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帰ってきたウルトラマン

帰ってきたウルトラマン事典
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1971'4'21-1972'3'31

 「ウルトラセブン」終了後、ウルトラシリーズから離れようと色々と努力をしていた円谷プロは、やはり売れ線のウルトラマンにもう一度帰ろうと、新しい企画として本作は制作された。折しも同年に東映より「仮面ライダー」が放映。本作と合わせて第二次怪獣ブームを形作っていくことになった。ウルトラマンシリーズも本作の成功により、この後3作が連続で作られていくことになる。
 当初本作は本当に「ウルトラマン」と同じウルトラマンが帰ってきたという設定だったらしいが、話が進むに連れ別人(?)としての性格を付けられるようになった。それが38話のウルトラマン、ウルトラセブンの客演という形で結実していったと思われる(ネーミングの問題がそれで起こってしまい、しばし「新マン」「帰マン」と呼ばれていたが、後年円谷プロは「ジャック」という名前を付けている)。
 本作は前半から中盤にかけ、大変ハードな話が展開されていた。特に初期のウルトラマンは結構弱く、怪獣に打ち負けてしまうこともしばしば。それを知恵と努力ではねのけて最後の勝利をもぎ取ると言う話が多く、それが一種の味となっていたのは事実。中盤になると万能武器ウルトラブレスレットの登場により、ウルトラマンの強さは増していくが、今度は社会問題を正面に見据えたドラマが展開するようになっていった。公害問題や差別問題など、様々な切り口で話を作っていったため、大変優れた話も生み出されている。
 私にとっても本作は思い出深い。実は私にとっての特撮とは、本作から始まったのだ。前半部分の弱いウルトラマンには涙を流したし、33話の「怪獣使いと少年」は長くトラウマになった話でもある。 

主な登場人物
郷秀樹 (役)団次郎(現団時朗)。本作がデビューとなり、以降主にテレビで数多くの番組に出演。
 坂田自動車工場で働きつつ、レーサーを夢見る青年だったが、怪獣の出現で子供と犬を助けるために重傷を負い、一旦死亡するが、ウルトラマンと同化することとなる。ウルトラマンは郷の命が危機に陥った時にしか出てこないため、任意に変身することが出来ない…はずなのだが、後半は平気で変身していた。
加藤勝一郎隊長 (役)塚本信夫。1960年代から主にテレビで活躍。特撮番組では他に「仮面ライダー(新)」および『仮面ライダースーパー1』の谷源太郎役が有名。1996'10'01永眠。
 MAT日本支部初代隊長。基本的に温厚な性格をしているが、隊員の命を預かっているため、規律には厳しい。宇宙ステーション隊長の梶とは親友であり、梶がベムスターによって殺されてからは宇宙ステーションに転任する。
伊吹竜隊長 (役)根上淳。戦後から数々の映画に出演してきた大ベテラン。ペギー葉山の旦那でもある。2005'10'24永眠。
 宇宙ステーションに出向した加藤隊長の代わりにMATニューヨーク支部から転任してきた二代目隊長。かつての加藤の上官。能力は高いが、やや激情家で、隊員をびしびし鍛える。
南猛隊員 (役)池田駿介。「キカイダー01」主人公イチロー役、「正義のシンボル コンドールマン」などで活躍。
 MAT隊員。MATの中ではかなり温厚な性格で、よきまとめ役。特に孤立しがちな郷をよく庇う。子供の頃はいじめられっ子だったらしく、苛められている子供を見ると我慢できなくなる。
岸田文夫隊員 (役)西田健。「宇宙刑事ギャバン」のサンドルバ役で知られるが、近年「忍風戦隊ハリケンジャー」の日向無限斎役で久々の特撮に姿を現してくれた。
 MAT隊員で岸田長官の甥。冷静沈着で、常にデータを元に怪獣を分析するまでは攻撃を控えるように助言するのだが、熱血漢の郷とはよく衝突する。軍人の父親は戦時中イエローガスを開発してしまったため、その苦悩の末自殺してしまったという。様々な事件をこなす内、性格は丸くなっていったようだ。
上野一平隊員 (役)三井亘。出演で知られているのは本作のみ。
 MAT隊員。気の良い人間で、郷とは結構仲が良いが、いざ怪獣を前にすると持ち前の熱血が郷と反発する事も多い。射撃の名手で、時としてそれが自信過剰となることもあり。性格は結構ずぼらな部分があり。MATのムードメーカーでもある。
丘ユリ子隊員 (役)桂木美加。
 MATの紅一点。主にオペレーター担当だが、剣道の腕前はMAT一。アイデアウーマンでもあり、35話ではプリズ魔を破壊するアイディアを出す。47話でフェミゴンに乗り移られて怪獣化もしてる。
坂田健 (役)岸田森。「怪奇大作戦」で中心人物となっていた牧史郎役で知られる。本作では朱川審というペンネームで脚本にも参加している。
 坂田自動車工場のオーナーで、郷は彼の下で働いていた。元カーレーサーだが、大怪我をして、自らレースに出ることは断念したが、郷をレーサーにしようとしごいていたのだが、加藤隊長のたっての申し出で郷をMATに貸し出す。郷の良き兄貴分だったのだが、37話でナックル星人に殺されてしまう。
坂田次郎 (役)川口秀樹。他に「仮面ライダーV3」の珠シゲル少年役。
 坂田兄妹の末っ子。郷のことが大好きで、尊敬しているが、現代っ子の側面も持っている。兄の健と姉のアキをナックル星人に殺されてしまうが、気丈に生き続け、最後には郷から正体を教えられ、五つの誓いを唱えながら郷=ウルトラマンを見送った。
坂田アキ (役)榊原るみ。本作の他、「ロボット8ちゃん」の母ちゃん役。ちなみにこの番組では団二朗も出演している。
 坂田兄姉の長女で郷の恋人。1話で胸に十字架を付けていたことから、カトリック信者らしい。兄の健共々ナックル星人によって殺されてしまう。
村野ルミ子 (役)岩崎和子。
 ナックル星人との戦い以降、郷と次郎が住むようになったマンションのお隣に住む女子大生。アキに代わり、次郎の姉代わりになっていた。最終回では郷との結婚式も挙げてる(夢落ちだったが)
岸田防衛庁長官 (役)藤田進。戦中の映画スターで、代表作は黒澤明監督の『姿三四郎』の三四郎役。お堅い軍人がよく似合う人物。
 日本のMATの統率者で、岸田隊員の伯父に当たる人物。小を殺して大を生かすことをモットーとしているようで、怪獣退治のためには甚大な被害も顧みないこともあり。MATの解散勧告を行うこともある。
話数 タイトル コメント DVD
第1話 怪獣総進撃

