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仮面ライダーアマゾン

仮面ライダーアマゾン事典
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1974'10'19〜1975'3'29 

 幼き頃、両親と共に乗った飛行機で事故に遭いアマゾンの奥地着陸したアマゾンこと山本大介。動物たちと古代インカの守護人バゴーによって野生児として育てられた。バゴーは古代インカの秘宝であり、超エネルギーを呼び起こす鍵ギギの腕輪とガガの腕輪を守っていたのだが、バゴーの助手ゴルゴムがゲドンを結成。ガガの腕輪を奪うと自らを改造し、十面鬼となって悪の限りを尽くし始めたのだ。バゴーは古代インカ帝国に伝わる神秘の秘術でアマゾンを改造するとギギの腕輪を移植し、アマゾンの故郷である日本へと送るのだった。
 仮面ライダーシリーズではかなり異質な作品であり、放映話数も24話と短いのだが、(私を含め)ファンも多い。
 今までのライダーとの違いは、これまで昆虫をデザインしていたマスクが、爬虫類になったこと。キックは用いず、大切断という手を用いた必殺技を持つようになった事(当初大切断はかけ声が無く、しかも敵を切り裂くため残忍度が増してるのも大きな特徴)。敵の側も前半での十面鬼が非常に存在感が大きい。顔がたくさん付いていて、しかも一人一人(?)意見が違うので、一人(?)で仲間割れができるのも良い(笑)。更に獣人はこれまでのように爆発しなくなり、戦闘員が女性になったり、新しい獣人の登場シーンが凝ってるとか、色々面白い試みがなされた作品だった。
 てこ入れのためか、途中で十面鬼は退場。その跡を継ぎ、ガランダー帝国のゼロ大帝がやってくる。敵の路線もアマゾンを標的にするのではなく、もっと大きな作戦を立てるようになっていくのだが、当のゼロ大帝が今ひとつ強そうに見えず、かえってそれがアマゾンの存在感を薄くしてしまう結果となったのが残念なところではある。しかもテレビ局改編のお陰で途中で打ち切り同然に終了してしまったのも惜しいところ(原作者石ノ森章太郎によれば、かなり壮大な物語展開になる予定だったのだとか)。とはいえ、異色ライダーとしての存在感は今も尚薄れることはない。
 それと忘れてはならないのがアマゾンを助けるモグラ獣人の存在感。コメディリリーフとして良い味出してるが、存在感が大きかったため、その死は重かった。
 尚、第1期仮面ライダーシリーズでは唯一他のライダーの助けを受けなかったことも特徴の一つと数えて良かろう(次作の『ストロンガー』ではちゃんとストロンガー助けに行ってるけど。

