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仮面ライダー555

仮面ライダー555事典

2003'1'26〜2004'1'18 

 平成仮面ライダー4作目。前作「仮面ライダー龍騎」に続き、井上敏樹が脚本を担当するが、この作品は全話を一人で担当しているため、一貫した作風となった(一年を通したドラマでこれをやった脚本家は数少なく、特撮では「仮面の忍者赤影」で父の伊上勝が行ったのが記録に残っている)。
 本作の面白いところは、ライダーがシステムであり、それなりの資格がありさえすれば誰でも装着ができると言う点で、実際仮面ライダー555も主人公の乾巧以外に複数によって装着された事が何度もある。これによって、仮面ライダーが悪人になることもあり、ヒーローという感じでは無くなった。
 それに合わせたかのように、主人公の乾巧も単なる善人ではなく、むしろぶっきらぼうで人当たりも悪いという、これまでにない主人公像を演じていた。更に、敵であるオルフェノク側に副主人公を置き、二人の交流を通して、互いに戦う理由を探していくと言う深みのある物語が展開。中盤になると主人公までもがオルフェノクであることが発覚するという意外な展開も用意されていた。

主な登場人物
乾巧
仮面ライダー555
ウルフオルフェノク
(役)半田健人。代表作は本作。役者としてより現在は持ち前の趣味の広さからバラエティ番組でよく見かけるようになった。
 偶然拾ったベルトによって555に変身出来るようになった青年。ぶっきらぼうで人付き合いも悪いが、根はとても良い奴。自分には夢が無いことを度々口にし、夢を見つけることが目的になっている。実はウルフオルフェノクであり、オルフェノクしか装着できない555ギアを装着できたのはそれが理由。
園田真理 (役)芳賀優里亜。ファッションモデル出身。代表作は本作。
 555のベルトを送られた少女。実は孤児で九州の養父母に引き取られていたが、555のベルトを手にしたことで、旅に出て乾巧と出会い、行動を共にしていく。巧を555にした張本人。流星塾の出身で、彼女を巡っての物語展開も非常に多かった。
菊池啓太郎 (役)溝呂木賢。役者、舞台俳優、バラエティ番組等で活躍中。
 両親のクリーニング店で働いている青年。人を幸せにすることに生き甲斐を感じている。そのため果てしないお人好しなのだが、時折腹黒い一面をみせることもある。たまたま修行のために九州でクリーニング店のバイトをしていた時に巧と真理と知り合う。
木場勇治
ホースオルフェノク
(役)泉政行。代表作は本作。2015'8'4病死。享年35。
 2年前事故で意識不明となり、仮死状態が続いていた男。心臓が一旦停止するが、ホースオルフェノクとして復活する。何かと巧と関わりを持つ。僅かな間とはいえ、何度かライダーにも変身している。本作もう一人の主人公。
長田結花
クレインオルフェノク
(役)加藤美佳。現在の芸名我謝レイラニ。父親が日本人と中国人のハーフ、母親が日本人とハワイ系アメリカ人のハーフ。
 家族に愛されずに育った女子高生。一度死んでナチュラルオルフェノクであるクレインオルフェノクへと変身した。海堂直也に片思いを続けている。
海堂直也
スネークオルフェノク
(役)唐橋充。本作がデビュー作だが、特撮ではお馴染みで、他に「ライオン丸G」のシシトラ、「ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO」のグランデ、「侍戦隊シンケンジャー」の腑破十臓など多数。
 スクィッドオルフェノクに襲われることでスネークオルフェノクに覚醒した青年。勇治と結花に同行することになる。性格は軽く、他の二人とは違いオルフェノクになったことを肯定的に捕らえている節がある。結局最後まで誰一人殺さず、最後は一人旅に出る。
草加雅人
仮面ライダーカイザ
(役)村上幸平。役者として活躍中。特撮では「時空警察ヴェッカーD-02」の木場健人役など。
 流星塾出身で仮面ライダーカイザに変身できる青年。極めつけのナルシストだが、真理に対する思いは本物で、それ故に幾多のトラブルを巻き起こす。
三原修二
話数 タイトル コメント DVD
第1話 旅の始まり・前編

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 事故で2年間の植物人間状態を経て一人の男が死亡した。その名は木場勇治。恋人からも見捨てられ、誰からもその死は悼まれていなかった。だが、その瞬間突然の覚醒を迎える。その頃、九州から東京へとバイクを走らせる一人の女性がいた。何者かに追われるように急ぐ園田真理の前に一人の男、乾巧が現れる。
 敵はスティングフィッシュオルフェノク。オコゼ型のオルフェノク。手から光る触手を出して獲物の心臓を破壊する。真理を追ってきたバイカーの一人で真理の持つ555のベルトを狙った。
 新シリーズの始まりの話だが、色々な意味で型破りな話に仕上がっている。オープニングから明るさはほとんど無く、主人公の一人が元恋人を惨殺するなど、子供向けからは一線を画した作りとなっている。良い意味で前作「仮面ライダー龍騎」のチャレンジ精神をもう一歩踏み出した感じだろうか。
 この作品の大きな特徴は主人公が二人存在し、一人は敵であるオルフェノク側にいるという点。心優しい人間なのだが、殺人衝動を止められないと言う、ある意味大変不幸なキャラ。しかも不幸がてんこ盛りで襲ってくる。ただ一方でヒーローである仮面ライダーに変身する方がぶっきらぼうで性格的にヒーローっぽくない。ヒロイン役の気の強さもこれまでにはあまり見られなかった描写で、「仮面ライダー」という素材を使ってどこまで離れられるかの挑戦のようにも見える。
 その主人公の乾巧にせよ、ライダーになったのは本当に単なる偶然というのも面白いところ。とりあえず事実が先にあり、その後で覚悟がくっついてくるのも
 真理が冷や汁定食を下品に啜り込むシーンあり。これだけで脚本が誰かは分かってしまう辺り、非常に特徴のある脚本家とは言える。
<逃げるためとは言え、得体の知れないシステムを偶然そこに居合わせただけの人間に使用する真理。彼女に言わせると「ものは試し」だそうだが、実は普通の人間にこれを使用したら死んでしまうんだよね。>

VOL.1
第2話 旅の始まり・後編

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 555のベルトに適合し、変身出来るようになった巧に同行して東京に行くことを決めた真理。だがその事実を全く受け入れない巧は、3日前に盗まれた自分のバッグを取り戻すことしか頭になかった。一方激情のあまり馬の怪物に変身してしまい、恋人を殺してしまった勇治は自殺を試みるが…
 敵はエレファントオルフェノク。パワー重視の象型のオルフェノクで、巨大な四本足形態に変化可能。555のベルトを奪おうとする。
 旅の始まりの話。真理はともかく、そう言えば1話目で名前が出てなかったため、主人公の名前が乾巧であることが始めて分かった。
 一方勇治の方は、絶望のあまり自殺しようとしたが、全く死ぬことが出来ず、更に目の前に現れたスマートレディから自分が変身したのはオルフェノクと呼ばれる存在であることを告げられた。
 現時点ではこの二つの物語が並行しているが、かかなり殺伐とした人間関係が展開中。巧の方は巧と真理の二人が全くかみ合わず喧嘩ばかり。まあこっちはまだコミカルと言っても良いが、勇治の方は本気で絶望の淵に立たされ、元恋人まで刃にかける。ここまで主人公に試練を与えるのか?
<巧のバッグの間違いが何度も繰り返されるが、ほとんど下着ばかりのバッグとファイズバックルとでは重さが全く違うと思うんだけど?
 2話目にして変身ポーズを決めるようになった巧。実はそれなりに気に入ってるんじゃないのか?>
第3話 おれの名前・前編

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 千恵を自らの手にかけてしまった勇治は現れたスマートレディに誘われるままスマートブレイン社へとやってきて、そこでオルフェノクとして生きるという内容の社長のメッセージを受け取る。一方九州では東京に向かう道すがら巧と真理は一人の男と偶然出会っていた。
 敵はオックスオルフェノク。牛の特質を持ったオルフェノク。巨大な両腕と頭部に巨大な角があり、それで突進してくる。突進以外の攻撃を使わないが、555と正面衝突してつぶされてしまった。
 新キャラ登場。偶然巧と真理に出会ったクリーニング店のバイト菊池啓太郎だが、単なる一度きりの登場かと思ったら、これから深く関わっていくことになる。巧はぶっきらぼうで真理は自分勝手。いい加減性格悪い二人の旅に、今度は逆に振り切れた良い奴すぎるのが加わった。これが加わることでますますアンバランスになってるのだが、それがこのトリオのおもしろさとも言える。
 そして啓太郎のメル友である結花という少女が登場。親にはネグレクトされ、妹からはカツアゲに遭うという、まあ典型的ないじめられっ子なんだが、こういう人間が復讐に走るととんでもないことになる。その辺明らかに狙ってる感じだ。
 一方、地下深くに学校が…なんだかよく分からない描写なんだが、多分物語に深く関わってくる設定なんだろうけど、今回の話はあっち飛んだりこっち行ったりでまとまりがないな。
<何かと食べる描写が多い本作だが、猫舌の人間が飯食ってる描写は妙に苛々する。猫舌の人には悪いんだけど。>
第4話 おれの名前・後編

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 巧と真理のキャンプにいつの間にか啓太郎が加わり、3人で東京に向かうことになってしまう。一方、東京では一回死んでしまった結花が息を吹き返していた。オルフェノクとなって…
 敵はカクタスオルフェノク、サボテン型のオルフェノクで、全身の棘を敵に噴出する。ファイズのベルトを手に入れ、ファイズに変身した。そしてマンティスオルフェノク。カクタスオルフェノクの上司だが、ファイズに変身したカクタスによってあっという間に殺されてしまった。
 凸凹コンビに空気を読まない熱血漢が加わり、これから凸凹トリオに。相変わらずマイペースでゴーウィングマイウェイな巧、555のベルトを使える巧を利用しようとして策を弄する真理、そして底抜けに明るい啓太郎…主人公側がおかしな具合になってる。
 それともう一方の主人公側となる結花は、ますます追いつめられていく。こちらの方は観てるだけで気が重くなる。いじめ問題もここまでストレートに描かれるときつい。オルフェノクの力を手に入れ、人を殺してもその罪悪感に苛まれる姿もあり。
 555のベルトはオルフェノクだったら装着できることが分かった。正義のヒーローが誰でも変身できるってのはかなり新しい設定だ(啓太郎が変身しようとしても出来なかったけど)。ついでに真理のバイクが変形したオートバジンが登場。
<汚い心を持っている人間が近くにいるとアレルギーが起こると喋る啓太郎。真理はそれに乗ってるけど、どっちの心についてかはフォロー無し。>
第5話 3人と3人・前編

