るような作品作りをして欲しい、と言うのは贅沢な訴えか?
ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃 (東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION)

 

あいづ
【あいづ】
 小笠原諸島でゴジラの探索を行った防衛海軍新型汎用巡洋艦。ゴジラを砲撃する。 甘崎
青木
【あおき】
 大田切トンネル崩落の捜査を行っていた地元の刑事。役は山田幸伸。 甘崎
青木ヶ原
【あおきがはら】
 ギドラが眠る地。 甘崎
あこう
【あこう】
 防衛海軍ヘリ搭載護衛艦。洋上でゴジラの艦砲射撃を行ったが、ゴジラの放射熱線によって破壊される。 甘崎
アンギラス
【あんぎらす】
 本来バランと共に日本を守るために登場するはずだった怪獣だが、「マイナー」というレッテルを貼られ、モスラとキングギドラに取って代わられた不憫な怪獣。 甘崎
池田湖
【いけだ-こ】
 鹿児島のカルデラ湖。モスラの繭が現れた場所。余談だが、本作公開時、筆者は鹿児島に在住しており、この光景に気持ちが相当高揚した。 甘崎
伊佐山嘉利
【いさやま-よしとし】
 藤の樹海に住む謎の老人。ゴジラの出現に際し、護国聖獣であるギドラ、モスラ、バラゴンの出現を予言する。実は1954年のゴジラ上陸の時に行方不明になっていたことが後に発覚する。役は天本英世。 甘崎
和泉村
【いずみ-むら】
 新潟県妙高山麓の村。バラゴンを封印した石像がある。 甘崎
江森久美
【えもり-くみ】
 防衛省情報管理部所属の防衛海軍大佐。役は南果歩。 甘崎
大戸島
【おおど-しま】
 最初のゴジラが上陸した島。ここでは小笠原諸島になっている。 甘崎
大涌谷
【おおわく-だに】
 箱根にある大噴気孔。ゴジラとバラゴンの決戦の場となった。 甘崎
門倉春樹
【かどくら-はるき】
 BSテレビ局「BSデジタルQ」企画部長。宇宙人や超能力などをテーマにしている自らの局を軽蔑しきっており、予算内でそれなりの番組を作ってくれればいい。という考えの持ち主。いざという時には強い責任感を発揮する。どこかで見たような名前ではあるが、それはスルーの方向で。役は佐野史郎。 甘崎
魏怒羅
【ぎどら】
 護国聖獣の一体で富士樹海の氷穴で眠りに就いている金色の三首怪獣。千年竜王と呼ばれる完全体になれば、最強の怪獣となるが、ゴジラ出現によって、不完全体のまま覚醒した。この姿では飛ぶことも出来ないため、走ってゴジラの元に向かう。 甘崎
キングギドラ
【きんぐ-ぎどら】
 護国聖獣魏怒羅の完全体。千年竜王とも呼ばれ、地海空すべてを制覇する最強怪獣と呼ばれる。目覚めるのが早すぎて不完全体だった魏怒羅がゴジラによって殺されたモスラの最後のパワーを受けて強制的に最強進化させられた姿である。 甘崎
護国聖獣
【ごこく-せいじゅう】
 古代の日本に存在した婆羅護吽、最珠羅、魏怒羅と呼ばれる三体の快獣のこと。古代王朝によって退治された後、霊を慰めるために彼らを神に祀り、一万年の眠りにつかせた。 甘崎
護国聖獸傳記
【ごこく-せいじゅう-でんき】
 伊佐山嘉利による護国聖獣に関する民間伝説をまとめた著作。1954年のゴジラについても書かれているが、伊佐山本人はこの時には行方不明となっていた。 甘崎
ゴジラ
【ごじら】
 @七代目。1954年に現れたものと同一個体。黒目と白目が逆転しているのが特徴。通常の兵器では傷も付けられないのは、太平洋戦争で失われた数知れぬ人達の強烈な残留思念によって生まれた怨念の集合体とも言われている。三体の護国聖獣との戦いを経て、特殊潜行艇さつまによって体内からの攻撃を受けて放射熱線をコントロール出来ず自爆。ただし海の底で心臓は動き続けていた。
 A映画冒頭で説明のみされた20世紀末にアメリカを襲った巨大生物。アメリカではゴジラと呼ばれているが、日本の学者には認められていない。巨大化したイグアナと考えられている。 甘崎
さつま
【さつま】
 防衛海軍特殊潜行艇。二機あり、一機はゴジラに破壊されたが、もう一機は立花が乗り込み、ゴジラ撃退に一役買った。 甘崎
サンダースパーク
【さんだー-すぱーく】
 ギドラの牙から発生される電撃。完全体となる前では威力は弱く、噛みつかねば効果がなかった。 甘崎
バラン
【ばらん】
 本来アンギラスと共に日本を守るために登場するはずだった怪獣だが、「マイナー」というレッテルを貼られ、モスラとキングギドラに取って代わられた不憫な怪獣。 甘崎
名称
【】
  甘崎