主な登場人物
アマゾン (役)岡崎徹。映像では本作と「電撃!ストラダ5」主役の堀田貫介役。後に引退し、九州で料理店を経営したり、漁業を営んだりした。
 本名山本大介。赤ん坊の頃、アマゾン旅行中の両親と共に飛行機事故に遭い、一人だけ生き残り、インカ帝国の唯一の生き残りである賢者バゴーにより育てられる。その姿は野生児そのもの。当初は自分の正体も知らず、うなり声を上げるばかりだったが、後にマサヒコの教育を受け、流暢に日本語を操れるようになる。頭まで筋肉(?)の他のヒーローと較べると意外な頭脳プレイも見せ、相当に知能が高いことを窺わせられる。
 弟子ゴルゴムの裏切りに遭い、瀕死のバゴーからギギの腕輪を付けられ、インカの秘術によって改造される。他のライダーと直接の関わりはないが、立花籐兵衛と出会うことで、仮面ライダーの一人とされる。
 変身後の姿はトカゲを模したもので、昆虫をモティーフとした他のライダーのデザインとは一線を画し、又必殺技である大切断も手を用いたもので、これもキックを主体とする他のライダーとは随分違っている。
 必殺技はいくつもあるが、メインは腕に付いているヒレ状のカッターを用いて敵を切断する大切断。他にアマゾンキック、アマゾンスピンキック(どちらも1回のみ使用)。最終回のみ使用されるギギとガガの腕輪を合わせることで発動した最終兵器スーパー大切断。腰に巻いたベルトからはコンドラーと言う丈夫な紐が出るが、野生児にはむしろこういったものの方が有用な兵器となる(人間時、ライダー時どちらも使用可)。
立花籐兵衛 (役)小林昭二。「仮面ライダー」シリーズも本作で4作目。貴重な人物。
 「おやっさん」の愛称で知られる初期ライダーシリーズの顔であり、本作でも大活躍。今回は具体的に店を経営してるような描写はなしで、バイクレーサー(あるいはトレーナー)として登場。いつもアマゾンと行動を共にし、積極的に戦いにも関わっている。モグラ獣人亡き後はコメディリリーフとしても活躍する。
 ちなみにこの人が出ているからこそ、アマゾンライダーは仮面ライダーの仲間になったという重要な点も忘れてはならない。
岡村マサヒコ (役)松田洋治。舞台を中心に現役の人気役者。出演映画も多数で、最も有名なのはなんと言っても『もののけ姫』(1997)(声だが)。それだけじゃなく、私自身の偏愛作品の最たる一本『ドグラ・マグラ』(1988)の呉一郎役も。今から考えると豪華すぎる配役。
 アマゾン大好き小学生。アマゾンとの間に上下関係はなく、トモダチとして友情で結ばれている。アマゾンと関わってしまったばかりに様々な事件に巻き込まれ、時に自らも改造させられたりするが、全くめげない。これが子供の柔軟性というやつか。あるいは意外な大人物なのかも知れない(単に鈍いだけと言う話もある)。
 彼の存在によってアマゾンの子供好きというのが際だっていたし、日本語の先生でもある。本作の重要なパートをしめる。
岡村リツコ (役)松岡まりこ。とりあえず出演作品は本作のみ。
 マサヒコの姉で、当初はマサヒコを危険に遭わせる存在として、アマゾンを嫌っていたが(常識人なら当然の反応だ)、アマゾンの誠実さと悪を憎む覚悟を知るに至り、アマゾンを受け入れていく。マサヒコ同様、アマゾンに関わってしまったため、様々な怪事件に巻き込まれることになるが、結構健気に耐えている。ちなみに後半になってアマゾンが服を着るようになったが、それは彼女が作ったもの。
モグラ獣人 (声)池水通洋(5,6話)、槐 柳二(7〜20話) 池水通洋は押井守作品に親しんでいるならよく聞く声。『うる星やつら』の温泉先生や、『機動警察パトレイバー』の太田功など。槐 柳二は声優としてはヴェテランどころ。バイ・プレイヤーとして現在も活躍中。
 ゲドンの獣人でアマゾンと死闘を繰り広げるが、作戦失敗の責任を取らされ処刑直前にアマゾンに助けられ、以降仲間になる。モグラだけに主な活動は地中。偵察や、ゲドン獣人の知識を利用してアマゾンをサポートするが、彼の魅力は戦いよりはコメディ・リリーフとしての存在感の方。おやっさんやマサヒコにまで馬鹿にされながら…いや事実ドジっぷりを見せながらも憎めないキャラクターとして重要な役割を果たしている。他の仮面ライダーシリーズと本作が一線を画すのは、彼の存在感も大きい。
 第20話でキノコ獣人の毒胞子に冒され絶命。キノコ獣人の死を捧げるため、アマゾンの「モグラー」の絶叫は名台詞。
十面鬼 (声)沢りつお。下の顔は大野剣友会の面々(?)。十面鬼の声はどこかで聞いたと思ったら、『うる星やつら』のラムの父ちゃんだった。
 本名ゴルゴム。元々はバゴーの助手だったが、古代インカの科学力と、ギギとガガの腕輪のパワーに魅せられ、バゴーからガガの腕輪を奪取。そのパワーにより十面鬼となる。
 足の代わりに岩(?)が下半身に付いており、そこにも顔が見える。彼らはそれぞれが意志を持つため、一人で内輪もめが出来る特技(?)を持つ。食物は人間の血液だが、血が足りなくなると岩の顔が普通の人間と同じ顔色になり、血が入ると顔が真っ赤に変わる(関係ないけど、私の知り合いにあの中の一人にそっくりなのがいる)。
 14話で獣人ヘビトンボの裏切りに遭い、ガガの腕輪を奪われた上にアマゾンライダーの大切断を喰って死亡。
ゼロ大帝 (役)中田博久。主に東映及び日活で活躍する映画俳優。特撮映画だと、『ゴジラVSビオランテ』で防衛長官役を演じてる。
 ガランダー帝国の支配者(実際は通常画面に登場するのは影武者の方)。なんでも古代パルチア王朝の末裔なのだそうだ。十面鬼から奪ったガガの腕輪を装着している。冷酷な性格をしていて、作戦失敗時は自分の部下さえも容赦なく殺しまくる。武器は右手に持った槍で、そこから発する火花に当たると大抵の獣人や人間は消滅してしまう。又、ギギの腕輪の力を無効化する能力も持ち、最終話では3回にわたりアマゾンの変身を防ぐ。
 強い強いと言われる割に今ひとつ強そうに見えないのが問題で、特に十面鬼の存在感と較べると、存在感も今ひとつ。事実ギギとガガの腕輪を両方装着してパワーアップしたアマゾンの前には、なすべく事無くあっけなく殺される(本体も同じく)
ジャングラー  アマゾンの専用バイク。設計者はバゴーで、その設計図に従って橘籐兵衛が完成させる。動力はガソリンではなく、埋め込まれた“太陽の石”なるもの。無公害で走れるそうだ。
 ちなみに“ライダーマンのバイク”に続き、無変形というのも一つの特徴。

 

話数 タイトル コメント DVD
第1話 人か?野獣か?密林から来た凄い奴!

  脚本:大門 勲
  監督:塚田正煕
 アマゾンの密林の奥。古代インカ帝国に伝わる秘密のエネルギーを秘めたギギの腕輪とガガの腕輪を守っていた一族が、ゲドンの十面鬼の裏切りによって全滅。長老のバゴーは日本人青年アマゾンにギギの腕輪を移植し、「高坂に会え」とだけ言い残し、日本へと送り出す。
 敵はクモ獣人。大体仮面ライダーシリーズの最初の敵はクモを模したものが多いけど、ここもそれに準じているようだ。
 記念すべき第一話なのだが、のっけから説明不足で始まる。何せ主人公のアマゾン自身が日本語喋れないって設定だから…逆にそれが良い演出となってるのが面白いところ。
 ここでの十面鬼の下の顔はまだ赤く塗られておらず、普通の顔。結構不気味。
 ここでアマゾンライダーに助けられた少年が「仮面ライダーみたいだ」と言っているので、時空列が一致しており、これがシリーズの一本であることを示している。
 ライダーとなったアマゾンとクモ獣人との戦いはかなり見応えがあり。クモ獣人の手を食いちぎったり、引きちぎったりと、今までのライダーシリーズとは全く違う残酷な演出が特徴。これは良いぞ。
 尚、クモ獣人を殺したのはアマゾンではなく、失敗の制裁を行った十面鬼だった。
VOL.1
<A> <楽>
第2話 十面鬼!神か?悪魔か?

