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獣拳戦隊ゲキレンジャー

獣拳戦隊ゲキレンジャー事典
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 2007'2'18〜2008'2'10

 戦隊シリーズ第31作。今回のテーマは努力と根性。拳法と獣の動きを合わせた「獣拳」と呼ばれる拳法使いが主人公の話で、ゲストキャラもそれに合わせて香港のカンフー映画の役者の名前をもじったものが登場している(ついでに吹き替えのフィックス声優をふんだんに起用しているので、往年のカンフー映画を楽しんだ人には、毎回のゲストキャラが楽しみだった)。
 この作品の最大特徴として、ヒーロー側だけでなく悪役の側をも主人公格として、敵味方両面から描いた作品であることが挙げられよう。どちらかというとキャラクタとして立っていたのは敵の方で、それもあってか、主人公側にやや魅力が薄い感じはあり。助っ人キャラも合わせて最終的に5人になったとは言え、そちらの方も個性がさほど出てなかった印象。
 語呂合わせは漢堂(カン)、深見(フ)、宇崎(ウ)で「カンフー」

主な登場人物
漢堂ジャン
ゲキレッド
(役)鈴木裕樹。若手俳優として現在活躍中。
 大森林の中で虎に育てられた野生児。誰にも負けない丈夫な「体」を持ち、非常識なまでのパワーを使う。
深見レツ
ゲキブルー
(役)高木万平。
 あらゆる格闘技の「技」を理詰めで追求する求道者。マイペースに自分の道を行くため、あまり人との交わりを好まないが、徐々に性格も変わっていく。
宇崎ラン
ゲキイエロー
(役)福井未菜。「牙狼 GARO」での篠原亜佐美役など。
 一本気で直線的な性格で、根性を信条とし、愚直なまでに鍛錬を繰り返す。
深見ゴウ
ゲキバイオレット
(役)三浦力。
 亡くなったと思われていたレツの実の兄。かつて理央と共に激獣拳を学んでいたが、臨獣拳に走ろうとした理央を止めるために禁断の技「獣獣全身変」を使い、そのまま消息を絶っていた。狼男となって十数年彷徨い続けていたが、正気を取り戻してゲキレンジャーの仲間となる。
マスター・シャーフー (声)永井一郎。
 等身大の巨大な猫だが、その実は激獣拳の達人で、ゲキレンジャーの師匠。、「拳聖不闘の誓い」により直接戦闘に関わる事はないが、「暮らしの中に修行あり」のモットーの元、ゲキレンジャー達に適切な指導を与えている。
理央 (役)荒木宏文。
 臨獣拳の達人。まだ少年と言っても良い年齢だが、臨獣殿の世界を作るため、臨獣殿を復活させた。
メレ (役)平田裕香。
 臨獣殿の女幹部で臨獣カメレオン拳の使い手。理央によってリンシーとして甦ったため、理央に絶対忠義を誓っているが、それは多分に愛情と呼ばれるものであろう。
久津ケン
ゲキチョッパー
(役)聡太郎。
 これまで獣仙郷で修行していた5人目のゲキレンジャー。性格はおおらかだが、それがいい加減に見えてしまうこともあり。獣仙郷での修行の結果、拳聖も会得出来ない激気研鑽を使える。語源は「必殺拳」からと思われるが、あるいは片腕必殺剣(1967)からかも?
話数 タイトル コメント DVD
第1話 ニキニキ!激獣拳

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 人の通わぬ樹海の奥地に一機のセスナが不時着した。そのセスナを探しに行ったのは、ザワザワする感じにニキニキする感じを受けたという野生児漢堂ジャン。機内から現われた女性真咲美希は「激獣拳ビーストアーツ」の拳士であり、彼女を取り囲む不気味な集団こそ、「臨獣拳アクガタ」を使う邪悪な拳法集団「臨獣殿」の拳士であるリンシーたちだった。本能のおもむくまま美希を助けるジャン…
 敵はマキリカ。臨獣マンティス拳の使い手で、中華風の仮面が特徴。マンティスへと変身する。ここでは顔見せ程度。
 新シリーズの開始の話。もう狙ったとしか思えないほどのツッコミ所満載の話に仕上げられている。最初の話は前後編になってるが、たっぷりキャラを見せるためにはこれが正解だろう。
 漢堂ジャンの設定そのものは「仮面ライダーアマゾン」か?と思えるのだが、流石戦隊だけに、暗さは全く感じられない。明るさが信条の戦隊ものでも特に明るく仕上がってる。漢堂ジャンのキャラクタは微妙なところで面白いバランスを保ってるのが特徴とも言えるだろう。主人公が最初はメンバーじゃないってのは、近年のシリーズでは定番か?
 この話は最初3人で始められているが、おそらく増えていくだろう。現時点では全員猫科。
 とりあえず第1話と言うことで、特撮部分も結構凝っており、ワイヤーアクションが映えた作品に仕上げられているので、以降が楽しみな作品だ。
 マキリカ役は「忍者戦隊カクレンジャー」サイゾウ役の土田大。
<最初にジャンと戦ってたのはパンダの群れ…とっぱじめから「何じゃこりゃ?」
 舞台は日本だと思われるが、一体ここはどこだろう?それにしても臨獣拳の使い手はなんで中華風?
 獣拳はそれぞれ動物の名前が付けられているが、なんで全部英語なんだ?完全無国籍だ。
 現在のところ飛び道具とか使ってないが、一々技を叫んで使うため、技の発動に時間かかるのが特徴かな?
 ところで、なんで虎が赤なんだろう?>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 ワキワキ!獣拳合体

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 巨大化したマキリカを退けたのは、なんと巨大化したマスター・シャーフーだった。その技、倍々分身拳を会得するため、マスター・シャーフーがゲキレンジャーの面々に与えた試練とは、レツとランにジャンの激獣拳を教えるというものだった。
 敵は前回に続いてマキリカ。今回はメレによって体を一気に活性化させられての参戦。
 主人公となるジャンの修行と、巨大戦が描かれる話。最近の戦隊シリーズの特徴としてレッドは元気なのが多いが、本作もそれに沿っているようだ。そのオーソドックスさがどれだけ魅力的になるかはこれから。
 ダムの破壊は東映シリーズの定番だが、やはりCGの使用は大きい。ちゃんとダムの破壊が描かれてる。話自体もかなりオーソドックスながら、それぞれの個性を上手く引き出した話に仕上がった。
 今回早くもゲキレンジャー三人が合わさることによって巨大ロボゲキトウジャが誕生。合体はとてもシンプルだが、これもおそらく話が進めばどんどん複雑になるものと思われる。更に今回はちゃんとバエによる解説付き。
 美希が意外に大食漢であることが発覚した話でもあり。本人の言によれば、「管理職はお腹が空く」のだとか。ラーメンが好きらしい。
<今回は敵の戦闘員リンシーも多量に出てくる(7人くらい)。これもだんだん減っていくのだろう。
 ゲキトウジャの変身はレツとランが足になるだけというシンプルぶり。今までの戦隊の中でも群を抜くシンプルぶりだ。
 三節棍を使うゲキトウジャ。バエは「使いこなしてる」と言うが、今のところ全然。>
第3話 シオシオ!そうじ力

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 激獣拳が楽しくて仕方ないジャンにシャーフーは特別なメニューを与えるのだが、掃除こそゲキワザを修得するための究極の修行と言われ、雑巾がけをさせられてしまう。一方、臨獣殿「試しの房」を突破した、臨獣バッファロー拳のギュウヤが街に現われる…
 敵はギュウヤ。臨獣殿「試しの房」を突破したバッファロー拳の使い手。リンシーを連れて町に現れるだけだったが、その突進力はゲキレンジャーを遥かにしのいでいた。
 ジャンの勝手をうまくいなすマスター・シャーフーと美希の姿が見られる。なんだかんだ言って上手くコントロールされてるようだ。今のところキャラ立ちも物語も単純ながら良い感じに仕上がってる。
<重りを入れた雑巾がけで体を鍛えるジャン。しかし、その重りって大きすぎる。これでは掃除どころか床を壊してしまうよ。ってか、どうやって絞ってるんだよ?
 リンシーはリンリンシーに対し絶対服従らしい。ギュウヤの突進の前にゲキレンジャーを連れて行くが、一緒にふっとばされていた。
 最後にレツが過去に雑巾がけの修行していたことが分かるが、その姿は「ベストキッド」を思わせる。と言うか、そのまんまだけど。>
第4話 ゾワゾワ!五毒拳

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 ゲキレンジャーを倒すべく、臨獣殿ではリンリンシー精鋭五毒拳の使い手を呼び出していた。一方、ゲキレンジャー達はマスター・シャーフーにスケートリンクに呼び出されていた。そこでの修行は、プロスケート選手でも難しい「カレイドスパイラルジャンプ」を習得することだった…
 敵は五毒拳メンバー全員。今のところゲキレンジャーでは全く歯が立たない。そして早くも理央が変身して登場している。
 早くも臨獣拳の精鋭が登場し、更に理央との直接対決。本来なら中盤に出て然りのキャラが大挙して出てきたと言うことは、この話は「魔法戦隊マジレンジャー」同様、途中で敵がどんどん強大になっていくパターンかも知れない。
 直接対決ではなんと理央の臨気とジャンの激気がほぼ互角。激気の使い方がまだ習熟していないジャンは位負けしてしまうが、これはこれで理央にとってはショックらしい。
 ちなみにこれは香港映画『五毒拳』から来ているらしい。ここで登場するのはムカデ、サソリ、蛇、ヤモリ、ガマと、本当にそのまんま。
<理王はライオン拳の使い手…えーっと、ゲキレンジャー同様猫科ねえ?と言うことはつまり…まあ、展開から言って間違いなかろう。>
第5話 ウジャウジャ!どーすりゃいいの?