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 東京に着いた巧ら3人は真理の父というスマートブレイン社の社長に会いに行く。だが門前払いを食らわせられ、しかも真理はいつもと違い歯切れが悪い。実は親というのは、本当の親子ではないのだという。一方、同じオルフェノク同士、手を取り合った勇治と結花も又、自分たちの正体を知るためスマートブレイン社へと向かっていた。
 敵はスクィッドオルフェノク。イカ型のオルフェノク。柔軟な肉体を持ち、敵の攻撃を受け流すことが出来、手にした杖から粘液を出して攻撃する。勇治と結花の教育係である戸田の正体。
 舞台は一気に東京へ。しかし、やっぱり主人公側3人が全員ゴーマイウェイなので全然まとまらない。東京に出た巧はそれで一旦は去ろうとするのだが、やっぱり二人の危機を見過ごしてはいられずに戻ってくる。これが巧のスタンスなのか。なし崩しに啓太郎の実家のクリーニング店に勤めることになってしまった。その際、巧は人と関わりを持たないようにするのは自分が人を裏切るのが怖いから。と述懐している。
 もう一方の主人公側ではオルフェノクとして生きるための訓練なるものを受ける勇治と結花。これまでも何度か人を殺していながら、人殺しに嫌悪感をおぼえる二人は、オルフェノクとして生きることをなかなか受け入れられない。
 これまでの経緯から、一旦死んだ人間がオルフェノクになる事が分かっていたが、オルフェノク側としても仲間を増やすために積極的に殺人を繰り返していたことが分かってきた。オルフェノクに殺されると、その人はオルフェノクになりやすいらしい。
 オルフェノクが人を殺すと言う意味がここで明らかになった。地球征服とか侵略とかではなく、身を守り、仲間を増やすために人を襲うと言うのは、かなり面白い設定。彼らは単に自分たちが生き延びるために行動しており、自分たちが人類の進化形であることを信じようとしているだけ。結構悲しい存在でもある。
 スクィッドオルフェノクの人間態戸田英一役は影丸茂樹。「特捜エクシードラフト」主人公。

VOL.2
第6話 3人と3人・後編

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 勇治と結花の教育係だった戸田が最後に襲った海堂直也がオルフェノクに変化した。彼を仲間として受け入れようとする二人。一方クリーニング店のバイトを始めた巧は、相変わらず真理や啓太郎と衝突を繰り返していた。そんな中、真理は父親であるスマートブレイン社の社長に会いに行くことにした。
 敵はスネークオルフェノクホースオルフェノク。主人公同士の初対戦となる。
 巧側と勇治側で話は展開中。二人はスマートブレイン社ですれ違うが、まだお互いを認識していない状態。巧の方はスマートブレイン社に入り込むため、勇治のIDを盗もうとするとか、おおよそヒーロー側とは思えないような行動が目立つ。ただ、オルフェノクが人を襲ってるのを見ると、反射的に555になってしまう辺り、やっぱりヒーローか?
 メル友の啓太郎と結花も物理的接触を果たすものの、お互いに顔を知らないままなので、当然本当に出会うだけ。
 勇治側に新しい仲間が加わった。その海堂直也は、他の二人とは異なり、オルフェノクになったことをとても前向きにとらえていて、今までにないキャラ描写になってる。
 それで巧の555と直也のスネークオルフェノク、勇治のホースオルフェノクとの戦いが展開するのだが、主人公同士の戦いのため全く決着は付かないまま。
 相変わらず食事風景がよく出てくるが、すき焼きを前に、熱くて食べられない巧が妙にかわいそうだったり。啓太郎の夢を聞かされ、ちょっと羨ましく思ってる巧の姿もある。
<覚醒したばかりのスネークオルフェノクに対し容赦ない攻撃を加え続ける555の姿は相手をいたぶってるようにしか見えない。むしろスネークオルフェノクを助けようと割ってはいるホースオルフェノクの方が格好良いくらい。どっちがヒーローだ?>
第7話 夢の守り人・前編

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 直也の危機にホースオルフェノクに変身した勇治は555の前に飛び出し、2体のオルフェノクと555との戦いが始まった。結果お互い大ダメージを受けてしまう巧と勇治。だが助けられたはずの直也は重傷を負った勇治を放って去ってしまう。
 敵はオウルオルフェノク。鋭いかぎ爪が武器のオルフェノクで、黒煙を発して姿を消せる。
 二組の主人公組それぞれで物語が展開中だが、巧と勇治の初激突もあり。これまであっけなく555の必殺技に倒されてきた他のオルフェノクとは違い、ホースオルフェノクは見事そのパワーを受け止めきった。
 勇治側は直也が話の中心であり、夢を断たれた彼は人を憎んでるのだが、やっぱり勇治と一緒で、人を憎みきれない存在として描かれていて、色々大きな事は言っているものの、現時点では誰一人殺してもいない。
 一方巧側では啓太郎が余計な頼みを聞いてしまい、また事件に巻き込まれることに。
 そんな啓太郎につきあわされた巧は、何を言われても否定するばかり。「夢」という単語を聞くと、反発したくなるらしいが、言ってることがそれこそ全部お子ちゃま。やってる事はしっかりヒーローしてるから、そのギャップが面白い。
<スマートレディが言うには、勇治はまだお子ちゃまなので、結花が大人にしてくれ。とのこと。朝の番組でやるにしてはかなりきわどいギャグだ。>
第8話 夢の守り人・後編

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 直也にあこがれ、クラシックギターの練習をしている和彦に出会った直也はしばし復讐の心を忘れていた。そんな直也を見守る勇治と結花。一方美容師の研修で怒られてしまった真理は巧や啓太郎に八つ当たりして家を出てしまう。
 敵はオウルオルフェノク。大学の先生の正体で、直也のバイクに改造を施したのもこいつ。ホースオルフェノクによって倒される。そしてスカラベオルフェノク。スマートブレイン社の意向を無視して真理を襲うが、それを察知した巧の555に倒される。
 今回も直也が中心になった話で、勇治側に話の重点を置き、「夢」と言うキーワードで巧側、勇治側のどちらも心情的な話が展開する。「夢」というのは本作を通してのキーワードとして働いているのを印象づけた話となった。
 夢を語ることの出来ない巧と勇治が、他者の夢に託して戦う。物語の本質に関わる重要な話である一方、戦いそのものはとてもなおざり。今回に関してはそれで良いのかもしれない。
 巧は「(夢は)俺には全然分からない」と言いつつ、美容師になる夢を持つ真理を密かに応援し、一方ギタリストになる夢を強制的に諦めさせられた直也は、夢を「呪いと一緒」と断定する。そんな叶えられなかった夢の無念を晴らしたのは、勇治のホースオルフェノクだった。
 今回も食べ物の話題があり。真理がみんなのために作った食事というのが鍋焼きうどん。猫舌の天敵だが、よく二人が帰るタイミングがわかったもんだな。
<名前の分からない教授=オウルオルフェノクの目的は自分より音楽の才能のある人間を許せない。と言うもの…冷静に考えたら一体何人殺すつもりだったんだ?
 555の助けに現れたはずのオートバジンは555ごと攻撃。555の方もそれで八つ当たりしてる。こんなコミカルな描写もやっぱり脚本家のお陰か。>
第9話 社長登場

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 啓太郎の家にスマートブレイン社からの連絡が入った。いよいよ父に会えるとスマートブレインに乗り込む真理と巧。だがそこにいたのは真理の父ではなく、村上という新社長だった。村上に言われ、ファイズギアを返すことにした二人。一方、自分の生き方に悩む直也は、勇治と結花の制止を振り切りマンションを逃げ出すのだが…
 敵はスネイルオルフェノク。カタツムリ型のオルフェノクで、町を騒がしている泥棒の正体。
 自社の持ち物と言われ、あっさりとファイズギアを返してしまう巧。ヒーローとしては少々軟弱ながら、脚本が一貫しているからこそ出来る話ではある。
 一方の勇治側では、やっぱり勝手な直也に手を焼いている様子が見える。直也が子どもと同じなので、むしろ勇治は親のような心境でそれを眺めている節あり。
 そして勇治と巧が今回も遭遇しているが、やっぱりその出会いは雰囲気悪い。やっぱりここでも勇治は巧や真理を子供扱い。勇治の立ち位置ははっきりしてきた。
 今回555に変身したのはなんと直也。特定の人間でなくても変身できるライダーってのは始めてのことだが、この設定がこれからどう活かされていくか。
<猫舌の巧を見た村上はメイドに「ふーふーして差し上げなさい」とか指示してる。冷たいスープに取り替えるとか、もうちょっとやり方があるんじゃないの?>

VOL.3
第10話 謎のライダー

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 新社長からはぐれオルフェノクを始末するため555のベルトをもらったという直也。その直也から勇治は新社長の方針によれば、自分たちも又はぐれオルフェノクになると警告を受けてしまう勇治。一方、555のベルトを失った巧は何をしても身が入らず、ただ時間を過ごすだけになっていた。
 敵はスネイルオルフェノク。これまで一度も人間を襲ったことが無く、それ故に警告を受け、人を襲い、その快感に目覚める。
 ベルトを失った巧と、スマートブレイン社から警告を受ける勇治。二人がそれぞれ危機を迎えている。
 ただ、どっちかというと巧側はコミカルに描かれているのが特徴か。555のベルトを返してすっきりしたと本人は言ってるけど、周りから見たら、それは単にネタとなるだけ。直也が555になったことを知り、「俺の方がまだマシ」と、ベルトを取り返そうとしてる。なんだかんだ言ってヒーローとしての自覚はあるのね。危機を乗り越えて自覚を得る。上手く造られた話ではある。
 一方、色々言ってもやっぱり勇治の元を去ることが出来ない直也。このままでは自分が勇治を殺さねばならないと思っての事だろう。だが、社長命令で勇治を殺さねばならなくなり、それなりに悩んでいる。そして勇治の見てないところで人間を襲う結花。こちらもきちんとドラマが展開している。
 その両者の間をつないでいる啓太郎。と、話としての完成度はかなり高い。
 突然何の伏線もなく地下に閉じこめられた男たちが出てきたり、新しいライダーの影が出てきたりと、細かいところで色々動きが出てもいる。
<決してツッコミ所ではないのだが、555が必殺技に至るには武器を取り出し、装着してエネルギーチャージさせる必要がある。こんな手間かかる必殺技だとあんまり使い物にならないな。
 これまで一度も人間を襲ったことがなかったというスネールオルフェノク。襲わないと殺されると警告されてながら、襲ったらやっぱり殺された。可哀想なキャラではある。>
第11話 謎のベルト