  脚本:大門 勲
  監督:塚田正煕
 クモ獣人が殺され、怒りを発した十面鬼は次なる獣人、獣人吸血コウモリを日本に送り込む。その暗い闇の中からの襲撃。そしてついに罪の無い人々までもが犠牲となった―。アマゾンは怒りそして叫ぶ!
 敵は獣人吸血コウモリ
 アマゾンの過去が最初に語られる。彼の本名は山本大介。れっきとした日本人(そりゃそうだ)で、幼い頃に飛行機旅行中に事故に遭って両親を失い、バゴーに育てられたという過去が明かされる。そしてギギの腕輪とガガの腕輪の関連も説明がなされる。
 冒頭で十面鬼がアマゾンに対する恨みの叫びを上げるのだが、やっぱりかなり不気味だったりする。だって人間の顔があんなにゴチャゴチャくっついてるんだったらなあ。
 捕獲した人間の頭にぶっとい注射器を突き刺したり、吸血コウモリが犠牲者から顔を上げると、口の周りが血だらけとか、吸血コウモリに襲われた女性の顔が崩れてるとか、アマゾンと戦って皮膚を剥がされる吸血コウモリとか、残酷描写も映える。
第3話 強くてハダカで速い奴!

  監督:山田 稔
  脚本:大門 勲
 アマゾンが迷い込んだ所はバイクレース場。そこで歴代ライダー達の良きアドバイザーで、仲間でもある立花籐兵衛と出会う。本能的に機械を恐れるアマゾンは、人々に追われる事になるが…
 敵はカマキリ獣人。緑、黄色、赤という原色を用いたカマキリ型の獣人。十面鬼がゲル状の物体を吐き出し、そこから誕生した獣人。実はアマゾンが初めて倒した獣人となる。
 冒頭で獣人がどうやって作られるかが描かれる。十面鬼が吐き出すのだが、結構気持ち悪くて良いぞ。そう言えばここでようやく十面鬼の下の顔が赤くなったな。
 ここで立花籐兵衛が初登場。ファーストシリーズの仮面ライダーでは無くてはならない存在だが、小林昭治が見事にはまってる。あの年齢でトライアルやってるなんて、格好良いよな。
 人間に襲われ、無抵抗で逃げるしかないアマゾンの姿には哀愁が漂ってたぞ。それに対し「君はライダーなんだ」と諭す立花籐兵衛。そしてアマゾンがバイクに乗る過程など。良い味出してるよ。
 そう言えば、初めてアマゾンが敵を倒した回となった。シリーズ初期の傑作エピソードだ。
第4話 走れ!怒りのジャングラー

  監督:山田 稔
  脚本:大門 勲
 ガガの腕輪とギギの腕輪の秘密を知る山村博士を探し当てたアマゾンだったが、怯えきった山村は協力を拒否する。ゲドンのオートバイチームに拉致されてしまった山村を追いかけ、ジャングラーを駆るアマゾン。
 敵は獣人オオムカデ。巨大ムカデに変形し、獲物にからみついて絞め殺す事が可能。ただこの回はアマゾンライダーが初めてジャングラーに乗った回で、むしろゲドンの赤ジューシャとのバイクレースがメインとなったため、今ひとつ存在感が薄い。
 ゲドンのオートバイチームが登場それに対抗するようにアマゾンにも立花籐兵衛が作り上げた専用バイクのジャングラーが登場する。
 女性ライダーを足蹴にし、崖から落とすなど、肉体派の面目躍如。落とされたライダーが女性のくせにやたら体格が良いのはご愛敬か?
 ゲドンのライダー部隊ばかりが突出したお陰で、魅力的なフォルムを持った(変身までする)獣人オオムカデの演出が今ひとつ。
アマゾンが必死になって探した山村博士「知らん。ゲドンのことなど」…最初から知ってるじゃないのか?一つ疑問なのだが、ゲドンって出来たばかりの組織なのに、なんでこんなにたくさん知ってる人がいるんだろう?それに既にゲドンに狙われてるが分かっているのになんで隠す必要があるの?
 ゲドンのオートバイチームっていつもの赤ジューシャ(女性)のコスチュームが変わっただけじゃ?
 死に際して山村のもたらした情報は、既に分かっていたことばかり。完全な犬死にと言うこと。これはこれで演出としては良いよ。>
第5話 地底から来た変なヤツ!!