  脚本:横手美智子
  監督:竹本 昇
 五毒拳との毒試合には勝ったものの、ジャンにはウジャウジャ(不安)が止められない。そんなジャンにマスター・シャーフーはランから学ぶようにと助言する。そんな時、五毒拳の一人臨獣センチピード拳のカデムが人々を襲い始めた。
 敵はカデム。五毒拳の一人で、臨獣センチピード拳の使い手。“地獄の手数王”の異名を持つ。常に頭巾をかぶっているが、その中にはムカデが渦を巻いている。
 初めてジャンではなく他のメンバーにスポットが当てられた話。今回はランで、過去のエピソードなども語られる。彼女の修行好きはマスター・シャーフーから基本を繰り返すことを修行として与えられていたからだった。ひたすら突きばかり続けている。それで今回は単独でカデムと闘っている。一方レツはジャンを助けるために毒を受けてしまい、あんまり良い所無い。
 五毒拳には更に秘密があるらしいが、話の展開はかなり速いな。
 今回の美希はジャンに助言を与える際、中華まんを食べてる。この人色々食べるな。
<ツッコミというほどじゃないけど、今回リンシーが出なかった。だんだんそうなっていくんだろうか?>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 ジュワーン!って、何?

  脚本:横手美智子
  監督:竹本 昇
 スクラッチに現れた怪しげな男ピエール藤代により、レツが将来を嘱望された画家であることが分かる。そんな時臨獣ゲッコー拳のモリヤが現れる。重力を無視するかのようなモリヤに対し、いかに闘うのか?
 敵は五毒拳臨獣ゲッコー拳のモリヤ。“対応不能の惑乱者”の異名を持つイモリ型の怪人で、臨気を足の下から出すことで壁に立つことが出来る。
 前回ランが中心だったが今回はレツが中心となる。レツは元画家の卵で、かなり有名だったらしい。ブルーって芸術家ってパターンは割と多い気がする。理央とも知り合いというのが発覚。これがどう後の話につながって行くやら。
 壁に立つ敵に対し、生活の中に修行があるというマスター・シャーフー。今回は紐で吊り下げられての窓拭きだった。
<ピエールが胡散臭い奴であることは分かるけど、こういう人間が普通に基地に入って良いんだろうか?
 レツは画家と言うが、書かれている絵はどことなくパステルカラー。なんか安っぽい感じ。>
第7話 シュバシュバ踊ろう!

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 スクラッチに美希の娘なつめが現れた。ダンスレッスンをさぼって母親に会いに来たのだ。一方、街ではリンリンシーダンサーを従えたソリサが現れ挑発行為を繰り返していた…
 敵は五毒拳の臨獣スコーピオン拳のソリサ。“戦慄の踊り子”の異名を持ち、ダンスが得意で多量のリンリンシーと共に踊りながら登場する。又、そのソリサに惚れている“鋼鉄鉄壁の守護者”トード拳のマガも登場する。ソリサが好きだが、気が小さくていつもバカにされ続けてる。
 ソリサは踊りが主体なので、今回の修行もダンスとなる。実に安直で分かりやすい。と言うか、なんだかあまりに単純すぎるし、演出も今ひとつ。
 一応戦いも敵が二人いるため、前後編になっており、いつものフォーマットとは異なっているのではあるのだが…ツッコむ気力も起きない脱力回。
第8話 コトコト…ひたすらコトコト

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 ソリサとの戦いの中、マガの乱入により最強の攻撃力と最強の防御力が合わさり、完膚無きまでに敗北を喫したゲキレンジャー。だがマガとソリサは自分たちの世界に入り込んでしまって去っていった。この二人のコンビネーションに対抗するに美希は開発中のゲキバズーカの使用を認める。
 敵は五毒拳のスコーピオン拳のソリサとトード拳のマガ。最強の攻撃力と最強の防御力が合わさった形になった。
 今回の修行はジャンがなつめの料理をひたすら待つこと。一方のランとレツがピアノ。ゲキバズーカを撃つために必要だって事らしい。
 はっきり言ってこのところ本当に面白くない。ジャンはともかくランとレツのキャラ立ちが全然出来てないからかな?
 今回はソリサとマガのバカップルぶりの描写があんまりにも酷すぎて観ていて疲れるし、いくらオモチャ売るためとは言え、拳法使いがバズーカ使うのもイヤ。なつめのキャラもうざい。きついわ。
<ラストで美希がゲキバズーカを紹介してるが、「新製品」と言ってた。売り物か?…売り物だけど。>
第9話 ケナケナの女

  脚本:吉村元希
  監督:諸田 敏
 五毒拳も四人が倒され、残りはブラコのみとなった。秘伝リンギ真毒を差し出すように迫るメレだが、ブラコは逆に理央に対し反逆を持ちかけてくるのだった。一方、未だゲキバズーカの発車に時間がかかるゲキレンジャー達は特訓を続けていた。
 敵は五毒拳のコブラ拳のブラコ。真毒の使い手であるで死者に命を与えることが出来る。五毒拳のカデムとモリヤも復活している。
 理央はそもそも激獣拳の使い手だけに反発を受けているらしい。それでブラコの反逆が描かれる。
 これまで理央に仕え続けているメレの過去が描かれる。メレは理央に死者の中からかりそめの命を与えられたことによって恩義を感じている事がはっきりした。その健気さがなかなか見せる。
 理央を守るために敢えてゲキレンジャーの最強の技ゲキバズーカを自らの体に受けるメレ。敵の特訓というのも珍しいが、たった一話で弾かれる新兵器とは情けないものだ。
 今回は巨大戦はなし。それどころか内輪もめで倒されてしまったため、ゲキレンジャーは結局一度もブラコと戦わずに終わってしまった。
<五毒拳が終わったら、次は又新しい敵が登場。五毒拳の所で話が展開するかと思ったが、これまでのところパターンが続くことらしい。>
VOL.3
<A> <楽>
第10話  ジャラジャラ襲撃!はじめてのおつかい

  脚本:横手美智子
  監督:諸田 敏
 臨獣パンドリン拳のムザンコセの体の硬さに全く歯が立たないゲキレンジャー。マスター・シャーフーは意気消沈する3人に、ある山小屋へのお使いを命じる。一方秘伝リンギ・真毒を手に入れた理央は拳魔を復活させようとするが…
 敵は臨獣パンドリン拳のムザンコセ。極端に体が硬く、体を丸めて転がることで全く攻撃を受け付けない。
 とりあえずこれからの本式の戦いの前に、やや息抜きに近い話だが、30分に色々詰め込もうとした結果、中途半端になってしまった感じ。これでも一応前後編の前編。後編に期待しようか?
 そもそも主人公がジャンを除けばしゃべり方が素人だし。
<ムザンコセの舌は地下のマグマにまで到達する。どれだけの長さの舌なのか。と言うよりは体が無くなってしまうのではないだろうか?>
第11話 ウキャウキャ!獣拳武装

  脚本:横手美智子
  監督:竹本 昇
 拳聖と言われるエレハン・キンポーの元で修行を開始するゲキレンジャー。だが「遊びの中に修行あり」というエレハンに、とまどいがちの三人。特に激ハンマーを手渡されたランは、これが修行とはどうしても思えなかった。
 敵は前回に続き臨獣パンドリン拳のムザンコセ。ゲキエレファントウジャの大頑頑丸によって倒される。
 一応二つの方向性で物語は展開。メインはランを中心とする鎖鉄球術の修行とムザンコセとの戦い。もう一つは理央の拳魔探し。メインの方は、修行を真面目に考えガチガチに固いランが余裕を学ぶこと。そのために遊びを教えるマスター・エレハンだが、その行動がちょっと寒すぎる。更に遊びを覚えたランの言動も浮きすぎ。
 なんだか妙な雰囲気になってしまった。見ていて寒いぞ。多分これは役者の問題じゃないかと?
 ここで初めてゲキエレファントとの合体でゲキトウジャもパワーアップ。多分これから色々と合体が出てくるのだと思われる。
第12話 ゾワンゾワン!臨獣拳、修行開始