 

ゴジラ×メカゴジラ


ゴジラ×メカゴジラ
2002年
手塚昌明(監) 釈由美子、宅麻伸、小野寺華那、
 1954年、芹沢博士の開発したオキシジェン・デストロイヤーによって日本に上陸したゴジラは海の藻屑と消えた。そして1999年、同種のゴジラが再び日本に上陸した。政府により特設された対特殊生物防衛専門の“特生自衛隊”も敵わず、ゴジラは日本を蹂躙し、海へと帰っていった。総理大臣柘植(水野久美)は、再び戻って来るであろうゴジラに対抗するため、海底に眠るかつてのゴジラの骨を引き揚げ、それをベースとして対G兵器・機龍“メカゴジラ”開発を要請する。2003年、人工生物学者・湯原徳光(宅間伸)を中心とする科学者チームにより完成したメカゴジラ。そして、機龍の操縦士として、99年の戦いで仲間を失った特生自衛隊員・家城茜(釈由美子)が任命されるのだった。
 最初にちょっと愚痴を
 本サイトを作り上げて一年半が経過した。それで閲覧者の意見を採り上げたり、掲示板に書かれている事柄に頷いてたりしてた内に、
“特撮も大丈夫な映画好き”と理解していた自分自身が、いつの間にか“単なる特撮好き”にされてしまったような…ま、いいか(笑)これは話半分で聞いておいて欲しい。特撮が好きなのは事実だから(笑)
 で、いつの間にか周囲から“観る事が決められてしまった”本作だが
(しつこい!)、何故か自然と情報が集まってきて、事前にかなりの前知識を入れる事が出来た。それで得た感触は、「かなり大きな疑念」だった。手塚昌明監督による一昨年の『ゴジラ×メガギラス』(2000)はちょっと私には合わなかったし(今コメントを見直したけど、ちょっと酷評が過ぎたかな?)、主人公に釈由美子を起用し、その役柄を知るにつけ、どうしても一つ大きな疑問が持ち上がってきた。
 手塚監督、実写版
『エヴァンゲリオン』をやろうとしてないか?
 『エヴァンゲリオン』については言うまでもないが、監督自身がかなりの特撮マニアで、平成『ガメラ』シリーズの樋口慎二氏もスタッフとして入っているため、画面の構造そのものがかなり特撮を意識して作られていた。その意味では「特撮」→「エヴァ」という構図になっていたが、今度は全く逆に、「エヴァ」→「特撮」という具合に持ってくるんじゃないか?そんな疑念をどうしてもぬぐい去ることは出来なかった(決してそれは悪い訳じゃない。実写とアニメの変換の際、どう見せる事が一番格好良いかと言う点に限っては、本当に勉強になる事も多かった。でも本当にストーリーまで『エヴァンゲリオン』にしてしまったら怒るぞ)
 それで拝見。
 確かに悪くない。前作の『ゴジラ×メガギラス』よりはっきりと視覚要素は向上しているし、特撮とCGとの融合もかなり不自然無くまとめられている。人間ドラマはやはりちょっと間に合わせっぽいけど、釈由美子の魅力を出そうとしているのはよく分かる。細かい所は色々言いたい事はあるにせよ、全体を通してみる限り、駄目。とは言えない程度には良い。やはり思った通りエヴァからの引用が目に付くが、それも視覚的なものに留めようとしていた