  監督:内田一作
  脚本:鈴木生朗
 森の中を徘徊していたアマゾンは山中に逃げ込んだ凶悪犯を捕まえるも、誤解を受けて警察に捕まえられてしまう。そんなところに再び獣人の襲撃が!
 敵として、後に名バイプレイヤーとなるモグラ獣人が登場する。
 十面鬼の下の顔が赤くなった理由が冒頭で描かれる。人間の血を吸うと普通の顔がどんどん赤くなっていくと言うこと。多分これは後付けの理由だろうけど、ちゃんとフォローしてくれたのは良いね。
 アマゾンは都会に住むことが出来ない。しかし住まねばならない。そのアンビバレンスが哀しさを醸す。「俺、帰る」と寂しそうに言うアマゾンの姿も良い。
 ここで重要な事実、ギギの腕輪を失う時、アマゾンは死んでしまうと言う事が分かる。
 この時点だとモグラ獣人も単なる敵で、個性も低い。しかもアマゾンの必殺技の連発を喰らい、死んでしまったように思える…彼が重要となってくるのはこれから。
第6話 インカ縄文字の謎!!

  監督:内田一作
  脚本:鈴木生朗
 作戦失敗で十面鬼により処刑されそうになったモグラ獣人を何故かアマゾンは助けた。敵の情けは受けぬと去ってしまったモグラ獣人を追うことなく、アマゾンはおやっさんの助けを借り、自らの左手に付けられたギギの腕輪の謎を追う。
 敵は獣人ヤマアラシ。ヤマアラシ型の獣人。十面鬼の命を受け、モグラ獣人を処刑しようとする。
 ここで前回の敵として登場したモグラ獣人がアマゾンの仲間となる。
 キープと呼ばれるインカの縄文字が登場する。これこそがギギの腕輪とガガの腕輪の謎を解く重要な役割を果たすのだが、地中を潜れるモグラ獣人によってあっさりと奪われてしまうのが笑える。ちゃんと存在意義がある訳ね。それをちゃんと解読できるところがアマゾンらしい。
 古代インカ帝国の持っていた超エネルギーとは一体何か。これで方向性が明確化した。
第7話 とける!とける!恐怖のヘビ獣人

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 ガールフレンドのひろみをアマゾンに紹介するまさひこ。だが、それをゲドンに知られてしまい、二人は捕らえられてしまう。人質となったマサヒコを救うべく、罠と知りつつアマゾンは…
 敵はヘビ獣人
 最初に一番悪知恵が働く獣人を呼び出す十面鬼。あれ?今回は生み出すんじゃないのか。獣人ったって、色々いるんだな…単にやっつけ仕事だからだったりして(笑)。こいつはデザインがなかなか良いぞ。攻撃のしかたもヘビそのもの。
 人を丸飲みにするヘビ獣人とか、溶けてしまう人間とかの描写ががなかなか。遊園地での戦いも、すれてないアマゾンの驚きの描写が良い。
 作品としては良い意味で手堅くまとまった感のある一本。
第8話 学校を襲ったワニ獣人

  監督:塚田正煕
  脚本:村山庄三
 マサヒコがアマゾンの友達であることを知ったゲドンはワニ獣人に命じ、まさひこの通う学校を襲うのだった。これがゲドンの仕業と察したまさひこはアマゾンを呼ぶのだが、時既に遅し。学校のこども達は全員さらわれてしまっていた(ついでに居合わせた立花のおやっさんも)。しかも犯人に間違えられて捕まってしまうアマゾン。
 敵はワニ獣人
 冒頭でアマゾンは子供と友達になるのだが、母親から引き離されてしまう。そりゃまあ、にこやかに笑う半裸の男が我が子のそばにいるとなれば…親としては、当然の処置だろう
 十面鬼は顔毎に意見が違っているのも面白い。一人で内輪もめが出来るんだから、なかなか敵として便利な存在だ(笑)
 本作のテーマとも言える、野生児アマゾンと文明の乖離がここでも描かれる。もう一話くらい引っ張ってくれたら、凄く面白くなっただろうな…いや、そんな事したら、捕まったこども達がみんな薫製になっちまうか。それはそれで観てみたい気もするが(笑)
第9話 ゆけアマゾン!カニ獣人の島へ!

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
 十面鬼に若い娘の血を捧げるため、次々に少女をさらうカニ獣人。モグラ獣人を脅迫し、アマゾンの弱点はりつ子であることを知ったカニ獣人はりつ子を誘拐し、アマゾンをおびき寄せるのだった。!
 敵はカニ獣人
 冒頭から人の生き血を抜き出したり、人間を溶かしたりと残酷描写に溢れる回。人食いガニと称し、カニを団体で人間に群がらせるなどもなかなか凝った演出。
 立花のおやっさんが生身で獣人に立ち向かうシーンなどあり。この人も色々やってるよな。
 残酷なはずのカニ獣人が横歩きで移動するとか、モグラ獣人を脅迫するとか(詰めが甘いけど)、なかなかコミカル。
 初めてみつこがアマゾンに心を開いた回でもあり、それまで半裸で戦っていたアマゾンにようやく服が装備(?)された。
第10話 黒ネコ獣人保育園をねらう!