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 555のベルトを無事取り戻すことが出来た巧。喜び合う面々だが、そんな彼らを眺めているもう一人のライダーの姿があった。一方、戦いで傷ついた直也をマンションに担ぎ込んだ勇治だが、今度は結花が出て行くと宣言してしまう。
 敵はクロコダイルオルフェノク。ラッキークローバーの一員であるジェイが変化したオルフェノク。堅い装甲とパワーを持ち、555の必殺技もしのいで見せた。
 物語が急展開。新しいライダーの登場と、スマートブレイン社のラッキークローバーと呼ばれる幹部連中が勢揃いした。ただ今回はどちらも顔見せ程度。
 勇治の方は、いつの間にか結花、直也と共にトリオを組むことになるのだが、どうにもぎくしゃくして今度は結花がマンションを出る羽目に。たまたまマンションに来た真理と直也は妙に仲が良くなってるし、結花は啓太郎とデート(ちなみに互いにメル友であることは知らないまま)。複雑な人間関係が形成されつつある。
<犬飼が灰になったのを見た巧は、それがオルフェノクによるものと直感。すぐにベルトを装着してる。素早いけど、いつも持ってるのかな?
 最後に颯爽と現れた謎のライダー。ジェットコースターのレールの上でポーズ取ってるけど、どんだけ自己顕示欲高いんだか。>
第12話 流星塾

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 555とクロコダイルオルフェノクの間に割って入ったもう一人のライダー。圧倒的な力を誇示してクロコダイルオルフェノクを撃破するが、その直後そのライダーは全身から火花を発し、二人の前から姿を消す。ベルトの写真を送ってきた人物と何らかの関係があるのではないかと推測する真理は、かつていた流星塾の仲間に連絡を取るのだが…
 敵はクロコダイルオルフェノク。一度はカイザによって撃破されたが、再生能力を持ち、灰の中から復活する。何でも3つの命を持っているらしい。
 真理の過去との関連の話。真理は元々孤児で、スマートブレイン社の前社長によって引き取られたが、そう言う人は結構いて、それらのこども達で形成されるのが流星塾。どうやらライダーシステムに耐えられる人間を造り上げるプロジェクトだったらしい。
 新しいライダーが登場した途端、装着者が死んでしまった。ライダーシステムとは相当に危険なシステムであることが分かってきた。555に変身しても何ら肉体的に問題がない巧には何か特別な力が?
 一方勇治側は、結花が直也に対する思いをはっきりと口にし、人間を襲わない勇治にはスマートブレイン社から脅しが入った。この時いつもにこにこしてるスマートレディが無表情な顔を見せるが、それが結構怖い。
<好きな人が出来た。という啓太郎に対し、「二股なんて最低だ」と言う巧。それは良いけど、理由は「俺にさえ彼女がいないのに」…そっちかよ?
 前々回555の戦いを眺めていたカイザは高宮という男だったらしい。しかし、装着してすぐに死んだとか…思わせぶりな登場だったのに。>
第13話 敵か味方か

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 装着した人間の命を奪うカイザギア。そして謎の言葉を残して死んでいった増田。これから一体どうすればいいのか、元流星塾生は悩む。その手がかりを求め、唯一同窓会に来なかった草加雅人にコンタクトを取ることとなった。一方、悩みを抱えたまま勇治のマンションに戻った直也は、「これからは人間として生きる」と宣言する。
 敵はエキセタムオルフェノク。ツクシ型のオルフェノクで、地中を高速移動することが出来る。そして復活したクロコダイルオルフェノク。どちらもカイザによって倒されたが、クロコダイルオルフェノクの方は又しても復活。
 仮面ライダーカイザに適合した男草加雅人の登場話。何でもそつなくこなし、自分に関わりを持たない人間には徹底して無関心、自分に敵対する人間には物理的精神的に容赦せずにぼこぼこにする。嫌味なライバルキャラとして一発で定着してしまう。こういうキャラを出したら井上脚本は本当に見事だ。ここでは勘違いして最初全然違うキャラを雅人と思いこんでいた巧達の空回りの方が話の中心になってるけど。
 そんな雅人にどうにも我慢が出来ない巧はつい突っかかってしまう。こいつはこどもと同じだな。
 一方「人間として生きる」と宣言した直也はデートと称して結花を引き回していたが、本命は真理の方。それを知った結花の方はかなりショックを受けてしまう。こいつらも随分困ったちゃんだな。
 そんな結花は、勇治や直也とは異なり、人を殺すことにあまり抵抗感を持っておらず、人に迷惑をかけるような人間には容赦なく鉄槌を下してる。凄いヒロインだ。

VOL.4
第14話 巧の意地

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 カイザに変身しても身体に異常が起きない雅人に、流星塾の面々はカイザギアを託すことに。一方恋をしてると主張する直也は勇治の忠告も聞かず、真理につきまとう。
 敵はクロコダイルオルフェノク。既に二回倒され、最後の命を使ってベルト奪還を試みる。そしてセンチビートオルフェノク。琢磨が変身したオルフェノクで、ホース、スネーク、クレインの三体のオルフェノクを軽くあしらった。
 カイザの話は続いているが、これでカイザは草加雅人専用のものとなった事が確定。本人曰く「思わず変身してしまった」そうだが、妙に戦い慣れているのと、何らかの事情を知ってそうな態度が妙な感じ。それで喧嘩腰になってる巧。雅人に胡散臭さを感じているらしいが、言ってることが子供じみてるので、誰からも相手にされてない。なんだかんだ言って口べたな主人公なんだな。一方雅人は雅人で思い切り表裏のあるキャラに設定されてる。
 一方の勇治側では、裏切り者のオルフェノク狩りに遭ってしまう。しかし、結花のクレインだけはリストに載ってないという…こいつだけはこっそり人殺し続けてるからな。真理に惚れてる直也は妙に真理に従順で、そのあたり
<雅人に「一緒に住もう」と提案する啓太郎。随分簡単に居候を増やしてるけどやっぱり経済観念ってのがないんだろうな。
 ラストシーンでホースオルフェノクを川に叩き込んで、満足したかのように去るセンチビートオルフェノク。もはや完全なネタだな。ついでに言えばクロコダイルオルフェノクと相打ちになった巧まで川に落ちてる。>
第15話 落ちた偶像 〜φ's vs χ〜

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 川に転落した巧を必死で探す啓太郎は川岸に打ち上げられた人影を発見する。だが引き上げてみると、それは巧ではなく勇治だった。一方同じく川に落ちた勇治を捜す直也と結花は逆に巧を発見していた。
 敵はセンチビートオルフェノク。前回ホースオルフェノクとスネークオルフェノクをあっけなく退けたが、今回はスネークオルフェノクとクレインオルフェノクと戦っている。
 巧と勇治の二つのグループの中心人物がお互いのことを知らないまま互いのグループに引き取られるという、いかにもマンガチックな話が展開。なんとなくすっきりはしないのだが、こういうねじれを起こさせるのは井上脚本が好んで使う手法。
 しかしながらグループといっても、メンバーの思惑は複雑で、巧側は雅人が、勇治側では結花が、それぞれ勇治と巧の心に傷を残すことになる。この辺のみょうなしっくりこなさも又、井上脚本の醍醐味かもしれん。
 特にクレインオルフェノクが結花であることを知ってしまった巧は、優しさと残忍さの両方の感情を持ったその複雑な感情を、不器用故に誰にも説明することが出来なくなってしまい、それが誤解を招いて感情の行き違いを生む。
 その結果として、ライダー同士の激突。という、やっぱり井上脚本の醍醐味とも言える物語に展開。オルフェノクとライダーの戦いが一切無く(いたぶる描写はあるが)、むしろオルフェノクを救おうとしてライダーが戦ってる。
 全般的に言って、この話こそが井上敏樹という脚本家の要素が詰まった話とも言えるだろう。川に叩き込まれる描写もちゃんとあるし。
<クレインオルフェノクの痛みを描写したいのは分かるけど、無抵抗のクレインに対しカイザがねちっこくいたぶりすぎ。どう見ても悪人にしか見えない。
 オートバジンに対するカイザのサイドバッシャーのサイズが、たとえサイドカー部分があるにしてもでかすぎるような。
 ラストシーンで555に向かってサイドバッシャーのミサイルを発射するカイザ。555の背後には生身の真理と啓太郎がいるんだけど、真理は良いのか?>
第16話 人間の心

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 555に襲われたカイザは555を圧倒しながらも、真理と啓太郎が近づくと、555にやられたポーズを取り、それを目撃した真理と啓太郎は巧に対し不信感を抱き始める。巧は皆には何も言わず、人間の心を持ったオルフェノクに対しどう接するべきかを思い悩む。一方、自分が殺してしまった恋人の兄森下の訪問を受ける勇治だが…
 敵はフライングフィッシュオルフェノク。トビウオ型のオルフェノクで、水中銃を用いて攻撃する。
 本格的な意味で巧側と勇治側の接触。結花がクレインオルフェノクであることを知った巧は、オルフェノクとして生きることの意味を結花に問う。ここで巧=555、結花=クレインオルフェノクであることお互いに認識した。
 そしてライダー同士の戦いが本格化。あくまで自分中心に考える草加は巧を仲間とは一切思っておらず、利用できないならいない方が良いと考えているようだ。それに対しぶっきらぼうな巧は雅人に反論することも出来ず、立場がますます悪くなっていく。いずれにせよこの展開は観てるだけで相当にストレスが溜まる。
 その合間を縫うようにして直也が真理に対してストーキングしてる部分がコミカルに描かれるのだが、これもコミカルというには、あまりに痛々しい。
<物語上ツッコミ所は無いとは言え、都合良く関係者がオルフェノクに襲われる描写はできすぎかな?>
第17話 巧、復活

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 人間の心を持つオルフェノクがいることを知ってしまったため戦えなくなってしまった巧。一方、オルフェノクに襲われながらも再び目を覚まし、「悪魔に魂を売ってでも妹の敵を討つ」と宣言する森下に何も言えなくなってしまった勇治。
 敵はアルマジロオルフェノク。千恵の兄森下が一度死んだ後、オルフェノクとして覚醒した姿。変身したてだが、腕力にものを言わせて攻撃する。そして前回に続きフライフィッシュオルフェノク
 結花と出会うことで戦えなくなってしまった巧。しかし不器用なため、その相談を真理にも啓太郎にも出来ず、一人悩む。
 一方勇治も、妹の敵討ちに燃える森下がオルフェノクとして復活したのを見ているしか出来ない。
 こんな二人が偶然出会う。悩む主人公二人が会うというシチュエーションはドラマとしては優れている。この二人がそれぞれに悩みを抱えながら、誰にもそのことを喋ることが出来ない。という事だけを確認するのは名シーンで、その意味では大変面白いのだが、観ていて気が滅入る。
 今回で精神的に復活したのは巧。ヒーローはたとえぶれても戦い続けねばならない宿命を帯びているので、これは良し。だけど一方の勇治はやっぱり悩み続けることになる。
<そう言えばオルフェノクの目的って仲間を増やすことだったはずだけど、今のところ仲間として覚醒したのはスネークとアルマジロの2体だけじゃないか?効率悪いな。
 今回もアルマジロオルフェノクが凶行に及んだ瞬間にその部屋にやってくる啓太郎。間が悪いというか、あまりにもオルフェノクに縁がありすぎる。
 学園の中に「猫舌を直す方法」のパンフレットを持って突然現れる真理。シチュエーションとしては無理がありすぎるんだけど。
 オルフェノクの戦いの最中、いつの間にかそこに駐車しているオートバジン。自分の意志でやってきたのだろうか?(昭和ライダーシリーズだったらデフォの設定だが)>