(やっぱり暴走か!と言うのはあったにせよ)
 今回4回目の登場となるメカゴジラだが、今回は今までのシリーズ中最高の動きを見せ、アタッチメントと言う形で装備される武装もなかなか格好良いし、最後はそれらの武装を捨て、怪獣同士のどつき合いにしたのも良し。やっぱり怪獣同士の戦いだったら、『キングコング対ゴジラ』(1962)以来の伝統に従って、どつき合わなきゃ。
 その辺は上手くまとめてくれた感じだし、平均点は充分に上げられるんだけど、それ以上、プラスαが何にも無かったのがちょっと不満。怪獣ものは手堅くまとめようとすると、どうしてもこぢんまりしてしまうと言う良い例だろう。メカゴジラは意思があると言う設定が、暴走しただけで終わってしまったのは残念。
 キャラは往年の特撮ファンにとっては感涙ものの水野久美が女性首相役で出てきているので、分かる人は感激できるし、釈由美子も抑えた演技ながら、ちゃんとキャラが立っていた。それだけで充分とも言えるだろう。
 昨年の『大怪獣総攻撃』(2001)と較べるとぐっと対象年齢が低くなった感じだが、それは仕方ない事だろう。
 恒例の
(?)アラさがしを今回もちょっと。
 東宝恒例の書き割り背景は今回も健在だが、かなりCGによりリアリティを増そうとしている…それは良いんだけど、所々背景の粒子がとても粗くなってしまい、つぶつぶが見えてしまうのが少々気になる(多分予算の関係)。
 1954年の『ゴジラ』でのオキシジェン・デストロイヤーの威力は凄まじく、生物の骨まで解かしていたのだが(劇中でもゴジラの骨は全部消えてる)、骨だけはちゃんと残ってる。しかもそれから50年を過ぎた時点で崩れもせず、ほぼ全ての骨が揃ったまま海底に横たわってたってのは、随分無理がない?
 ゴジラの背びれが骨で出来ていたと言うのは今回初めて登場した設定だけど、そう言う設定だったら、背びれをグニャグニャ曲げるのは止めて欲しい。
 最後のアブソリュート・ゼロ砲(このネーミングセンスは笑える)がゴジラを仕留められなかったのは、海の中に入ってしまったからだろうけど、パワーを溜めている時点で水の中に入ってしまったら、多分不稼働になってる。(気体と液体の違いはかなり大きい。水に入ったら、直後に放冷現象が起こり、分散化してしまう)。仮に発射が出来たとしても、ゴジラとメカゴジラの間で水自体が堅い皮膜になってしまうので、あの時点で発射したら、ほとんどのエネルギーがメカゴジラの方に返ってくる

 それでも子供に見せる分には充分な出来だとは思うよ。子供の声が気にならない人だったら、劇場で観るのも良し。
ゴジラ×メカゴジラ2003 (東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION)
ゴジラ×メカゴジラ 東宝特撮ヒロイン メモリアル・アルバム

 

