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忍風戦隊ハリケンジャー

忍風戦隊ハリケンジャー事典
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 2002'2'17〜2003'2'9

 スーパー戦隊シリーズ第26作。テーマは忍者で、「忍者戦隊カクレンジャー」に続く2つめ。忍者と科学を合致させた作りが面白い。メンバーは最初は三人から始まり、その後追加で二人、更に一人が加わるという変則的なメンバー追加となった。最初の主人公の三人は忍者学校のオチこぼれという設定があり、のびしろの大きなキャラであり、成長を描くビルドゥングロマン的な意味合いもあった。それをサポートするヴェテラン忍者も存在し、やがて肩を並べて戦えるようになっていくのも醍醐味だった。
 巨大戦にも特徴があって、最初は三体の獣型メカが合体することで巨大ロボとなっていたが、二人の仲間が入った時点で最初のパワーアップ。その後シュリケンジャーが入り更なるパワーアップ。最後はリボルバーマンモスと合体することで最強形態となる。かなりの巨大キャラとなる。また々ぶるのシルエットをモティーフにした数多くのアタッチメントも面白いデザイン。
 敵も忍者だが、宇宙からやってきており、7人の幹部と首領というかなりの大所帯。お互いがライバル関係という立ち位置で、相手を出し抜いてハリケンジャーを倒すことをゲームのように行っていたが、中には反逆を窺っているキャラもおり、実際に反乱を起こしてもいる。首領は一見等身大だったが、その本体は巨大生物というのも意外性あり。

主な登場人物
椎名鷹介
ハリケンレッド
(役)塩谷瞬。本作が実質デビュー作。
 ハリケンレッドに変身する青年。忍びとしての潜在能力は抜群だが、本人はその自覚に薄い。猪突猛進で考えなしに突っ込むことが多かったが、戦いの中で成長し、リーダーとしての自覚も出てくる。普段は何でも屋のアルバイトをしている。
野乃七海
ハリケンブルー
(役)長澤奈央。デビューすぐに本作出演。その後多くの特撮作品に出演作がある。
 ハリケンブルーに変身する女性。ハリケンジャー三人の中では一番進級が遅かったが、やる気は非常に高い。一般生活では芸能界にスカウトされ、野々ナナという演歌歌手としてデビューしている。
尾藤吼太
ハリケンイエロー
(役)山本康平。
 ハリケンイエローに変身する青年。訪問介護士だったが、スカウトを受けて忍びを学ぶことになった。三人の中では一番冷静沈着だが、後先考えず突っ込む二人に引っ張られがち。
霞一甲
カブトライジャ
(役)白川裕二郎。元大相撲力士で、歌謡グループ純烈のメンバー。
 カブトライジャに変身する霞兄弟の兄。実力はあるが雷の里を追い出された過去を持ち、「アレ」を探すため、全てを犠牲にしようと考え、一時的にジャカンジャと手を組んだ。ジャカンジャの裏切りで死にかけたところをハリケンジャーに助けられ、以降ハリケンジャーと共闘することとなる。パワーファイターではあるが、ハリケンレッドに追いつくほどの素早さも見せる。
霞一鍬
クワガライジャ
(役)姜暢雄。本作がデビュー作。
 クワガライジャーに変身する霞兄弟の弟。兄の言う事ならなんでも聞くが、自分自身と兄を傷つける者には容赦しない。一甲が狂わされた際、兄を正気に戻すためにハリケンジャーと手を組む。
天空忍者シュリケンジャー (声)松野太紀。俳優兼声優で、数多くの作品に出演。声優としては「救急戦隊ゴーゴーファイブ」の呪士ピエール役など。
 御前様直属の忍者で、疾風流迅雷流双方の忍法を修めた宇宙統一忍者流を名乗る。その実力はハリケンジャー、ゴウライジャーを軽く凌ぎ、その実力差は最後まで覆ることはなかった。得意技は変装で、様々な人間の顔を見せたが、最後まで素顔をさらすことはなかった。謎多き忍者だが、ハムスター館長は、彼を「ハリケンジャーに最も近かった男」ではないかと推測している。尚、変装されたキャラはほぼ全員過去の戦隊ヒーローの一員。
日向無限斎
ハムスター館長
(役)西田健。ヴェテランバイプレイヤー。特撮では「帰ってきたウルトラマン」の岸田文夫隊員。「宇宙刑事ギャバン」のサンドルバ役。
 疾風流忍者の総裁であり、忍風館館長。最初のジャカンジャによる襲撃で忍法でハムスターに姿を変えて難を逃れたが、元に戻れなくなってしまう。
日向おぼろ (役)高田聖子。舞台劇を中心に活躍中。特撮での出演は本作のみ。
 日向無限斎の実の娘。自身も疾風流忍学校の487期卒業生の忍者。エンジニアとしての実力を発揮し、風神エネルギーを用いた各種メカを一人で開発する。
黒子ロボット  ハリケンジャーをサポートする人型ロボットで、金と銀の二体がいる。人々の記憶を操作したり、おぼろの雑用をしたりと、何かと活躍の機会は多い。
御前様
覚羅
(役)三輪ひとみ。ホラー映画出演が多いが、特撮作品にも多数登場している。
 全ての忍者を統べる宇宙統一忍者流の当主。「アレ」を封じる嘆きの弓のメダルを体内に封じている。メダルの力によって不老不死状態で500年間生き続けており、その存在を隠すためにほとんどの人から姿を消し孤独に生きている。そのため唯一の部下となるシュリケンジャー以外その存在は知らされていない。悲しみを感じると嘆きの弓の力が失われてしまう。
タウ・ザント (声)梁田清之。ヴェテラン声優で、強面声役が多い。
 ジャカンジャの首領。千の顔と千の腕を持つ大百足のような姿をしている。センティピードの中で暗黒七本槍を謁見しているのはそのほんの一部に過ぎず、その実態はセンティピードを幾重にも取り巻く巨大ムカデである。
フラビージョ (役)山本梓。タレント・モデル。
 ジャカンジャ一の槍。自称元宇宙コギャル。宇宙忍者学校の落ちこぼれだったが、タウ・ザントに見いだされてジャカンジャの一員となる。本人も戦闘力は高いが、基本的にジャカンジャの中忍や上忍の採点係をしている。
チュウズーボ (声)郷里大輔。悪役の声の代表の一人で数多くの特撮での敵役を演じている。
 暗黒七本槍ニの槍。緑色の入道のような姿をしたジャカンジャ幹部で、多数の宇宙忍者を配下に持つ。古文書を読み解き、ゴウライジャーの同士討ちが「アレ」復活に欠かせないことを知り、一甲と一鍬を戦わせるが、作戦は失敗に終わり、自ら巨大化してハリケンジャーとゴウライジャーに挑み倒された。
マンマルバ (声)今村卓博。
 ジャカンジャの幹部で三の槍と呼ばれている。宇宙から降り注ぐ「アレ」の情報を予言として受け取ることが出来る予言者。「アレ」を呼び出すために一甲の身体に宇宙サソリの卵を移植するが、鷹介の決死の救出によって一甲の命は助けられ、カブトライジャーとの一騎打ちに負けて倒される。その後、更にパワーアップしたコピー体が再び一甲を狙うが、近づく流星雨から流れ込む「アレ」の情報に圧倒されて暴走して巨大化してしまう。本人は天雷旋風神によって倒されるが、その情報はタウ・ザントに送られた。
ウェンディーヌ (役)福澄美緒。多くの特撮に出演したが、その後結婚して芸能界を引退。
 暗黒七本槍の四の槍。ジャカンジャの女幹部で、主に敗北した忍者を巨大化させるのが役割。時折前線にも出てくる。ストレスが最大限にたまると巨大化してしまい、星一つ破壊するほどの力を持つ。
サーガイン (役)岡本美登。スーツ・アクター兼俳優。スーツ・アクターとしては「アクマイザー3」のザビタンや「超神ビビューン」のビビューンなど。顔出しとしては「電撃戦隊チェンジマン」副官ブーマ、「超獣戦隊ライブマン」では毒島嵐=ドクター・アシュラ役など。
 ジャカンジャ五の槍。甲冑姿をした武人で科学者でもある。その本体はアリのような小動物で、兜の中で操縦している。武人らしくぶっきらぼうな態度を崩さないが、実は情に厚く、死んだ仲間達に敬意を示すシーンが度々見られる。サンダールの野望を真っ先に気付いた。
サタラクラ (声)島田敏。ヴェテラン声優で、「Zガンダム」のパプティマス・シロッコの声など。特撮でも主に敵役の声を当てることが多い。
 21話より登場したジャカンジャの六の槍。常に仮面を付け、おちゃらけた態度を崩すことがない幹部。
サンダール (声)池田秀一。赤い彗星シャアの声で有名な声優。本作においてもシャアの台詞のパロディがいくつか。
 ジャカンジャの七の槍。最後に登場した上忍で、非常に強い力を持つだけでなく、扇忍獣と呼ばれる強力な配下を持つ。常に皮肉なものの言い方をして本心を見せないようにしている。タウ・ザントに対しては忠実だったが、「アレ」さえ手に入れれば部下を捨てようとしているタウ・ザントの本心を知ることで反旗を翻し、タウ・ザントを倒した。
マゲラッパ  ジャカンジャの戦闘員。忍者装束に頭に短めのちょんまげを結っているのが特徴。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 風とニンジャ

  脚本:宮下隼一
  監督:渡辺勝也
 古来より地球侵略を狙う宇宙忍者ジャカンジャがついに地球侵攻を開始した。その邪魔となる疾風流忍者の里を襲い、里を全滅させてしまう。だがたまたま朝礼をさぼっていた落ちこぼれ忍者の三人組だけが無事で、ハムスターに変えられてしまった館長の無限斎によって、200年ぶりのハリケンジャーに任命されてしまった三人だが…

 敵は結界忍者ケッカイ坊。チュウズーボによって呼び寄せられた宇宙忍。どんな結界も破壊することができる。疾風流忍者の里を襲い、忍風館を破壊する。又、自ら結界を作り出し、そこに敵を封じることも出来る。
 落ちこぼれ忍者が成り行きで伝説の忍者ハリケンジャーになってしまったという展開。これまでに無い情けない誕生だが、逆に言えば伸び代が最も高い戦隊となった。
 物語の流れは無駄のないシナリオで軽快に展開。一人一人のメンバーの力をちゃんと見せつつ、伏線まできっちりと作ると言う、かなり練り込まれたもの。第一話目から追加戦士?の姿まで出したのは戦隊ものでは初めてじゃないかな?
<一話目だから、ちょっと台詞が固いが、吼太は完全に棒読みだった。仕方ないところか。
 ケッカイ棒は自分自身が作った結界に敵を閉じ込め、好き放題に攻撃するのだが、それって魔空空間じゃ?>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 巨人とカラクリ