VOL.5
第18話 九死に一生

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 西洋洗濯舗の近所で洗濯物を泥だらけにされる事件が立て続けに起こっていた。洗濯物を汚されることに憤りを覚える啓太郎は一人犯人探しを開始する。そして発見した犯人は、年端もいかない少女恵子だった。
 敵はトードスツールオルフェノク。毒キノコ型のオルフェノクで、傘に当たる部分から毒胞子を出す。ジャグラーの格好をして執拗に恵子を追い回す。
 メインの巧側の話は前回で一段落しているので、インターミッション的。口の立つ少女との交流というか、振り回される一方の啓太郎の様子が描かれる。気のいい人が一方的にいじられる描写はどうも苦手だ。
 勇治は巧に接触。お互いの正体を知らないまま、少しずつ心を通わせていく描写あり。後の戦いを暗示させる出来事となっている。
 それに対し雅人側の物語が新たに展開中。流星塾とは何か。ということが語られるのだが、彼らは子供の頃九死に一生を得た子達という。これってオルフェノクを作るのと同じ方法だ。そして暗示される三つ目のベルト。裏の方で設定がどんどん進んでいる感じだ。
 どんどん秘密を抱え込んでいる巧だが、雅人のことも結花のことも全部胸にしまったまま。ぶっきら棒でも言い訳だけは絶対にしない。これもヒーローの形か。
<「丸顔」と言われてキレる真理。それは良いんだけど、「俺だって言いたくても言えなかった」とか巧が言ってる。こいつに遠慮なんかあったのか?>
第19話 純白の正義

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 お互いに正体を知らぬまま戦う555とホースオルフェノク。そんな戦いの中、消えてしまった恵子を探す啓太郎。落ち込む啓太郎をみかねた巧は一緒に恵子を探すことにする。そんな恵子は実は結花によって保護されていた…
 敵は前回に続きトードスツールオルフェノク。そしてクロコダイルオルフェノク。ジェイの最後の変身となるが、必殺技を2発連発で叩き込んでようやく倒せた。
 小生意気な餓鬼を出すのもやっぱりこの脚本家の特徴の一つ。それを存分に活かした話にはなっている。これまで散々生意気なことを言ってきたのは、記憶喪失の母親に記憶を取り戻して欲しくて寂しさのあまりにやってきたとのこと。でもやってるのは犯罪だ。
 そんな恵子を結局立ち直らせたのは、最後までつきあった啓太郎なのだが、底抜けの良い奴が虐められる作品ってどうにも苦手だ。
 555とホースオルフェノクは今回で2回目の直接対決。巧に言わせれば「ますます強くなってる」そうだが、戦いの経験で言えば巧の方が上なんだが、オルフェノクって成長だけでなく進化もするのかな?
 一応前回で伏線として「倉田恵子」という名前は出てきたが、かなり不自然な伏線のもっていきかたしてた。話が強引すぎて今ひとつ。
<しかしこの世界ってどんだけ狭いんだろう?巧側に関わりを持った人は必ず勇治側でも関わっている。
 しかしトードスツールオルフェノクは何故恵子をこんなにしつこく狙うのか。全くその理由は語られることがなかった。>
第20話 美しき刺客

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 アルバイトが全員辞めてしまい潰れそうになったピザ屋を手伝うことになった啓太郎。一方裏切り者のオルフェノクを倒すため、ラッキー・クローバーの冴子が立ち上がった。
 敵はロブスターオルフェノク。影山冴子が変身するオルフェノクで、やはり強力な敵。そしてセンチビートオルフェノク
 又しても啓太郎のお節介のお陰で苦労することになる巧と真理。フォーマットな展開としては大体これで確立してる感じ。
 お互いの正体を知らないまま仲が深まっていく巧側と勇治側。特に真理と結花は不思議に気があってるようだ。お互いに直也のことを評してるのだが、見事に食い違ってる。一方、啓太郎と直也も偶然出会って意気投合。一方完全に邪魔者にされてしまってる巧は啓太郎と真理がデートするのかと思って「応援する」と場違いな発言してる。この関係はコミカルタイプな描写が目立つ。
 ただし、メインとなっている話はかなり硬質で、巧側、勇治側双方を狙うラッキー・クローバーの三つどもえの戦いが本格的に開始された話でもある。
 ラッキー・クローバーの一員である冴子の異常な能力が明らかになった。シャンパンのグラスを具現化させてそこからこぼれるワインで裏切り者のオルフェノクを溶かしてしまう。
 巧から555のベルトを奪ったセンチビートオルフェノクの琢磨が555となって現れ、勇治と巧に襲いかかるシーンあり。これによって勇治はますます555を憎むことになる。ライダーベルトが比較的誰にでも装着できる設定をうまく活かしてる感じ。
<ツッコミ所という訳ではないが、主人公ヒーローである555が一般人を足蹴にする描写は、やっぱりちょっと抵抗あるな。>
第21話 加速する魂

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 巧と勇治に襲いかかる琢磨が変身した555。だがその攻撃を「余計なこと」と止めたのは同じラッキー・クローバーの冴子だった。555のベルトを奪われたことで戦えなくなってしまった巧だが…
 敵はスコーピオンオルフェノク。冴子配下のオルフェノクで、オルフェノクの裏切り者を始末する役割を担う。そしてドルフィンオルフェノク。ピザ屋店長の野間が変身するオルフェノク。
 555のベルトを奪われたことに端を発し、連鎖的に物語が展開。物語の主軸は巧と勇治が互いを認め合い、友情を育んでいくことだが、同時に変身後の互いを憎み合う関係がますます激しくなっていく。
 そして555の新たな力アクセルフォームの登場。琢磨の555と戦った雅人がベルトを取り返し、新しいギアと共に巧に手渡した。時間限定ではあるが、このスピード感はこれまでのライダーには無かった描写だ。
 絶体絶命の危機の中で育まれる友情。そして大反撃。特撮の醍醐味が楽しめる話だろう。
<井上脚本作品の場合、相手を水に叩き込んだら追加攻撃をしない。という不文律があるのだが、琢磨の変身した555は追い打ちをかけていた。珍しい。
 今更ながら、オルフェノクって風邪引くのか?
 戦いが終わっても555の装着をなかなか解かなかった巧。だからホースオルフェノクに狙われる。>

VOL.6
第22話 雅人の告白

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 突如襲ってきたホースオルフェノクの攻撃を、オートジバンの助けを借りしのいだ555。だがその屈辱に、ホースオルフェノクに対する怒りに燃える。そんな時、行方不明となっていた雅人が店に戻ってくる。真理に対する思いを打ち明ける雅人に、真理の心は揺れる。
 敵はワームオルフェノク。冴子が見つけたラッキー・クローバー候補で、ミミズ型のオルフェノク。カイザとホースオルフェノクと戦う。そしてシーキューカンバーオルフェノク。ナマコ型のオルフェノク。琢磨が見つけたラッキー・クローバー候補で555と戦う。
  巧側、勇治側、流星塾側、スマートブレイン側と、全体的に色々動いてる。基本的には人間関係のみだが、人間関係がどんどん複雑になっていく。
 変身後は宿敵同士の巧と勇治だが、お互いの正体を知らないまま、互いの無事を喜び合う二人の描写あり。
 真理に対し自分の思いを語る雅人。一方相変わらずぶっきらぼうな巧に、真理の方が不審を覚え始めてしまう。更に真理と一緒にいることが多くなった勇治に対し嫉妬の炎を燃やす雅人。
 巧と勇治は互いに正体を知らないままだが、今回で勇治と雅人は互いの正体を理解した。
 一方、ジェイがいなくなったラッキー・クローバーも新しいメンバー探しに動き始めた。ラッキー・クローバーは四人セットだそうで、今まで出てこなかった北崎なる人もメンバーにはいるらしい。
<人間関係が複雑になっていくが、その中でBLっぽい描写も結構あり。変なところで気を遣ってるよな。>
第23話 偽りの友情

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 冴子の変身したロブスターオルフェノクとワームオルフェノクを撃退した雅人と勇治。変身を解いた二人は少しだけ会話をするが、その際、勇治が555に嫌悪感を抱いていることを知った雅人は、一つの考えを抱くようになる。
 敵はワームオルフェノク。ラッキー・クローバーになると意気込んでいるが、その実力はてんで弱く、あっけなくカイザに倒された。それとロブスターオルフェノクとセンチビートオルフェノクが出てる。
 雅人が完全復帰たが、人間関係はかき回すわ、スマートブレインに渡りを付けようとするわで、更に話はややこしいことになってきた。本人は真理に対してストレートな愛情を持っているが、それ以外が全部オレサマキャラだから(真理に対しても完全に自分本位なんだけど)。
 勇治がオルフェノクであることを知った雅人は、巧に対する牽制に勇治を用いようとし、更に勇治が真理に近づいていると勘違いして嫌悪感を露わにする。雅人が入ることで人間関係が更に複雑になっていく。
 一方ラッキー・クローバーの方では、琢磨がだんだん壊れ始めてきた。こいつは常に人より優位に立ってないと精神が保てないキャラらしい。
 一方、今回は巧はほとんど出番無し。雅人に真理を諦めるように言ったのと、最後にラッキー・クローバーと戦うために555に変身するだけで終わった。今回は雅人だけで話が終わったな。ドラマとしては確かに上手くできてる。ストレス溜まるけど。
<概ね全く問題はないのだが、巧がオルフェノクと遭遇する確率が高すぎるのがやっぱりちょっと気になる。>
第24話 闇への扉

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 カイザに襲いかかる琢磨のセンチビートオルフェノクと冴子のロブスターオルフェノク。555も参戦し乱戦となったが、それを収めたのはスマートブレイン社長の村上だった。強大なエネルギー弾で戦いを中断させた村上は雅人をラッキー・クローバーの一員として受け入れたいと申し出る…
 敵はラビットオルフェノク。オルフェノクになったばかりの小林義雄が変身する。本人が恐がりのため、遠隔攻撃を得意とする。直也のスネークオルフェノクと共同し、555とカイザのベルトを奪う。
 ラッキー・クローバーに入ろうとした雅人だが、その目的はスマートブレインをつぶす事だった。本人が村上に直接言っているので、本心かどうかは分からない。
 555とカイザのベルトはオルフェノクのみが装着できるとのこと。前にカイザのベルトを装着した流星塾の人間が次々死んでいったのはそのためらしいが、そうなると巧と雅人が何故装着できるのか。
 一方、真理に完璧にふられた直也は、自ら「悪の大王」になってやると意気込んでいる。こいつの行動様式は自分の欲望に忠実なのだが、根本的に自分が何をしたいのか分かってないのが問題。単に痛々しいキャラになっている。
 でも、そんな行き当たりばったりの行動が結果として555とカイザのベルトをスマートブレインにもたらす結果に。幸か不幸か…
<特に啓太郎のオルフェノクとの遭遇率は異常。オルフェノクを探そうという場合、啓太郎にくっついていけば済んでしまいそう。
 用意周到に警官の服装、白バイにパトカーまで用意してベルトを奪った直也と小林義雄。短時間でそんなもんよく用意できたな。スマートブレインのサポートかな?
 それにしてもエキストラの数が少ない。ほとんど主要キャラ以外出てないじゃないか。>
第25話 闇の実験室