  脚本:會川 昇
  監督:竹本 昇
 空の拳魔カタを復活させた理央はカタの教えを請い、力の継承を求める。同時にゲキレンジャーの動きを抑えるために臨獣イール拳のナギウを街に放つのだった。リンギで全身を粘液で包んだナギウに、ゲキレンジャーの攻撃は滑ってしまって通じない。そんなゲキレンジャーにマスター・シャーフーが与えた修行とは…
 敵はイール拳のナギウ。リンギで全身を粘液で包み、ほとんどの攻撃を滑らせてしまう。他に又エレハン・キンポーが再登場。何故か風呂屋の番台に座ってた。出刃亀か?
 臨獣殿とスクラッチどちらも修行が行われるが、臨獣殿の理央はほとんど死を賭した修行に対し、ゲキレンジャーの場合は銭湯で遊んでる。これで良いのか?少なくとも、味方の方より敵の方が見所が多いってのは問題がないだろうか?いや、これが本作の特徴なのか?いずれにせよ二人ともとにかく修行が短すぎる。
 ちなみにここに登場する源さんを演じるのはJACの大ヴェテラン岡本美登。スーツアクターとして、あるいは素顔でこれまで何度も登場している。
 舞台が風呂屋だけに、ランの入浴シーンあり。
<レツとランのしゃべり方の素人臭さはここに始まった訳じゃないけど、いい加減イライラするね。>
第13話 シンシン!精霊の舞い

  脚本:吉村元希
  監督:辻野正人
 三人はマスター・シャーフーの命令によりバレエ鑑賞会に行かせられる。芸術家であるレツだけは大いに盛り上がっていたが、そんな時に臨獣クレーン拳のルーツと臨獣クロウ拳のラスカが現われた。空を飛ぶ二人に対し、手が出せないゲキレンジャーは、そらを飛べるために修行を始める。一方理央はカタの新たな修行で今度は憎悪を増大する修行に入っていた。
 敵はクレーン拳のルーツとクロウ拳のラスカ。白と黒の対照的なカラーリングをした二人で、更に二人とも片羽。カタの親衛隊で空を飛べる。
 10話に続き、今回も最初に戦いがあり、それに負けてから修行となり、しかも前後編。これは今までのシリーズにはあまり無かったパターンであることは確か。で、やってることは踊りの修行だった。
 10話11話と同様今度はレツが新しい技を覚えることが目的らしい。
 少なくともこれまでのシリーズとは違うことを示そうとしていることだけは分かる。特徴として物語はゲキレンジャー側と理央側の二方向に完全に分かれていて、理央側は命懸けの特訓を、ゲキレンジャー側はほとんど遊びに見える修行を通して、どちらも強くなっていくことになる。敵側をもう一方の主役として示しているのが本作の特徴か。
VOL.4
<A> <楽>
第14話 ネツネツ!技を捨てろ

  脚本:吉村元希
  監督:辻野正人
 拳聖バット・リーの弟子となったレツ。だがリーがレツに課した課題は、「技を捨てよ」というものだった。その意味が分からず混乱するレツ。その頃レツを欠いたまま空飛ぶルーツとラスカを相手にするジャンとランは窮地に陥っていた。
 敵は前回に続きルーツラスカ。新しく得たゲキバットウジャによってラスカの方は倒されたが、ルーツの方は生き残り、復讐を誓う。
 前後編の後編でレツの修行が描かれる。修行と言っても舞を舞ってるだけなのだが、徐々にそれは無我の境地へと至る。そしてその修行を超えて、新しい技を身につける。この結果レツはゲキファンを手に入れ、ゲキバットと合体することでゲキバットウジャが誕生する。という一連の物語となってる。前のランの修行と同じで、何が何だか分からないうちに強くなってる修行。ただこのパターンはそろそろ終わりにした方が良いかも?
<レツが欠けた状態で戦うゲキレンジャーにラスカは「一気に片を付けてやると言いつつ、やってることはジャンとランをゴミ捨て場に放り込むことだけだった。
 ゲキバットウジャを呼び出すためには無我の境地が必要らしい。だけど会得したのはレツ一人で良いのか?>
第15話 ホワホワ!ママ業

  脚本:横手美智子
  監督:諸田 敏
 スクラッチでは散らかし放題のジャンとレツを叱るリンをマスター・シャーフーはまるで二人の母親と笑う。そんな時ゲキバットウジャに破れてラスカを失い、復讐に燃えるルーツが現れ、なんとジャンとレツは赤ん坊にされてしまう。
 敵は前回に続きルーツ。都合3回目の戦いとなる。そしてもう二人の拳魔を探しにメレが出撃する。
 子供になってしまったジャンとレツを苦労しながら面倒看るランの苦労が描かれる。これも修行の一つなのだそうだが、赤ん坊になったレツのおしっこまで引っかけられて、もの凄く苦労してる。
 楽してる主人公達と、ひたすら苦行に耐える敵。通常の特撮作品とは全く逆になってしまったが、その分主人公側よりも敵側の方に見所が多くなってしまう。珍しい展開だ。
<相変わらずとどめを刺さずに放置するルーツ。こいつらの詰めの甘さは…最早言うまでもない。
 ランの胸に顔を埋めて「ホワホワ」とか言ってるジャン…なんと羨ましい…じゃなくてセクハラだ。これに限らずランの前でレツがオールヌードになったりと、この話はセクハラ描写が多い。
 最後にゲキイエローがルーツにはなった技は…北斗百裂拳?>
第16話 ジリジリ!臨獣殿、課外授業

  脚本:横手美智子
  監督:諸田 敏
 スクラッチではレツがファンからたくさんのプレゼントをもらって浮かれていた。そんなレツにちょっと余計なことを言ってしまうマスター・シャーフー。メレによって復活した海の拳魔ラゲクは、なんと理央よりもメレの方が潜在能力があると言い、合気の術をメレに伝えると言う。そしてラゲクが連れてきたのは…
 敵はラゲク。先に出てきたカタ同様海の拳魔で、女性型。臨獣ジェリー拳の使い手。理央ではなくメレの方に拳を教えようとする。
 ゲキレンジャーではなく今回はマスター・シャーフーとメレが中心の話で、かなり変則的な話に仕上げられている。
 いくつもの設定が明らかにされる。そもそも臨獣殿は激獣拳から枝分かれして出来たもので、10人の拳聖のうち3人が臨獣殿を作ったのだという。尚、拳聖や拳魔は最初から動物だったのではなく、人間だったのだったという設定も明らかにされた。
 そう言うことで、今回はゲキレンジャーの活躍はほとんど無し。マスター・シャーフーとメレの戦いが中心となっている。
<ラゲクの口癖は「溢れてきちゃう」。なんだかなあ。>
第17話 ゴロゴロ!師弟愛

  脚本:會川 昇
  監督:渡辺勝也
 新しい技を会得したランとレツに、自分だけのけ者にされたと感じたジャンはちょっと不機嫌。そんなジャンにマスター・シャーフーは海の拳魔ラゲクに対抗するため、こちらも海の拳聖に会いに行けと言う。
 敵は臨獣ハーミットクラブ拳のドカリヤ。ラゲクの配下で海のリンシーだが、師弟愛以上のものをラゲクに抱いているようだ。毒液を吐き、それを吸った者を操る事が出来る。
 4人目の拳聖シャッキー・チェンが登場。当然ながらその声は石丸博也。これまでキン・ポー、リー、と来たら当然こいつだし、声も当然。とまあ、見事な配役ではあろう。声聞いただけで何かニヤニヤしっぱなし。
 それで今回は前後編でジャンの修行が描かれるのだが、修行そのものはものすごくあっけなく終わってしまった。これは結構意外だが、その分戦いやドラマに焦点を合わせようとしてだろう。シャッキー・チェン自身が隙だらけのため、あっけなくドカリヤの術中にはまってしまう。お陰で久々にゲキレンジャー側もかなり重めの話…と言うほどでもないが、割と真面目な話になってた。早くもゲキシャークの登場など、随分話の展開が速いが、ちゃんと前後編になってる。
 一方臨獣殿ではラゲクの修行が始まったが、ラゲクはマスター・シャーフーと何らかの関係があったらしいことが暗示されてもいる。
 今回に関しては石丸博也の声に和んでる内に話が終わってしまったので、ツッコミが入れられなかった。
VOL.5
<A> <楽>
第18話 シャッキンキーン!身体、強い

  脚本:會川 昇
  監督:渡辺勝也
 シャッキー・チェンの元で修行を始めたジャン達の前に現れたドカリヤはシャッキーの体のみならず、新しいゲキビーストであるゲキシャークまで乗っ取ってしまう。先輩拳聖により叱られ、激しく落ち込むシャッキーは、ジャンを破門にしてしまった。
 敵は前回に続きドカリヤ。ゲキビーストであるゲキシャークにまで取り憑き、今回は美希に取り憑いてた。
 前回観る限り、凄く単純に終わるかと思っていたのだが、師匠弟子共に単純だけに、割と簡単に敵に騙されてしまうという問題があるため、ジャンの修行は結構しっかり楽しませてもらえた。
 当然ゲキシャークと合体したゲキトウジャはゲキシャークトウジャになるわけだが、結構不格好で、使い道はあんまり多くないような気がする。
 ドカリヤに乗っ取られたとは言え、美希が戦うのは珍しい。第1話以来かな?
 拳聖のくせに隙が多く、簡単に乗っ取られてしまったシャッキー・チェンは、やっぱり先輩の前だとバツが悪いのか、激しく落ち込んでしまった。元気なだけが取り柄というキャラだけに、その元気が無くなると見てられなくなる…元よりジャンとそっくりだったが、全般的な性格まで同じだった。
 一方理央の修行はやや抑え気味だが、これから又一波乱ありそう。
第19話 ゴキンゴキン!理央と対決