赤松伸治
【あかまつ-しんじ】
 三式機龍の開発者の一人でロボット工学の権威。役は白井晃。 甘崎
アブソリュート・ゼロ
【あぶそりゅーと-ぜろ】
 菅野博士が開発した絶対零度砲。機龍の最終兵器として搭載されたが、これ一撃で機龍の全エネルギーの40%を使用してしまう。 甘崎
五十嵐隼人
【いがらし-はやと】
 日本国総理大臣。かつて科学技術庁長官で、かつて倒されたゴジラの骨を利用した機龍プロジェクトを発案していた。機龍出撃の決定権を持つ。役は中尾彬。 甘崎
NWK
【えぬ-だぶる-けい】
 テレビ局。 甘崎
オキシジェンデストロイヤー
【おきしじぇん-ですとろいやー】
 初代ゴジラを葬り去った超兵器。回想シーンが流れている。 甘崎
ガイラ
【がいら】
 フランケンシュタインの怪物から細胞分裂して現れた巨大人型怪獣。自衛隊でメーサー殺獣光線車の威力を見せるためにライブラリーフィルムに収められていた。 甘崎
99式2連装メーサー砲
【きゅうきゅう-しき-に-れんそう-めーさー-ほう】
 機龍の口内に装備された2連メーサー砲で、別名ツインメーサー砲。二機が相互干渉を起こすことによって威力は跳ね上がる。 甘崎
95式470mm多目的誘導弾
【きゅうご-しきよんひゃくななじゅう-みり-たもくてき-ゆうどう-だん】
 機龍背部に搭載された小型ミサイル。ゴジラとの接近戦において使用された。 甘崎
90式戦車
【きゅうまる-しき-せんしゃ】
 74式戦車の後継として1990年に自衛隊で採用された実在の戦車。映画の中では最も多く登場している戦車でもある。 甘崎
90式メーサー殺獣光線車
【きゅうまる-しき-めーさー-さつ-じゅう-こうせん-しゃ】
 1966年にガイラに使用された66式メーサー殺獣光線車の改良型。1990年に特生自衛隊に配備される。 甘崎
機龍
【きりゅう】
 人類が開発した二足歩行型対ゴジラ兵器。その姿はメタリックなゴジラ。これは極秘に引き上げられた初代ゴジラの骨格をベースにしているため。制式名称は3式多目的戦闘システム。メカゴジラという愛称で呼ばれる。 甘崎
機龍隊
【きりゅう-たい】
 機龍の運用に携わる実行部隊。特生自衛隊の精鋭中の精鋭で、しらさぎより機龍の運搬及び操縦を行う。 甘崎
機龍プロジェクト
【きりゅう-ぷろじぇくと】
 オキシジェンデストロイヤーによって海底深く沈んだゴジラの骨を引き上げ、それをベースに対ゴジラ用生体ロボット開発に携わるプロジェクト。五十嵐総理大臣による対G特殊兵器開発特別法案が可決され、極秘裏に行われた。 甘崎
工藤元
【くどう-はじめ】
 特生自衛隊員。横浜八景島シーパラダイスで避難誘導をしていた。役は谷原章介。ちなみに全く同じ名前で同じ顔の人物がゴジラ×メガギラス』にも登場しているが、別人という設定。 甘崎
原子熱戦砲
【げんし-ねっせん-ほう】
 記録フィルムで登場した兵器。これがメーサー殺獣光線車開発の原点となったと説明される。 甘崎
ゴジラ
【ごじら】
 八代目。初代ゴジラと同種の生物で、この世界においては二代目の個体となる。1999年に房総半島に上陸した後、2003年に再上陸。三式機龍と激戦を繰り広げる。 甘崎
ゴジラ細胞
【ごじら-さいぼう】
 初代ゴジラの骨を分析した結果発見された細胞。湯原博士によって培養・増殖が成功し、三式機龍開発に用いられた。 甘崎
ゴジラ(初代)
【ごじら-しょだい】
 1954年に日本に現れ、オキシジェン・デストロイヤーによって殺されたとされる最初に現れたゴジラ。ゴジラ出現によって地球生態系は大きく崩壊したとされる。本編とは異なり、ここでは骨は溶けずに残り、機龍の骨格として利用されることになる。 甘崎
88式地対艦ミサイル
【はちはち-しき-ち-たい-かん-みさいる】
 通称「SSM」、愛称は「シーバスター」。名前が示す通り、敵の上陸を防ぐ為、地上から海上にいる敵艦隊を遠距離から攻撃することが可能な兵器。大型トラックにミサイルを6門搭載しており、その形状から特撮スタッフの間では「平成のポンポン砲」と呼ぶ人もいるとか。ただ『G×MG』では地上にいるゴジラへの近距離攻撃を実施しており、使い方としては間違い。むしろ『GMMG』での東京湾上にいるゴジラ目掛けての一斉射撃の方が、現実的な運用法から見て正しい。 荒馬大介
名称
【】
  甘崎