  監督:本多猪四郎
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 世界各地に異変が起こり、それに呼応するかのように各地で怪獣が出現。町を襲うようになった。そして東京にもタッコング、ザザーンの二体の怪獣が現れ、勝鬨橋が破壊されてしまった。勝ち残った怪獣タッコングに対しMATが出動するが、その破壊行動を受け、地元の自動車工場の工員であった郷秀樹は自動車工場の子次郎と置き去りにされた犬を助けるために瓦礫の下敷きになってしまう。医師の手当てむなしく若い命を散らした郷だったが、その枕元に現れたのは…
 敵はオイル怪獣タッコングヘドロ怪獣ザザーン凶暴怪獣アーストロンの都合三体。大サービスぶりを見せてくれる。尤もザザーンはタッコングとの戦いの中、あっけなく倒されてしまうけど。その後、海に逃げたタッコングの後を追うように、今度は山からアーストロンが現れる。今回戦うアーストロンはゴジラタイプのオーソドックスな怪獣で頭の一本角が特徴。ウルトラマンとの格闘シーンは大迫力。最後はスペシウム光線を受けて角が破壊されて絶命。
 「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の後、円谷プロはしばしウルトラマンの製作を中断していたが、ここから新シリーズ(第二期ウルトラマンとも言われる)が始まった。今回はウルトラマンの誕生が描かれる話で、以降のシリーズを通して定番とも言える“命をかけて人の命を守ろうとした人間がスカウトされることが描かれている。
 冒頭からいきなりタッコングとザザーンのバトルで、町が存分に破壊され、その後のアーストロン出現で山が焼ける。特撮の力の入れ方はものすごく、演出の良さも相まって大変格好良い。
<生き返った後、いきなりMATにスカウトされてしまう郷。その理由として、加藤隊長は「フェニックスのように蘇えった不屈の精神力と肉体」とか言っていたが、民間人がこう簡単に入隊できるところを見ると、MATは慢性的な人手不足なのか?
 アーストロンの出現と共に、内なるウルトラマンの声が響き、現場に向かった郷は、ウルトラマンとなった後、川の岸辺に倒れてしまった。それを見た加藤隊長は、いきなり「今日からMATの一員となる郷秀樹君だ」と紹介する…おいおい。
 最初にウルトラマンの強さを見せつけるか?と思ったら、僅かに一分弱でカラータイマーが点滅してしまった。>
VOL.1
<A> <楽>
第2話 タッコングの大逆襲

  監督:本多猪四郎
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 ウルトラマンと同化することによって、飛躍的に運動能力が上がった郷は、並み居る隊員の前で、剣道、柔道、射撃などに実力を発揮する。そんな時、東京湾に消えたタッコングが再び現れたとの情報を得たMATは出撃。東京湾の海底に潜むタッコングに対し、潜水艦MATサブによる攻撃を加えようとする。郷は率先してMATサブへと乗り込むのだが…
 敵はタッコング。1話目にも登場していたが、ここでも東京湾に潜み、プラントを襲っていた。
 本作が前の「ウルトラマン」「ウルトラセブン」と大きく違っている事を印象づけた話。郷はウルトラマンと同化しているが、自分の意志で変身することが出来ず本当の命の危機に陥った時のみ現れるため、郷本人が慢心を起こすと、自分のみならず、他人の命を危険に陥れることになってしまう。だからこそ、郷が人間として成長する姿がここで描かれるようになる。2話にしてそれがしっかり描かれていた。そんな郷を厳しく、そして優しく見守る周りの人々…人間の成長とは、見守る人がいて初めてなされるものだ。ちゃんと最後はフォローも入ってるところが心憎い。良い作品だ。
 今回はコンビナートで必死に人命救助を行っていた郷が火に巻かれた時にウルトラマンが登場する。
<腕を怪我し、それでもコンビナート地下に閉じこめられている職員を助け出そうとする南隊員。しかし、その姿は全く怪我してるようには見えない上に、周りの人がばたばたと酸素不足で倒れる中、一人元気で活動してる。
 それで、地下に閉じこめられているのは五人くらいいるのだが、郷以外だれも助けに来てない描写もなんだな。で、ウルトラマンに変身した途端、全員助かっている…が、これは助けたシーンを敢えて撮らなかったと言うことで理由がつくか。
 石油コンビナートでスペシウム光線を放ち、タッコングを爆発させるウルトラマン…危険すぎる。>
第3話 恐怖の怪獣魔境

  監督:筧 正典
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 魔の山と称される霧の深い霧吹山をアローで偵察中の郷は怪獣が出たと主張するが、同乗していた上野は見間違いだと主張する。たまたまその時城南大学の学生が滑落したとの情報もあって、再度パトロールを行う事になるのだが…
 敵は岩石怪獣サドラー地底怪獣デットン。サドラーのデザインはオーソドックスな怪獣だが、とんがった顔とハサミ状の手で、大変有名な怪獣の一体。霧吹山の怪獣の正体。デットンと共同してウルトラマンと戦うが、ウルトラスラッシュで首を落とされてしまう。そしてもう一体がデットン。「ウルトラマン」のテレスドンによく似た怪獣。実は同じ着ぐるみだが、劣化が激しかったためにこうなってしまったらしい。スペシウム光線で倒されるが、完全に爆発。最初二体が戦っていたが、ウルトラマンが出てきたため、共闘してウルトラマンと戦う。
 隊長の役割というのは大変重いらしい。隊員同士のわだかまりを消し去るためには敢えて単身危険地帯へと乗り込むこともあるらしい。しかしこのシリーズは郷が他の隊員から孤立するシーンが多い。正義感は溢れていても、協調性がないと言う致命的部分を持っているのも、時代を表しているようだ。
 尤も、全体を通してみると、ちょっと無理が多い展開だったかな?
 今回は岩に挟まって動けない郷がサドラーとデットンに襲われかけた時にウルトラマンが出現する。
<怪獣がいるかもしれないと再度パトロールを行うMAT隊員。アローが使えないからと言って、全員でロッククライミングすることも無かろうに。普通誰かを派遣するとかしない?よっぽど怪獣ってのは出ないのか、それとも趣味なのか?事実落石によって上野隊員は怪我してしまう。
 最初に滑落する二人の学生が在籍していたのは城南大学だそうだ。同年に始まった「仮面ライダー」の本郷猛が在籍する大学と同じ名前…スタッフのお遊びか?>
第4話 必殺!流星キック