  脚本:宮下隼一
  監督:渡辺勝也
 ジャカンジャの攻撃はなんとか凌いだものの、忍が谷が消滅してしまったため、ハリケンジャーの面々は町に降りてそれぞれ仕事を始めた。だが久しぶりの町にはしゃいだ七海と吼太はハリケンジャイロを外してしまう。

 敵は磁石忍者ジシャックモ。サーガインが作り上げたクグツ忍。U字磁石と蜘蛛をベースに、磁力を操る忍。破壊されても再生する能力を持つ。
 本拠地を失い、自分たちはそれぞれの仕事しつつ地球侵略に備えるメンバー。活動資金まで自分で稼ぐってのも情けないけど、これまでの戦隊でも実はそれなりにある設定。
 それで働くことで一生懸命になってしまいった仲間二人と、あくまで本業を忍者にしようとするレッドの中に不協和音が生じるが、あっという間に和解。この話もとてもテンポ良く、描くところをきちんと描いている。
 ここで巨大ロボである旋風神が誕生。ジェット機と豪華客船と観覧車が合体することで、これまでの巨大ロボと較べても明らかに巨大…な、はず。
 あと、ジャカンジャの幹部が放つ怪人はそれぞれ出自が異なるようである。「仮面ライダーBLACK RX」や「重甲ビーファイター」のようだ。
<磁石に変えられてしまったはずのハリケンレッドが直後に普通に動いている。この技、ジシャックモが注意してないと解除されるのかな?
 ジシャックモの胸に弱点があると見抜いたのは良いけど、その後で普通にトリプルガジェットで倒してる。しかも重力で叩きつぶすって、確かに体の中に弱点はあるけど、それって弱点関係ないじゃん。
 忍者カラクリの中のハリケンレオンはジェットコースターと観覧車に化けてるけど、体の中身はどうなる?それより変化する際、ジェットコースターがまだ動いてるけど、そこに乗ってた人は?
 生体までも磁石に出来るジシャックモだが旋風神に通用しなかった。その理由が分からない。>
第3話 ニセモノと60秒

  脚本:宮下隼一
  監督:諸田 敏
 演歌歌手としてデビューした七海だが、やってる仕事は地味なものばかりで、すっかりクサってしまっていた。そんな時、テレビ局で性格が豹変した人々が現れたという。館長からそのテレビ局に潜入捜査を命じられたハリケンジャーだが…

 敵はコピー忍者クリソッツ坊。チュウズーボが呼び出した宇宙忍者で、人間をコピーしてコピー人間と置き換えてしまう作戦を行った。巨大戦では分身を作るほどのスピードを見せつけたが、旋風神ハリアーに倒された。
 前話で七海が演歌歌手としてデビューしたという描写があったが、その設定今も続いているようで、ちゃんと歌手として活動もしてるが、なんだか悲しくなるほどマイナー歌手で、涙ぐましい努力をしているようだ。
 今回の活躍ですっかり有名人になった七海だが、忍者は隠れなければならないため、記憶が消されてしまい、またしても歌手として地道な努力が強いられるようになる。
 今回の旋風神は旋風神ハリアーへと変化。これまでの重厚な巨大戦がやたらスピードが出るようになった。
 八木プロデューサー役は漫画家で俳優の杉作J太郎。
<旋風神ハリアーになるために「ハリー・アップ」は分かるけど、元に戻るのがなんで「ハリー・ダウン」なの?「スロウ・ダウン」じゃないの?>
第4話 トンネルと兄妹

  脚本:宮下隼一
  監督:諸田 敏
 ジャカンジャの基地建設を行っていたモグドラゴと戦うハリケンジャー。だが戦力を冷静に分析しようとするイエローが足を引っ張り、モグドラゴには逃げられてしまった。落ち込む鷹介と七海を尻目に、プライベートで用事があると町に行ってしまう吼太だが…

 敵は穴掘り忍者モグドラゴ。サーガインが作り出したクグツ忍者。ジャカンジャ基地から地下鉄を走らせるための穴を掘っていた。高速で穴を掘り、変幻自在に現れて攻撃する。
 吼太を中心とした話。かつて軽率な行動で妹に怪我を負わせてしまったことから、何事も慎重になってしまったという。かつてイエローと言えば猪突猛進やおっとり系が多かったが、ここではイエローが一番慎重キャラというのが新しい。
 そんな慎重一辺倒な自分自身の殻を破るまでがこの話の肝だが、これはもっと後になってやってほしい話だった。今はただ慎重さも必要で、素のままの吼太の良さを見せるべき話だった気はする。そもそも吼太が慎重だって設定は今回が初出なんだし。
 巨大戦では新しい武器ゴートクラッシャーが登場。
<ハリケンジャー三人の中ではまだ吼太が声が固く、時折棒読みになってしまう。「ど、どうしたらいいんだ」とか、懐かしいわざとらしい吃音が微笑ましい。
 初出のゴートクラッシャーの攻撃は敵を押しつぶすというもの。今回の相手がロボットだからまだ良いけど、もしこれが生体だったら、とんでもない光景が見られることだろう。
 モグドラゴが倒されたことでジャカンジャ地下鉄開通はなくなったのだが、クグツ忍者の場合ロボットなので、又作れば良いような気がするんだが。>
第5話 館長とお風呂

  脚本:酒井直行
  監督:小中 肇
 闇夜にマゲラッパが穴を掘っているのを知ったハリケンジャーはマゲラッパを追い払うが、何かを埋めていたハナサッカ道士は逃げ去ってしまう。何かを知っている様子のハムスター館長だが…

 敵は毒花忍者ハナサッカ道士。頭に花を抱いた宇宙忍者。毒花粉を出す宇宙花を植え、地球を腐らせようとした。毒花粉や蔦を使った攻撃をする。
 館長の命令で銭湯で働くハリケンジャーの姿が見られるが、それに不満を持つレッドがボイコット。本作では主人公クラスが一番やんちゃなのが分かる。そのため仲間が危機に陥り、自分の未熟さを知るという話になってる。
 ハムスター館長が誰かと連絡を取っている姿があるが、その際敬語を使っているので、何者かが館長に命令をしているのだと思われる。
<忍者刀にはメールの受信機能があるらしいが、「メール」とか「ダウンロード」とか忍者らしからぬキーワードがちょこちょこと。>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 ハサミとくノ一

  脚本:酒井直行
  監督:小中 肇
 館長から黒澤山にある石像を取ってくるように指令を受ける七海。険しい山道を進む七海だが、打倒ハリケンブルーを競うフラビージョとウェンディーヌのゲームに巻き込まれてしまう。

 敵は縁切り忍者シラーンス。サーガインが作ったクグツ忍で、手にしたハサミで人の縁を切ってしまう。これによって不和を生み出して地球を腐らせようとする。ハサミがモティーフのようだが、クワガタかウサギのようにも見えるデザイン。
 今回は七見が中心。かつて忍術学校に入学したての三人の思い出と共に、彼女を狙うウェンディーヌとフラビージョ二人の敵女幹部との戦いが描かれることになった。
 ジャカンジャは互いにライバル関係にあるが、フラビージョとウェンディーヌもまた競っている。ただ、その仲は良いのか悪いのかちょっと分からないところもある。
<地球を腐らせるために一組ずつカップルに近寄り、人の仲にいちいち干渉していくというシラーンス。えらく手間がかかるが、この手間のかけ方は往年の宇宙刑事シリーズを思い起こさせる。
 国際会議の首脳たちの縁を切るシラーンスだが、喧嘩してもしゃべり方が穏やかすぎ。単に演技下手?
 今まで町の中で戦っていたはずのレッドとイエローがブルーのいる山中にいきなり現れる。ワープしたの?>
第7話 雷とニンジャ

  脚本:宮下隼一
  監督:渡辺勝也
 疾風流忍術道場2年生に進級し、稽古にも力が入るハリケンジャー。その頃ジャカンジャの居城センティピードではマンバルバが二本槍がやってくると予言していた。しかしそんな予言など関係ないとチュウズーボが宇宙忍者のフタブタ坊を呼び出していた。

 敵は次元忍者フタブタ坊。チュウズーボーが呼び出した宇宙忍者。巨大な蓋を出現させ、対象物を自分の作り出した次元に送り込むことが出来る。そこでは自分の好きなように対象物を操れるのだが、動きが単調なため、あっという間に弱点を見抜かれてしまう。
 疾風(はやて)流に対抗する迅雷(いかづち)流忍者が登場。ただ疾風流に対する恨みから、地球側ではなくジャカンジャ側に立っての参戦で、暗黒七本槍の欠けた二本槍の位置に納まった人間となった。1話目からシルエットは登場していたが、実際に現れた時は敵として登場している。
 そのため今回の敵は弱めで、あっという間に決着が付いた後で満を持してゴウライジャーが登場している。
 その実力は、随分強くなっていたハリケンジャーを遙かに超え、完膚なきまでにたたきのめしている。全体的な話の流れからして、タイミング的にはぴったりの登場。
 敵はコミカルだったが、ツッコミ所はほとんどない完成された話だった。
第8話 疾風と迅雷

  脚本:宮下隼一
  監督:渡辺勝也
 突如現れたゴウライジャーによって完膚なきまでにたたき伏せられたハリケンジャー。何故地球の忍者がジャカンジャに味方するのかと考え込む館長。一方、ゴウライジャーの出現によって立場が弱くなることを危惧したサーガインは一気に地球を腐らせようと考える。