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 奪い取ったベルトで555とカイザに変身した琢磨と冴子は、生身の巧と雅人に襲いかかる。そこに車を飛ばして現れた啓太郎と真理によって巧は助けられたが、雅人はそのまま拉致されてしまった。ベルトと雅人を取り戻すべく、スマートブレイン社に掃除夫の格好で潜入する巧だが…
 敵はラビットオルフェノク。新たなる武器カイザポインタを得たカイザによって倒される。そしてゴートオルフェノクが登場。流星塾塾長花形が変身するオルフェノクで、ものすごいスピードで琢磨と冴子が変身した555とカイザを全く相手にしなかった。
 二本のベルトがスマートブレイン社のものになってしまった。だが村上社長によればベルトはもう一本。デルタという名前のベルトがあることが指摘された。
 そしてスマートブレイン社の地下には謎の部屋があり、それは流星塾そのものだという。更にそこにはベルトを巻いては死んでいく人間の群れ。草加がひた隠しにしている流星塾の秘密がそこにあるのだろう。
 そして現れる流星塾の塾長。雅人が言うところの「父さん」。ゴートオルフェノク
 巧側としては、ほぼ雅人を救い出すだけのドラマ展開だが、勇治側では、ベルトを奪ったことを褒めた村上が直也に勇治を裏切るようにと唆している。それで勇治のマンションを出て行く直也。色々ややこしいことになってきてるけど、直也の人の良さが結局は出てしまった。このキャラ基本善人なので、自分でいくら悪になろうとしても全くなりきれないまま。
<どんどん情けなくなっていく琢磨君。こういうキャラが一人くらいいるのが井上脚本の特徴とも言える。しかし、背面から足蹴にされ、未調整のベルトをはめられ悶絶させられ、挙げ句の果てにベルト奪われて逃げ出すしかない姿。見事なチキンぶりだ。
 義雄によれば、結花は預かっており、抵抗すればその命はない。のだそうだが、義雄には仲間がいないため、そのまま戦って勝ちさえすれば問題なかった。
 ラストシーンでラビットオルフェノクの前に突然現れたカイザだが、どうやって来たんだ?ちょっとばかりショートカットが激しすぎる。>

VOL.7
第26話 デルタ登場

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 久々に帰ってきた雅人に真理は「お父さんのことどう思う?」と素直な疑問をぶつける。だが、雅人と巧は前日ゴートオルフェノクに変身した花形を目撃していたため、言葉を失ってしまう。そんな雅人に再び流星塾から連絡が入る…
 敵はフロッグオルフェノク。カエル型のオルフェノクで、手にした銃から溶解液を発射する。スパイダーオルフェノクに終われて逃げてる内に最初にデルタに倒された。そしてスパイダーオルフェノク。いつもウォークマンで音楽を聴いている暗めの青年が変身するオルフェノク。ラッキー・クローバー候補。
 三体目の仮面ライダー、デルタの登場の話で、今回は本当にそれだけで終わってしまった感がある。現在の所、誰がデルタとなったのかは分からない状態で、謎の人物としか言いようがない。
 細かいところではラッキー・クローバーの新しい候補の話もあり。今回登場したスパイダーオルフェノクはなかなか貫禄あり。
 とにかく流星塾生が多数登場。そのため話はそこだけが強調された感があって、今回は巧もあまり出番がなく、勇治に至っては全く登場せず。
<スパイダーオルフェノクに終われて逃げてきたフロッグオルフェノクが流星塾生を襲うと言う下りに意味があると思えないのが何ともかんとも。>
第27話 流星塾分裂

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 行方不明となったデルタのベルトを巡り、流星塾生での諍いはデルタ争奪の醜い争いへと発展していく。一方アルバイトとして啓太郎の店で働き始めた沙耶は、巧に対して興味津々。そんな姿を見る啓太郎は嫉妬心を覚え始める。
 敵はスパイダーオルフェノク。流星塾のメンバーの一人澤田がその正体で、555とカイザ両方を相手にしても全くひるまないほどの実力を持つ。そしてセンチビートオルフェノク。相変わらずホースオルフェノクにちょっかいを出しているが、デルタにあっけなくやられてしまう(命は助かったけど)。
 デルタのベルトを巡る物語が展開中。
 流星塾の諍いはどんどん発展。基本仲が良いメンバーが、デルタのベルトに目の色を変えて争奪戦を始める。デルタのベルトというのは、なんか中毒かなんかあるのだろうか?
 前回お休みだった勇治の方も物語がちょっとだけ展開。琢磨が勇治にちょっかいを出し始める。その戦いがデルタの戦いへと発展していく物語は(ちょっと行き当たりばったりだけど)面白い展開。
 ラッキー・クローバーでは、琢磨が勇治に戦いを挑んだ他、新しいメンバー候補が本決まりになりそう。しかもそれは現在デルタのベルトを持っていると思われた澤田のこと。前回ディスコの人間を皆殺しにしたのが澤田だったことも発覚した。
 結局デルタのベルトは誰が持っているのかは謎のままだが、どうやら展開的に沙耶っぽい。デルタの姿も細すぎるようだし。
<今回の琢磨君。ホースオルフェノクに戦いを挑むが水入り。その後デルタにこてんぱんにやられて落ち込み中。頭抱えてぶるぶる震えてる姿は、登場した頃と比べ、ものすごく情けなくなってきてる。>
第28話 暗黒の四葉

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 流星塾の仲間だった澤田がオルフェノクだったことにショックを押さえきれない真理は、危険を冒して澤田と話し合うことにする。一方、バイト中突然倒れてしまった沙耶を看病することになった巧。そんな中、ラッキー・クローバーの最後の一人、北崎がクローバーへと現れる…
 敵はスパイダーオルフェノク。それと北崎が変身したデルタも参戦。
 デルタギアの話が続いている。どうもデルタのベルトを持っているのは沙耶である事が分かる。巧に近づき、戦うことの意味を問うていたのは、同じライダーとして戦うことの意味らしい。デルタの姿が妙に痩身だったのはそう言う意味だったらしい。
 そしてスマートブレイン側ではラッキー・クローバーのメンバーが確定。スパイダーオルフェノクとなった澤田と、もう一人北崎という男が姿を現す。人間体でも触ったもの全てを灰にしてしまうと言う能力の持ち主。一見天真爛漫な軽めの兄ちゃんだが、二面性を持ち、突然キレたりする。
 そんなことで今回は勇治側のストーリーは全くなし。
<今回の琢磨君。デルタの影に怯えるだけでなく北崎にも恐怖感を覚え、逃げ続けている。
 触れたもの全てを灰にしてしまうと言う北崎だが、服は灰になってない。デルタのベルトも灰になることがなかった。>
第29話 超絶バイク

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 北崎の変身したデルタはファイズとカイザを蹂躙。そして加勢に入ろうとしたセンチビートオルフェノクをも逆に痛めつけてしまう。その光景を見て逃げ帰った巧と雅人は、沙耶がデルタだったこと、そしてそのデルタのベルトのために命を落としたという事実にうちひしがれる。
 敵はスパイダーオルフェノク。木場を倒すゲームに参加し、勇治側3人のオルフェノクと戦ってる。
 デルタギアの話はまだ続いている。なんとそれがラッキー・クローバーの北崎に渡ってしまい、絶望的な状況に叩き込まれる主人公側の光景が描かれていく。沙耶の死は巧の心にも火を付け、やっと自分のやるべき事を探し始めた。まだまだその答えは出ていないが、これからは積極的な戦いが期待される。ただし、今回はかなりコミカルな話で、啓太郎が休んでるため、店番に大わらわになってる姿がある。
 一方、四人そろったラッキー・クローバーは、本気で裏切り者の勇治を狩りに出ることに。しばらくこれと言って登場のなかった木場が話の中心になってきた。その木場のホースオルフェノクがえらく強くなっていて、ラッキー・クローバーの3人と渡り合って一歩も引いてない。
 そして今回、ついにお互いの正体を知らなかった巧と勇治が互いの姿を知るという重要な話も展開。ラストでちらっとだから、次回にそれは持ち越しだけど。
 こちらもしばらく出番がなかったスマートレディも登場。ラッキー・クローバーの一員になった澤田に家を提供するが、相変わらず底の知れない脳天気さを見せている。
 何にせよ、今回と次回は話のキーとなる物語といえよう。
<今回の琢磨君。デルタの加勢に入ろうとするも、逆にカイザにとっ捕まり、更に「邪魔をした」という理由で北崎にぼこぼこにされ、更に勇治を倒したのが他のメンバーにシッペ出来ると言うことを聞いて、屋上で震えてる。その後木場を狙ってスパイダーオルフェノクの戦いに割り込むが、やっぱり邪魔者扱い。だんだんかわいそうになってきた。
 オルフェノクを一人残らず殺してやる。と呟く巧。これが凄い皮肉になってるのは、既に結花がオルフェノクであることを知った上でか?そしてこの後の展開で分かる。
 とりあえず川に叩き込めばリセットという井上脚本のお約束は今回も健在。>

VOL.8
第30話 雅人の罠

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 北崎の変身したデルタの猛攻に変身を解除され、互いの正体を知ってしまった巧と勇治。互いにその人間性を確かめようと、巧は結花を、勇治は真理を呼び出して勇治と巧のことを聞き出そうとする。一方、雅人は澤田を呼び出し、スマートブレインに対する共闘を呼びかけるのだが…
 敵はスティングバグオルフェノク。カメムシ型のオルフェノク。わざわざ巧や勇治のいる前で人を襲ったりするため、あっけなく倒されてしまった。
 これまでずっと引いていた二人の主人公、巧と勇治が互いの正体を知ってしまってからの話が展開。ほとんどが誤解から互いを憎み合ってきたわけだが、ようやく少し和解へと動き始めてきた。でも、二人が仲良くなることを好まない雅人が間に入ることで、話はますますぐちゃぐちゃに。男三人で展開する三角関係か?新しいな。
 結果として今回キャラとして最も立ってるのが雅人と言うことになる。策士だが、底が浅いので、やがて自分に返ってくるのがバレバレなんだが。
 今回巧から奪った555ギアを使い、雅人が555に変身してる。基本的にライダーに変身できるキャラが多いからこんな物語が出来る。
 真理と結花が巧と勇治について人間性を伝えるのだが、その際真理は巧のことを「不器用だけど悪い人ではない。ただ人間を守るために戦ってる」と発言。見事に巧という存在を言い表してる。
<今回の琢磨君。555とホースオルフェノクを追いつめるデルタに変身した北崎を後ろから狙い撃ちし、会心の笑みを浮かべてる。敵わないから意趣返しをに小さな復讐をしてるとしか見えず、どんどんちっちゃくなっていく。>
第31話 折り紙の涙