 

ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS

 


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ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS超全集

 

赤塚
【あかつか】
 特生自衛隊整備士。八王子駐屯地で機龍の整備を行った。役は内浦純一。 甘崎
秋葉功
【あきば-いさお】
 防衛庁内局長官。機龍隊の秋葉恭介の父。息子を前線に送りたくないために機龍運用反対派に属していた。役は清水紘治。 甘崎
秋葉恭介
【あきば-きょうすけ】
 航空自衛隊のエースパイロットだったが、機龍を操縦したいがために機龍隊に志願し、特生自衛隊員となった。オペレーターとして如月梓と共に機龍操作を行う。防衛庁内局長官秋葉功の息子。役は虎牙光輝。 甘崎
アブソリュート・ゼロ
【あぶそりゅーと-ぜろ】
 機龍の最終兵器だったが、ゴジラとの激闘で損傷してしまい、修復困難のため、取り外され、その代わりに三連ハイパーメーサーユニットが装着された。 甘崎
五十嵐隼人
【いがらし-はやと】
 日本国総理大臣。機龍プロジェクトの凍結を迫られ、やむなくゴジラとの戦いで傷ついた機龍の修理を中断するが、日本を守るために戦うモスラを救うため、修理途中の機龍に発信命令を下す。役は前作に続き中尾彬。 甘崎
命は定められた時の中にこそあるべし
【いのち-は-さだめられた-とき-の-なか-に-こそ-ある-べし】
 軽井沢を訪れた小美人が残していった石版に書かれていたインファント文字の言葉。 甘崎
インファント島
【いんふぁんと-とう】
 モスラのいる島。 甘崎
NWK
【えぬ-だぶる-けい】
 テレビ局。 甘崎
オキシジェンデストロイヤー
【おきしじぇん-ですとろいやー】
 初代ゴジラを葬り去った超兵器。回想シーンが流れている。 甘崎
オスプレイ
【おすぷれい】
 制式名称オスプレイ29。ティルトローター型垂直離着陸機。海中を移動するゴジラの姿を確認した。 甘崎
カメーバ
【かめーば】
 千葉県九十九里浜に漂着した巨大な亀のような怪獣の死体。1984年にその個体が確認されたらしい。初出は『ゲゾラ ガニメ カメーバ 決戦!南海の大怪獣』で、亀に宇宙生物が寄生して巨大化したものだが、この世界では初代ゴジラの出現後、地球の生態系が崩れたことによって生まれたことになっている。。 甘崎
如月梓
【きさらぎ-あずさ】
 自衛隊パイロット。第1機龍隊性パイロットとして、しらさぎ2号機を操縦する。役は吉岡美穂。 甘崎
99式2連装メーサー砲
【きゅうきゅう-しき-に-れんそう-めーさー-ほう】
 機龍の口内に装備された2連メーサー砲。前作から変わらない武装。 甘崎
98式320mm多目的誘導弾
【きゅうはち-しき-さんびゃくにじゅう-みり-たもくてき-ゆうどう-だん】
 3式機龍のバックユニットに装備されたミサイル。誘導式で、目標物を追尾するほか、機龍周囲に雨のようにミサイルを振らせることも出来る。 甘崎
95式470mm多目的誘導弾
【きゅうご-しきよんひゃくななじゅう-みり-たもくてき-ゆうどう-だん】
 機龍背部に搭載された小型ミサイル。 甘崎
90式戦車
【きゅうまる-しき-せんしゃ】
 74式戦車の後継として1990年に自衛隊で採用された実在の戦車。映画の中では最も多く登場している戦車でもある。 甘崎
90式メーサー殺獣光線車
【きゅうまる-しき-めーさー-さつ-じゅう-こうせん-しゃ】
 機龍の支援のために用いられたメーサー車。 甘崎
機龍
【きりゅう】
 ゴジラを撃退した経歴を持つ対ゴジラ決戦兵器。先般のゴジラ襲撃による日本経済の打撃と、民間の反対運動を宥める意味もあり、メンテナンスもままならない、お荷物兵器と化していたが、再び現れたゴジラに対するため、急遽追加武装がなされるに至る。 甘崎
ゴジラ
【ごじら】
 八代目。前作と同一個体。初代ゴジラの記憶を取り戻した機龍によって日本海溝の底へと運ばれる。機龍に不快執着を見せたことから、初代の子供という推測もある。 甘崎
3連ハイパーメーサー
【さん-れん-はいぱー-めーさー】
 破損したアブソリュート・ゼロ砲の代わりとして機龍の胸部に設置された三連砲の強化メーサー砲。 甘崎
小美人
【しょう-びじん】
 インファント島に住む身長21センチの二人組の妖精。テレパシーでモスラと会話することが出来る。ゴジラの骨を使って機龍を作ることを止めるために日本にやってきたが、最終的にはゴジラを倒すという共通の目的のためモスラを機龍のサポートに向かわせる。 甘崎
スパイラル・クロウ
【すぱいらる-くろう】
 三式機龍の右手に装備されたドリルアーム。これをゴジラに突っ込んだ。 甘崎
名称
【】
  甘崎