  脚本:横手美智子
  監督:竹本 昇
 カタとラゲクによって力の限界を知らされる理央は、更なる高みを目指すためには激獣拳を完全に滅ぼさねばならない事を指摘される。一方臨獣トード拳のエルカをあっけなく倒したゲキレンジャーの面々は浮かれていたが…
 敵は臨獣トード拳のエルカ。オープニングに出てきたが、あっという間に倒されてしまった。これだけ登場が短い敵も珍しい。そして今回の見所は黒獅子リオとの戦いとなる。その衛兵としてブトカワガタクという臨機兵が登場。
 物語の転換点となる話。これまで激獣拳および臨獣殿どちらも修行が続いていたが、今回でその修行を試す話となった。ただ、命を賭けて修行を続けてきた理央の方が現時点では圧倒的に強かった。あくまでこれは次の修行の布石となる訳だが、隠された力を見せる事で、新しい技を習得する修行が始まる。
 レツの兄の事がちらっと出てくる。理央と同門のライバルだったらしいが、話に絡んでくるのか?一方残った三人の拳聖の姿もちらっと。ペンギンとカモシカとゴリラだった。
<兄の事を理央に指摘され、「兄さんの事か〜!」と叫ぶレツ。この言い回しはやっぱり「クリリンの事か〜!」からか?>
第20話 ギチョギチョ!トライアングル対抗戦

  脚本:横手美智子
  監督:竹本 昇
 黒獅子リオに完敗し、マスター・シャーフーも連れ去られてたゲキレンジャー。理央との取引で3日間の猶予を与えられ、その間に究極の激気である過激気を習得せねばならなくなった三人だが、彼らの前に現れたのは…
 ゲキレンジャー三人の修行が描かれる話。前回までに充分強くなってきたと思ってたのだが、まだまだ修行が足りない。と言う事か。これまで遊びのような修行だったが、今回はかなり厳しい話になってる…と言っても修行そのものはやっぱり遊びがベースなのが本作らしい所。真面目に遊んでるんだけどね。ジャンは心を鍛え、ランは技を鍛え、レツは体を鍛える。それぞれが全く苦手な修行ばかりだが、徐々にそれが分かってくるところが重要。ちょっと展開は早すぎるけど、毎回修行自体は割と簡単に習得するからそれに準じているのだろう。喧嘩もするけど、いつの間にかトライアングルが出来ているのが特徴か?
 本作では地べたに叩きつけられる描写がやたら多く、特にレツが一番それが多い。今回の主役はレツなのかな?修行の中で唯一本当に戦ってるのがレツだったし。
 そう言えばこれまでの話では2話で1セットだったが、今回は更に続いてるのは珍しい。
第21話 ビキビキビキビキ!カゲキに過激気

  脚本:横手美智子
  監督:諸田 敏
 過激気を会得せぬまま理央との戦いに挑むゲキレンジャー。マスター・シャーフーを救うため、そして何故戦うのかという問いの答えを見つけるための戦いが始まった。
 敵は黒獅子リオブトカワガタクの三体。リオは既にホーク拳とジェリー拳を会得しているが、スーパーゲキレンジャーの前には敵わず。
 新しくスーパーゲキレンジャーとゲキファイヤーの登場となる。9体のゲキビーストが同時に出てくるのはかなり壮観。巨大化したブトカとワガタクを倒す。
 これまでの、どこか遊びに似た戦いと較べ、明らかに質が異なる戦いが描かれているが、まあ、丁度もう一ランク上に上るためにはこのくらいの厳しさが必要だって事だ。地道な修行よりも戦いの中で成長していくというのも現代的。そして三人は過激気を習得。スーパーゲキレンジャーへと成長する。
 ジャンが問い続けた(というか、今回のみだけど)「何故戦うのか?」という問いは、理央によれば「俺が選んだから」だが、ジャンの見つけた答えは「守るため」だった。
 今回であっけなくブトカとワガタクが倒されてしまった。一旦成長してしまうと、これまでどうしても勝てなかった敵をあっという間に倒せるようになるのはパターンだが、パターンだから燃えるように出来てる。
<崖に埋め込まれ、そこから這い出すリオだが、随分柔らかな岩の描写だ。
 スーパーゲキレンジャーの登場の口上はこれまでのものに「過激気に」を付けただけ。ちょっと手抜きっぽい。
 これまで見た事も聞いた事もない新しいゲキビーストを普通に呼んでしまうのは…この作品では当然なのか?>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 キュイキュイ!セレブとデート

  脚本:會川 昇
  監督:諸田 敏
 過激気を手に入れたゲキレンジャーに完敗してしまった理央。その屈辱を打ち払い過激気を超える力を手に入れるため、三拳魔の最後の一人大地の拳魔復活に動き出す。一方その大地の拳魔復活を阻止すべく、その鍵を持つ南北アリスの元に向かう…
 敵はタブー。臨獣ピッグ拳を使うリンリンシー。このキャラはその存在感よりも何よりその声が重要。なんとその声は広川太一郎。ミスター・ブー役で香港映画の中でも重要な人間である。おかげで攻撃しながらもダジャレ使いまくるのを止められないので、聞いてるだけで楽しい。
 又話は元に戻り、ゲキレンジャーの側はまるで遊びのような修行…というか今回はボディガードだが。理央の方は命を賭けた修行を。なんかこの構図に慣れてきたのか、なんとなくほっとしてる自分がいる。
 特に今回広川太一郎のお陰で話のテンションが高すぎ。楽しい作品に仕上がった。ついでに言うならゲキシャーク役の石丸博也も出ているので、香港映画好きにはとても心地良い。
 一方ゲキファイヤーもゲキシャークを装着出来る事が分かった。
 最後に新しい仲間のことが暗示される。そろそろかな?とは思ってたけど。
<ジャン役の鈴木裕樹の頬がこけてるのが分かる。この役はきついんだね。
 久々のゲキゲキ砲登場。相手がブタだけに、いつもの「豚の角煮」ではなく「ブタの丸焼き」だった。>
第23話 グレグレ!スケ番キャプテン

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 マスター・シャーフーにより新しい仲間の加入を知らされるゲキレンジャー。そしてそのためのリーダーとして選ばれたのは、なんとランだった。一方、ついに甦った大地の拳魔マクは臨獣殿の頭首の座を賭け、理央と激突する。
 敵は臨獣ポーキュパイン拳のマーラシヤ。人のツボを突き、心を操る事が出来、その術にかかったランはなんとスケ番になってしまう。体中の針を飛ばして攻撃する。そしてついに復活した大地の拳魔臨獣ベアー拳のマク。他の二人の拳魔さえ恐れる最強の拳魔。過激気と同じ能力怒臨気を持つ。そして狼の姿を持つキャラも登場してるが、これが新しい仲間になるのかな?ミシェル・ペングとエレハン・キンポーもいるし、今回は随分登場人数が多い。
 相変わらずぬる〜い激獣拳と激しい臨獣殿の構図は変わってない。しかし、狙ったのだとしか思えないが、ランのスケ番姿は70年代バリバリ。この暑いのに長いスカート引きずった黒いセーラー服って一体いつの時代だ?脚本の荒川稔久あるいは監督の渡辺勝也の趣味?乗ってるバイクまでそれっぽい。
 で、今回の最大の見所は美咲にこそある。自分の事を「かつて不良少女と呼ばれていた」という事が発覚…って、こいつの啖呵は凄すぎ。やっぱりあの年代の空気を吸ってる人はハンパねえ(笑)しかもラストシーンでセーラー服姿に…恐ろしい
 一方拳魔マクは怒臨気なる技を持ち、なんと臨獣殿そのものを乗っ取ってしまった。物語が二つに分かれていつつ、意外に見所が多い話だった。
 ツッコミ所があるような無いような…物語そのものがツッコんでくださいと言ってるようなもんだけど…ちなみに不良化したランに首絞められていたのは諸田敏監督だとのこと。
<強いて言うならマクは折角良い名前なんだから、怒臨気なんかじゃなくて時空をねじ曲げるくらいのサービスが欲しかったな。勿論配下にレバーか何か下げさせて。勿論その場合名前はマクではなくマクーになる訳だが。
 これまで全然姿も見えなかった四人目の戦士が都合良く登場。都合良すぎるのはいつものことか。>
第24話 ガルガル!なんてこった、弟が!?