 敵は水喰い忍者ガマジャクシ。地球上の水を全て消すために作られたクグツ忍者。子ジャクシという小型メカを使って水を吸収する。
 ゴウライジャーの出現によって疾風流と迅雷流の確執が語られる話となった。そもそも二つの流派はライバル関係にあったが、戦国時代に表が疾風流、裏が迅雷流となり、今もライバル関係にある。ただし今のゴウライジャーの目的はジャカンジャと同じで「アレ」を自分たちのものにすることで、地球の忍者でありながらハリケンジャーに敵対するとか。
 ゴウライジャーが今回仲間であるはずのジャカンジャのガマジャクシを攻撃したのは、水を消し去った場合、「アレ」も滅びてしまうからだと説明されている。
 これまで登場したガジェット武器のゴートクラッシャーとトータスハンマーを合わせて剣玉武器ゴートハンマーが登場。物語冒頭で黒子ロボットが剣玉で遊んでいたことから。こういう伏線は懐かしい。
<ガマジャクシの放つ子ジャクシでは地上の水を全て消すことはできなさそう。あるいは別次元に水分を送り込んでるのか?
 ゴウライジャーのダブルガジェットは中腰で発射されるため、丁度カブトライジャの股間位置にある。いや、だから何だと言われても困るが。
 今さっき朧が思いついた武器なのに、必殺技の名前を叫んでるんだが、それはどうやって名付けた?>
第9話 雷兄弟と砂時計

  脚本:前川 淳
  監督:諸田 敏
 ジャカンジャの居城センティピードに招かれたゴウライジャーはジャカンジャと手を組むことになった。同じ地球忍者なのに何故そのような行動を取るのか、鷹介は直接問いただすために迅雷の里へと向かうのだが…

 敵は繁殖忍者クッツク法師。チュウズーボーによって呼び寄せられた宇宙忍者。人の首筋に幼虫をつけ、その精気を吸い取る。寿命があまり長くなく、作戦途中で命を失ってしまった。
 ジャカンジャと手を組んだゴウライジャーの真意を問いただす鷹介。そのまっすぐさに苛つく一鍬との対立となる。結果として今回は物別れに終わり、何にもお互いに歩み寄ることなかった。
 今回の敵クッツク法師は何もしないうちに寿命で死んでしまった。珍しい倒され方だ。尤も、復活して巨大戦はしているんだが。
<クッツク法師によって蕎麦屋の出前が倒れるのだが、落ちたざるそばは全く崩れてなかった。まるで食品サンプルのようだが、よほど粘着力のある蕎麦だったのだろう。
 変身しない鷹介を崖から突き落とし「甘えた餓鬼め」と言い放つ一鍬。できればこれは棒読みで言ってほしくないな。
 空中高くジャンプしたクワガライジャの技を敢えて受けるハリケンレッド。転がったらよけられたんじゃないか?>
VOL.3
<A> <楽>
第10話 雷神と滅びの谷

  脚本:酒井直行
  監督:諸田 敏
 ジャカンジャとゴウライジャーが狙う「アレ」とは一体何か。それを探るため、迅雷の谷へと向かう三人だが、同時にそこにはサーガインとフラビージョも又潜入していた。そんな忍者達を迎え撃つゴウライジャーだが…

 敵はサーガインフラビージョ。迅雷の谷にある「アレ」の情報を求めて鉢合わせしてしまって交戦。流石暗黒七本槍の一員だけあり、現時点ではハリケンジャーは全く敵わない。そしてゴウライジャー。迅雷流のガジェットを次々繰り出し、こちらもハリケンジャーを圧倒している。
 一話目から話には出ていたが、謎である「アレ」の情報を狙って活躍する面々を描く。主人公側が泥棒行為を働くということで、逆転の発想の話。こう言うのも悪くない。
 ハリケンジャーのハリケンジンに対抗するようにゴウライジャーもゴウライジンという合体ロボが登場してる。更に転送された新しいカラクリメダルまで強奪している。
 悪事を働こうとした罰が当たったのか、今回はハリケンジャーはボコボコにやられっぱなしで良いところなし。これほどまで主人公側に見所無い話はなかなかないぞ。
<ハリケンジャーもそうだが、ゴウライジャーのシノビマシンはなんで全部英語なんだろう?
 ゴウライジャーのカラクリマシンには操縦席にスコープが付いている。ヘルメット越しにスコープ覗かねばならないため、もの凄く視界が悪そう。ダイレクトにバイザーに映像投影させるとか出来なかったのか?
 今回も出来たばかりのカラクリメダルの必殺技まで叫んでる。>
第11話 夢喰いと再出発

  脚本:宮下隼一
  監督:橋本 一
 完膚なきまでにゴウライジャーに敗北を喫したハリケンジャーは大怪我により身動きが取れなかった。ハリケンジャー不在を好機として地球を腐らせる積極策に出るチュウズーボーのユメバク。

 敵は悪夢忍者ユメバクー師。チュウズーボーの呼び出した宇宙忍者。夢の世界を作り出し、そこに人間を閉じ込めて動きを取れなくしてしまう。
 手痛い敗北によって悪夢の中に閉じ込められたヒーローを敵の作り出した悪夢に放り込むというとんでもないスパルタ治療が描かれる。こんなことやったら精神崩壊起こしそうだが、それを荒療治にしてしまうのが特訓ぽい。
 今回は吼太が中心。最初に悪夢を見たのも、快楽夢に取り込まれなかったのも吼太いてこそだった。快楽に身をゆだねるのではなく、現実を見据えることが重要とするあたり、なかなかしっかりした脚本でもある。結果として夢の中でゴウライジャーと対戦することによって、現実世界で戦う力を得ている。
 夢の中だけになんでもありな描写になっており、その描写は往年の宇宙刑事ものっぽくもあり。
<今回のバクスイー師のやってることは子ども達を悪夢に閉じ込めるというものだが、これで世界中を腐らせること出来るの?すげえ効率悪そう。
 朧は徐々に体が石化しているハリケンジャーの面々を見て、「私は信じてる」と言っているが、こうした張本人だろ。
 ユメバクー師の末期の台詞は「これは夢じゃ。夢でござーる」だった。さすが
東映作品だなあ。>
第12話 テッコツと父娘

  脚本:荒川稔久
  監督:橋本 一
 復活したハリケンジャーはより強力になり、新たなカラクリ忍テッコツメーバも完膚なきまでに叩きつぶした。だがその戦いを見ていたハムスター館長は、ハリケンジャーと朧を叱責するのだった。

 敵はメタル忍者テッコツメーバ。サーガインが作ったクグツ忍者。様々な機械に合体することが出来る。爆発することで無数に分裂し、取り憑いた機械を全て操り巨大化する。最大に巨大化すると旋風神の500倍になるとか。そしてゴウライジャー。わざと負けたふりをしてテッコツメーバを封じた。
 ハムスター館長と朧の親子の亀裂と再生を描いた話。サブメンバーである二人に焦点を当てたのは良いパターン。息抜きのため時にははっちゃけることが必要と考える朧と、何事も最悪の事態を想定すべきという館長とは良い対比になってる。
 ハムスター館長が拾われた少女との交流を通じて親子の絆について語っている。なるほどこれは「特撮は教育番組だ」に見事に則ってる。
 力の弱い敵こそ実は最も警戒すべきと言うのも皮肉が効いていてパターン的には良い具合。フィニッシュも旋風神でなくハリケンホークで決めるの良い。
<テッコツメーバが言っている台詞「小さな事からコツコツと」とは西川きよしの決め台詞。流石大阪弁の朧が主体回。
 分裂していたはずのテッコツメーバだが、意思があるのは中心となる一体だけらしい。なんでそんな不完全な設計にした?>
第13話 ヒゲと婚約指輪

  脚本:前川 淳
  監督:小中 肇
 全人類をジャカンジャの手下にするというチュウズーボーの作戦でヒゲナマ頭巾によって洗脳作戦が開始された。そんな中、鷹介のアルバイト先の洋菓子屋でてんてこまい中だったのだが、そんな時に店長の大切な指輪がなくなってしまう。

 敵はダンシング忍者ヒゲナマ頭巾。チュウズーボーが呼び寄せた宇宙忍者。両目から怪光線を発し、当たった人間の顔からナマズ状の髭を生やせ、ジャカンジャの手下にしてしまう。
 人助けが主体の、いかにも正道の戦隊ものって感じの話。ややコミカルな演出が映えている。物語展開上、きつい物語が続いているので、こういう話が入るとほっとする。
 アルバイト先の店長のためにがんばっている鷹介の人の良さが見所だが、そんな鷹介につきあわされながら、結局一生懸命手伝う七海の姿も良い。
 シュリケンジンの新しい武器ガトリングレオが登場。
<プロデューサの呼び出しを受けて折角のラブシーンを見損ねる七海。今し方まで巨大ロボットが戦ってたのに、随分平和だな。>
VOL.4
<A> <楽>
第14話 泣き虫とあめ玉

  脚本:酒井直行
  監督:小中 肇
 作戦の失敗続きのチュウズーボは汚名挽回を賭け、人間をこどもにしてしまうオクト入道を呼び寄せる。戦いの中でオクト入道に若返りの墨をかけられてしまった鷹介は子供にされてしまう。しかもその子の性格は今の鷹介のものとは全く違ったものだった。

 敵はバックトゥ忍者オクト入道。チュウズーボが呼び寄せた宇宙忍者で、口から墨を吐き、その墨をかけられた人間をこどもにしてしまう。その際得られたエネルギーを飴にして星を腐らせるために用いる。そしてチュウズーボ自身が参戦している。最後の巨大戦ではゴウライジンとも戦う。
 猪突猛進の鷹介が突っ走った結果酷い目に遭うという話。この作品ではレッドが一番幼いパターンだな。こどもの頃の鷹介はとっても泣き虫だったことが分かった。
 前回に続いてチュウズーボの作戦が展開する。これは背水の陣での出動となっているようだ。
 そして新しいからくりボールであるスキットアタッカーが登場。ただしゴウライジンとの戦いでは全く敵わなかった。
<こどもとなった鷹介の背後で本当に爆炎が上がってるんだが、これって児童虐待にならないか?
 自分の弱点までぺらぺらと喋ってしまうオクト入道。なんと親切な奴だ。
 こどもになった鷹介は、自身のエネルギーが変化した飴を嘗めて復活。確かに壺の中で光ってたけど、本当にそれが自分のだという確信あったの?
 若返りではエネルギーがたまらず、消費される一方なのでは?という根本的な問題がある。>
第15話 タガメと争奪戦

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 ゴウライジャーとサーガインはシノビニウムという鉱石の採掘を行っていた。それを知った館長から大急ぎで出撃を命じられ、事情が分からないまま出動したハリケンジャーだが…