  監督:筧 正典
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 突如現れた巨大怪獣が原発に向かっているとの報を受けたMATは早速出撃する。だが、意外な強さを発揮するその怪獣キングザウルス三世により郷の搭乗するアローは撃ち落とされ、出現したウルトラマンも、その角に刺されて撤退を余儀なくされる。
 敵は古代怪獣キングザウルス三世。四本脚の怪獣だが、攻撃力、防御力共に秀でており、ウルトラスラッシュ、スペシウム光線、シネラマショットまでもがバリアの前に全く通用せず。むしろウルトラマンの左足を傷つけるなど、大変な強さを誇る。しかし、その強さの全ては頭の角に集約されているため、角を折られると途端に弱くなる。スペシウム光線で倒される訳だが、断末魔で脚をひくひくさせる辺り、大変芸達者である。
 このシリーズがこれまでとはまるで違う事を如実に示した話で、特徴的に本シリーズのウルトラマンは“弱い”こと、それを跳ね返すために特訓が行われること、そして淡い恋物語も描かれると言うことなど。差別化を図るためか、色々考えているようだ。
 郷に対する恋心を隠さないアキは、山奥にある国連病院に入院した郷を見舞うため、わざわざ靴まで新調してるという健気さも見せている。
 後、かなり大胆なカメラアングルも特徴的。キングザウルス三世の顔を真正面から映し出すなど、巨大感をよく示していた。
 今回のウルトラマンは最初に郷の乗ったアローが落とされた時に登場。二度目は生身の身体のままキングザウルス三世に突っ込んだ郷が変身。
<最初のアローでの出撃時に、余裕を見せつけるようにVサインを出す郷。それであっけなく落とされてしまうのはあまりに情けない。
 最初にウルトラマンの敗北を見た加藤隊長は、直ぐさま隊員に郷の救出に向かわせる。まるで生きてることを知っていたかのようだ…と言うか、加藤隊長は奥が知れない人物だな。ところで最後に「ウルトラマンと我々マットとのチームワークの勝利だ」と言っているが、だったらもう少しMATに活躍させるべきだったのでは?更に「これで東京も停電せずに済んだ」などという発言を…えええ?原発の破壊ってその程度の問題なの?
 キングザウルス三世のバリアを跳び越えるために特訓を開始する郷。ウルトラマンと郷は別人格だから意味があるのか?と言う問題はともかく、ウルトラマンは空を飛べるんだから、その必要そのものが…
 二度目のキングザウルス三世とウルトラマンの対決は息詰まる対決となるが、時間に限りのあるウルトラマンは、何もしないうちにカラータイマーが点滅してしまう。>
第5話 二大怪獣東京を襲撃

  監督:富田義治
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 次郎は工事現場でアンモン貝の化石を見つける。その化石が付着した物体がひょっとしたら怪獣の卵かも知れない。と当たりをつけた次郎は早速MATに通報するが、やってきた岸田隊員はそれを単なる岩と断定する。だが居合わせた郷は、ウルトラマンの感覚でその中に不気味な鼓動を感じる。そんな時、第二採石場で怪獣が出現する。そしてそれに呼応するかのように、工事現場の石からもう一体の怪獣が出現するのだった。たまたまショッピングモールに買い物に行っていたアキはそれに巻き込まれてしまい…
 敵は地底怪獣グドン古代怪獣ツインテール。シリーズ中屈指のデザインを誇る二体の怪獣だ。グドンは体中にトゲがあり、両腕は鞭となっている。古代の文献によると、ツインテールを常食とし、東京にツインテールの卵が出てきたことでそれを追って都内にやってくる。一方ツインテールは顔が下にある特異なデザインを誇る。ツインテールと戦っていい加減パワー切れを起こしそうになったところでグドンまで登場。
 ここで岸田隊員の伯父である岸田長官が登場。大を生かすためには小を捨てることを辞さない冷徹な性格をしている。傍目にはいい加減な大人に見えてしまう一面も…
 本シリーズ中最高の出来と言われる前後編。本放送時、私は幼稚園児だったが、この作品が実は私の特撮好きの始まりだったと今では断言できる。今観直してみても、物語そのものも相当にハード。相性が悪いとはいえ、郷と岸田隊員との確執も描かれるし、MATが一枚岩でないことが示されるし、謹慎を受けた郷が、岸田長官の言葉に反発してMATを辞める!と息巻くシーンも見られる。それを「無責任だ」と諫める南隊員の言葉が又格好良い。それで子供っぽく反発する郷の姿も、なかなか。決して優等生ではないが、ちゃんと成長していく郷という青年の姿がここに現されている。
 今回は郷が出現したツインテールに突っ込んでいったところでウルトラマンが出現する。
<貝の付着した岩を見つけた次郎は早速それを怪獣の卵と言うのは子供らしい飛躍だが、岸田隊員はこの岩石を単なる石と断定。なんといきなりマットシュートで石を撃ってしまう。市街地でそんなことして良いのか?>
VOL.2
<A> <楽>
第6話 決戦!怪獣対マット