  監督:田口勝彦
  脚本:鈴木生朗
 闇の中、黒ネコ獣人とアマゾンとの戦いが始まった。闇の戦いを得意とする黒ネコ獣人に不利を余儀なくされるアマゾン。変身してなんとか難を逃れたアマゾンだったが、黒ネコ獣人のツメには毒が…保護された幼稚園に伸びるゲドンの魔の手…
 敵は黒ネコ獣人
 冒頭から黒ネコ獣人とアマゾン(人間)との戦いが始まると言うかなりのハイペースで始まる。ここでゲドンのテーマが入るのだが、当時割合流行っていた敵方のテーマのなかでも素晴らしい歌詞の一つだ。
 一応以下全文。
  我らはゲドン 悪魔の使者だ 敵はアマゾンただひとり
  倒せ殺せ オンゴルドー アマゾンライダーぶっ殺せ
  アマゾン倒して 腕輪を奪え ギギの腕輪は 宝の鍵だ
  アーマゾーン 倒せー ラーイダー 殺せ
  そうすりゃ世界は ゲドンのものだ
  ゴンゴルゴルゴル オンゴルドー

  俺は十面鬼 ゲドンの頭(かしら) 敵はアマゾンただひとり
  倒せ殺せ オンゴルド アマゾンライダーぶっ殺せ
  獣人どもを 引き連れて インカの宝を 奪うのだ
  アーマゾーン 倒せー ラーイダー 倒せ
  そうすりゃ世界は 俺様のもの
  ゴンゴルゴルゴル オンゴルドー


 黒ネコって言うから女性型を連想しがちだが(?)、れっきとした雄型で、結構小汚い(それだけ造型が巧いって事)。結構このネコ獣人の性格は小狡くて良いぞ。ネコらしい怠惰な部分もあるし、常に言い訳を用意しておく周到さと言い…最後に首吹っ飛ばされるのはかなり凄い殺され方だが。
 モグラ獣人とおやっさんに助けられたアマゾンは何故か修道院へ。その関連が今ひとつ。
 保育園を襲うのは、やっぱり悪の組織としてはデフォだろう。
第11話 金色のカタツムリは死神の使い?!

  監督:山田 稔
  脚本:鈴木生朗
 まさひこが学校に持ってきたカタツムリ。ガキ大将に奪われたカタツムリを取り返したアマゾンだったが、授業中のまさひこから追い返されてしまう。ところがゲドンによってカタツムリのビンの中には獣人カタツムリが入れられていたのだ。
 敵は獣人カタツムリ
 冒頭が不気味な夢で始まるが、確かにカタツムリに襲われるってのはまさしく悪夢だな。少なくとも、そんな夢を見たくない。
 カタツムリは殻を持ってるから頑丈。と言うことでジャングラーにどつかれまくる…ちょっと可哀想。ついでに言うなら、ゲドンの工作員に頭を踏まれまくるモグラ獣人もか。コメディリリーフ的な役割をしっかり果たしてるな。こいつは。
 前作に続き、今回も劇中歌が用いられるが、ここではアマゾンライダーのテーマ。これも全文掲載。

  ダンダダ ダダダン ダンダダ ダダダン その名はアマゾン
  日本で生まれた 男の子だが
  南米奥地で孤児となり
  野獣と共に大きくなった
  ジャングルの野生児 アマゾンライダー


  ダンダダ ダダダン ダンダダ ダダダン その名はアマゾン
  インカの指導者 バゴーによって
  宝の腕輪を託された
  人の言葉も 分からない
  改造人間 アマゾンライダー


  ダンダダ ダダダン ダンダダ ダダダン その名はアマゾン
  バゴーの暗示で日本へ来たが
  なぜだかゲドンに襲われて
  なぜだか十面鬼に狙われている
  戦え 孤独な アマゾンライダー


 話は結構引っ張ったんだけど、終わりは結構あっけない。

第12話 見た!ゲドンの獣人改造室!!

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
 日本は正月。晴れ着姿の少女を人質にする凶悪犯から少女を助けたアマゾンだったが、ゲドンはその犯人を捕獲し、凶悪な獣人トゲアリに改造してしまう。
 敵は獣人トゲアリ。なんと普通の人間が改造されたなれの果てである。それにしてもゲドンの獣人って、いろんなパターンで生まれるんだな。
 正月と言うことで、非常に日本情緒溢れる描写。この時代の日本的雰囲気がよく伝わってくる。
 アマゾンのベルトの棒状のものがなんなのか。ここで初めて明かされた。ウィップだったのね(名前はコンドラー)。
 コメディリリーフであるモグラ獣人が、ゲドン従者を焼いて喰おうなどと物騒なことを提案してるのが面白い。大分善人(?)になったような気はしてたんだが…ラストでアマゾンに「モグラ。オメデタイ」と言われ、「どうせ俺はオメデタイよ」と拗ねるのも良い描写だ。
 ゲドン従者をわざと逃がすとか、捕まったふりをして十面鬼の喉元に牙を突き立てるとか、意外に成長してずるがしこくなったアマゾンの姿が見られる。
 ところで、アマゾンの元から逃げ出した赤ジューシャが獣人トゲアリと出会った瞬間、「トゲアリ獣人」と懐かしそうに言うのだが、こいつ、作られたばかりだろ?
 元人間であった獣人トゲアリの首をなんのためらいもなく切断するアマゾンもなかなか格好良いぞ。
 色々分かったことも多く、かなり面白い話だったよ。
第13話 迫る!十面鬼!危うしアマゾン!!