 敵はカラクリ巨人メガタガメ。ゴウライジャーに依頼されてサーガインが作った採掘用カラクリ忍で、意思を持たずサーガインが操縦してシノビニウムを採掘する。
 謎の鉱石シノビニウムを巡ってゴウライジャーとハリケンジャーが激突する話。ここでハリケンジャーはゴウライジャーを叩きつぶすことを心に決める。
 今回シノビニウムがなんであるのかは明かされなかったが、ゴウライジャーがそれを得たことで、何かが動くという予兆だけあり。
<シノビニウムを研究している大学を襲うゴウライジャー。なんで教授が普通にそれを持ち歩いてるんだ?
 旋風神のコックピットはそれぞれのマシンの中にある。七海はハリケンドルフィンの中にいるわけだが、そうなると旋風神が腕を振り回す度にとんでもないGに耐えることになる。忍者でなければ死んでるな。>
第16話 霧と予言装置

  脚本:宮下隼一
  監督:渡辺勝也
 タウ・ザントの前に呼び出されたゴウライジャーは、忍者の最終奥義を手に入れるためには、「滅びの果て勇者が勇者を倒す」という予言が成就される必要性を説く。

 敵は霧吐き忍者キリキリマイ師。様々な人間の感情を起こすガスをばらまき、町の人たちを笑わせたり泣かせたりしてマイナスエネルギーを吸い取る。吸い取ったマイナスエネルギーは地球を極寒に陥れる。
 ハリケンジャーを倒すことが究極忍法を得る方法だと知ったゴウライジャーがハリケンジャーに勝負を仕掛けてくる。これから、ゴウライジャーの考える「アレ」とは究極忍法のことだと分かるようやく具体的になってきたようだ。
 これまでかなり圧倒的な実力の差があったハリケンジャーとゴウライジャーだが、大分互角に近づいてきたようだ。だがその戦いの最中に両者はジャカンジャによってどこかに飛ばされてしまった。
 ゴウライジャーのホログラムに現れる人物は団二朗。言うまでもなく「帰ってきたウルトラマン」の郷秀樹。
<キリキリマイ師がため込んだマイナスエネルギーはビッグバンを起こすほどだという。ほんの数人の人間を笑わせたり泣かせたりしただけでそんなエネルギー得られるものか?>
第17話 暗闇と死闘の島

  脚本:宮下隼一
  監督:諸田 敏
 キリキリマイ師によって地球は暗雲に覆われてしまう。一方謎の無人島に飛ばされてしまったハリケンジャーとゴウライジャー。ここで最終決戦が行われる事になった。

 敵は島忍者ギリギリガイ師。キリキリマイ師の父親で、キリキリマイ師がため込んだマイナスエネルギーを用いて死闘の島を作った。
 ハリケンジャーとゴウライジャーの最終決戦となる。ただ、完全に敵対していると思われたカブトライジャーが何か違った事を考えていたことが分かった。それは、予言の書に書かれていた「勇者が勇者を倒す」という言葉が、ゴウライジャーがハリケンジャーを倒すということではなく、ゴウライジャー同士が戦い、片方が倒された時に忍者の奥義が明かされるという事実。それに悩んでいた。
 前回登場した忍者はゴウライジャー兄弟の父だという。最初から争わせることを前提に二人の息子を作ったとか。戦隊ものにしては重すぎる設定だ。本心は別にあって誤解というパターンもあるけど。
<今回は鷹介の説明台詞がやたらたくさん出てくる。物語が複雑だから、説明は必要だが、キャラに全部喋らせると鬱陶しい。時にはナレーションが懐かしい。>
VOL.5
<A> <楽>
第18話 父と兄弟の絆

  脚本:宮下隼一
  監督:諸田 敏
 自分たちが最初から争うために育てられたと言う事を知らされた一鍬。一方、ギリギリガスを浴びて正気を失った一甲は敵を求めて彷徨い続ける。そんな一甲を正気に戻すため、一鍬はハリケンジャーと協力することにする。

 敵は島忍者ギリギリガイ師。そしてチュウズーボー。必殺技をモロに食らったが、全く通用しない。
 ハリケンジャーの面々は、一鍬より自分たちがどのように育てられてきたかを聞かせられる。そこで知ったのは二人は妄執の塊だった父親によって、争うように育てられてしまったと言う事が語られる。
 そんな運命を受け入れ、仲間を作っていくという話。ここまでの話が重すぎたため、こんな簡単で良いの?と言う気もするけど、これ以上重くするのはやっぱりやらない方が良いだろう。幼い姉弟をわざわざ出したのは、バランスのためには重要。
 そして最後の巨大戦はシュリケンジンとゴウライジンの連携という燃える展開。
 結果として、ゴウライジャーの親父さんは徹頭徹尾人間のくずであったというオチ。救いの無い設定で、なんだか戦隊っぽくないな。
 一方、センティピードでは、これまでほとんど何もしてこなかったマンマルバがサナギになっている。
<理性を失っているという割にチュウズーボーには攻撃しないカブトライジャー。その理由は?
 この島にはギリギリガスが充満しているはずだが、普通に空気吸ってるハリケンジャーは全くガスが効いてないように見えるんだが。
 ギリギリガイ師が巨大化した際ハリケンジンとゴウライジンを呼び出すのだが、この島どこにあるの?来るまでに随分時間かかるんじゃないのか?>
第19話 大箱と風雷巨人

  脚本:前川 淳
  監督:竹本 昇
 ジャカンジャと袂を分かったゴウライジャーはセンティピードへの殴り込みを敢行しようとする。だがそんな二人の前にチュウズーボーが現れ、自らの命を賭してゴウライジャーに挑戦する。チュウズーボによって異空間に閉じ込められてしまうゴウライジャーだが…

 敵はニノ槍チュウズーボー。決死の覚悟でハリケンジャーとゴウライジャーを追いつめるが、轟雷旋風神に敗れ殺された。
 前回ラストでハリケンジャーとゴウライジャーの共闘となったが、今回で本当の仲間になる。ゴウライジャーの二人は馴れ合うつもりはないとハリケンジャーに宣言しているが、これまでの行いの落とし前を付けるため、二人だけで決着を付けようとする。それを知ったハリケンジャーの方が歩み寄る形で仲間となった。
 一方これまで敵幹部の先鞭として戦い続けたチュウズーボが退場となった。敵幹部を倒すために劇的な演出するため、旋風神と轟雷神の合体というイベントを用意している。
<チュウズーボに操られたハリケンジャーに対してダブルガジェットを撃たないカブトライジャー。でも的があんなに大きいんだから、ハリケンジャーを避けてチュウズーボの方を撃てたんじゃないかな?>
第20話 パンチと好敵手

  脚本:酒井直行
  監督:竹本 昇
 ジャカンジャと袂を分かったが、これからの行く末を考えるゴウライジャー。そんな悩みの中、アルバイト中の鷹介は同じ職場に一甲がいることを知る。一方、倒れたチュウズーボの代わりに六の槍を呼ぶというタウ・ザントに、複雑な思いを隠せない他幹部…

 敵は災厄忍者カンガルーレット。サーガインが作ったクグツ忍。腹部にあるルーレットの停止ボタンを人に押させ、それに応じた攻撃を行う。フラビージョとウェンディーヌも参戦。
 又してもハリケンジャーとゴウライジャーの関係の話。何度も衝突しながら徐々に仲良くなっていくのを「丁寧」というか、あるいは「間延び」というかは評価分かれるけど、テンポの良いだけが戦隊の信条ではないので、これで良いのだろう。必殺技のトリプルガジェットとダブルガジェットを合体させたビクトリーガジェット誕生。
 一方、チュウズーボが倒され、六の槍を呼び出すというタウ・ザントの言葉に発憤する他幹部の姿もあり。そしてサナギ化していたマンマルバが変態して登場。その姿はほとんどロボットだった。
<カンガルーレットの力で東京が水没してしまうシーンあり。311以降では出来ない描写だな。>
第21話 仮面とナゾナゾ

  脚本:荒川稔久
  監督:諸田 敏
 ジャカンジャを裏切ったゴウライジャーの前に現れたのは成長したマンマルバだった。圧倒的な力でゴウライジャーをねじ伏せ、ハリケンジャーに向かう。その頃、センチビートには第六の槍サタラクラが着任していた。

 敵は蜃気楼忍者ジン・ギローン。サタラクラが連れてきた仮面忍者。蜃気楼を使い、敵を翻弄する。びっくりした人間を「!」マークにしてしまう。
 前回ラストで成長したマンマルバの強さを存分に示すこととなった。OPではジェダイの騎士よろしくフードをかきあげる成長したマンマルバの姿もある。ちなみに極めてシリアスなしゃべり方をするのだが、語尾に「ラー」と付けるので、なんだかおかしな具合。
 更に第六の槍であるサタラクラも参戦したが、そのあまりにおちゃらけた態度にセンティピードが大混乱を来たらすという、完全にジャカンジャ側の話になっていた。ほとんど「タイムボカン」の三悪のノリ。
 戦いについても、最初のマンマルバとゴウライジャーの戦いこそシリアスだったが、サタラクラが出た途端一気に画面がおちゃらけた。
 そして一方、ラストで更なる追加戦士らしきシルエットが登場。無茶苦茶な話のくせにバランスが良い展開だった。
<サタラクラの罠は、誰か一人でも変身したら部屋が大爆発するというもの。全員一緒に変身したら、スーツのお陰で何とか生き残れるような気がする。>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 翼とニンジャ

  脚本:荒川稔久
  監督:諸田 敏
 サタラクラのなぞなぞ地獄に落とされ、更にマンマルバの罠によって苦しめられるハリケンジャーとゴウライジャー。そんな五人の元に謎の声が届く。

 敵は蜃気楼忍者ジン・ギローン。弱体化したハリケンジャーとゴウライジャーを圧倒するが、新しく現れたシュリケンジャーにあっけなく倒された。
 サタラクラとマンマルバの二人による罠に苦しめられるハリケンジャーとゴウライジャーの前に、新たな追加戦士シュリケンジャーが姿を現す。
 シュリケンジャーのアドバイスによって新しい能力を開眼するハリケンジャーの面々。初期にあった戦いの中で修行は今も続いているらしい。
 絶体絶命の危機に都合良く新しい戦士が現れるのは定番中の定番。これまで色々と捻ってきたのに、ここで王道回帰となった感じだ。
<前回、サタラクラの罠は全員が同時に変身したらクリア出来るのでは?と思ったら、冒頭でやっていた。
 ビックリマークにされた上に一度爆弾にされてしまった人間が、怪人が倒されただけで戻るとは到底思えないんだが…>
第23話 コロンと名探偵