  監督:富田義治
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 ウルトラマンの前に立ちふさがったツインテールとグドン。既にカラータイマーが点滅しており、力の出せないウルトラマンは二大怪獣の攻撃を受け、ついに夕日を浴びて崩れ落ちてしまう。MM爆弾さえ通用しないグドンに東京決戦を指令する岸田長官だったが、重傷のアキを動かすことは出来ず、郷は苦悩する。そして加藤隊長が下した決断とは…
 敵はツインテールグドン。ツインテールはグドンの餌だが、なかなかしぶとく生き残っていた。グドンはMM爆弾さえ跳ね返すほどの堅い外殻を持つ。
 これを観ていた当時、話自体の重さもそうだが、無敵のウルトラマンが死んだ!と大きなショックを受けたものだ。実際は死んだ訳ではなく、更に既にキングザウルス三世でも敗れた描写があった訳だが、私の記憶に残るのは、やはりここで倒れてしまったウルトラマンの姿だった。当時、前回のラストで、絶体絶命の危機の演出がなされ、一体この二体の怪獣にどうやって勝つのだ?と思っていたが、本当に負けてしまうもんだから、その驚きはものすごかった。今観ても、当時の思いが蘇って鳥肌が立つほど。
 空襲の話をぽつぽつと喋る坂田健。この発言は重いな。更に廃墟と化した東京の描写まであり。太平洋戦争の傷跡はしっかりここにも残っていたんだな。
 岸田長官を憎々しげに演じる藤田進も上手い。ここでMAT不要論という言葉を口にしたが、それはつまりMATとは社会によって支えられた組織であると言うことでもある。世論によっては潰される危機もちゃんと持っていないといけない組織となっている。「ウルトラマン」「ウルトラセブン」にはなかった描写だ。
 しかも本作の特徴はウルトラマンだけでなく、MATがしっかりそのサポートを務めていたと言うこと。実質的にツインテールを倒したのはMATの攻撃あってこそだ。全員が砂だらけになって戦っているのがなんとも素晴らしい。二大怪獣同士の戦いも見応えあり。
 ウルトラマン全シリーズの中でも屈指の傑作の一つと、改めて確信。
 ここでのウルトラマンは前回同様ツインテールに郷が突っ込んで変身。
 ここで初めて夕陽の演出がなされる。帰ってきたウルトラマンと言えば夕陽。と言う構図はここから始まった。
<スパイナーを使用することが決まり、アキの病室に集まるMATの面々。お前ら他にやることはいくらでもあるだろ?なんで雁首揃えてここにいる?
 ツインテールとグドンの戦いをとりあえず静観していれば、グドンが生き残るから、それから戦えば良かった…というのは勝手な考えだな。人が苦しんでるのを一刻も早く癒やすことがウルトラマンの願いなんだから。
 今回のウルトラマンはカラータイマーの点滅が妙に遅い。ツインテールとグドンが戦っている間、傍観を決め込んで体力の消耗を抑えていたのだろうか?
 最後に病室のアキが空を見上げると笑った郷の顔がアップに…死んでないぞ(笑)>
第7話 怪獣レインボー作戦

  監督:本多猪四郎
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 郷は坂田兄弟に誘われてハイキングへとやってきた。しかし次郎の撮った郷とアキの写真には何故か怪獣らしきものが映されていた。その写真をMATが分析、直ぐさま現場に赴くが、怪獣らしきものは発見されずに終わる。
 敵は透明怪獣ゴルバゴス。保護色を用いる怪獣で、地獄谷に姿を潜めていた。MATのレインボー作戦によって姿を強制的に現らされ、ウルトラマンのスペシウム光線で倒される。岩石を固めたような姿をしているが、七色の塗料を吹き付けられ、大変カラフルになった。
 この回も郷とMATの主張の齟齬が描かれる話で、次郎を信じ怪獣がいると主張する郷は孤立するのだが、結局は郷の主張が正しいことが分かってくる。しかしMATの面々はみんな素直だ。間違っていたと分かったらすぐに謝ってるよ。実際、この話の主体はウルトラマンではなくMATの作戦だった。
 次郎少年が友人達と怪獣ごっこに興じ、それを撮影してる。子供の作った割にはかなり本式の特撮撮影だ。子供の頃が懐かしい。しかもそこに登場させているのはレッドキングとバラゴン。ウルトラシリーズでこれを出すとは、なかなかマニアックな。
 今回のウルトラマンはマットアロー1号で攻撃中の郷がゴルバゴスの攻撃を喰って墜落した所で登場。
<怪獣の気配には気づいていたのに、背後に現れた怪獣に全く気が付かない郷。ここでもウルトラマンの弱さがよく表れているようだ(?)
 長髪の若者達が山の中でキャンプしてギターとラジカセで踊ってる。しかも流れる曲はジャガーズ。時代だなあ(『ゴジラ対ヘドラ』(1971)っぽくもあるな。
 ところで今回登場した怪獣ゴルバゴスだが、実は単に谷に身を潜めていただけ。ちょっと人を脅すくらいで他に何にもしてないのだが、そんなものをボコるMATの方がむしろ悪者に見えてしまう。しかも逃げようとする所を、ウルトラマンは背中を撃ってるし…
 そのゴルバゴスだが、大変多くの火薬が用いられているらしく、着ぐるみが時折本当に火を出してたりする。中の人、大丈夫だったかな?>
第8話 怪獣時限爆弾

  監督:筧 正典
  脚本:田口成光
  特殊技術:高野宏一
 MATに怪獣が出たという連絡が入った。しかしモニタに映し出された怪獣は見た目たいへん情けなく、これは楽勝だと高をくくるMATの面々。早速岸田の開発したX弾のテストを行うことにしたのだが、郷の発射したX弾はなんと不発。実は郷はケアレスミスで発射ボタンではなく時限装置を発動させてしまっていたのだ。そしてX弾を尻尾にくっつけたまま、怪獣はなんとダイナマイト工場へ出現してしまう…
 敵は爆弾怪獣ゴーストロン。居眠りばかりしてる怪獣で決して強くはないのだが、郷が誤射したX弾を時限爆弾として尻尾にくっつけたままダイナマイト工場に現れてしまう。なんと工場を前にしてあぐらをかき、顔などをぽりぽり掻きながら眠ってる姿は、確かに強そうには見えない。
 なんだか話自体がトホホな出来だが、これも郷の慢心がなした業であり、いくら弱そうに見えたとしても、怪獣に対して緊張感を持続させるのが大切という、郷の成長物語に仕上がっているのが特徴。主人公が完璧ではないと言うのが、本作品の魅力とするなら、これこそ一番本作品らしい話とも言える。途中次郎君の話でマットの無力さをなじるシーンなどもあり。
 この作品もカメラアングルの凝り方が大変良く、暗いMAT本部の中で息詰まるシーンや、煽りを多用した人物描写が小気味良い。ウルトラマンとゴーストロンの戦いも、暗闇の中で(?)一瞬で勝負が決まる。まるでちゃんばらを見てるみたいだ…ただしこれはウルトラマンの頭の中で(笑)。その度ごとに工場が爆発してる訳だが…
 今回のウルトラマンはゴーストロンをおびき寄せようとジープを運転している郷がバンクで吹っ飛んだ際に登場。
<ゴーストロンを見かけたMATの面々は、弱そうなその姿に笑い顔を見せる。特に南なんかは「俺の田舎の牧場でも飼っておけそうだ」などと不謹慎な発言してる。
 ゴーストロンがダイナマイト工場前に現れ、あぐらを掻くのだが、その際ジャンプして空中で足を組んで尻から着陸という高度な真似をする。なんか「一休さん」の結跏趺坐みたいな…>
第9話 怪獣島SOS