  脚本:井上敏樹
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 デルタのジェットスライガーのミサイル攻撃を受けた巧の555は、間一髪アクセルフォームにチェンジして脱出した。デルタと555の戦いに紛れ脱出した雅人と勇治と合流する。だが先に雅人が変身した555に襲われた勇治は、巧に対して不信感を再燃させていた。一方、ラッキー・クローバーの一員となった澤田は、未だ真理に対する思いを捨てられずに悩んでいた。
 敵はソードフィッシュオルフェノク。メカジキ型のオルフェノクで、全身に棘が生えている。二本の剣を武器として用いる。
 今回は澤田が話の中心となる。完全なオルフェノクになりたいと思いつつ、やっぱり人間的な思いを捨てられずに苦悩する姿が綴られていく。
 巧と勇治の間の溝はますます深まっていく。このままではお互いに殺し合うことになるが、本質的にはお互いに好意を持っているので、やっぱり二人とも悩んでる。
 更に澤田同様、これまでの自分を捨て、生まれ変わろうとしている啓太郎と直也。澤田の真意を知りたくて悩む真理…なんだか全員悩んでるな。ここまで悩みを描いた特撮作品はこれまでほとんど無かったんじゃないかな?
 一人だけ悩んでないのが雅人だが、なりきれない悪人に徹しようとしているこの人も大分香ばしくなってきたな。その意味ではやっぱり悩んでるのかも。
<今回の琢磨君。表面的には余裕を持ちつつ、やっぱり北崎を恐れ、こそそこと逃げ回ってる。>
第32話 絡み合う糸

  脚本:井上敏樹
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 澤田を巡り意見が対立する巧、真理、雅人の三人。オルフェノクは全て敵だと主張する雅人に対し、もし澤田に人間の心が残っているなら、勇治も信じられると、真理の意見を信じたい巧は、単独で澤田を呼び出す。
 敵はソードフィッシュオルフェノク。前回捕らえ損なった真理を襲うが、スパイダーオルフェノクと555の連携で倒された。そして初めて北崎がオルフェノクとしての正体ドラゴンオルフェノクの姿を現した。
 前回のラストでカイザのキックの前に真理がいたという最大のピンチという引きだったのだが、巧の介入であっけなく回避された。いつものことなんだが、オープニングで引きを全部チャラにするのいい加減止めた方が良いと思うぞ。
 基本的には澤田の話が続いている。澤田自身が人間に戻りたいのか、あるいは完全なるオルフェノクになろうとしているのか、それが話の焦点。
 一方それを引き合いに巧と勇治の関係も変化が現れてる。小さな誤解がどんどんすれ違いを生み出し、そしてそれを増長させる雅人の介入があって、ますますこじれていく。
 話は動いていないようで、心情的に展開を見せる。その分アクションは相当控えめになってるが、ヒーローもので心理描写をこれだけ丁寧に描いたのは他に類を見ない。
<今回の琢磨君。北崎からデルタのベルトを奪おうと寝込みを襲うが、気づかれて逆にぼこぼこにされた。ぐりぐりと足蹴にされ、なんか妙に嬉しそうに見えたのは何故だ?
 触ったもの全てを灰にしてしまうという北崎は、寝床にしていた車も灰になってるけど、寝てる間は車のままだった。自分の意志で灰化させる時間をずらせるのかな?あとセンチビートをぼこぼこに殴ってたけど、灰になってなかったな。>
第33話 真理、死す

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 お互い誤解したままぶつかり合う巧の555と勇治のホースオルフェノク。二人の戦いは激化をたどり、やがては二人とも気絶してしまう。一方、瀕死の真理の回復を願う流星塾の面々も不協和音が鳴り響いていた。
 敵はライノセラスビートルオルフェノクとスタッグビートルオルフェノク。村上社長のボディガードを勤めているオルフェノクで、大変に強く。澤田のスパイダーオルフェノクに襲いかかる。ライノセラスビートルオルフェノクは次々に変身を変えた雅人のカイザに倒された。
 自分のせいで真理が死んでしまう。と言うことで巧が555ギアを放棄する。更に北崎がデルタギアを放棄し、その二つのベルトが共に雅人の元へ。結果三つのベルトが全て雅人のものになる。雅人自身も何か期することがあるらしいが、とりあえず今は状況に流されてるだけな感じ。
 流星塾にいた真理はかつて大きな手術を受け、一般人以上の肉体を持っていることが暗示された。流星塾生みんながそうなのかもしれない。この時点で推測できるのは、塾長の花形によって、仮面ライダーのベルトを装着出来るように作られたと言うことか。
 村上社長のローズオルフェノクがその力を見せつけてもいる。ラッキー・クローバーの一員となったスパイダーオルフェノクを全く敵にしてない。
<今回の琢磨君。北崎が「そこのゴミ箱にデルタギアを捨てた」という言葉を真に受け、ゴミ箱あさりしてる。その際、こどもから「あのおじちゃん何やってるの?」とか言われてる…本気でかわいそうになってきた。
 この作品のライダーは変身するのに時間がかかるのが難点だが、カイザからデルタへと変身を移行する雅人もえらくもたもたしてる。その時に襲われて然りだが。>

VOL.9
第34話 真実の姿

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 真理が死んでしまった。その事実に責任を感じる巧は、自らの体を苛むように勇治との戦いに赴く。一方雅人は3本のベルトをスマートブレイン社に返せば真理が生き返るかも知れない。と巧を伴いスマートブレイン社へと向かう。
 敵はスパイダーオルフェノク。
 物語のターニング・ポイントとなる大変重要な話。なんと巧もまたオルフェノクだったという衝撃の事実が明かされる事になる。主人公が、これまで戦ってきた敵と同じ存在であった!これは初代「仮面ライダー」以来の伝統なのかも知れないが、ここまで引っ張ってこの事実を明かしていることが凄い。結局巧が555に変身できたのもこれが理由だったことが分かる。この話にしても、最後の最後までひっぱり、絶叫と共にウルフオルフェノクへと変身するのは衝撃的。
 いつもオレサマ感覚の巧が真理の死を前にすっかり気弱になってしまった。自分を罰するためだけに勇治に喧嘩を売ってみたり、雅人を拝んでみたり。
 巧を憎む勇治だが、いざ喧嘩してみると躊躇しっぱなし。この二人の関係は非常に微妙だ。
 そして前に助けた少年になじられる直也の姿がある。なんだか不思議にこの話引いてるな。
<真理が助かる方法を示唆しながら、結局逃げ出してしまう雅人。心境は複雑と言えば複雑だが、なんだかんだ言って隙が多すぎるんだよな。>
第35話 復活の謎

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 巧は真理を救いたいという一心で、これまで隠してきた自らの本当の姿ウルフオルフェノクへと変身した。呆然とする仲間達を尻目に、スマートブレイン社へと向かった巧は村上社長に自らのラッキー・クローバー入りを要請する。
 敵はスタッグビートルオルフェノク。デルタギアを奪うために三原の前に現れるが、三原が変身したデルタに倒された。
 前回ラストで衝撃的な事実が発覚したが、巧の正体がオルフェノクであることがはっきりと表された。続いてラッキー・クローバー入りと、これまでの物語を全部否定するかのような物語が展開中。ただ、今回の巧の行動の全ては根底に真理を救いたいという思いだけで動いている。そのお陰で仲間達の関係も変化していく。
 現在の巧の立ち位置はかなり微妙。オルフェノクと戦う存在でありながら、当人がそのオルフェノクであり、敵の幹部の一員でもある。人間側からもオルフェノク側からも敵なのか味方なのか、距離を取っている。これらの変化が落ち着くまでまだしばらくかかりそうだ。
 ただ、このウルフオルフェノクは、流星塾の壊滅と何らかの関わりを持つらしいことも分かる。これまで何度も流星塾の同窓会について語られはしたが、いよいよそこで何が起こったのかが話の中心となっていくことになりそうだ。
<この脚本家の特徴として、水に叩き込んだらそこで仕切直しとなる。今回もスパイダーオルフェノクがそうして退場し、また復活してる。
 三原の前に現れたスタッグビートルオルフェノク。もう一人車に乗ってたようだけど、そいつはどうなった?
 死んだはずの真理が生きていたのは真理によれば「お医者さんの診断ミス」だそうだ。沖田艦長?>
第36話 蘇る記憶

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 巧が変身したウルフオルフェノクの姿を見て忌まわしい記憶が蘇ってしまった真理は思わず逃げ出してしまう。実は真理の記憶の中には、流星塾の同窓会で暴れ回るウルフオルフェノクの姿があったのだ。真理の言葉に傷ついた巧は、もう元には戻らないと家を出る。
 敵はオクトパスオルフェノク。タコ型のオルフェノクで、伸縮自在の四肢と煙幕として墨を吐く。勇治が変身した555によって倒される。
 巧がオルフェノクであることが分かり、巧自身を含めて、残された者達の思い悩みが描かれていく。
 巧の悩みとは、ウルフオルフェノクになってしまうと、時に自分を押さえられなくなってしまう事で、その間は何をしていたのか記憶がないため、ひょっとしたら過去に人間を殺していたのかも知れないと言うもの。
 一方真理については、流星塾の同窓会でウルフオルフェノクが暴れ回る記憶があり、それが故にウルフオルフェノクを見ると恐れてしまうというもの。
 そして勇治は、巧が自分と同じであることを知り、これからの生き方のアドバイスを与えようとしている。そんな勇治に共感を覚えた巧はファイズギアを手渡している。
 その中で最もポジティブな考え方をしているのが啓太郎。常に変わらず友情を持ち続け、巧を仲間として受け入れようと考えてはいるが、体の方が拒否していた。
 この話を通して分かるのは、流星塾の同窓会というのがキーワードとなっていること。この日何があったのかがこれからの話の焦点へとなっていくことになる。話全体としては、これまでに増して暗くなってるけど。
 今回555に変身したのはなんと勇治。初めてのことだが、難なく使いこなしていたようだ。どっちかというとホースオルフェノク状態の方が強いような印象もある。>
第37話 カイザの正義

  脚本:井上敏樹
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 ウルフオルフェノクに変身した巧は555に変身した勇治に襲いかかる。実はこれはかつて勇治に約束したとおり、自分を消し去ってもらうためだったのだが、その本心に気づいた勇治は攻撃を止める。自分の記憶にはない、流星塾の同窓会での出来事に心を痛める巧。
 敵はピジョンオルフェノク。琢磨配下の鳩型オルフェノク。空を飛ぶことが出来る。勇治の555に倒された。
 焦点は流星塾の同窓会となる。ウルフオルフェノクに襲われた真理の記憶、そのビデオを見せられた巧の葛藤がメイン。果たして流星塾の虐殺を行ったのは巧本人なのか?
 ただ、周囲の物語はかなり動きを見せている。これまで全然出てこなかった警察が活躍を開始。そして直弥がどうにも気になってる少年照夫と連続放火事件が重ね合わさっていく。なんかこの少年が話しに絡んでくるっぽい。
 今回も555は勇治が変身し、巧はウルフオルフェノクだけに変身。ここまでくると、誰が味方で誰が敵だか全然分からなくなってる。
<今回の琢磨君。「悩んでる年下の男の子って素敵」という冴子に、「僕は?」と聞いて無視されてる。それは言わない方が良いだろうに。
 照夫少年をいじめから助けた直弥は仮面ライダー1号の変身ポーズを取ってるが、その際ワンポイントだけ「仮面ライダー」の変身で流れている音楽が流れてる。
 勇治が555に変身する際、ベルトを巻く動作を無視してる。この方が手っ取り早く変身出来るみたいだが。>