  脚本:宮下隼一
  監督:大井利夫
 ハリケンジャーに味方する謎の忍者シュリケンジャーを探ろうとするハリケンジャーの面々。そんな時、人間を香水に変えてしまう宇宙忍者キラ・コローネが現れる。

 敵は香水忍者キラ・コローネ。サタラクラに呼ばれた生物を香水に変えてしまう能力を持つ仮面忍。香水に変えられてしまった生物は24時間後に元に戻れなくなる。
 話は通常に戻り、ハリケンジャーたちが町を騒がす忍者に対処するという話になってる。
 ここに登場するのは、本人曰く「名探偵」の柿生太郎。かなりドジな探偵だが、その探偵に扮したシュリケンジャーが大活躍するので、今回もシュリケンジャーに話を持って行かれてしまった。
 一方、一甲はマンマルバの呪いを受けたままなのが分かった。現在のところ、時折痛みを覚える程度だが、これは後で意味を持つのだろう。
 柿生太郎役は「電磁戦隊メガレンジャー」メガレッド役の大柴隼人。以降、シュリケンジャーはこれまでの戦隊ヒーローキャラに扮することとなる。
<キラ・コローネは生物を香水に変えてしまうのだが、犬猫だけでなく金魚まで変えてる。随分面倒なことするようだ。
 サタラクラがウェンディーヌとフラビージョにあげた香水の原料は宇宙ゴキブリだそうだ。宇宙ゴキブリって言うと、「激走戦隊カーレンジャー」に出てきたGGゴキチャンと同じ種類か?本人だったりして。>
第24話 タイコと稲妻

  脚本:宮下隼一
  監督:大井利夫
 サーガインが轟雷神を研究して作り上げた雷エネルギーで動くクグツ忍ウナダイゴが街を襲う。

 敵は雷忍者ウナダイゴ。サーガインがゴウライジャーと轟雷神を研究して作り上げたうなぎと太鼓の合体クグツ忍。雷エネルギーを吸収して放電する。
 しばらく引いていた一向にかけられた呪いについての話。でもやってることは太鼓をいかに上手く叩けるかって勝負になってる。なんでこんな話になった?
 今回シュリケンジャーが変身する人物鼓六平役は「救急戦隊ゴーゴーファイブ」ゴーレッド役の西岡竜一朗。
<ウナダイゴの技が雷流のものだと指摘するハリケンジャーに対し、「お前の目は節穴か?」と答えているが、その直後「俺たちの技を盗みやがって」と言っている一鍬。どっちやねん。
 増援を願うサタラクラは電話で、「(地球は)飯は美味いし姉ちゃんは綺麗」と言っている。フォーククルーセイダース?>
第25話 オバケと女学生

  脚本:荒川稔久
  監督:竹本 昇
 サタラクラが呼び出した宇宙一小さいという中忍バンパ・イヤーンは次々と人々の精気を吸っていく。そしてその精気を用い、日本各地でかつてハリケンジャーが倒したはずの中忍達が復活していく。

 敵は復活忍者バンパ・イヤーン。サタラクラが呼び寄せた仮面忍者。大きさは蚊と同じ。若い女性の精気を吸い、吸った人間の数だけ死者を蘇らせることが出来る。一度倒されて巨大化したが、その時点で等身大。旋風神と戦うためにもう一度巨大化することとなった。チュウズーボ配下のダンシング忍者ヒゲナマ頭巾、悪夢忍者ユメバクー師、毒花忍者ハナサッカ道士、繁殖忍者クッツク法師、バックトゥ忍者オクト入道を復活させる。尚、復活した怪人はバンパ・イヤーンが倒されない限り、何度でも復活する。
 特撮なら定番の再生怪人が登場する話だが、他に復活させられたのは、なんと吼太の祖母で、しかも若々しい姿で登場という人を食った話になってる。
 テーマとして、ヒーローは何故自分の命を削ってまで戦うのか?というヒーロー論に入り込んだ話にもなっているが、あまり深くはならず、先祖が守ってきたこの星を守るために戦うという、概念的なものとなってしまった。
 バンパ・イヤーンによってエネルギーを奪われた旋風神に天空神が合体することで天空旋風神が登場。ただし、この場合七海のハリケンドルフィンは外れてしまう。
<真面目な顔して「バンパ・イヤーン」とか言ってると、それだけでなんだかなあって感じ。
 蚊に食われやすい体質という理由で自らの身体を囮に使うあやめ。体質はともかく、復活した肉体が囮になるか?>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 弓矢と海水浴

  脚本:前川 淳
  監督:竹本 昇
 人を勝手に恋に落とすチューピッドの矢を受けてしまった一鍬は、目の前にいる七海に惚れ込んでしまった。そんな七海は大ファンの人気アイドル三崎和也からデートに誘われるのだが…

 敵は恋煩い忍者チューピッド。キューピッドとネズミの合成クグツ忍者。ハートの矢を人間に撃ち込み、その人間を恋に落としてしまう。同じボウガンから攻撃用の矢も使う。
 復讐に生き、浮ついた者を嫌う一鍬の心が真逆に変わってしまうと言うコミカル回。一般常識とずれた感性を持っているため、真面目に七海にアタックするのがどれも完全に外しているのが見所となる。更になんとシュリケンジャーまで恋に落ちて、ますます話が混乱する結果に。変装してハリケンジャーをサポートしようとしたが、ミイラ取りがミイラになってしまったとのこと。
 前回の天空旋風神に続き、天空轟雷神が登場。天空神が肩に合体することで空を飛べるようになった。
 三崎和也役は「電磁戦隊メガレンジャー」メガブルー並樹瞬役の松風雅也。
<死にそうになってる一甲の話をしてるのに、突然アイドルの話を始める七海。そりゃ一鍬も怒るわな。それを空気読めない奴と断じるハリケンジャーの方がおかしいと思う。
 最初に見たものになんでも惚れてしまうと言う惚れるん矢だが、三崎和也は最初にバスにいたので、その辺の座席とかに惚れないだろうか?後にその一也はシュリケンジャーだったことが分かったが、下手すれば、同じ顔した和也に惚れ込むという異様な事態に展開した可能性も…
 サーガインの作戦は、恋に狂う人間は他のことが出来なくなり、都市機能が麻痺するというのだが、そんなばかげた作戦を「続けろ」と言い続けるタウ・ザントもなかなかにずれてる。「ゴーグルV」の総統タブーみたいだな。>
第27話 串焼きと無重力

  脚本:酒井直行
  監督:諸田 敏
 鷹介はアルバイト先で昔忍風館で一緒に学んだタイショウこと田井章一郎と再開する。鷹介が伝説のハリケンジャーになったことを知ったタイショウは、死なないうちに忍者を辞めるよう忠告する。

 敵は重力忍者オモ・カル。サタラクラが呼び出した仮面忍。重力シール手裏剣を人にくっつけ、重力を自在に操る。
 過去忍者となろうとして失敗した仲間との再会の話。今のハリケンジャーは本来落ちこぼれで忍者になれなかったはずだったが、それでも諦めずにここまできた。
 これまで多くの戦いを経てベテランとなりつつある鷹介にも、戦う事をもう一度問い直す話になった。ちょっと薄味っぽいが、話としては良くまとまっている。
<シュリケンジャーが焼き鳥食ってるシーンあるが、仮面のままでどうやって食べるんだろう?直接食べるシーンは無かったけど。
 タイショウと鷹介は空忍として訓練していたけど、体格からすればタイショウは岡忍じゃないか?
 オモ・カルが飛び道具を武器にする巨大からくりを空に飛ばしてどうする?と思ったら、その通りなんのひねりもなくやられてしまった。
 話の都合上仕方ないんだが、シュリケンジャーが完璧にネタキャラになってしまった。それがこのキャラの立ち位置って言われればそれまでだけど。>
第28話 ハリアーと逆襲

  脚本:宮下隼一
  監督:諸田 敏
 サーガインが作り出した進化したメガタガメMk-IIの前に一方的に敗北を喫する旋風神。だが呪いが進行している一甲は動くことが出来ず、轟雷神は出撃できないままだった。

 敵はカラクリ巨人メガタガメMk-II。かつて倒されたメガタガメを強化したもので、旋風神同様のハリーアップが可能となっている。尚、スピードは旋風神ハリアーに勝り、早さで圧倒した。
 これまで引っ張ってきているマンマルバにかけられた一甲の呪いが発動する。現時点ではハリケンジャーとゴウライジャーが一緒に戦わないと敵を倒せなくなってきた。
 呪いを解くためにはチベットに行かねばならないそうだが、それを拒否して戦いに身を投じる一甲が、台詞少なめだが良い味出している。今回でも呪いの話は引くことになったが、いよいよ決着も近くなってきたようだ。
 今回二回巨大戦が描かれるが、二回目は珍しく採石場らしいところで戦っている。
 気功師羅門勇作役は「地球戦隊ファイブマン」星川学=ファイブレッド役の藤敏也。動きが見事に決まっている。
<圧倒的なメガタガメMk-IIの前に、「そ、そんな」と声を上げる鷹介。こう言った吃音シーンはいつ観ても気が削がれるな。
 一甲の呪いを解くためにはチベットに行かねばならないそうだが、宇宙人の呪いにも効くのか?
 轟雷旋風神によってメガタガメMk-IIは倒されるが、重くなればなるほど身動きが取れなくなるので、逆にメガタガメMk-IIの方が有利になるのでは?
 東映特撮の定番として、術をかけた存在を倒せば呪いは消えるのだが、それには思いつかないらしい。>
第29話 残暑とスタンプ

  脚本:吉田 伸
  監督:渡辺勝也
 ハリケンジャー三人の中でリーダーとして的確なのは吼太であると判断したハムスター館長は、吼太をリーダーに指名する。一方、自分こそがリーダーであると自覚していた鷹介はその言葉にショックを受けてしまい…
 敵は残暑忍者ベロ・タン。サタラクラが呼び出した仮面忍者。長い舌を伸ばして人間を切手に変えてしまう。サタラクラの残暑見舞いのはがきにその切手を貼って送り、ついでに地球を腐らせるという目的を持つ。
 チームリーダーが誰かで揉める話。普通レッドがリーダーであるというのが多いが、特に近年ではそれに限らないので、こういう話があっても良い。ただ、何事も消極的で優しい吼太がリーダーになった途端怒鳴りつけるようになるなど、これまでのキャラ描写との矛盾がある。
 今回はシュリケンジャーがハリケンジャーの結束を高めるために鷹介と吼太に化けてそれぞれの前に現れてる。
 最終的に鷹介がリーダーで良いと言う事になったが、七海曰く、「リーダーが一番優秀とも限らない」。まさしくそれを確認するための話でもある。
 26話に続き、死にかけてる兄を思う一鍬が、内輪もめしてるハリケンジャーにキレてる。少なくとも今回の話に関してはそれはうまく機能してる。
<ネタにツッコミ入れるのもなんだが、なんで宇宙に運ぶのに日本のはがきが使われるのやら。>
VOL.8
<A> <楽>
第30話 アイドルと友情