  監督:本多猪四郎
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:高野宏一
 郷が申請した次郎の誕生日の休暇が潰れてしまったことを気の毒に思った南は郷の代わりにマットアロー2号でニューヨークへと向かう。無事モンスターソナーを受領した南だったが、帰りの飛行中暴風雨に遭い、無人島への不時着を余儀なくされる。そこにいた海底資源調査員の手伝いをすることになった南だが…
 敵は古代怪獣ダンガー。たてがみを持つ怪獣で、南太平洋上の洞窟で眠っていたが、火山活動で目覚める。ウルトラマンとの戦いでたてがみを全部もぎ取られた上でスペシウム光線を受けて死亡。
 南隊員が主人公の話で、こういう話が出来るから面白い。南隊員は特に郷に目をかけているので、その優しさがよく表れた話になっていた。しかし、優しさというのは自分自身を窮地に陥れるだけとも…
 他にMAT基地での航空機の整備も描かれていたが、事細かくそれが描かれるのが、マニアっぽくて良い。
<怪我が元で破傷風にかかってしまう南。しかし、その傷痕を見ただけでよく分かるね。その割に元気で動き回ってるけど。
 一分でも早く南の元に血清を届けねばならない。と言うことで、なんと燃料が碌々入ってないアローで出撃する郷。10分くらい待てよ。
 ハイビスカスをその辺に配置し、ここが南の島であることを強調する描写があるが、実はそれ以外の植生が北のものなんだよね。ススキとハイビスカスを一緒に置くのは失敗。中途半端だった。
 ダンガーを見かけて交戦するマットアロー1号だが、まだ2/3ほど残っていた燃料が一気に無くなってしまった。ダンガーに攻撃されて燃料タンクに穴でも開いたか?
 こんな南の島まで出張ってくるウルトラマンを見て、郷が危機に陥った時に限ってウルトラマンが現れることを南隊員はこれまでずーっと見ていた訳だ。よくそれに気が付かないでいるな…これは特撮における不文律ともいえるんだが。
 南隊員はウルトラマンが落としたものを破傷風の血清と看破するのだが、その後も元気で動き回ってる。血清ってそんなに早く効くのか?
 ツッコミじゃないけど、今回出てくるダンガーは機械仕掛けのティントイがあり、私が子供の頃、唯一買ってもらったウルトラマン関連のおもちゃだったことを思い出す。>
VOL.3
<A> <楽>
第10話 恐竜爆破指令

  監督:筧 正典
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 工事現場近くで吉本先生の指導で次郎の小学校が化石採集を行っていた。たまたまパトロール中の郷と南は偶然そこで恐竜の尻尾の化石らしきものを掘り当てた所を見てしまう。子供達の願い虚しくダイナマイトで破壊されようとする化石。だが、子供達に「ステゴン」と名付けられたその化石は破壊されることなく、逆に黄色い溶解液を出す。じつはこの化石は生きていたのだ。
 敵は化石怪獣ステゴン。後ろ足がぴんと立っている骨むき出しの怪獣で、造形的には大変ユニーク。道路工事現場から発掘された怪獣で、命名は小学生の子供達。眠っていた所をたたき起こされて攻撃されるんだから、一種可哀想な怪獣でもある。ストップ光線で硬直され、そのまま宇宙に運ばれる。
 基本的に人間に危害を与えない、ただ動き回るだけの怪獣を倒すべきなのかどうか?これは実は怪獣映画が始まって以来、目をそらしていた話だったのだが、敢えてここでやるのも本シリーズらしさ。しかも主人公が怪獣を倒すのに否定的というのもなかなかユニークな視点だった(今では珍しくないが)。
 今回は加藤隊長を助けようと単独ステゴンに向かっていた郷がウルトラマンに変身する。
<偶然世紀の大発見にぶち当たってしまう郷もそうだが、それでMATの命令で道路工事まで中止してしまう。MATはそんな権限まであるのか?…と思ったら案の定、工事はしっかり再開されてた。
 子供達がスライドを見ながら話している時、「レッドキングとどっちが強いのかな?」「あ、ラドンだ。ラドン対ゴジラ観たよ」「ツインテールの卵?」「キングギドラのだよ」「タッコングに決まってるだろ」など、子供の博識(?)が覗える発言が相次ぐ。ちなみに
『ラドン対ゴジラ』なる作品は私は未見だが、『三大怪獣 地球最大の決戦』の事を言ってるのかな?
 ステゴンの体液は人間を溶かすようだが、見事に服を除いて人間だけを綺麗に溶かしてしまう。一体どんな溶解液なんだ?その合成は「仮面ライダー」と較べると今ひとつ。
 ステゴンと戦うウルトラマンは、まるでお馬さんよろしく背に乗ってステゴンのお尻叩いてる。
 「ステゴンは、宇宙に行ったんだよ」と子供達に説明し、爽やかに笑う郷。いや、それは良いんだけど、それって遠回しに「宇宙に捨ててきたんだよ」と言ってないか?>
第11話 毒ガス怪獣出現