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 直接街を襲い始めた十面鬼と対決するアマゾン。が直接街を襲う空からの十面鬼の襲撃に恐怖のどん底に陥った平和な街。怒りに燃えるアマゾン。その行く手をさえぎる謎の女・ミリ。アマゾンの雄叫びが荒野にこだまする。
 敵は獣人ヘビトンボ(幼虫)。最初のデザインは今までの獣人のなかでも最低レベル(実はこれは幼虫で、次作でその成虫が登場するが)。
 いよいよアマゾンが日本語をまともに喋られるようになった。進歩なんだろうけど、ちょっと魅力が薄れたかもしれない。まあ、その分モグラ獣人との漫才が冴えるが
 オープニングにアマゾンと十面鬼との直接対決!顔の一つを潰す事に成功する(あるいは一人出演できなくなったからこの話を作ったとか?)
 十面鬼に父を殺されたというミリが登場するが、結局これは罠。それをしっかり見破ったアマゾンは、やっぱり頭が良い(「私に構わず戦って」と言うヒロイン専用台詞に対し、「アマゾン、戦う」と返した時は「え?」とか思ったもんだが)
 本作は前後編で、次回に話を引っ張るのだが…次回は驚愕の事実が!
VOL.2
<A> <楽>
第14話 十面鬼死す!そして新しい敵?

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 死闘の末に獣人ヘビトンボを倒したアマゾンライダーだったが、ヘビトンボは蛹となり、しかも謎の敵によって蛹は奪い去られてしまった。十面鬼さえも知らぬ、その敵とは…
 敵は獣人ヘビトンボ(成虫)。蛹から生まれたが、今度は少々デザイン的に洗練された感じ。なんとガランダー帝国のゼロ大帝に寝返り、十面鬼を殺す手伝いをする。アマゾンにも交渉するなど、なかなかその小悪党ぶりは堂に入ってる。ここでゼロ大帝も登場する。
 ゲドンの工作員は全員女性だが、ガランダー帝国はデザインは似ているものの、男に代わる。
 ここでアマゾンライダーが必殺技「大切断」を叫ぶようになる。一瞬にして裏切ったヘビトンボの首を落とし、十面鬼さえもあっという間にまっぷたつ…おおお!弱いぞ!十面鬼
 …え〜っと、十面鬼が死んだ時、キノコ雲が上がるんだが…十面鬼って原子力で動いてたのか?いや、それ以前にあれだけの爆発の至近距離に浴びてアマゾンは無事なのか?
第15話 出たぞ!恐怖のゼロ大帝

  監督:内田一作
  脚本:伊上 勝
 ついに十面鬼ゴルゴスを倒したアマゾンライダー。だが、ガガの腕輪は行方知れず。しかも町では獣人によるものと思しき事件が続発する。新たな敵を予感したアマゾンの前に新たな獣人が現れる。マサヒコまでさらわれてしまったアマゾンだが、罠と知って敢えて罠に飛び込むのだった。
 敵はハチ獣人。おっきなシッポが付いたデザインはとても動きにくそう(これも武器になる)。子供をさらっては自分の分身にしてしまうし、人を泡で包み込んで燃やしてしまう。大切断によって体液をまき散らしながら事切れる描写も凄い。ゴア描写もかなりのもの。
 ここでゼロ大帝の全身像が出てくるのだが、十面鬼と較べると、普通の人間っぽいのが少々残念。ギギとガガの腕輪に執着した十面鬼を間違っていると断定し、ガランダー帝国にとって腕輪はあくまで手段に過ぎず、本当の目的は世界征服であることがここで明らかにされる。
 モグラはガランダー帝国の事を知ってて、怯える辺り、ガランダーの恐ろしさを上手く演出してる。
 ハチ獣人は子供をさらって洗脳した上で教育するのだが、それは“ハチの子学校”と呼ばれる。やってることはシャレになってないけど、ネーミングは牧歌的だな。
 この回からラストソングも変わる…そりゃ「ゲドンの悪」はもう終わってるしね。
第16話 ガランダーの東京火の海作戦!!

  監督:内田一作
  脚本:鈴木生朗
 町の露天でリツコが買ってきた緑色のゲンゴロウ型のブローチ。だが、それはゲンゴロウ獣人の分身だった。みつこの血を吸って復活したゲンゴロウ獣人に、ガランダー帝国のゼロ大帝は東京火の海作戦を指令する。
 敵はゲンゴロウ獣人
 最初の血を吸うゲンゴロウのイメージは、赤バックと相まって、まさにホラーそのまんまの演出。これ、子供が観たらトラウマになるんじゃなかろうか?吸血鬼に首を吸われるのはどことなく色っぽさがあるけど、巨大なゲンゴロウに首噛みつかれるってのは、嫌悪感を増すばかりだろうに。
 最初にアマゾン抹殺に失敗したゲンゴロウ獣人に対し、「やかあしい」と怒ってるあたり、ゼロ大帝の育ちの悪さを垣間見せて…(笑)
 ラストシーンで、ゼロ大帝を越える支配者がいることが明らかにされる。
 この作品が後に東映まんが祭りで劇場公開された。
<ゲンゴロウ獣人がリツコの血を吸おうとするシーンで「もう一度ワシと一心同体するのだ」との台詞。日本語が…>
第17話 富士山大爆発?東京フライパン作戦!