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 フラビージョは自分の300%もの力を持つフラビジェンヌを出動させる。ゴウライジャーとシュリケンジャーを圧倒するその実力を見たフラビージョは何故か怒りだし、自らセンティピードを後にする。そしてフラビージョが向かった先は、なんと七海のところだった…
 敵は美少女忍者フラビジェンヌ。フラビージョがサーガインに頼んで作らせたクグツ忍者で、フラビージョの300%増しのパワーを持つ。唯一の弱点は消費電力が高すぎることで、長く戦う事が出来ない。フラビージョが基地を出た後で自分自身がジャカンジャの首領になる野望を持つが、フラビージョによって制御装置を入れられ、フラビージョの下僕となってしまう。クグツ忍者なので、コピージャイアントで巨大化する。
 敵がフラビージョ一人というのは初めてのことで、なかなか人を食った描写が映える話。自分自身のコピーに地位を奪われ、自ら敵組織を抜けるという話。敵幹部が改心するように見せるってのは、東映特撮では結構定番ネタだったりする。
 それで何故か七海とフラビージョの二人でアイドルユニットを組むことに。自分自身落ちこぼれであるという七海が妙に共感してる。
 ただ、当然ながらそれは偽装であり、フラビージョが完全にフラビジェンヌを支配下に置くためのものだった。それで怒りのパワー500%となったハリケンブルーによってあっけなく倒されてしまう。なんだかえらくあっけないが、戦隊ものでそれ以上に追いつめるのは辞めた方が良いのかもしれない。
 後、これも戦隊定番とも言える七変化をしっかり七海がやってる。コミカルながら、きちっと物語としてまとめているのが面白い。
<フラビジェンヌがフラビージョの300%増しと聞いたサタラクラは実に楽しそうに「凄いバカ?立派なバカ?」と聞いている。良いのかこの描写?
 フラビジェンヌ曰く、「私の野望はフラビージョの300倍」だそうだ。300%は3倍ってことじゃないか?
 アイドルユニットを組んだ二人が歌ってる歌って言うのが、まあなんというか…
 ウェンディーヌ曰く「地球を腐らせる究極にして宇宙最大最高の決定的作戦」の説明は全くなかった…と思ったら、ラストのナレーションで突っ込まれていた。>
第31話 流星と三匹の狼

  脚本:宮下隼一
  監督:大井利夫
 満月の夜に命果てるとマンマルバに宣言されてしまった一甲は、鷹介に迅雷流の秘技を伝授しようとする。だが一甲の真意が分からない鷹介は反発を覚えるばかりだった。
 敵は忍狼獣ファングール。凶暴な宇宙狼で、目には見えないほどの高速で移動し、人間の影を食らう。影を喰われた人間は徐々に野獣化してしまう。絶滅させられたと思われていたが、生き残りをサタラクラが調教していた。序(茶色)破(銀色)急(黒色)の三匹が登場。
 一甲の呪いの話の続き。最早自分は助からないとあきらめてしまった一甲と、あくまで運命に逆らう事を勧める一鍬の対比となっている。そして空気を読まない鷹介がそこに介入することで物語は進行していく。
 結果としてマンマルバを倒しきれず、一甲の胸に寄生した宇宙サソリは孵化してしまったところで前編終了。
 今回ジャカンジャの今センティピードにいる暗黒七本槍の五人も参戦。確かサタラクラは初めて戦っている。
<人間が野獣化する描写は四つん這いになってうろうろするばかり。野獣って言うよりハイハイ?
 高速で移動するファングールになすすべ無いハリケンジャーとシュリケンジャー。ファングールにとっては影も食い放題だろうけど、なんでやらないんだろう?
 東映特撮の定番として、術をかけた存在を倒せば呪いは解かれる。今回もそれっぽいが、だったらなんでマンマルバはわざわざ一甲の前に現れる?>
第32話 死神と最終奥義

  脚本:宮下隼一
  監督:大井利夫
 マンマルバの呪いが発動し、一甲の胸の宇宙サソリが孵化してしまった。もう死を待つしか無い一甲を診察した医師高梨はハムスター館長に、一甲が生き残る可能性があると告げる。
 敵は忍狼獣ファングール。ハリケンジャーとゴウライジャーによって倒されるが、サタラクラの犬笛で合体巨大化。合身巨獣ファンゲロスとなる。
 「アレ」を生み出すため、「勇者が勇者を倒す」ことが必要とされるというのが17話で出てきたが、それを改めて行うというのがジャカンジャの作戦。
 物語としては、一甲を助けるためにワクチンを作る必要がある。そのワクチンを作る素体として自分自身を捧げようとする鷹介の覚悟がメインとなる。そのためにマンマルバの毒を自ら受けようとか無茶苦茶な事をやっている。いささか単純ではあるが、かなり盛り上がる話となっている。
 話は良いんだが、台詞がクサいのがなんとも辛い。
<宇宙サソリのワクチンを受けるためには同じく宇宙サソリを受ける必要があるとのことだが、だったら一甲の身体の毒を注入すれば良いだけの話では?それが駄目な理由を語らなきゃいかんよ。
 今さっきまで死にかけてた鷹介と一甲の二人が元気に変身してる。やべえ薬でも打ったか?>
第33話 マンモスと6人

  脚本:前川 淳
  監督:諸田 敏
 鷹介の命をかけた治療により一甲は助かった。轟雷旋風神でファンゲロスに立ち向かうハリケンジャーとゴウライジャーだが、ファンゲロスはその攻撃も凌いでしまった。最早戦う術がなくなってしまったが…
 敵は合身巨獣ファンゲロス。三体のファングールが合体して誕生した三つの首を持った巨大獣。
 これまでの全ての力を合わせた攻撃が防がれた時、新しい仲間が登場するというパターン的なお話し。一方、敵の方もここで最終的な奥義が登場するか?と言う事で、盛り上がり方はまんま最終回。
 今回はかなり変則的な話でもあり、合体できないカラクリメカがたっぷり活躍する。こう言うのが実はかなり燃える。
 最後にカブトライジャーとマンマルバの一騎打ちとなり、マンマルバが斬られて倒されてしまった。あっけない終わり方だ。
<最強のリボルバーマンモスが登場したが、合体と言っても轟雷旋風神がその上に乗ってるだけなので、合体とは言いがたいな。>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 キノコと100点

  脚本:前川 淳
  監督:諸田 敏
 マンマルバが倒され、怒ったウェンディーヌは自らハリケンジャーを倒すと言い出す。だがやっていることは進学塾にこどもを呼び寄せようとする。そのため自ら塾のビラ配りまでするのだが…
 敵は洗脳忍者ジュクキノコ。ウェンディーヌが自らの作戦を遂行するためサーガインに作らせたクグツ忍者で、文房具とキノコをモティーフとしている。人間を洗脳する胞子をを出し、学習塾に来た子ども達を洗脳しようとする。
 こどもに手出しが出来ないヒーローに対し、洗脳された子ども達を差し向けるという古典的なパターンの物語。ヒーローが忍者だと抜け身の術を使ってすぐに逃げ出せてしまうので、あっけなく作戦失敗となった。
 これまで基本バックアップに専念していたウェンディーヌが前線に出る話。ただやってることはほとんど「ヤッターマン」のドロンボーっぽい。狙ったんだろうけど。そのためコミカルな演出が多々。今回巨大戦はウェンディーヌが巨大化してしまう。なんでもストレスがたまると巨大化してしまうのだとか。
 今回登場する塾の受付してる橋本役は「激走戦隊カーレンジャー」ブルーレーサー役の増島愛浩。
 前回カブトライジャーに倒されたマンマルバだが、まだ死んでなかったようで、繭の中から幼生体が再び目覚めていた。
第35話 キラリと三味線

  脚本:宮下隼一
  監督:渡辺勝也
 ニンジャミセンを自在に弾きこなせばリボルバーマンモスを動かせると聞き、ニンジャミセンの特訓を始めるハリケンジャーとゴウライジャー。だが高飛車なシュリケンジャーの物言いに反発心を覚えるハリケンジャー…
 敵は滑空忍者ムササビスタル。サーガインの作ったクグツ忍で、今回はサーガイン自らが操縦する。ばらまいたジャカンジャクリスタルに人間を封じ込める。ビクトリーガジェットの直撃にも耐える強靱なボディを持つ。
 新しい武器の習得のために努力するヒーローが描かれる話。パターン的には特訓回となるのだが、それが三味線の演奏というのがちょっと不思議な話になってる。
 これまでサポートに徹していたはずのシュリケンジャーがハリケンジャー達の成長を願うあまり、リーダー的に振る舞ってしまい、それが反発を受けてしまう。雨降って地固まるのたとえ通り、それによって結束が強まるわけだが。
 今回登場したカリスマ三味線プレイヤー滑川数馬は「激走戦隊カーレンジャー」陣内恭介 / レッドレーサー役の岸祐二。わざとだろうけど、大声を出すと声が裏返るのはレッドレーサーの時と変わってない。
 今回はいつもの一話完結話になってるが、最後にマンマルバが再度成体となって登場している。
<ニンジャミセンを自在に弾くシュリケンジャーだが、どう聴いてもそれ三味線じゃなくてエレキギター。三味線とギターの両方の音を出せるものは弦楽器じゃなくてシンセサイザーという。>
第36話 リングと復讐