  監督:鍛冶 昇
  脚本:金城哲夫
  特殊技術:高野宏一
 MATの中でも堅物で知られる岸田は怪獣パトロール途中で帰ってきてしまった上野を叱責し、自分一人でパトロールを始めてしまう。そしてその岸田が見つけたものは、映画の撮影隊の死体の群れだった。そこに付着した黄色い粉を見た岸田の表情が曇る。それは実は戦時中に岸田の父が起こした事件を思わせるのだ…
 敵は毒ガス怪獣モグネズン。背中に棘のある割合スマートな怪獣。旧日本軍軍人だった岸田の父が開発したイエローガス弾を食べてしまったため、それをはき出すようになる。イエローガスで散々ウルトラマンを苦しめるが、マットアローが投下した可燃ガスをスペシウム光線で撃つことでガスを無効化し、最後は流星キックで倒れる(ちゃんと倒れた後で痙攣してるのが芸細やか)。
 これまでにも散々郷を叱ってきた岸田を中心とした話。堅物で人の失敗を許すことが出来ない性格をしていたが、それらは実は旧日本軍軍人だった父親の自殺が影を落としている事が分かる。隊員にスポットを当て、そのトラウマを描くというのは、このシリーズでは特徴的な話となってるが、こういう話も可能なのが特撮の面白さだ。冷静沈着を旨とする岸田がムキになってモグネズンに突っ込んでいくのは、他では見られない描写となっている。
 今回はモグネズンのはき出したイエローガスを吸ってしまい、瀕死状態に陥った郷を守るかのようにウルトラマンが登場。
<冒頭でパトロール途中で帰ってきてしまった上野を叱責する岸田。「MATはチームワークが大切だ」と言いつつ、上野を残し一人パトロールに出てしまう。あんたが一番チームワークを乱してる気がするよ。
 イエローガスで死んでる人達はみんな着物姿。ん?この時代だったら珍しくない?と思ったら、時代劇の撮影だったとは。なかなか凝った事するね…多分あの中には相当数のスタッフも混じっていたんだろう。
 宇宙でも活動できるウルトラマンがモグネズンのイエローガスに苦しめられる描写あり。地上にいる間は呼吸が必要なんだろうか?>
第12話 怪獣シュガロンの復讐

  監督:鍛冶 昇
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 三ヶ月に一度のMATの特別訓練中、立ち入り禁止区域に郷はうさぎを抱えた美しい娘をみかける。更にそこに現れた暴走族。彼らは娘を追い回すのだが、突然現れた怪獣に大怪我をしてしまう。それを知った加藤隊長は、その娘の捜索を郷に命じる。
 敵は音波怪獣シュガロン。体中がもこもこした肉球に覆われた怪獣で、結構可愛げな顔してるのだが、かなり凶暴。明言はされてないが、死んだ牛山画伯が娘の静香を守るために変身したものなのかも知れない。今回ウルトラマンは光線技を使用せず、頭突きをしたり投げっぱなしジャーマンをしたり。最後も手刀でシュガロンを倒してる。
 郷と一人の娘の心の交流を描いた作品で、結構リリカルな話に仕上がってる。割と殺伐とした話の多い本作品では結構珍しい話に仕上がっている。
 今回は静香を助けようと炎上する山小屋に入り込んだ郷が炎に蒔かれた瞬間にウルトラマンが登場する。
<特別訓練は女性である丘隊員まで動員するにしてはかなり過激。しかしそれを道端でやるものだから、民間人までもが入り込んでしまう。設定では実弾使ってるんだろ?ちょっと怖すぎる。
 MATの訓練で銃の訓練で標的にされるのはかつてウルトラマンに倒された怪獣達を絵に描いたものだが、それはレッドキング、ヒドラ、ジラース、テレスドンといった、旧「ウルトラマン」に倒された怪獣ばかり。この辺繋がりを持たせてるんだろうか?
<その訓練を邪魔する暴走族が登場するが(こんな事やったら絶対監獄行きだ)、ジージャンや背中のギターなど、時代性を感じさせるものばかり。それはそうと、暴走族のくせにみんなトライアルバイクに乗ってるのはどういう訳?オフロードのレース帰りか?
 町には住めないと山奥で一人住む静香は何故か綺麗な服を着て化粧までしてる。更に山小屋で重度の火傷を負ってるはずなのに、全身綺麗なまま…まあ、この辺は言わない方が良いんだろうけど。
 静香の記憶にある父の牛山画伯の姿は、えらく老けてる。なるほど。歳食って出来た娘だからこそ溺愛してたんだな。しかし、静香のリハビリで「立て、立つんだ」と叱責する姿を見てると、つい「ジョー!」と言いたくなるよなあ。>
第13話 津波怪獣の恐怖・東京大ピンチ

  監督:富田義治
  脚本:上原正三
  特殊技術:佐川和夫
 オーストラリアから宝石の原油を運んできた輸送船海神丸が突如沈没した。生還した高村はうわごとのように「シーモンス」と語るだけになってしまう。高村の娘洋子から、それはシーモンスという怪獣であり、それを怒らせると夫であるシーゴラスまでもが怒るとアドバイスされるのだが…
 敵は津波怪獣シーモンス。四本脚の怪獣。普段はおとなしいそうだが、海を渡り、ツノが光れば、何か恐ろしいことが怒るのだという。それで最後に雄である竜巻怪獣シーゴラスが登場し、二体で津波を起こす。
 本作にも傑作と言われる作品は多いが、前後編である本作もその一つとされる。確かに二体の怪獣の登場とか伝説とか、特撮の力の入りようとか、客演の小林昭二も含め、大変力が入っているのが分かる。そして何より本作の特徴は怪獣を否定すべき存在として捉えないMATの努力こそが一番の見所だろう。
 今回は東京が津波に襲われようとしていて、更に洋子が海岸に立っているのを見た郷が駆け寄ってきた所でウルトラマンに変身。
<海神丸の船長は小林昭二。これでシリーズ3作連続出場となるが、何故か「おやっさん」と呼ばれていたりする。狙ったの?
 今回のウルトラマンは怪獣と戦う前に終わってる。変身して津波を前に仁王立ち。それはそれで格好良いんだが、無表情なだけに、何を考えてるのか分からないというネックも。>
VOL.4
<A> <楽>
第14話 二大怪獣の恐怖・東京大龍巻