ゴジラ FINAL WARS


ゴジラ FINAL WARS
2004年
北村龍平(監) 松岡昌宏、菊川怜、宝田明、ケイン=コスギ、水野真紀、北村一輝、ドン・フライ、水野久美、佐原健二
 近未来。人類最大の敵ゴジラを南極の氷の中に封じ込めることに成功した人類だったが、度重なる戦争と核実験は数多くの怪獣を目覚めさせてしまっていた。それに対抗すべく人類は地球防衛軍を設立。その中核にはミュータントによる特殊部隊が存在していた。通称M部隊の隊員尾崎真一(松岡昌宏)は若き生物学者音無美雪(菊川怜)の護衛で北海道で発掘された謎のサイボーグ怪獣の調査に向かうが、それと時を合わせるかのように世界各地に多くの怪獣が出現する。更にそれらの怪獣を全て回収したX星人も地上に降りてくる。友好関係を築きたいと申し出るX星人の申し出に喜ぶ人類だったが…。
 
“とりあえず”のゴジラの最終話として作られた作品で、東宝はかなりの賭に出た事が分かる作品。なんせ総製作費20億はこれまでのシリーズにはない破格の製作費だったし、バトル映画(アクション映画にあらず)では定評のある北村龍平を監督に抜擢。更に水野久美、宝田明、佐原健二と言った、往年のゴジラ映画には馴染みの深い役者を多量投入。
 覚悟の程は分かるものの、正直、これほど不安だった作品はない。北村龍平というと、スピード感重視の迫力あるバトルシーンを作ってくれるけど、その分ストーリーに関してはもはや言うべき事もないボロボロの作品を作ってしまうから。
こいつに最後のゴジラを託すのかよ
 これは私だけじゃなく、恐らく往年のゴジラファン全員がそう思っていたのではないかと思う。北村龍平に作らせたら、当然ゴジラの重量感は無くなるだろうし、わちゃくちゃにバトルの連続になるだろう。怪獣も数が出てくるけど、数が数だけに見せ場は作れないだろう。しかもミュータント部隊などと言う、怪獣に対抗できる人間が出てくる…
 こんなので終わるのかよ!
 …とだけ言わせてくれなければそれで良し。正直な話、かなり悲壮な気持ちで劇場へ…