  脚本:荒川稔久
  監督:渡辺勝也
 霞兄弟に関係する人々が次々に襲われていく。それが復活したマンマルバの復讐であることを知った一甲は…
 敵は三の槍マンマルバ。かつて自分が死ぬ事を予言したマンマルバによって作られたコピー体。先代よりもはるかにパワーアップし、ゴウライジャーを圧倒するが、近づく流星雨から流れ込む「アレ」の情報に圧倒されて暴走して巨大化してしまう。
 マンマルバが復活して霞兄弟とやり合うという話。予言者というだけあって、自分が殺されるビジョンを見た時にコピー体を作っていたらしい。今回は完全にゴウライジャーが中心になっていて、ハリケンジャーは全然いいところなし。単純にゴウライジャーへの人質になるだけ。
 一甲と一鍬の二人、いつの間にやら世間ずれし始めていて、剣道教室なんか開いていて、お母さんたちに囲まれてまんざらでもない様子。
 今回シュリケンジャーは一甲に化けている。
<ツインテールの女の子が寝かされているシーンがあるが、寝てる時には髪の毛はほどかないか?
 ハリケンジャーに変身してもマンマルバの付けた死のリングは付いたままだが、さっきまで素肌の上にくっついていたのに、スーツの上にどうやって移動した?>
第37話 三の槍と大脱出

  脚本:吉田 伸
  監督:渡辺勝也
 情報過多により暴走したマンマルバは巨大化してゴウライジャーを飲み込んでしまう。マンマルバの中にいる二人を助けるためには、その中に飛び込むしかないが…
 敵は三の槍マンマルバの暴走体
 長く引っ張ってきたが、マンマルバがここで倒されることとなる。そのためにハリケンジャーが特訓を始めるが、やっぱり特撮には特訓が似合う。やってることはバイクを乗りこなそうとしてるだけだが、むしろその方が成果が見えやすくて良いのかもしれない。
 そして今回も新しい力として旋風神、轟雷神、天空神の三体合体による天雷旋風神誕生。一気にマンマルバを屠った。
<バリサンダーの特訓をする吼太と七海だが、普通のヘルメットで特訓してる。ハリケンジャーに変身した方がダメージ少ないのでは?
 マンマルバの中に飛び込むには別段バリサンダーはいらなかった気もするな。旋風神から飛び移っても良かったような?…なるほど脱出する際に使うためか。
 天雷旋風神は三体合体による最強の力だそうだが、装飾過多ですごく動きにくそう。
 これまでの巨大ロボの合体では、それぞれのキャラが各々のメカのコクピットにいたが、今回に限って全員が同じ場所にいる。その理由は何故?>
VOL.10
<A> <楽>
第38話 魔剣とふうせん

  脚本:宮下隼一
  監督:舞原賢三
 ハリケンジャーと共闘することが多くなり、強力な力を手にすることはできたが、このままでは雷流が消えてしまうと言う危機感を覚えた一鍬は迅雷の里に帰るが、そこで父霞一鬼の使っていた刀「鬼雷丸」を発見する。
 敵は風船忍者ゴムビ・ローン。サタラクラが呼び出した仮面忍者。ゴムのように伸び縮みする身体でダメージを緩和させることが出来る。ゴムすびというおにぎりに似たゴムを人間に食べさせ、それを破裂させて地球を腐らせようとした。
 一鍬が中心となった話。最初にハリケンジャーとの共闘を考えたのも一鍬だが、一方ではこのままでは迅雷流が消えてしまうと危惧している。それを乗り越えたところで絆が深まるという、「雨降って地固まる」を地でやってる話になってる。ただ正義の味方をするわけではないという姿勢を改めて示した話となっている。
 サタラクラによれば霞一鬼が作った武器は宇宙でも有名とのこと。意外にこの作品は世界が狭い気がする。「ジャック兄さん」の方だったら宇宙でも相当有名だろうけど。
<父一鬼がこもっていた洞窟に入ったら、そこの石像が突然斬られたように崩れた。これまで散々衝撃もあったはずなのに、なんでこのタイミング?>
第39話 七の槍と謎の石

  脚本:宮下隼一
  監督:舞原賢三
 謎ばかりのシュリケンジャーの正体を突き止めようと尾行を開始するハリケンジャー達。だがそんな時にセンティピードでは最後の七の槍が姿を現していた。
 敵は腐食忍者フショクルーガ。サーガインが作った蛾型のクグツ忍。人間を腐食させる鱗粉を振りまく。破壊されると多量の鱗粉をばらまき、鎧は何度も復活できる。
 シュリケンジャーの正体とは?ということが主題となっている話。久々にシュリケンジャーの変装も見られるが、今回は「未来戦隊タイムレンジャー」のタイムイエロー/ドモン役の和泉宗兵。鷹介達はその正体を推測するのだが、プロ野球選手、ビジネスマン、ロック歌手と碌でもない想像ばかりしていた。
 シルエットだけだが、これまで「御館様」と呼ばれた人物の姿も見える。
 ジャカンジャ最後の幹部七の槍サンダールがついに登場。慇懃無礼と言った感じで、これまでの幹部とは違った雰囲気がある。声が池田秀一なので、どうにもシャアっぽくなってしまう。
 今回は新しい幹部登場と言う事で話は前半までで巨大戦もなし。天空神がジャカンジャ幹部連中を蹴散らしたところまで。
<シュリケンジャーはあの格好のまま町を歩いているようだ。知られちゃまずいんじゃないのか?>
第40話 オトリと忍の掟

  脚本:宮下隼一
  監督:舞原賢三
 ジャカンジャ七の槍サンダールの強さは圧倒的でハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーの連係攻撃さえ全く太刀打ちできない。絶体絶命の危機に陥ったメンバーだが、その時館に一本の連絡が入っていた。
 敵は腐食忍者フショクルー。そして凶扇獣バドーギ。サンダールが呼び出した巨大獣。
 サンダールの強さを強調した話。唯一サーガインだけが反発しているが、どうも胡散臭いものを感じさせるキャラでもある。
 そして御前様がいよいよ登場だが、シュリケンジャーに与えた指令は、ハリケンジャーとゴウライジャーを捨て石にすることだったらしい。シュリケンジャーはそれに逆らってハリケンジャー達を助けるのだが、結果として御前様の姿は又次の機会になってしまった。
<サンダールとの戦いで瀕死状態であっても、変身すれば元気いっぱいのハリケンジャー。いつものことだが。>
第41話 メダルと漫才

  脚本:酒井直行
  監督:渡辺勝也
 帰国した吼太の妹鳴子はハリケンジャーの戦いを目の当たりにする。そしてそこで戦っているのが吼太である事にも気がついてしまった。
 敵は漫才忍者ツッコ・ミーナ。寒いギャグを連発し、ギャグに合わせた物体や事象を起こす。ふざけてるが、攻撃力は非常に強い。
 吼太を中心とした話で、4話に登場した妹鳴子との関わりが描かれていく。そして鳴子が吼太の正体を知ることにもなる。ちょっと距離が出来ていたシュリケンジャーとも戦いの中で和解していく。
 一方、ジャカンジャの中でも謎の多いサンダールの目的を探るという物語にもなっている。
 これだけの時間にバランス良く裏設定部分を詰め込んでいて感心出来る作りだが、その分そつがなさ過ぎてツッコミも入りにくい。
 鳴子のツッコミで分かるが、ハリケンジャーとゴウライジャーはどちらも普通の生活の中で変身アイテムを常に装着したまま。かなり私生活に制限入りそうだ。そう言えば第2話でアルバイトで邪魔だから外してたシーンがあったか。
第42話 鎧と怒りの矢

  脚本:前川 淳
  監督:渡辺勝也
 サンダールの手にしたメダルが一体何を意味するのか分からぬハリケンジャーとゴウライジャーは、再度シュリケンジャーを問い詰めることに。一方怒りのメダルを手にしたサンダールは、これを矢にする必要があるというのだが…
 敵はカラクリ巨人メガタガメMk-III。旋風神のデータを解析し、カラクリボールを作り出すメカニズムを手に入れる。カラクリ巨人ガインガイン。これまで得たのデータを使い、忍びメダルシステムを取り入れたカラクリ巨人。怒りの矢の力を引き出すことに成功した。
 いよいよ終盤に向けての戦いが始まった。「アレ」を出現させるためには二つのメダルが必要で、前回サンダールが作り出したのはその一つ。もう一つは地球にあるとのこと。
 いよいよ心を許したシュリケンジャーが御前様に会わせると言ってきたのだが、そこにいたのは熊のぬいぐるみだった。
 今回シュリケンジャーが変化した人物は「五星戦隊ダイレンジャー」シシレンジャー/天幻星・大五役役の能見達也。
<シュリケンジャーは今回釣り人に化けているが、何故そこで釣りをしていないと行けないのかとか、なんで説明的なのかとか、色々ツッコミどころはある。単にこの人物を出したかっただけだな。>
VOL.11
<A> <楽>
第43話 超合体と大激突

  脚本:宮下隼一
  監督:竹本 昇
 全ての力を結集したハリケンジャーの攻撃もサーガインが操縦するカラクリ巨人ガインガインには敵わなかった。命を長らえたものの、全てのシノビマシンが使えないまま、再度の戦いに赴くハリケンジャー達だが…
 敵はカラクリ巨人ガインガイン。そして五の槍サーガイン。
 現時点では最強となったカラクリ巨人との戦いをメインに、地球の忍者が一体何を守ってきたのかが明らかになる話。
 忍者が守っていたものは怒りの矢の対となる嘆きの弓と呼ばれるもの。そしてその力でなければ怒りの矢には対抗できない。
 一方、その嘆きの弓こそがジャカンジャが探していたものであり、その力を引き出させることこそが目的だったことが分かる。唯一の対抗手段が滅びの始まりとなったということになる。
 その辺のことを御前様は全て分かった上で行動しているらしい。
 怒りの矢を引き出す術を開発したことで用済みとなったサンダールはサーガインによって殺害されてしまった。腹に一物持っていることはあきらか。
<シノビマシンは朧によって修理を受けているのだが、朧がやってるのは机に座ってパソコンのキーボード叩いてるだけ。直してるのは他の人だよな。
 嘆きの弓を発動させるためには祈りが必要だと言うので、天雷旋風神に乗った全員で祈るのだが、メカに乗ってる必要あるか?
 怒りの矢のメダルを取るため旋風神から飛び出すハリケンレッド。タイムラグなしにコクピットからどうやって出た?
 ダメージを受けてふらふらのサーガインだが、サーガインの本体って顔にいる虫のような異星人だから、そんな人間のようなダメージは受けてないと思うんだが。>
第44話 御前様と凶扇獣