  監督:富田義治
  脚本:上原正三
  特殊技術:佐川和夫
 シーゴラスの引き起こした津波は東京を襲おうとしていた。その前に立ったウルトラマンは全てのエネルギーを使い、ウルトラバリヤーを張って東京を津波から救い、郷の姿に戻る。攻撃さえしなければおとなしいシーモンスはおそらく産卵のためにやってきたのではないか?と推測する郷。だが、自衛隊は湾岸に居座るシーモンスを問答無用で攻撃しようとしていた。
 敵は前回に続きシーゴラスシーモンス。シーモンスは産卵のために陸上にやってきたのであり、卵の殻を作るために宝石を狙い、船を襲ったことが分かる。二体の怪獣がツノを光らせることで天変地異を起こすことが出来る。MATの開発したSP70によりシーゴラスのツノが折られて二匹とも海に退散する。
 この話も単純な怪獣退治ではないところがミソ。雌であるシーモンスを救うためにがんばるシーゴラスに感情移入させようと努力していることがうかがえる話となった。人間側が焦りまくってる前でじゃれ合ってるシーゴラスとシーモンスの描写など、なかなか面白いことをやってくれる。
 ウルトラマンが津波を防いだことを見て、たとえシーモンスを攻撃しても「いざという時、我々には正義の味方がついている」と言う発言が出てきたが、これは問題提起であろう。本作が単純なヒーロー作品にならない最大の理由だ。
 それにしても今回の特撮の力の入れようはどうだ。全編ほとんど映画並の迫力だし、怪獣プロレス部分もウルトラマンの大回転とか凄い動き。なるほどこの話が名作に数えられる訳だ。
<そう言えば、今回シーゴラスはウルトラマンに倒されることなく海に帰っていった。それがなんで「ウルトラマンタロウ」でタイラントになって復活しなければならないのだろう?
 心喪失していた高村を娘の洋子はシーゴラスとシーモンスの所に連れて行き、「お父さんが見たがっていたシーゴラスとシーモンスよ」と言っていたけど、少なくとも劇中では一度もそんなことは言ってなかった。>
第15話 怪獣少年の復讐

  監督:山際永三
  脚本:田口成光
  特殊技術:高野宏一
 最近次郎と仲良くなった少年加藤進は加藤隊長の甥御さんだった。その進少年から最近頻発する停電は何らかの秘密があり、加藤隊長がそれを隠していると告げるのだった。嘘ばかりつくその少年は実は四郎と言い、進になりすまして嘘ばかりついていたのだ。嘘がばれた四郎少年は郷に今夜怪獣が出ると叫ぶのだが…
 敵は吸電怪獣エレドータス。四本脚のカメ型の怪獣。普段は透明だが、電気を食べることでその姿を現す。口や尻尾から電気を出すのみならず、甲羅は帯電しており、なかなか近づくことが出来ない。アロー1号のナパームとウルトラマンのスペシウム光線の連携で倒される。
 嘘つき少年が中心の話で、その嘘に真剣につきあう郷が描かれる。こういったお茶の間から怪獣を見るような話は東映ものがお得意だが、このシリーズにもいくつかはこういう話もある。
 エレドータスの蹴り上げた貨車の下敷きになった郷がウルトラマンに変身する。
<しょうがいを持つ子供が登場するが、やっぱり時代か、今は使いにくくなった言葉が頻発してる。今更言っても仕方はないんだけど。
 郷がしょうがいを持つ他人四郎の頬を叩くシーンあり。今それをやったら懲戒免職ものだが、でも本来子供のしつけなんてもんはこうやって行うもんだとおもうのだが…「親父にだって殴られたことは…」(?)。逆に大人の方も謝ることで絆が出来ていくものだ。
第16話 大怪鳥テロチルスの謎

  監督:山際永三
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 若者がパーティを開いている船が何者かによって爆破された。更にその時、船をかすめて飛ぶ巨大な鳥の姿が見られる。犯人は松本三郎という青年である事が分かったが、三郎が爆破する前に実は船は沈められていたのだった。
 敵は始祖怪獣テロチルス。巨大な鳥の姿をした怪獣。雪状の糸を吐き、それが排気ガスと化合すると猛毒となる。
 前後編の話の前編。公害問題に直接言及したような作品で、社会性が大変高い話に仕上がっている。丁度スモッグ問題のまっただ中にあった状況がよく分かる話だ。
 恋愛物語がここまで絡んだ話も珍しい。これまでアキは郷の仕事熱心さをなじるばかりだったが、ここでは本当に嫉妬してる。そう言うのもなかなか珍しい。更に聞き分けのないアキの頬を張る郷の姿が…
 夏場に雪が降るという描写があり(実相寺監督へのオマージュか?)。それで夏であることを強調するかのようにみんな汗をかきまくってる描写あり。
 今回はテロチルスの住む山に登ろうとした郷がテロチルスの攻撃に遭い、落下した所をウルトラマンに変身する。
<あれ?郷がタバコ吸ってる。ヒーローの喫煙は自粛されるというか、避けられる傾向にあるが、これも珍しい描写だ。
 テロチルスが吐く煙が雪のようなものになるのだが、どうもその雪というのは巣のある悪島から出されたものらしい。だとしたら、それまで東京に雪が降らなかったのは何故?
 テロチルスの巣の付近に郷がいるのに躊躇無くアロー1号による攻撃を敢行する加藤隊長。郷が不死身だと信じてるんだろうか?加藤隊長を見てると、時折郷がウルトラマンだと言うことを知ってるかのような行動に出ることがある。>
第17話 怪鳥テロチルス・東京大空襲

  監督:山際永三
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 テロチルスに対し空中戦を挑んだウルトラマンだったが、そのスピードに翻弄され、逆にたたき落とされてしまう。東京では都心に出来たテロチルスの巣の除去作業が始まったのだが、一方では刑務所を脱走した松本三郎が復讐のため、由紀子と横川を殺そうとしていた…
 敵は前回に続きテロチルス。巣のある悪島が火山で潰れてしまう事を知り、東京に新しい巣を作ろうとやってきたことが発覚する。空中での戦いではウルトラマンさえ敵わない強さを見せる。
 空を飛ぶテロチルスの前にはウルトラマンも敵わず。当然その戦いのためにはMATの活躍が描かれることになる。尤も、この場合は純粋な怪獣退治にはならなかったけど。
 一方、由紀子と横川、三郎の三角関係もここで精算。純粋な愛憎劇をここまで前面に押し出した作品は大変珍しい。この辺東映っぽい演出だ。
 特撮関係にはこれも大変力が入っていたが、ただ、物語としてはどうか?空中戦ではウルトラマンはテロチルスに敵わないというのが前提にあるのに、普通に空中戦でテロチルスを倒してしまう。その過程が大切なんじゃないかな?
 今回は郷がテロチルスが巣を作ったビルに突入した際、ビルが崩れてウルトラマンが登場する。
<テロチルスが空中を飛ぶ際、どうしても吊り糸が見えてしまってる。
 由紀子は火山の近くに住んでいたので硫黄の臭いには敏感らしいが、田舎ではなまはげが登場してる。東北に活火山は無いんだけどなあ。
 ビルの中でウルトラマンに変身する郷。ビルはそれで随分崩れるはずだが、中にいた由紀子は何ともなかったみたい。
 ちなみにここで存在感出していた松本三郎を演じていたのは「アイアンキング」の主役静弦太郎役で知られる石橋正次だったりする。>
VOL.5
<A> <楽>
第18話 ウルトラセブン参上!