 それで、である。
 は?なにこれ?
 面白いじゃないか
 正直、これだけ悲壮な気持ちで観に行って、
笑わせられるとは思ってもみなかった

 確かに私が観たかったゴジラの姿も、“こうあるべきだ”としてきた怪獣ものの正しいあり方も
そこにはまるで存在しなかった。ここには「ゴジラ」という素材を使って強引に自分の映画を作ってしまった北村龍平という人物しか見えない。
 燃えるシチュエーションだけを置いてストーリーなどどこ吹く風のストーリー展開。重量感があるのだか無いのだか分からないゴジラを始めとする怪獣群のアクロバティックな動き、ミュータント部隊同士による意味がないけど激しすぎるバトル。ミュータント部隊と怪獣とのガチンコ対決。ほとんど意味のないお色気シーン、玄太哲章の声で語るドン・フライとキレすぎの北村一輝。何の衒いもなく他の映画からのパクリを堂々とやってのける。
もはやこれは怪獣映画じゃなく北村映画としか言いようがない。凄まじい出来に仕上げてくれたもんだ。
 
怒るより呆れた…けど、その呆れを通り越えて楽しめた。
 50年の歴史を持つゴジラに対し、真っ向から
「俺が食ってやる」という姿勢で臨んだ北村監督の狙いは間違ってない。いや、それどころか、妥協のない「オレオレ」映画だからこそ、中途半端に終わることなく北村映画として充分鑑賞に足るものだった。

 しかし、この作品で透けて見えたのは、実は別の事だった。
 何事にも原理主義を主張する人間というのはいるものだが、
多分に私自身それに陥っていたと言う事実がそれ。
 私はゴジラとはこうあらねばならない。と言う枠に押し込め、
その範囲内でだけ楽しもうとしていたのではないか?事実、ゴジラ作品の中に一種の“粋”の世界をそこに見ようとしていたのは事実で、そこから離れてしまうのは、後ろめたいというか、それを楽しんではならないと言う思いに陥っていたのではないか?そう言う思いにさせられた。
 しかし、そのような粋を感じるのは実はほんの一部の人間だけであり、それを認める人間というのは数が少ない。事実、マニアの中では傑作と言われる前作『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003)の興行成績はボロボロだった。
 しかし、考えてみると私が初めて観たゴジラはゴジラ好きの人間には殆ど評価されていない『ゴジラ対メカゴジラ』(1974)であったわけだし、
それを凄く楽しんだのは事実。後になってオリジナル版の『ゴジラ』(1954)で衝撃を受けてから、多分そこでどこか思考停止に陥っていた部分があったのではないか?そのように思えるのだ。
 ゴジラとは、一作目の意義を失った時点で、
どれだけ遊んでも構わない訳なんだよな。むしろそうやって試行錯誤して新しいタイプを作り出すべきだったんだ。格好良いだけのゴジラがあって良いじゃないか。昭和シリーズを見ろ。そんな作品ばかりじゃないか。逆に平成シリーズのボロボロさ加減とは、私のように“ゴジラとはこうあらねばならない”という視野狭窄に陥って作られてしまったからではなかったか?
 一作目の再来は『ゴジラ』ではありえない。その前提に立っているつもりで、やっぱりそちらに引きずられすぎていた自分がいたわけだ。むしろこれは面白かったと言うより、自分自身を振り返らせてくれた。

 後もう一つ評価できることは、人間と怪獣をシンクロさせる方法。今まで色々な方法が試されてきた事なのだが
(細かくは『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(1967)のコメント参照)、ここではそれに真正面から取り組んでいた。先ず冒頭で轟天号に乗ってゴジラと戦うシーン。これは最も単純なパターン。しかしその後、実際にミュータント部隊が本当にエビラと戦ってしまい、しかも殆ど勝ちかけたと言うシーン。これは確かに初めてのこと。怪獣に対抗できる人間がいるとする、実に単純な論理でそれを描いていたこと。それとラストのミニラの存在も大きい。『ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃』(1969)で使われていたパターンであるが、最初ミニラを小さい姿で出しておいて、人間と一緒にいさせ、最後に巨大化させてゴジラと意志疎通をさせるシーンもあった。そしてもう一つ新しいシーンがあった。のが松岡演じる尾崎が北村演じるX星人役に馬乗りになってボコるシーンで、モニターで全く同じ事をゴジラがモンスターXにしてる…あ、なるほど。これは確かにゴジラと人間の縮尺の差を超えて、シンクロさせられる方法だ。半分笑い、半分感心した。こう見ると、人間と怪獣の二面性のドラマをどうやって結び合わせるのか、よく考えていたんだな。