  脚本:宮下隼一
  監督:竹本 昇
 御館様の指令で怒りの矢は封印することとなった。それが可能なのは御前様だけとのことで、それを変装して御館様の所に行くことになったハリケンジャーの面々だが…
 敵は凶扇獣バドーギ災扇獣デザーギ。どちらもサンダールの扇に封じられた宇宙獣で、扇から出たらいきなり巨大化している。そして怒りの矢を巡って幹部連中が全員登場して戦っている。
 前回凄い力を見せた怒りの矢だが、それを封印するために活動するハリケンジャーの行動が描かれていくが、やはりその目的そのものは失敗。真の力が発揮される前に消えるとは考えられないからね。今回バドーギと戦うために怒りの矢を装着したが、矢の持つ負のエネルギーに旋風神が耐えられなくなってしまい、なんとかそのパワーを押さえ込みはしたが、隙を突かれて再び奪われてしまった。
 そしてその封印のため、ついに御館様が登場。これが最後のキーパーソンとなる。
 今回シュリケンジャーが変化したのは「超力戦隊オーレンジャー」星野吾郎 / オーレッド役の宍戸勝。蕎麦屋の出前のあんちゃんやってた。
<高校生に変装し、学ランとセーラー服姿のハリケンジャーの面々。どう観ても高校生って感じじゃ…>
第45話 隠れ家と大掃除

  脚本:前川 淳
  監督:中澤祥次郎
 「アレ」とは何なのか、御前様に尋ねるために庵を訪ねたハリケンジャー。だがそこいたのは一人の僧だけだった。
 敵は呪扇獣マドーギ。サンダールの扇に封じられたもう一体の宇宙獣。御前様が持つという嘆きの弓を探るために派遣された、等身大の宇宙獣。
 なかなか姿を見せない御前様と出会うために奮闘するハリケンジャーの姿をバンクと共に紹介するという、後半にしてはのんびりした雰囲気の話になってる。
 今回シュリケンジャーが化けた僧烈堂は大場健二。戦隊ものでは「バトルフィーバーJ」バトルケニアおよび「電子戦隊デンジマン」デンジブルーを演じている。あんパンを食ってるシーンがあるが、これは曙四郎の大好物だった。
<戦いの記憶からこれまでの物語を解説しているのだが、ハリケンジャーが知っているはずのない事実まで解説しているのだが、これは愛嬌の内か?>
第46話 おせちと三巨人

  脚本:前川 淳
  監督:中澤祥次郎
 正月を迎え、七海が作ったおせちを楽しむ面々。唯一箸を付けない御前様=覚羅の事が気になる七海。そんな時、ウェンディーヌが操るカラクリ巨人が現れる。
 敵はカラクリ巨人三体。メガタガメセクシー(本来はメガタガメMkIVだったが、ウェンディーヌが名付けた)、フラビジェンヌロボジャイアントムササビスタイル。どれも死ぬ前にサーガインが作ったマシンで、それぞれウェンディーヌ、フラビジェンヌ、サーガインが操縦する予定だった。
 正月特番で、七海のおせち料理についてだが、同時進行しているジャカンジャの不協和音の方がむしろ主軸な感じ。
 巨大戦では量産型シュリケンジンが登場。二体が旋風神、轟雷神に合体するのだが、そうなると分離してしまうのが七海のハリケンドルフィン。味噌っかす扱いされてるため、七海のドラマとして成立する。巧くはまった話だな。
<いくらすることが無いからと言って、戦いのさなかに基地まで戻ってくる七海。距離感ないなあ。>
第47話 封印と宇宙統一

  脚本:吉田 伸
  監督:諸田 敏
 サンダールの繰り出すデザーギに手も足も出ないハリケンジャー達。覚羅は今こそ宇宙統一忍者流奥義を究めねばならないと言うのだが、そのために必要な疾風流、迅雷流の奥義を五人は究めていなかった。
 敵は災扇獣デザーギ
 いよいよ最終回近く。敵の力はますます強大になっていき、そのために本当の究極奥義を得ていくという物語となる。覚羅が期待するほどの力を持っていなかったことから、一から修行のやり直しという、かなり時間のかかりそうな設定だが、最後半だけに、奥義はあっという間に習得できてしまう。と言うか、既に誰からも教わらなくても、これまでの戦いの中で極意は自然に身についていたということらしい。
 それで天雷旋風神は究極体へと進化。姿そのものは変わってないが、金色になるというお手軽な進化だった。
 一方覚羅の哀しい過去も語られる。嘆きの弓を封印されて500年も生きてきたが、悲しみの感情を持つと力を失ってしまうため、どんなに悲しくても悲しめないというのが最高の哀しみとされている。
<覚羅と共に生きてきたという木が燃やされてしまうのだが、それを見ている覚羅は採石場にいる。>
VOL.12
<A> <楽>
第48話 罠と永遠の命

  脚本:吉田 伸
  監督:諸田 敏
 覚羅の元で宇宙統一忍者流奥義を会得したメンバー。だが覚羅自身は別れの悲しみを味あわないよう、決して心を開こうとしなかった。そんな覚羅に悲しみの感情を与えるためサンダールは策を弄し、ハリケンジャー達の偽物に街を破壊させる。
 敵は呪扇獣マドーギ
 強いられた悲しい運命により、決して誰にも心を開かない御前様との関わりが中心となる。悲しみを味あわないために仲間との関わりを断つ御前様だが、どうしても仲間を捨ててはおけないという心の揺れにより、逆に危機を味わうことになる。幾重にも張られた罠に徐々に追い込まれることで、サンダールがこれまでの幹部とは違う事をはっきりと示してもいる。
 そしてついに、力を失った覚羅から嘆きの弓のメダルは奪い取られてしまった。これによって覚羅はこの世界から消え去り、宇宙統一流はあっけなく終わってしまう。
<サンダールの彼女になりたいというサタラクラは「男と男の間にも愛がある」とか言っている。かなり微妙な問題をさらっと言ってるわけだが、こども向きの番組でやって良いのかな?>
第49話 使命と天空忍者

  脚本:吉田 伸
  監督:諸田 敏
 サンダールによって御前様=覚羅は倒され、嘆きの弓と怒りの矢のメダルはどちらもジャカンジャのものとなってしまう。悲しむ暇はないとシュリケンジャーは自分の持つ忍術全てを五人に託そうとする。一方、予言により「アレ」を誕生させようとするタウ・ザント。
 敵は六の槍サタラクラ。
 御前様が死んだことにより、一気に形勢はジャカンジャ側に有利になった。これで「アレ」とはなんであるのかが分かったが、それは嘆きの弓と怒りの矢を持つ存在が自在に操る事が出来るブラックホールだとか。
 あくまで館長の推測ではあるがシュリケンジャーの過去が語られる。元々疾風流を将来負って立つほどの実力を持つ空忍だったとのこと。
 そんなシュリケンジャーが最後に戦うのがサタラクラ。サタラクラも又タウ・ザントによって捨て駒にされそうになったが、無理矢理パワーを引き出してタウ・ザントを裏切ろうとしたが、サンダールによって仮面を割られ、怒り狂って巨大化したところをシュリケンジンと相打ちとなる。
 覚羅に続きシュリケンジャーも退場。これで巨大戦では最強装備を装着することが出来なくなった。
第50話 暗黒と新世界

  脚本:宮下隼一
  監督:渡辺勝也
 シュリケンジャーが命と引き替えに残してくれたジャカンジャ城センティピードへのルートに従い、敵本拠地へと乗り込むハリケンジャーとゴウライジャー。だが時既に遅く、タウ・ザントは究極体への変身を終えていた。そしてそのタウ・ザント究極体は嘆きの弓と嘆きの矢を発動させてしまう。
 敵は七の槍サンダール
 ラストバトルの前に、タウ・ザントがその真の姿を現す。その姿は巨大なムカデだった。センティピードの周囲をとぐろを巻くように覆っていたもの自体が実はタウ・ザントの本体の一部だった。そのため真の姿を現した瞬間、センティピードは崩壊してしまった。
 タウ・ザントが「アレ」を発動させた途端にサンダールがタウザントの弱点の眉間を攻撃。「アレ」にタウ・ザントが飲み込まれてしまった。
 更にフラビージョとウェンディーヌは、タウ・ザントを裏切ったサンダールを言いくるめて一旦同盟を組むことに。事態はめまぐるしく変化するが、主人公達は全く蚊帳の外ってのが面白い。
 最後に今度はゴウライジャーがサンダールに対して特攻をかけ、自爆して相打ち。どんどん味方が減っていく。ここまで描いたのは戦隊では初めてだろう。
 尚、永木の弓と怒りの矢というのは「アレ」を呼び出すための通路を作るアイテムだったらしい。通路の向こうにある邪悪なる意思こそが「アレ」と呼ばれるもの。
<サンダールの戦いで「当たらなければどうと言うことは無い」という台詞が…おいおい。>
第51話 風と水と大地

  脚本:宮下隼一
  監督:渡辺勝也
 次々に仲間を失う中、「アレ」の通り道をふさぐため、嘆きの弓を手に最後の出撃を行うハリケンジャー。次元を越えた場所で三人が見たものとは…
 敵はタウ・ザント究極体。既にタウ・ザントとしての意識はなく、邪悪な意思によって動かされるだけの存在。そして邪悪なる意思。次元の向こう側に存在する意識だけの存在。更に復活した暗黒七本槍が全員登場。
 この次元と「アレ」の次元は嘆きの弓により怒りの矢を放つことでつながったり閉じたり出来る。怒りの矢はもうあちらの次元に行ってしまったので、まずは次元を通り越えて向こう側でそれを回収して撃たねばならない。
 そしてそれが成功した後、邪悪なる意思に操られた巨大タウ・ザント、復活した暗黒七本槍、そして等身大のタウ・ザントと、見所満載だが、テンポ良くさくさく進んでいく。
 最後は全員卒業式を迎えたが、入った飯屋でこれまでシュリケンジャーが化けた男達が大挙して登場というサービスもあり(全員では無いが)。さてシュリケンジャーは本当に死んだのだろうか?という洒落た落とし方だ。
<むこうの次元で矢を放って次元通路をふさいだのだが、何故か旋風神はこちらの次元に戻っている。何で戻れた?
 タウ・ザントは既に邪悪なる意思に乗っ取られていたので、最終的に敵首領と戦っていないと言う事になる。一切敵首領と戦わなかったというのは初めてなのでは?(「カーレンジャー」でも最初に戦ってはいる。
 最後に卒業式を迎え、「俺たちはOBだ」と言っている一甲。お前疾風流じゃ無いだろうに。>