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 ゲキレンジャーの前に現れた狼男の正体は、レツの兄ゴウだった。死んだはずの兄の出現を喜ぶレツ。だがゴウはレツに激獣拳を習得することを止めるように言うのだった。一方マクに敗北した理央を気にかけるメレの前に謎の男ロンが現れる。
 敵は臨獣バブーン拳のヒヒ。マクの親衛隊であり、怒臨気を与えられてゲキレンジャーに向かう。結果的に深見ゴウと戦うこととなるが、今回は顔見せ程度で簡単に撃退される。
 四人目のゲキレンジャーの登場と、臨獣殿での謎のキャラクタと、話が展開していく。具体的には激獣拳ではレツが、臨獣殿ではメレが話の中心となっていく。
 新しく登場したゴウはレツの兄だが、悲劇のヒーローを気取るナルシストにしか見えないのが問題ではあり。単に嫌な奴と言うよりは、ものを知らずに大口を叩いてるだけのキャラにしか見えない。レツの方が落ち着いているので、どっちが兄だか分からない状態。一方、臨獣殿にも謎のキャラが出てきたりするのだが、どっちかというとこちらの方が盛り上がってた感じ。
第25話 ヒネヒネ!俺だけの紫激気

  脚本:會川 昇
  監督:竹本 昇
 甦ったヒヒの怒臨気により深手を負ったゲキレンジャー。レツはゴウに共に戦ってくれるよう願い出るが、ゴウにはゲキレンジャーになる気はないとあしらわれてしまう…
 敵は前回に続き臨獣バブーン拳のヒヒ。怒臨気を使いこなし、過檄気をも圧倒しているが、新しく誕生したゲキバイオレットと呼び出したゲキウルフにより倒される。
 今回も激獣拳と臨獣殿の二面で話は展開。激獣拳の方は四人目の戦士となるゴウが戦う事をを決めるまで。そして臨獣殿では理央が怒臨気を得るまで。やっぱり深刻の度合いは臨獣殿の方が上で、どっちが主人公格だか分からなくなってくる。ただ、少なくともゴウがあまりにも分かりやすい単純さなので、盛り上がって良いはずの話が今ひとつ。
 新しく登場したゲキウルフだが、単独で変身するのではなく、ゲキトウジャに合体してるのが特徴。これは珍しい。
<今回ビル破壊の描写が派手すぎ。劇場用のバンクであろうと思うのだが、最近ではここまで派手なのは珍しい。
 ゴウはひねくれてるのだが、今ひとつ演技が下手なので、見ていて痛々しかったり。かなり無理してる感じあり。
 巨大戦の際バエの解説で「キックの鬼」なる言葉あり。時折70年代の匂いがしてくるのが本作の特徴か。>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 モヘモヘ!お悩み相談

  脚本:會川 昇
  監督:竹本 昇
 ゲキバイオレットを加え、これまでのトライアングルが更なる連携へと転換できると喜ぶゲキレンジャーだが、ゴウの考えは彼らとは多少異なっていた。一方、怒臨気を手に入れた理央はマクとの戦いの前に何かを確かめようとしていた…
 敵はブトカワガタク。一度ゲキレンジャーによって倒されているが、今度はマクの怒臨気によって更にパワーアップして登場する。
 ゲキレンジャーが四人になったが、その連携のために必要な事として今回はカウンセリングの話となる。その先生はなんとゴリーで、ジャンとゴウの相談に乗っている。
 その悩みだが、ゴウの場合は折角出来たトライアングルを崩すことになるのではないか。と言うものだったが、ジャンの場合は四人がどう並ぶか。という単純なもの。一方理央まで相談に来ている。なかなか面白い構造になってるが、お陰で主人公がたくさん出てくることになってしまった。
 結果的にゲキレンジャー四人はちゃんと連携を取れるようになったが、単純ながらすっきりしたいい話になってる。
 今回はゲキファイヤーを呼び出したゲキレンジャー三人に、ゲキトウジャウルフを呼び出したゲキバイオレットによって、二体のロボットが登場。なるほど。ゲキバイオレットの存在理由はこれか。
 一方理央は理央でなにやら得ることがあったようだが、それは次回に持ち越し。
<ミシェルの趣味は木の人形を作ることだが、あの手でどうやって作るのか?まあ、単純なものしか作ってないけど。>
第27話 ベランベラン!燃えよ実況

  脚本:中島かずき
  監督:中澤祥次郎
 巨大化したポウオーテと激闘を繰り広げるゲキファイヤー&ゲキトージャウルフ。だがそこにロンが謎の技を使ったことでゲキウルフは狼男に変身してしまい、ゲキファイヤーに襲いかかる。
 敵はアーチャーフィッシュ拳のポウオーテ。水鉄砲を使って攻撃する。怒臨気を使いこなす臨獣拳使いだが、話の都合上、ほとんど活躍せずに終わる。
 最初から突然巨大戦という珍しい始まり方をするが、これも仲間割れを演出するため。今回は初めてバエが中心となった話になったが、そのバエのお陰でゴウは心を取り戻す。
 メレといつも行動を共にしているバエは実はかつて激獣拳使いだったが、ゴウ同様、かつて獣獣全身変に失敗してこうなったと言うことが分かる。だがメレの体内にあまりに長くいすぎたため、臨気を受けないと滅んでしまう体になってしまった。一方メレの前に現れ何かとちょっかいを出してくるロンは激獣拳でも臨獣殿でもない邪気を持つことも分かる。それになんだかんだ言ってバエのことを心配してるメレの姿もあったりして、今回は結構色々と設定ばらしが出てくる。短い中によく詰めたもんだ。
 仲間同士で戦うゲキファイヤーとゲキトウジャウルフを見てみると、大きさに随分違いがあることが分かる。ゲキファイヤーは頭半分ゲキトウジャよりも大きい。
 今回ピョン・ピョウが一応登場してるが、ほとんど何もせずに終わってしまった。あんまり登場してないから時々出す必要があるのかな?
<話のテンポを速くするためだと思うが、ジャンは一気にスーパーゲキレッドに変身してる。>
第28話 ビシビシピキーン押忍!

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 激獣拳の隠し球である5人目のゲキレンジャーが帰ってきた。だが何故かスクラッチには姿を現さなかった。美希は実家である町工場に連絡するが。一方獣拳の聖地とされる獣源郷へと向かう理央。それを聞いたロンは動揺する…
 敵はクロコダイル拳のニワ。理央が残したリンリンシーで怒臨気を使うことは出来ないが、ゲキレンジャー3人を圧倒する実力を持つ。
 5人目の仲間が登場。久津ケンという青年だが、性格はよく言えばおおらかで、悪く言えばいい加減。激気研鑽という特殊な激気を使えるが、その性格が災いして周りからはあんまり認めてもらえない。特に真面目なゴウとは相性が悪いようだ。
 4人目の戦士ゲキバイオレットの話とは異なり、5人目のゲキチョッパーはかなりいい加減な性格。随分と差があるようだ。マスター・シャーフーの命令で仲間になろうとするが、
 一方、臨気を持つ者は入れないという獣源卿に入ろうとする理央。こちらはこちらで物語は進行中。ただ、謎の存在ロンが妙に苛ついているように見えるのは何故?
<ケンは帰国早々デコトラを運転してる。免許は大丈夫?
 4人目と5人目の戦士がまるで違う変身と変身アイテムを持つのは、やっぱり商品化のため?
 すっかり存在感を減らすゴウ。新しい戦士は大概存在感を無くしていくのだが、早すぎる。>
第29話 グダグダヘレヘレ!ショッピング

  脚本:荒川稔久
  監督:諸田 敏
 5人目のゲキレンジャーとなった久津ケン。彼は臨獣殿との戦いにおいて一気に戦いの帰趨を決めるとまで言われている操獣刀を託されていたのだが、なんとその操獣刀を骨董品屋に売ってしまっていたのだ。それを買い直そうとレツを伴って中華街に繰り出すケンだが、操獣刀を買った含韻は…
 敵はオーソリッチ拳のチョウダ。カタが繰り出した調子の良いリンシーで、結構弱いのだが、一旦攻撃を受けると、二度とそれを食わないという、成長し続ける敵。許容範囲を超える攻撃を加えられて爆死するが、卵を残す。
 この話もケンが中心となった話だが、いい加減な性格だけに、操獣刀を売ってしまうと言う、取り返しの付かないようなことをやらかしてしまった。良いキャラだ。
 今回の戦いは当初レツとケンがいない状態だが、ジャン、ラン、ゴウの三人でもトライアングルが形成されている。
 一方臨獣殿の話は今回はお休みっぽい。操獣刀を見つけた所なので、次回に期待。
 今回登場する拳聖はバット・リー。含韻と過去に確執があったらしい。このところ存在感が薄い拳聖だけど、珍しく話の中心となっている。
<チョウダは何故か名古屋弁を使ってるが、こいつに攻撃されると、「ダチョー」と叫ばねばならないらしい。ちなみにチョウダのかけ声も「ダッチョー」だが。メレまでそれに感化されたか、名古屋弁使ってた。
 5人揃ったゲキレンジャーに対し、チョウダは「五人揃ってゴレンジャーじゃにゃあか?」と発言。番組が違うぞ。同じシリーズだが。>
VOL.8
<A> <楽>
第30話 セイセイでドウドウな女

  脚本:荒川稔久
  監督:諸田 敏
 怒臨気を使えるようになったものの、未だマクには敵わぬ理央のため、メレはなんとか操獣刀を手に入れようとする。一方その操獣刀はケンに与えられていた。彼にはそれを使いこなす力があるというのだ。その操獣刀をめぐり、メレは正々堂々ケンの前に現れる。
 敵はオーソリッチ拳のチョウダ。前回倒されたチョウダが産んだ卵から孵ったが、ケンとは初手合わせだったため、四人の連携技とゲキチョッパーの必殺技によって倒される。
 今回はメレとケンの二人が中心となった話。あくまで正々堂々戦いを挑むメレに対し、卑怯な手を勧めるロン。慣れない戦いを強いられるメレこそがこの話の肝となる。キャラがよく立ってる。
 で、ロンの甘言に乗って自分の意に沿わぬ卑怯な手を強いられ、その哀しみで怒臨気を手に入れるメレ。今回の主役はどう見てもメレだ。
 そのお陰で操獣刀を手に入れた理央。いよいよ話は獣源郷へと移っていく。
<最近拷問とかは自主規制されてほとんど出てこなかったが、ここで幸子が縛られてるシーンあり。
 ただ、この程度で怒臨気が出るんだったら、これまでマク以外出せなかったという設定がおかしくなってしまう。>
第31話 俺たちムニムニ!