 ただ、どうしても駄目だと思ったのがいくつか。
 設定に関してやると、
それこそ論文が書けそうになるのでやめるが(笑)、最大の問題点は、北村監督、怪獣映画全般は好きだけど、ゴジラ映画に限っては、思い入れがちょっと足りないのが分かってしまった所。サービス満点でありながら、肝心の部分で「違うんだよ!」と言いたくなる。
 その中で大きなものは、怪獣の立場に関してなのだが、先ずキングシーサーは沖縄の守り神なんだから、沖縄を破壊してはいけなかった。あれをやるんだったら、ただ一つ台詞を変えるだけで済んだんだ。
「沖縄から上陸したキングシーサーが鹿児島で暴れてます」。これだけで良かった(笑)。
 個人的にはヘドラが殆ど出なかったのも寂しいが、ああ言った軟体動物こそがゴジラを一番苦しめられるはずなんだが…
(これは個人的な趣味)
 それと、ゴジラ最強の敵と言えば、当然“あれ”しかないのだが、何故出さないんだろう?と公開前には思っていた。それでモンスターXが“あれ”に変わる瞬間はカタルシスを覚えたもんだが
(瞬間的にマジ涙が出そうになったぞ)、なんでオリジナルと同じにしない?しかも格闘をさせるために吊りで動かしていなかったたため、全然強そうでない。そもそもあの体型で格闘させようとすること自体が変じゃないか?大きく空に舞い上がって、優位な位置で徹底的にいたぶらなきゃ。ほんと、手の届かないサービスだよな。

 惜しむらくは、これは「最後のゴジラ」じゃなくて、
「ゴジラにはこんな面も出せるんですよ」という意味で、もうちょっと早く出してくれていれば…
 今回私自身の反省も踏まえ、少々評価は甘くさせていただく。
ゴジラファイナルウォーズ (東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION)
ゴジラファイナルウォーズ超全集

 

ガイガン
【がいがん】
 X星人の用心棒。ロボット生物で、何次かに渡ってゴジラと戦い、負ける度に武装を強化されて再登場する。 甘崎
東宝30cmシリーズ ガイガン (2004版)
S.H.モンスターアーツ ガイガン (2004)
キングシーサー
【きんぐ-しーさー】
 X星人によって凶暴化させられた沖縄の守護神。沖縄を襲うようになってしまう。 甘崎
モンスターX
【もんすたー-えっくす】
 ガイガンに続いて、X星人が用心棒とした本命の怪獣。骨の露出したような外観はシーボーズを思わせる一面もあるが、「GFW」怪獣らしく足が細身で長く、尻尾がなければ「怪人」という呼び名がぴったり来ていただろう。だが、そのスリムな姿は機敏に動けそうではあるがあまりに弱弱しい印象を見る者に与え、大ボス怪獣としての貫禄が足りないと言われたのは事実。そうした事情は実は計算済みであり、案の定この怪獣は四足に三つの頭、そして翼を持った「カイザーギドラ」へと変身した。だが、キングギドラよりは平成モスラに出演したデスギドラに酷似した姿はアグレッシブさに欠け、いささかはゴジラを苦しめはしたもののジャイアントスイングをかけられた後、あっけなく葬り去られてしまった。なお、この姿は「三つ首ドドンゴ」とも一部で囁かれた。 水那岐
名称
【】
  甘崎