  監督:折田 至
  脚本:松岡清治
 ゲドンの轍を踏まぬよう、世界征服のために綿密な計画を立てるガランダー帝国。ガマ獣人が立てた作戦とは、富士山を噴火させ、そのマグマを東京に誘導して東京を日に当てたフライパンのように熱地獄と化すというものだった。
 敵はガマ獣人。意外に頭が良く、今回の作戦の発案者でもある。ガマらしく、巨大な顔を持つが、実はこれはダミー。いきなりアマゾンに顔を投げつけたりする。
 冒頭で黒ジューシャに世界征服作戦を作らせるゼロ大帝。気に入らなかったからと言って、抹殺してしまうと言う短気ぶり(この人の下で働くのは嫌だ)。それに対し、ガマ獣人が立てた作戦は、意外にも科学的。
 リツコとおやっさんが捕まったというのに、何故か遊んでるアマゾン。しかし、その遊びのなかでガマ獣人攻略をひらめくアマゾン。これによって新しい必殺技スピンキックを編み出す(今回限定)。
 全般的に頭を使った演出がなされる話…間違っちゃいないぞ。
第18話 ゼロの恐怖!大地震作戦!!

  監督:折田 至
  脚本:鈴木生朗
 ガランダー帝国が開発したゼロ装置。特定地点のみに激しい地震を起こすという恐ろしい機械の実験である一家が崩壊する。何とか難を逃れ助けを呼びに行った娘がガランダーに襲われる…
 敵はハンミョウ獣人。しゃべり方が妙な片言だが、造型はかなりのレベル。本人の力よりゼロ装置に殆どを負ってるのが少々情けないが、アマゾンを徹底的に苦しめてる。
 バンクも使われてるようだが、東京を襲う地震の描写はかなり派手。力入ってる。
 地下で毛布をかぶって寝てるモグラ獣人。何せ土の中のことだけに今回は意外に情報通で役に立ってる。肝心なところで役に立たないのは相変わらずだが(笑)
 アマゾンライダーの隠された能力が発動。危機に陥ると鉄をも溶かす高熱を体から発し、あらゆるものを突き破る力を得る…ちょっと間に合わせっぽい設定だが、まあ良いか。
第19話 出動、ガランダー少年部隊

  監督:塚田正煕
  脚本:鈴木生朗
 夜の東京の地下を黙々と掘り続けるこども達の群れ。それを目撃したアマゾンだったが、逆にそのこども達に襲われてしまい、手を挙げることの出来ないアマゾンは苦闘する。ガランダーの作戦、地下鉄大洪水作戦とは…
 敵はフクロウ獣人。こども達を操って東京地下に穴を掘らせ、東京を沈没させようとする。フクロウの羽根を人の目につけることで相手の目を見えなくすることができる。アマゾンもこれを喰らうことになる。
 大変静かに展開する物語。アマゾン地震よりモグラ獣人の方が活躍する点から言っても、シリーズのなかでは相当に異色作だと思われる。
 ガランダーの目標はアマゾンではなく東京沈没。故にこそ圧倒的優位にあるフクロウ獣人が目の見えなくなったアマゾンを放っておくと言う描写があり。急いでいるのは分かるけど、ツメが甘いぞ。
 特撮作品では基本的に避けられるのが、子供をヒーローに向かわせると言う奴。あんまりにも効果的すぎるからだろうけど…
 前回同様、アマゾンの右手のギギの腕輪の隠されたパワーが発動することにより、危機を脱出。続くと嫌味だな。
 ラストで、大活躍したモグラ獣人がこども達を怯えさせないようにと去っていく。その姿が妙に格好良いのだが、そのモグラも次回で…
第20話 モグラ獣人最後の活躍!!

  監督:塚田正煕
  脚本:伊上 勝
 街から次々と人間が蒸発する。調査に向かったモグラ獣人だったが、首謀者のキノコ獣人によって人間を蒸発させるカビを植え付けられてしまう。命を奪われようとするモグラに、マサヒコの悲痛な叫びがこだまする。
 敵はキノコ獣人菌類であるキノコが獣人?異様にカラフルで不気味すぎる姿してる。生物を蒸発させるカビを吐く。
 冒頭で少女を助けるモグラ獣人。だが、助けた少女に泣かれてまごまごするのが可愛いところ。更に敵に寝返ったふりをする頭脳プレイを見せるが、カビを植え付けられ、最後は死を悟って…涙なしでは見られない極めて良質のストーリーと言えよう。悲痛な音楽も又良いのよ。最後、アマゾンがキノコ獣人にとどめを刺す際、「モグラー!」と叫び、その勝利をモグラに捧げるシーンはあまりに格好良すぎ。
 シリーズ屈指の、いや特撮番組全部を含めてのベスト作品の一本だろう。
第21話 冷凍ライダーを食べる人食い獣人!