  脚本:小林雄次
  監督:渡辺勝也
 なつめの同級生でバスケは上手いが協調性が全くない新一の前に現れた臨獣殿のツネキ。間一髪ゲキレンジャーが新一を助けるのだが、当の新一は、助けてくれとは頼んでないと逆に怒り出してしまう。一方理央とメレが臨獣殿を抜け出た事に激怒するマクは銃源郷まで追いかけようとするのだが…
 敵は臨獣フォックス拳のツネキ。本体の強さはさほどではないが、狐空という空間を作り出し、その中で相手の力を1/9に出来る。又狐空はその内圧が高まると大爆発を起こす。
 ゲキレンジャー側は小生意気な子供を更正させるという、昔懐かしいパターンの話。90年代くらいにはこういうのが多かった。ジャンとケンが中心となっている。ただ話が二分されている分、物語展開はスムーズすぎて、イラッとするところがほとんど無し。
 スーパーゲキクローとサイブレードは合体させる事が出来ることが分かった。
 一方臨獣殿ではロンがマクの知り合いであった事が発覚。更に獣源郷を前にした理央の前にマスター・シャーフーガ現れてる。
 巨大化戦ではなんとゲキエレハンマーを使ったバスケまでやってる。さすがよく動くよね。
<常に新一の前に現れるツネキ。ストーカーかい?>
第32話 ゾワンギゾワンゴ!集結、獣源郷

  脚本:横手美智子
  監督:渡辺勝也
 獣源郷を目の前にする理央とメレ。しかし、その前に立ち塞がったのはマスター・シャーフー率いる激獣拳七拳聖だった。拳聖には不闘の誓いがある事を心配し大急ぎで獣源郷へと向かうゲキレンジャーと、そして理央の目的を知った臨獣拳三拳魔も又、同じく向かっていた。全ての獣拳が集結しようとしていた。
 敵は理央とメレ、三拳魔全員。七拳聖も合わせて、とりあえず主要キャラは全員揃った。
 全獣拳が集まり、過去に何が起こったのか、激獣拳と臨獣殿の戦いの歴史が語られる。激臨の大乱の事と、獣拳神についても語られ、設定的には随分と前進。ほとんど最終回一歩手前と言っても良い盛り上がりなのだが、肝心な所で肩すかしに遭ってしまった。どうやら激臨の戦いを超えていくのではないかと思われるが、盛り上がってる分、終わりが中途半端すぎてちょっと欲求不満が残る。
 ところで獣源郷はジャンが育ったジャングルの近くだという設定があるのだが、なにか関連があるのやら。
第33話 フレフレガッチリ!カンフー忠臣蔵

  脚本:荒川稔久
  監督:中澤祥次郎
 ラゲクのリンギ時裂波によってゲキレンジャーと理央、メレの7人はなんと江戸時代に飛ばされてしまった。世はまさに元禄時代。そしてなんとラゲクの放ったリンシームコウアが吉良上野介に取り憑いてしまい…
 敵はアングラーフィッシュ拳のムコウア。吉良上野介に取り憑き、操獣刀を持ってゲキレンジャーをこの時代に取り残そうとしたが、ゲキリントウジャによって倒されてしまう。
 時を超えての戦いが描かれる話。京都太秦を舞台にして、一話くらい時代劇をやるのが普通。ゲキレンジャーの場合自分の力で変身出来るのは強味だな。本当に江戸時代に行っても問題なかった。それで今回は忠臣蔵を地でやってた。四十七士が来る前に討ち入りをしてしまおうというもの。この時代に来た事をすっかり喜んだランは大石内蔵助になりきってる。
 理央とメレも江戸時代に送り込まれたのだが、理央は記憶を喪失してしまい、酒癖が無茶苦茶悪い浪人状態。それを良い事に妻の振りして甲斐甲斐しく面倒看てるメレ。二人ともノッて演技してるよ。最終的にはゲキレンジャーと臨獣殿の連係攻撃となる。劇場版オンリーかと思われたがゲキトウジャに理央とメレの力を合わせたゲキリントウジャが登場する。
 コスプレっぽい話だが、全体的に楽しんで作ってるのが分かる。時代考証とか無茶苦茶だが、それは確信犯だからその辺のツッコミはしない…けど一つだけ。
<江戸時代にやってきたロンは理央の記憶を呼び覚ますのだが、口と口を近づけて…腐女子用?>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 ゴワンゴワンのダインダイン!獣拳巨神、見参

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 江戸時代から帰還したゲキレンジャーと理央たち。だが獣源郷にたどり着いた彼らが見たものは、燃え上がる獣源郷と、岩にされてしまった七拳聖の姿だった…
 敵は拳魔カタラゲク。カタはケンを除いた四人が、ラゲクはケンと理央達が戦う。サイダイオーを手に入れたゲキチョッパーにより、カタは倒された。
 拳聖達が倒されてしまい、残されたゲキレンジャーと理央達が拳魔と戦う話。拳聖達を岩にされて怒るゲキレンジャーの姿と、獣源郷が冒され、自分の力を知っていくケンの姿が描かれていく。
 これまでゲキビーストを持たなかったケンがついに新しいゲキビーストであるサイダインと、それが変形したサイダイオーを手に入れる話になっている。
 今回はゲキチョッパーの話と言っても良く、理央は結局それを観ているだけだった。ちょっと出番が無かったね。ただ、ブルー・サ・イーの力は理央達にも力を渡したようだ。
 それを観て喜んでるロンの姿も印象深い。
第35話 ギュオンギュオン!獣力開花

  脚本:横手美智子
  監督:諸田 敏
 ブルー・サ・イーの力を受け獣力開花を果たし、更にサイダイオーの登場により空の拳魔カタを倒す事が出来た。だが七拳聖の命の雫を得た最強の拳魔マクが自ら出陣する。一方、同じく獣力開花を果たした理央とメレは…
 敵は拳魔マク。最強の拳魔で、かつて激獣拳の長ブルー・サ・イーを倒し、七拳聖さえたった一人で倒してしまった。獣力開花したスーパーゲキレッドがほとんど一人で倒してしまった。ついでにロンによってラゲクも簡単に倒されてしまった。
 最強の拳魔マクとの直接対決により激臨の大乱がここで完了する。東京がボロボロになる中、戦いは展開していく。ノリとして最終回っぽいけど、今まで思わせぶりに登場していたロンがそろそろ意味を持ち始める。
 最初にその力を理解したのはジャンだが、すぐに他のゲキレンジャーもそれに続く。主人公らしくなってきたね。それで最強の臨気を探したジャンはマクではなく理央の元へとやってきてしまった。既に理央の力はマクさえも超えてしまったようだが、やっぱり力のインフレを起こしてしまったようだ。
<これまで散々マクに対抗意識を持っていた理央が何故かマクを倒すのはジャンであることを語ってた。責任放棄?
 サイダイゲキファイヤーはゲキファイヤーとサイダイン、ゲキウルフが合体した姿だが、余ったゲキビーストはそこら辺ウロウロしてるだけだったりして。>
第36話 ムキュムキュ!怪盗三姉妹

  脚本:小林雄次
  監督:諸田 敏

 マクが倒れ臨獣殿との戦いも一段落。エレハンの元に居候することになったシャッキーの引っ越しの手伝いをするレツ。エレハンの家には時価20億とも言われる伝説のダイヤがあり、それを狙う怪盗花吹雪三姉妹の襲撃を受けてしまう。一方臨獣殿では理央を幻獣王にすべくメレとロンが活動を開始していた…
 敵はブトカ。度々登場するが、今回は完全にやられ役として登場。たまたまリンシーになりたがっていたリンリンシーがその鎧を身にまとっただけの姿で、サイダイオー相手では全くかなわず。
 話は一段落し、今回は番外編と言った感じのコメディ話。怪盗三姉妹が登場するレツが主人公となる話だが、三姉妹にエレハンとシャッキーが絡み、更にレツは酔拳に開眼。そして臨終殿側の主人公はなんとまだ姿を与えられていないリンリンシーだったり、一方では繰獣刀を巡ってスクラッチ内でも色々わいわいやってて、ケンがサイダイオーを暴走させたりと、多少はずし気味ではあっても楽しい話になってる。
<中国人に「アル」を言わせるのは最近では珍しいけど、今回はネタかな?
 エレハンは酔っぱらってエレハンマーをエロハンマーとか言ってたけど。
 サイダイオー相手に全く良いところが無かったリンリンシーを思い切り貶めるメレ。勝手に巨大化させた上に死者にむち打つとは、なかなかのSっぷりだ。>