VOL.10
第38話 彷徨える魂

  脚本:井上敏樹
  監督:鈴村展弘
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 ウルフオルフェノクとなった巧に憎悪を露わにして襲いかかる雅人のカイザ。勇治が変身した555に止められるものの、巧は冴子によって連れ去られてしまう。巧をめぐり、対立する真理と雅人だが…
 敵はバーナックルオルフェノク。フジツボ型のオルフェノク。デルタのベルトを持つ三原を襲うが、そこに現れた巧がデルタを装着して撃退。その後再び現れたところを勇治の555に倒される。そして村上のローズオルフェノク、北崎のドラゴンオルフェノクも登場。ドラゴンオルフェノクは高速形態に変化してる。
 流星塾を襲ったのが本当に巧なのか?と言う所で揺れる面々が描かれる。その中でもいがみ合い続ける真理と雅人の話は切実度をますます増している。真理の記憶も徐々に甦ってきて、同窓会の夜、確かにウルフオルフェノクを目撃をしているが、攻撃を受けたようではないことを思い出しつつある。
 一方、デルタのベルトを押しつけられた形となる三原は、迷いながらも、降りかかる火の粉を払うためにデルタにならねばならない覚悟が出来はじめている。尤も今回デルタに変身したのは巧の方だったが。巧がデルタになるのは初めてのことだが、易々と使いこなしてる。一方の勇治も555のアクセルフォームを使えるようになったのだが、ドラゴンオルフェノクの高速形態の前には全く通用しなかった。
 なんか勇治と真理が遊園地で遊んでるシーンもあるが、それだけ真理の心が追いつめられてるってことなんだろう。
<今回の琢磨君。北崎になにかと触れられては逃げるを繰り返している。思いっきりいたぶられてるな。
第39話 ファイズ2

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 オルフェノクとしての能力の差を見せつけられ、村上に殺されそうになる巧。駆けつけた雅人のカイザと勇治の555に助けられたものの、そこに真理の姿を見た巧は再び姿を消す。
 敵はドラゴンオルフェノクと、その配下のオクラオルフェノク。真理の過去に出会ったものとして、スロースオルフェノクが登場。ナマケモノの特性を持ったオルフェノクらしいが、あっという間にウルフオルフェノクに倒されてしまっていた。
 一気に見所が増えた話。メインとしては巧がようやくオルフェノクである自分を受け入れ、真理を守るために全てを吹っ切ったと言う所だが、設定上にも相当色々な動きが出ている。
 ついに流星塾の同窓会で何があったのかが発覚する。同窓会に行った人間はほぼ全員記憶を失っているのだが、その記憶喪失にも度合いがあり、雅人がより多く覚えていたということだったらしい。そしてそこで起こったのは、そこで塾生全員が死亡し、オルフェノクとして覚醒したと言う事。ウルフオルフェノクがそこにいたのは、オルフェノクとなった塾生を見たため、それと戦う為だったと言うことが分かる。結局巧は人間を襲ってはいなかったと言うことになる。
 オルフェノクの寿命はそんなに長くないことも分かった。どうやら急激な変化に体の方が耐えられないらしい。そうなると、当然巧も…
 そして前回アクセルフォームでドラゴンオルフェノクに敗北した555は、新しい力ブラスターモードを手に入れる。この話のパワーアップは常に謎の贈り物として与えられるのが面白い。
 最初のシーンだが、回並行して危機に陥っていた巧と勇治だが、実際には勇治の方が結構前の時間だったらしく、巧の危機に勇治が現れていた。時間軸をずらしたんだろうけど、ちょっと分かりづらいか?
<突っ込むところかどうか難しいが、いくらなんでもオクラのオルフェノクって変じゃないか?デザイナーは何考えてこれ考えてるんだ?調べてみたら、確かにオクラの英語はokuraだったけど。>
第40話 人間の証

  脚本:井上敏樹
  監督:田村直己
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 ドラゴンオルフェノクとオクラオルフェノクに対峙した巧の555はブラスターフォームへフォームチェンジ。あっという間にオクラオルフェノクを倒し、ドラゴンオルフェノクを撃退する。だが戦い済んだ巧は、やはり真理の前から去っていく。
 敵はオクラオルフェノク。555新フォームのブラスターフォームにあっけなく倒された。そしてラッキー・クローバーの残り3人とスパイダーオルフェノク。
 自分が抑えられなくなる前にラッキー・クローバーを道連れに自殺しようとする巧、デルタギアから逃れようとする三原、全てのオルフェノクが許せず戦いに身を投じる雅人。三人のライダーの戦いが中心だが、巧はようやく吹っ切れた感じで、物語は徐々に収束しつつある。
 澤田の口から流星塾の同窓会で何が起こったのかが語られる。あの時塾生は全員殺されており、その後スマートブレイン社によって蘇生手術を受けさせられ、全員オルフェノクの因子を刻まれた存在なのだとか。ただその中でオルフェノクとなったのは澤田のみ。
 その澤田もここで退場。結局人間の心を持ったまま死ぬ事となった。
 何度も出てくる照夫少年。ここまで出てくると、確実に物語の根幹に関わってくることは決定だろう。
<根本的なところで単細胞の雅人。ラッキー・クローバーと戦ってるスパイダーオルフェノクに襲いかかってるが、ラッキー・クローバーにタコ殴りにされて終わり。結果は分かってるのにねえ。>
第41話 捕獲 開始

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 三人の仮面ライダーは変身し、ラッキー・クローバーの三人を撃退することに成功した。そして巧は時分を見失うことなくオルフェノクと戦っていくことを心に決める。その頃過去の変死事件を調べる警察では、結花に行き当たっていた。
 敵はフリルドリザードオルフェノク。エリマキトカゲ型のオルフェノク。冴子に従い、結花を襲う。555とカイザの両面攻撃であっけなく倒された。
 かなり長々とモラトリアム状態にあった巧がついに復帰。これで話は一段落したが、今度は勇治側に不穏な動きが出てきた。村上社長は今度はラッキー・クローバーの一員として結花をスカウトしようとし、更に警察にもマーク。本来この作品は巧側と勇治側の二つの話が並行して展開するのだから、もう少し勇治側にも話があって良かったくらい。
 ただ、問題としては勇治側は全員かなり心に傷を負っているため、話が暗くなってしまう問題があり。珍しく今回は多少明るい描写になってるけど、すぐに暗くなるのは明確。
 警察がここに絡んでくるが、権力を持った人間の方がモンスターより凶悪に見えるのもこの脚本家の特徴だ。
 ところで今回出てきた南刑事って、「仮面ライダーアギト」の本物の津上翔一役の小川敦史。東京国大統領じゃないか。
<ライダーとの戦いで傷を負った北崎を抱えて運ぶ琢磨たち。身体の方は大丈夫なのか?その後頬を殴られたら灰化してたが。
 直也にベタベタしてる結花の描写あり。それをまんざらとも思ってない直也だが、こう言うのって特撮では珍しい。この脚本家だと普通にあるけど。>
第42話 折れた翼

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 武装警官達に囲まれた結花のクレインオルフェノクはパニックを起こして並み居る警官をはじき飛ばしてしまう。多くの人間を死傷させ、それを巧や勇治に見られてしまった事にショックを受ける。一方勇治も、警官がオルフェノク狩りを始めたことに危機感を覚える。
 敵はクラブオルフェノク。警察に捕まり、南により実験にかけられていたオルフェノク。人間による調整を受けているため、身体の左側は機械化されている。その脱走が結果的に結花の命を救った。
 勇治側が話の中心に変わったが、第三勢力として人間側が動き出した事が明確化してきた。人間側としてはオルフェノクは存在を許すことが出来ないので、当然排除にかかる。具体的にはオルフェノクを研究し、人間と怪物を分離する研究を開始したのだが、そのための検体としてオルフェノクを狩っている。
 それでどんどん追いつめられていく結花と、それに釣られて危機に陥っていく勇治と直也。
 物語としてやや後退した巧だが、勇治との間にしっかりした友情を育んでいることが暗示されていた。その結果、又しても雅人との関係が悪化してる。
 流星塾の同窓会はスマートブレインの実験であり、一度全員を殺して蘇生させることで、人為的にオルフェノクを作ろうとする計画だったらしい。先に真理が死んだ時、雅人が思わせぶりな発言をしていたのはそのためだったとか…でも全部雅人の言葉だから、どこまで本当なのかは不明。
 オルフェノクを分離する実験は映画の『X-MEN2』を思わせる描写だが、こちらの方が先(コミック版はX-MENの方が先だからちょっと複雑になるが)。
<勇治側の話になると、BLっぽい展開が出てくるのはやっぱり狙ってのことだろうな。>
第43話 赤い風船

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 結花を助けるためにオルフェノクに変身してしまった勇治。そして結花を救ったオルフェノクを守ったために雅人に襲われる巧。最早今と同じ生活は出来ないと、結花を菊地家に預ける勇治の言葉を受け、快く結花を受け入れる啓太郎だが…
 敵はバットオルフェノク。二丁拳銃を持つオルフェノクで、村上社長から南に貸し出された。テンガロンハットを模した頭部もそれっぽい。
 結花が物語の中心となった話で、オルフェノクの本能に逆らえず、さりとて人間として生きる事を諦めきれない中途半端さでここまで来たが、それが一気に裏目に出てしまった感じ。このキャラが無事で済むはずはないと思ってたが、いよいよ彼女の終わりが近づいてきたのだろう。
 そんな結花と一緒にいられて、素直に「好き」と言う啓太郎がとにかく憐れだ。
 なんと人間側と手を組むスマートブレイン。スマートブレインがオルフェノクと敵対しているとは村上社長の言だが、その言葉が嘘にしか見えない。それを嘘と知りつつ協力関係を結ぶ南。状況がどんどん複雑になってきた感じ。
 折角和解した巧と勇治に再び齟齬が。これまでのような誤解から生じるものではなく、特に勇治が何か覚悟を持っているようだ。
第44話 最後のメール