  監督:田口勝彦
  脚本:村山庄三
 ガランダーのイソギンチャク獣人が都内に出没。人々を次々に人喰い人間に変えていく。その魔の手はマサヒコの友達イサムに伸びる…イサムを助けようとするアマゾンだったが、罠にかけられ、冷凍されてしまう。
 敵はイソギンチャク獣人。自分の血を人に注入することでその人間を人喰い人間にしてしまう。その描写がモロにホラーっぽい。人間の腹からイソギンチャクが生えてうねうねと触手を伸ばすシーンも怖い。元がイソギンチャクだけに、肉体の一部が欠損しても元に戻ってしまう。
 更にアマゾンが冷凍にされてしまうというショッキングな演出の上に、更に食われてしまいそうになると言う…ここで巨大なナイフとフォークを持って迫るイソギンチャク獣人の演出もなかなか。
 結局今回もギギの腕輪に助けられたわけだな。
 マサヒコの友達イサムが登場。その父親が既に人喰い人間にされてしまってるのだが、それを察したアマゾンに対し、怒るイサムの演技があまりにも素人っぽい。子供だと仕方ないところかも知れないけど。
 全般的に演出は良し。ただ、演技の下手さが目に付いてしまうのが痛い。
第22話 インカ人形大東京全滅の日!?

  監督:田口勝彦
  脚本:村山庄三
 インカ帝国がスペインに滅ぼされる直前に作られたという究極の毒ガス、インカリア。ガランダー帝国によってインカの人形に仕込まれたその毒が日本に持ち込まれようとしていた。だが、事故によってその人形はマサヒコの友達マリコの元へ。そしてマリコの家を急襲するガランダー。
 敵はモモンガー獣人。モモンガーってか、ネコかコウモリかと思ったぞ。「モンガーっ」って叫び声に特徴を持たせようとしたらしい…あれ?どっかの漫画で「モンガー」ってのなかったか?
 毒ガステロの恐怖。特にサリン事件の後は日本でもBC兵器の恐ろしさってのが分かってきたので、今観ると切実度が高いな。更にこれには爆弾テロの要素まで入ってる。
 モグラ獣人がいなくなった分、コメディ部分は籐兵衛が行うことになり、インカリアのカプセルを持った籐兵衛に対し、アマゾンが言った言葉は「逃げろ〜」。それを「投げろ」という言葉と勘違いし、火の中に放り込もうとする。
 もう一つのアマゾンの必殺技、アマゾンキックが登場。仮面ライダーだったらメインの必殺技のはずだが…
第23話 にせライダー対アマゾンライダー!

  監督:内田一作
  脚本:鈴木生朗
 ガランダーの擁する水爆の数十倍といわれるヘリウム爆弾が都内に仕掛けられた。ガランダーはその障害となるアマゾンを排除するため、リツ子とマサヒコを誘拐するのだが…
 敵はサンショウウオ獣人。単に気持ち悪いだけの…じゃない。擬態を取ることが出来、アマゾンにも化ける。能力にやや差があるようだけど。腕が千切れても再生するという強い生命力を持つ。
 偽ライダーとか偽ウルトラマンとか、特撮では定番だが、ここでもライダー対ライダーの対決が!ちなみに違いは左手にギギの腕輪をしていないと言う点。
 冒頭、マサヒコを起こしに行ったリツ子が布団をはぐるとそこには巨大オオサンショウウオが…これって無茶苦茶気持ち悪いぞ。しかもリツ子とマサヒコが徐々にオオサンショウウオに変わっていくという…
 今回もマサヒコやリツ子を庇って籐兵衛が大活躍。やっぱおやっさんって良いよね。
 「私たちのことは良いの」。これも定番とは言え、やっぱ良い台詞だよ…この究極の選択に対し、結局は目の前の人間を助けるために戦うのも定番か(笑)
 ラストエピソードだけに、前後編となっている。
第24話 やったぞアマゾン!ゼロ大帝の最後!!

  監督:内田一作
  脚本:鈴木生朗
 サンショウウオ獣人の血の跡をたどって、単身ガランダーのアジトへ潜入したアマゾンライダーを待ち受けていたものは、ガランダーのゼロ大帝。ついにアマゾンライダー最後の戦いが始まる!
 これが最終回となるのだが、何というか、今ひとつ。アマゾンが絶体絶命の危機に陥ったと言う描写が弱く、超パワーを手に入れる達成感もあまり無し。演出をもう少し考えて欲しかったところだな。
 ゼロ大帝によってギギの腕輪が無力化されてしまい、アマゾンライダーの変身が解かれてしまう。別段強そうに見えない(?)ゼロ大帝の隠された能力ってところだ。尤も、それを失ってしまうと本当に弱いんだが(笑)。ちなみに最初に出てきたゼロ大帝は影武者で、後で本物のゼロ大帝が現れるのだが、やっぱり弱い(笑)
 絶対優位に立つと、敵は秘密をヒーローに漏らしてしまうものだが、ゼロ大帝もその例に漏れず。結局それが墓穴を掘るのも同じ。
 籐兵衛がガランダーの黒ジューシャに変装し、ガランダーの本部に潜入。ここでも大活躍だが、なんで今までそれをやらなかったの?と言うツッコミはなしにしよう(さすがにアクションは荷が勝つのか、スタントを使っているらしいが)。
 ギギの腕輪とガガの腕輪がアマゾンの腕で合わさる時、古代の超パワーがアマゾンにみなぎる。と言う設定は、初期から引っ張ってきた伏線だが、もう少し演出を良くして欲しかった気もする。
 ちなみに変身するたびゼロ大帝に解除されるため、今回だけでアマゾンは合計4回も変身してる。
 ラスト、びしっとスーツに決めたアマゾンは「俺の故郷はアマゾンだから」と言って船に乗る…おいおい。お前、故郷は日本だろ?
 最終回限定の必殺技、スーパー大切断が炸裂。