第37話 ギャンギャン!お見合い問答無用

  脚本:横手美智子
  監督:加藤弘之

 突然スクラッチにやってきたランの母伶子はランにお見合い話を持ってくる。理央との戦いは続いているため、乗り気ではないランにケンはお見合い相手に嫌われる作戦を授ける。ところが逆にお見合い相手にそれが気に入られてしまう結果に。一方、ロンは理央を幻獣王にしようとしていた。メレは理央のためになるならばと、血盟の儀を受けることに。
 敵は幻獣ケイトス拳使いのゴウユ。サンヨの双幻士。超音波の使い手で、遠い相手にもダメージを与える。ゲキレンジャー五人による五合業で吹き飛ばされるが、サンヨによって救われる。
 ゲキレンジャーの方はランのお見合い話で、妙に浮ついた話になってる。ゲキレンジャーはそのお見合いを阻止しようとするが、それはケンによれば、「男4人だけになるとむさいから」だとか。ただリーダーと言うだけあって、ランがいるのといないのではゲキレンジャーの強さは全く異なってしまう。
 一方理央側は幻獣拳との兼ね合いが描かれることに。幻獣王となれと言われた理央自身はまだそれを受け入れているわけではないのだが、メレは理央のためにあっさりそれを受け入れてしまっている。これによってメレは幻獣フェニックス拳を手に入れるのだが、二人の性格がよく分かる話になってる。やっぱりこっちの方が話の中心っぽい。
 そして初めての幻獣拳使いとゲキレンジャーの戦いが描かれていく。ただ思った通り強さのインフレが起きているのは確か。
<「男四人ではむさ苦しい」とはケンの言葉だが、確かに久々の女性一人の戦隊作品だけに、いなくなると潤いが無くなる。
 いつに増してメレの色気があがってる。ランのお見合い話もあったりして、子供用には見えないな。最後には男同士で抱き合うシーンまであり。
 巨大ゲキビーストだったサイダイオウがずいぶん小さくなってしまった。全員が画面に出る場合は仕方ないのかな?強さもほどほどになったが。>

VOL.10
<A> <楽>
第38話 ビバビバ!もう1人のレツ

  脚本:荒川稔久
  監督:加藤弘之
 食事が元でレツとゴウが兄弟喧嘩。そんな中、サンヨの双幻士のひとり、幻獣ミノタウロス拳のシユウが出現。戦いの中、レツはシユウシユウのゲンギ転身反を受けてしまう。それによって鏡から出てきたもう一人のレツによって鏡の世界に引きずり込まれてしまう…
 敵は幻獣ミノタウルス拳のシユウ。サンヨの双幻士。語尾に「おじゃる」という言葉を使う特徴あり。対象物を鏡の世界に引きずり込む転身反を使う。
 幻獣拳との戦いの第2戦目になるが、話としてはレツとゴウの兄弟喧嘩の顛末で、余計兄弟仲が良くなるという感じ。一方では幻獣拳にどこか胡散臭いものを感じている理央は血盟の儀式を拒み続けている。新展開となってからは最初の頃の話となるため、どちらもややぬるめな話が展開していく。
 幻獣拳は12人いるそうだ。残りの話を考えるとギリギリだな。
<レツを捕らえたのは良いけど、結局全部自分の口でネタばらししまうシユウ。なんともはや。>
第39話 ウロウロ!帰らない子供たち

  脚本:小林雄次
  監督:中澤祥次郎
 家出してきたと宣言し、突然ジャンの部屋に飛び込んできたなつめ。その翌日、相次いで子供たちの失踪事件が発生。なつめも行方不明になってしまう。いなくなった子ども達には角が生えていたという。
 敵は幻獣ユニコーン拳のハク。メレの双幻士で催眠術のような技を使い子ども達を操る。
 ヒーローは子どもに手を挙げる事が出来ない。それを逆用して攻撃をしかけるというのは特撮では定番の一つ。実に素直にそのパターンを踏襲。ただヒーローの中に操られた子どものお母さんがいると言うのが特徴かな?だから今回は美希が主人公と言っても良い。サイダイオーを使ってさえいる。
 久々になつめが登場。ジャンの迷惑考えずに勝手に部屋に泊まり込む。それを平気な顔をしている母親の美希もかなりの心臓してるよ。それはそうと、ちゃんと旦那さんいたのね。てっきり母子家庭かと思ってた。
 一方幻獣拳でもメレに双幻士が現れ、又新しい展開へと変わってきた。ゲキレンジャーの方が割とおちゃらけている分、ますます厳しさが増してきてるようだ。メレは単独でもジャンを除く四人のゲキレンジャーを圧倒する。
 ここからEDがキャラの歌に変わった。歌はお世辞にも…というレベルだが。
<なつめは寝てる時歯ぎしりしてるそうだ。そう言うのは言ってはいけないのでは?>
第40話 頭、バカーン!衝撃の事実

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 キノコ狩りに来たジャンはその途中で臨獣殿のスウグと出会う。同行したゴウは直ぐさま戦いを挑むが、スウグの構えはゴウの兄弟子ダンのものと同じと分かり、戦いを躊躇する。既に理央によって殺されているはずのダンがいると言う事に驚きを隠せないスクラッチの面々だが…
 敵は幻獣キメラ拳使いのスウグ。元はジャンの父親でジャンと同じく激獣タイガー拳の使い手だったが、かつて理央に殺され、現在は魂を無くして幻獣拳に捕らわれている。
 これまで孤児だと思われていたジャンに親がいたことが発覚。しかもなんと幻獣拳使いだという。衝撃の事実!というが、実はこの設定は戦隊ものではあまりにも多すぎて…結果的にこれまでの資産を流用してるだけになってきたような気がしてきた。
 これまでジャンに特別な敵意を燃やしていた理央は、ジャンがダンの息子だからというのが理由らしい。こいつは子どもか?
 そして一方では理央がついに幻獣拳使いに幻獣変化。グリフォン拳使いとなる。
 後、四幻将の名乗りによってようやくロンが変身。幻獣ドラゴン拳使いなのだそうだ。サンヨは既に変身した姿だったが、これは幻獣バジリスク拳だとか。
<メンバーの肉親が現れた場合、途中から仲間になるのがパターン。だけど今回のスウグは町を完璧に破壊してる。これだけの被害出させて良いのやら。
 巨大化して町を破壊しつくしたスウグに「これ以上街を破壊させてはいけない」とか言うラン。既に破壊し尽くしてるような…
 スウグによってボコボコにされるジャンを見つめているゲキレンジャー。お前ら助けろよ。>
第41話 ズシズシ!もうやだ

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 理央との戦いは父からの宿命だと聞かされ、急に気が重くなるジャン。そんなプレッシャーに耐えられず、現れたソジョを前にゲキチェンジャーを捨て敵前逃亡してしまう。逃げ回る内にジャンの故郷である森にやってくるが…
 敵はロンの双幻士である幻獣アーヴィング拳のソジョ。身に受けたあらゆる気を溜め込む事が出来る。そして幻獣カプリコーン拳のドロウ。ソジョが溜め込んだ気を練り込んで武器にする事が出来る。
 ジャンの宿命と、それを受け入れるまでが描かれる事になるが、今回はその前編。未だ宿命を受け入れられないジャンに、これまで鉄壁を誇ったチームワークがボロボロになってしまう。
 ソジョとドロウは漫才のような掛け合いをしているが微妙に外し、メレを苛つかせている。
 この物語をやるにはちょっと遅すぎたような気もする。
VOL.11
<A> <楽>
第42話 ワッシワッシで乗り越えろ!

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 メレの攻撃を受けて崖から落ちてしまったジャンとシャーフー。幸い怪我はなかったものの、父のダンが思い宿命だけを残した事でジャンはますます落ち込んでしまう。一方ジャンを欠いて力を出せない残りのゲキレンジャーはソジョの攻撃で瓢箪に閉じこめられてしまう…
 敵は前回に続きソジョドロウ。消えた人間達は死んだのではなく、彼らによって瓢箪に閉じこめられてしまったらしい。
 宿命を打ち破るジャンの姿が描かれる。物語自体は感動ものなのだろうけど、最早パターンの一つだし、復帰が早すぎるので今ひとつはまりこめないのが問題。復帰したらとんでもなく強くなっているのもパターン。
 この作品の特徴として味方と敵のどちらも見所があるんだが、理央が強くなってしまったために普通の敵になったところが問題か?
 この作品を最初に観ているならそれなりに楽しいんだろうが…
<ところで理央がダンを殺したのはジャンが赤ん坊の頃だったが、ダンの弟弟子だというゴウとかその弟であるレツの年齢はどうなんだろうか?妙に矛盾してないのか?
 ジャンがソジョとドロウを倒した過激気研鑽だが、敵の背後に味方が揃ってる。技が貫通して味方も攻撃しない?>
第43話 ハピハピ!メリークリスマス、押忍