  脚本:井上敏樹
  監督:石田秀範
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 これまで互いに励まし合ってきたメールの相手が啓太郎であることを知り、更に自分がオルフェノクであることを知られてしまった結花だが、そんな結花を啓太郎は抱きしめ、家に来るように言い聞かせる。一方、人間の醜さを思い知らされた勇治にも心境の変化が訪れていた…
 敵は前回に続きバットオルフェノク。拳銃は捨てたが、肉弾戦でも555、ホース、クレインの三体と互角の戦いぶりを見せた。ドラゴンオルフェノクとロブスターオルフェノク。どちらもラッキー・クローバーで、いよいよ物語もクライマックスへと移行している感じ。ただしどちらも555とではない。
 結花の退場が描かれる。全てを受け入れた啓太郎と、初めて人に甘えることが出来た結花。ようやく幸せになれると思った矢先だが、そのためにこのキャラは存在していたようなものだ。
 折角同じ立場でものを考えられるようになった巧と勇治だが、考え方の齟齬がだんだん大きくなってきている。立場は同じでも視点が違うため、どうしてもそうなってしまう。なかなか話は明るくならないものだな。
 そして直也が何かと目をかけていた照夫少年に、何か変化が。なんでずっと出てきてるのか分からなかったキャラだが、こう言う理由があったか。
 その辺物語が揺れてる内に、翻弄され続けてる巧。この辺のライダーの主人公では特徴的な位置づけになってる。
<555はブラスターフォームに二度目の変身。随分登場が少ないパワーアップ体だな。
 林の中で冴子と出会った結花だが、死に場所は一本の立木の根元。どうやって移動したんだろう?>
第45話 王の目覚め

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 結花が死んだ。その事実に打ちのめされた勇治は意識を失い、何者かに運び去られる。その頃ドラゴンオルフェノクに挑んだものの、逆に殺されそうになった雅人と修二も何者かの手によって助け出されていた。
 敵はバットオルフェノク。正体は髭のおっさんだった。デルタと戦っていたところを555のアクセルモードに襲われて倒された。そしてアークオルフェノク。鈴木照夫の中に眠っていた王と呼ばれるオルフェノク。まだその全容は分かっていないが、とんでもない強さを持つオルフェノク。
 勇治の決意。塾生から「父さん」と言われる花形の登場。王と呼ばれるオルフェノクの誕生。オルフェノクの弱点を知ったオルフェノク研究所の崩壊。と、いきなり話が急展開。残り話数がそう多くないが、ここまで同時に話を展開させてちゃんとまとまるか?
 そんな中、登場人物の大半は精神的に追いつめられていく。井上敏樹らしい物語展開と言えなくも無いか。
<鳴り物入りで登場した555のブラスターフォームだが、たいして強いように見えないのは何故?
 デルタと戦うバットオルフェノクを襲撃した555は、その背後から高速移動して、相手が全く抵抗できない状態で倒してる。まさしく不意打ち。>
第46話 新社長誕生

  脚本:井上敏樹
  監督:田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 オルフェノクに襲われていた照夫を見た直也は菊地家に直也を連れてくる。安全を考えしばらく照夫をあずかることになる。一方、メールによりオルフェノクの運命について知った村上社長は地下にある流星塾施設に向かう。
 敵はコーラルオルフェノク。サンゴの特性を持つオルフェノクで、硬い装甲を持つ。覚醒する前のオルフェノクの王を倒そうとして555とデルタの両面攻撃を食らう。そしてローズオルフェノク。相変わらずの強さで、555とデルタを圧倒し、ついにデルタのベルトを手に入れる。
 突然登場した花形が話のキーを握る存在となりつつある。既にオルフェノクの運命について熟知していたらしい花形は、王の誕生で活動を開始している。ただ、現時点でやってることは「オルフェノクは滅ばなければならない」と謎めいた言葉を語ることと、村上を退け新しい社長を据えたことだが。
 それでその新社長とは、なんと勇治。その顔はあくまで冷徹で、苦しみを経てこの境地に至った感じだ。
 オルフェノクの運命と王の誕生は密接に関わりを持つらしい。ただ現時点ではよく分からない。王もただオルフェノクを襲ってるだけみたいだし。
 今回の話では直也が中心となり、相当情けない役回りをしているが、彼をトリックスターとしてきちんと話が展開している。なかなか上手いやり方だ。
 久々にスマートレディも登場。社長を退任させられた村上に対し、「あなたはお払い箱」と言って、逆に放り出されるだけの役回りだったが。
<修二は養護園の職員だったはずだが、逃げ出した当の照夫と野球やって遊んでる。保護しなきゃならない立場なのに。それにしても啓太郎は立ち直りが早いな。>
第47話 王の出現

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 村上と激しい戦闘を展開するライダー達。だがその間に照夫が姿を消し、重傷を負って逃げた村上の前に現れる。
 敵はローズオルフェノク。現れた“オルフェノクの王”アークオルフェノクに食われてしまった。そしてラッキー・クローバーとライオトルーパーが登場。
 冒頭から久々登場のサイドバッシャーとジェットスライガーの激突。三体のライダーによる同時必殺技攻撃。そして村上社長の死とたたみかけるように物語が展開する。
 前回ラストでスマートブレイン社長となったのが勇治。これは花形に頼まれ、王を倒すために選ばれたことが分かった。そして勇治は巧らライダーに協力を要請する。だが勇治の言動は、逆に巧に人間として生き、人間を守ることを決意させる結果となった。
 最初に死んだ村上は王に進んで自らの命を差し出してる。この人も私利私欲ではなく、真剣にオルフェノクの未来について案じていたことが分かる。
 なんか主人公が全然目立ってない気がするが、一旦覚悟決めてしまうと、そう言う存在でしか無くなってしまうのかな?
第48話 雅人、散華

  脚本:井上敏樹
  監督:長石多可男
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 勇治の元、ライオトルーパーとなった直也だが、その標的が照夫であることを知り動揺する。その戦いの中、身体に不調を覚える雅人は…
 敵はラッキー・クローバーのオルフェノク達とライオトルーパー。
 前作「仮面ライダー龍騎」では何人も性格の悪いライダーが出てきたが、本作では一番の雅人がついに退場。人間の悪いところを上手いこと出してたキャラだったが、憎まれ役をきちんとこなしていた。ただ、その死に方は決して感動的な者ではなく、ラッキー・クローバーにいたぶられてボロボロになったところを、勇治の変身したカイザでとどめを刺されて、誰にも見られないまま灰となって消え去った。憎まれ役とはいえ、突き放し方が凄い。
 花形の口から流星塾の本当の目的が語られる。かつて花形はオルフェノクの王を見つけるため、九死に一生を得たこども達を集めてきた。だが同窓会で暴走したオルフェノクが流星塾を襲ったため、今はオルフェノクが滅ぶのを静かに見ているという。
 そしてオルフェノクの正体とは、人間の進化形なのだが、急激に進化してしまったため、身体が耐えられずに自己崩壊してしまうらしい。
 直也がとうとう本音を吐いた。いつも斜に構え勇治を馬鹿にした発言を繰り返していたが、それらは照れ隠しで、本当は勇治の言う、オルフェノクと人間の共生社会の理想を羨ましく思っており、だから勇治についていたとのこと。
<オルフェノクの王を倒せばオルフェノクは自然消滅すると言っている雅人。でもオルフェノクが人間の進化形なら、これからも次々に生まれていくことになるのだが?
 雅人の前で灰化してしまう花形。スーツ毎灰になってるけど?>
第49話 滅びゆく種

  脚本:井上敏樹
  監督: 田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 オルフェノクによって雅人が殺された。その事実に衝撃を受けた巧はその足でスマートブレインへと向かい、勇治に詰め寄る。そんな巧に勇治は、オルフェノクの王の覚醒は人類とオルフェノクの戦いに終止符を打つことを告げるのだった。そんな時、ラッキー・クローバーの北崎は新しいゲームを考案していた。オルフェノクの王を倒した者が新しい王となると言う…
 敵はラッキー・クローバーのオルフェノク達。特にドラゴンオルフェノクは555とデルタの必殺技を両方食ってまだ生きていた。
 ラス前。これまで登場してきたキャラが次々と退場する。前回ラストで雅人が、そして今回はアークオルフェノクによってあっさりとドラゴンオルフェノクの北崎が死を迎えた。
 そんな中、自分自身にも死が近づいている事に気づいた巧は悩み続ける。自分がオルフェノクであることを改めて嫌悪し、オルフェノクの王にすがろうとするオルフェノク達を倒したいと思う。だが肝心なオルフェノクの王を前に、攻撃をすることも出来ない。その悩みが、仲間から逃げ出すことを選択させた。
 いつの間にやら巧も感情を爆発させるようになってきた。真理を抱きしめたりもしてるが、これも成長なのか?
 一方、あくまでクールにオルフェノクの王を守ろうとする勇治。巧と勇治の道は常にすれ違い続けている。
 敵にすがる主人公の話は「鳥人戦隊ジェットマン」でも多用されていたが、見事な井上脚本になってるな。
<手に触れたものはなんでも灰化させてしまう北崎だが、普通にテーブルに手を付いていても何も起きてない。
 今回の琢磨君。弱った北崎を、センチビートオルフェノクになって鞭でしばき倒してる。強い奴にはへつらい、弱い奴には強気に出る。良いキャラだ。>
第50話 俺の夢

  脚本:井上敏樹
  監督: 田崎竜太
  アクション監督:宮崎 剛
  特撮監督:佛田 洋
 突然姿を消した巧に戸惑いを隠せない真理たち。何故巧が照夫を襲ったのかも分からず、どうしようもない状態で、更に照夫まで姿を消してしまった。その頃、巧はスマートブレイン内の医療施設に収容されていた。オルフェノクの崩壊の実験材料として…
 敵はアークオルフェノク。
 最終回。最後の敵との戦いが描かれる。ここで主人公二人がようやくここでお互いを理解し合い、そして勇治が自らを犠牲に最後の敵を破壊。爽快感はあまりなかったが、しっかりした脚本で見所は多い。勇治が冷酷になったのはなんかの理由があったのか?と思ったのが、全く無かったのが意外なことくらい。
 ライダー同士の戦いがオルフェノク同士の戦いへ、そしてオルフェノク対ライダーの戦いへと、次々に展開する巧と勇治の戦いは実際とても見所あり。
 最後。日常に戻っていく面々。三原は、怖いのはオルフェノクではなく力に溺れた人間であると語り、琢磨はこれからの残された日々を人間として生きる事を選択する。一方冴子はまだ死んでないオルフェノクの王を回復を待ってる…って、まだ話は終わってないのか?
 そして巧は…やはり残された時間が少ないことを自覚しながら、初めて「夢が出来た」と言いつつ、真理と啓太郎と共に生きることを選択する。
 最後の最後になってだが、本シリーズを通しての脚本を書き上げた井上敏樹が顔見せ。最後に琢磨に怒鳴り声を上げる現場監督役だった。
<555とカイザの必殺技のぶつかり合いで、二人とも同じ方向に吹っ飛んでる。慣性の法則無視してるな。
 今回の琢磨君。不死の存在となったロブスターオルフェノクの姿を見て恐怖心を覚え逃げ帰る。
 結局刑事の添木と娘は最後にちょっとだけ出てきただけで終わった。この人達がストーリーに関わってくるかと思ってた…多分最初はそのつもりだったんじゃないかな?>