  脚本:小林雄次
  監督:諸田 敏
 クリスマス・パーティの買い物に来たケンとピョン・ピョウは、売り物のケーキをひっくり返して逃げる少年カールと出会う。「クリスマスが嫌い」というカールをスクラッチのクリスマスに招くこととなったが…
 敵は幻獣ハヌマーン拳の使い手シュエン。スウグの双幻士で、無数の分身を作ることが出来る。何せ数が多いため、いくら倒してもきりがない。
 ケンが中心となった話で、クリスマスの話に絡めて彼の家庭が何故父子家庭になったのかが語られる。クリスマスだけに、話は大きな物語には関わってこない。いつもは理央の方も話が展開するのだが、今回はそれもなし。話としてもどうということもない。
<これまで野生で生きてきたジャンがクリスマスのことをよく知っている理由は?
 シュエンがやってる事って、単なるクリスマスの嫌がらせだけ。クリスマスだからサービスか?
 ケンの女装が観られるけど、まあ、ネタだ。
 スクラッチのある町の近くには湖があるけど、日本のどこなんだろう?>
第44話 ワフワフ!父ちゃんのメロディ

  脚本:横手美智子
  監督:諸田 敏
 初詣に出かけるスクラッチの面々。だがゴウは「神頼みはしない」と言い一人別行動を取る。実はスウグを倒すことによって臨獣殿に操られているダンの激気魂を開放しようとしていたのだ。一方ジャンも同じ目的を持ち、一人スウグの後を追う。
 敵は幻獣ケルベロス拳のコウ。スウグの双幻士だが、実はかつてメレによって殺されたブラコの弟でもある。スウグの双幻士であることに満足しておらず、下克上を狙う。そしてスウグ。幻獣キメラ拳は混合された全ての獣拳を使える。マガやナギウ、ブラコなどの技を使いこなしている。
 今回はいつも通りゲキレンジャーと臨獣殿の二つの物語が同時展開。物語が進んでいるので、スウグがその軸となっているのが特徴か。ゲキレンジャー側は三つに分かれ、今回はジャンとゴウというスウグに関連している二人が物語の中心となっている。幻獣拳と戦うのはレツ、ラン、ケンの三人。結果的に話が四つに分かれてしまった。
 絶対に戻らないというゴウの魂が戻ってしまうという話は結構単純なのが何だが。
<ミシェル・ペングがゴウに課した特訓は拳で滝を逆流させるというもの。「ウルトラマンレオ」かや?
 そのゴウ、寒いのに諸肌脱いで特訓。ちなみに脇は処理してない。
 コウはブラコの弟という設定だが、何にも活かせてないな。>
第45話 ピキーン!宿命の対決

  脚本:横手美智子
  監督:諸田 敏
 ダンの心を取り戻したスウグはジャンに、恐れずに進め。と父親として最後のアドバイスをする。一方天地転変打を習得したダンは理央との決着を付けるべく理央を呼び出す。
 敵は幻獣ケイトス拳のゴウユ。天地転変打を会得したゴウの前にあっという間にたおされてしまう。そしてついに理央とジャンの直接対決。
 ジャンとダンとの宿命の対決が終わり、今回はゴウと理央との戦いが描かれる。元々兄弟弟子だった二人は、友でもあったが、道を間違えた理央のためにゴウは拳で語りかける。しかし、実力の差はいかんともしがたく。
 そしてついにゲキレッドと理央との本物の対決となり、理央を倒してしまう。
 そしたら今度は理央は巨大化。これこそが真の幻獣王であり、破壊と殺戮を求めるだけの破壊神となる。
 最後はメレの叫びによって理央に戻る。
 …と、見所が多いのだが、まとまりがなさすぎ。なんでこれを一話でやってしまうのだ?
<天地転変打によってゴウユはあっけなく倒されてしまうが、その際「三つ数える」のだが、あまりにもゆっくりすぎる。
 そもそも理央を倒そうというゴウの行いは遅すぎたんじゃないのか?
 最近では珍しく海岸線での戦いで、本物の爆発が多数。久々の生の迫力なのだが、最近は紙に包まれた火薬を使っているらしい。爆発が起こるたびに多数の紙吹雪が舞ってる。>
VOL.12
<A> <楽>
第46話 ギャワギャワの記憶

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 巨大化してしまった理央の姿に恐怖するゲキレンジャー。そしてジャンはかつて住んでた村でシャーフーが見つけた鱗に巨大化した理央と同じ臭いを嗅ぐのだった。一方その自らの姿に恐怖するのは理央本人も同じ。いったい自らの身に何が起こったのか…
 敵は幻獣ピクシー拳のヒソ。メレの双幻士で、舞を舞うような姿で戦う。あまりにあっけなく倒されてしまう。
 これまでいろいろと暗躍していたロンだが、なんとすべての黒幕はロンが行っていたことがわかる。ジャンの村を滅ぼしたのだけでなく、理央の家族を殺したのも、ダンを殺したのも、そしてマクに臨獣殿を立ち上げさせたのも、全てこいつの仕業。
 衝撃の事実!というほどのことはなく、何でもかんでも一人のせいにしてしまうというのは、あまりにもいい加減な設定ではあり。こんなので良いのかな?
 ただ、今回メレの健気さだけは良いね。どんな状態になっていても、理央だけに忠義を尽くすメレの姿は、結局話を締めている。
第47話 ピカピカ!俺の道

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 全ての黒幕がロンであることが分かった。臨終殿に乗り込もうとするゲキレンジャー。だが、もうロンには利用されたくないと理央は一人去ってしまうのだった。ジャンは一人理央の後を追うが…
 敵はサンヨロン。元の黒獅子に戻った理央とメレを加えて7人での戦いとなり、最後はサイダイゲキリントウジャが登場し、二人とも撃破。
 理央の落ち込みとその復帰が描かれる話。前回ジャンに倒されたのみならず破壊神にされ、尚かつ自分がロンの駒に過ぎない事を知らされて落ち込んでしまったが、ジャンの説得で簡単に戻ってしまう。後、理央ははっきりとメレを愛していることを表明した。
 ラスト近くになり、話はかなり急いでいる感じ。パターンとしては悪くないのだが、スピード展開だけにせわしない。
 久々に全員の口上が聴けたのは良かったが、7人いるとさすがに長いな。
<女性を縛るのは最近あんまり出てこないがここでは全開。何よりメレは磔なので、腋が…>
第48話 サバサバ!いざ拳断

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 ジャンの誘いでスクラッチに籍を置くことになった理央とメレ。だがレツとランはこれまでの経緯を思い、複雑な思いを隠すことが出来なかった。そこで、理央は罪を犯した者と、裁きを下す者が命をかけて戦う"拳断"を行うことを提案する。だがその頃倒したはずのサンヨが復活していた…
 敵は無間龍。ロンの真なる姿で、そもそもサンヨはロンの一部であり、両者が合体したことで本当の姿を手に入れた。古今東西に伝承する龍やドラゴンと名付けられた幻獣は全てこれの事だった。
 ラストバトルの開始。その前に理央とメレを受け入れる過程が描かれる。そのために臨獣殿の建物は理央の手によって完全に破壊されてしまう。
 そしてここでメレと理央が死を迎える。メレは石になってから灰になってしまい
 メレが死んだら自身も死んでしまうはずのバエが妙にハイテンション。かと思ったら、メレの腹にいる必要が無くなったようだ。
<ロンの復活はサンヨの出した液体によってなされた。まるで吐瀉物から生まれてたみたいだが…
 ロンの真の姿はほとんどキングギドラ。だけどやっぱり安っぽい感じがしてならなかったりする。TVじゃ仕方ないか。
 メレは理央に「先に逝きます」と言ってたけど、最初からリンシーじゃなかったっけ?>
第49話 ズンズン!獣拳は、ずっと…

  脚本:横手美智子
  監督:中澤祥次郎
 理央の全てをかけた攻撃すらしのぎきった理央を前に、最後の戦いを仕掛けるゲキレンジャー。だがジャン、レツ、ランの三人は突然気を失ってしまう。実はそれは臨獣殿の三拳魔達が最後の修行を与えるためだった。三人が目覚めるまでゴウとケンが二人でロンに立ち向かうが…
 敵はロン。今回は巨大化せず、等身大のままだが、不死身の
 最終回。ロンとゲキレンジャーの最後の戦いが描かれる。激獣拳のみならず臨獣拳まで会得した主人公三人が全ての獣拳を用いるという話は良いんだが、不死身のロンは倒すことが出来ず、封印するだけで終わってしまった。それで良いんだろうけど、ちょっと盛り上がり方が少なかったかも。あんまり熱くなれなかった。
 それでもすっきり終わったのは評価できるところ。
 結局新しいメンバー二人は見せ所がほとんどないまま。結局ゲストキャラはゲストのまま。ちょっと可哀想だな。
 最終回なのに巨大化戦が無いのは多分これが唯一。最強の形態が47話で出たから、これ以上は不必要と見たか?
<不闘の誓いがあるためあくまで戦わない七拳聖だが、地球の最後だ。みたいなことを言われても戦わないのはなんで?ひょっとして絶対敵わないことが分かってるから日和ったか?
 最後まで分からなかったけど、スクラッチってどこまで世間に認知されてるんだろう?最後に子供達が修行に来ていたからそれなりに知られているんだろうけど。>