  監督:鍛冶 昇
  脚本:市川森一
  特殊技術:佐川和夫
 突如宇宙から飛来した怪獣によりマットステーションが破壊された。迎撃にあたるスペースアローとマットアロー2号だったが、怪獣は一切の攻撃が通用しなかった。そして地上に降下した怪獣ベムスター。郷はウルトラマンに変身して戦うのだが、ウルトラマンの攻撃でさえ、ベムスターは一切通用せず、それどころかスペシウム光線まで吸収してしまうのだった。その時、なすすべのないウルトラマンの前に現れたのは…
 敵は宇宙大怪獣ベムスター。これも本作を代表するデザインの良い怪獣。爆発したカニ星雲からはるばる地球にやってきた。ウルトラマンの攻撃さえ一切通用しないという極端な強さを見せつけた。結局ウルトラセブンから受け取ったウルトラブレスレットで全身を切断されてしまう。
 タイトルにもあるが、ここでウルトラセブンが登場。ここにおいてウルトラマンウルトラセブンがこの作品に密着している設定が作られた。この話こそ、以降のウルトラマン・サーガの始まりとも言える貴重な話でもある。
 単体の話にしても、緩急使い分けと、圧倒的な怪獣の力が堪能できる良作。“弱いウルトラマン”だからこそ出来た話とも言える。本作では初めて宇宙からの怪獣と戦った話でもある。
 ただし、本作によってウルトラブレスレットを手にしたウルトラマンはこれまでの“弱さ”が無くなってしまった。ここが本当に転換点の話となる。
 今回はベムスターに単独立ち向かう加藤隊長を助けるために郷がベムスターに向かって走っていき、ウルトラマンに変身。
<珍しく怪獣から避難する人々が映し出されている。幼児がパンツ丸見えで歩いてるんだけど、これもこの当時だから出来た話だろう。
 ウルトラマンは地上での活動は限られているが、宇宙に出ればその限りではない。しっかり地球に帰った時にはカラータイマーが青に戻っていた。
 珍しくウルトラマン自身が話しているシーンも見られるが、むしろ声は最小限に留めるべきだったような気もする。>
第19話 宇宙から来た透明怪獣

  監督:鍛冶 昇
  脚本:上原正三
  特殊技術:佐川和夫
 小学校で飼育係をしている次郎はウサギのピョンタが大のお気に入りで、いつか怪獣のように大きくなれと言い聞かせていた。そんな時、小学校の裏山に隕石が落下。調査に訪れたMATはこれが何の変哲もない隕石だと判断し、小学校の標本室に飾っていたのだが、突如その隕石が巨大化する。ピョンタを助けようとして大怪我を負ってしまった次郎は、そこに怪獣の影を見るのだが…
 敵は忍者怪獣サータン。ゾウのような長い鼻が特徴の怪獣。隕石に乗って飛来した怪獣だが、体が中性子で出来ており、透明になることが出来る上にあらゆるものをすり抜けるため、ウルトラマンの攻撃も受け付けない。ウルトラマンの眼光により正体を見破られて実体化させられた所をウルトラブレスレットでバラバラにされる。
 前回ウルトラセブンからウルトラブレスレットを受け取った割に、相変わらず弱いウルトラマン(笑)。しかしこれが本作の醍醐味であり、敵わない怪獣を倒すために郷が頑張る姿が良い。ただ、本作の場合はちょっと練りが足りないかな?
 今回はサータンに向かって走る郷の決意に応えたか、別段命の危機に陥ってないのにウルトラマンに変身した。
<人の頭ほどもある隕石が落下。しかし別段大きな被害もないまま学校の裏山に埋まっていた。あの大きさがあったら広範囲に東京は壊滅しているだろうし、ソニックブームも起きてない…と言うのは本シリーズではよくある描写だったりするが。
 サータンは東京で暴れ回っているが、その中には新宿駅の描写もあり。当時はこんな事が出来たんだな。東京の町中を実際にマットビハイクルが走ってる描写もある。
 根本的な話だが、もしサータンが全ての物質をすり抜けることが出来たら、当然重力で地球の中心に向かって墜ちていくだろう。>
第20話 怪獣は宇宙の流れ星

  監督:筧 正典
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:高野宏一
 熊沢渓谷の上空で次々と航空機の墜落事故が起きる。調査を命じられたMATは多角的に捜査を進めるが、そこには磁気の乱れがあることを突き止める。そして調査を進めるMATの前に現れる怪獣マグネドン。アローの攻撃によりマグネドンはバラバラにされるのだが、雷が落ちるとなんと復活してしまう。地球のエネルギーを取り込み、不死身となったマグネドンに、無力さを噛みしめるしかなかった。
 敵は磁力怪獣マグネドン。四本脚の巨大な怪獣で、電磁波を操ることが出来る。地球からそのエネルギーを得ており、地上にいる限りはほぼ不死身。ただし基本的に寝てるだけの怪獣だった。ウルトラブレスレットの力によって宇宙に出され、どこかの星でウルトラマンと戦って破壊された。
 子供のアイデアが怪獣退治の糸口になるという、フォーマットと呼べるような作品に仕上げられている。ちゃんと伏線があるのは物語としては正しい。
 熱血漢の郷は割と独断専行で、アイデアはいいが、失敗も多い。その結果自分が戦線離脱を余儀なくされることもしばしば。この話はそんな郷の姿をよく現している。既に新人っぽくはなくなってるけど。
 今回も特撮技術は凄い。合成と言い渓谷破壊のシーンといい、ダム決壊と言い、とにかく力が入りまくり。
 今回は初めてのことだが、郷が空高く手を掲げたらウルトラマンが出現した。
<レーザー砲を持ち、マグネドンに近づいた郷はマグネドンの尻尾の一振りで吹っ飛ばされてしまう。命の危機になったのに、ウルトラマンが出現しなかったようだが…
 マグネドンのパワーは地球そのもの。それを岸田隊員が佐竹参謀に語ったところ、「では、あの怪獣はマットの力にあまるというのか」と返される…あなたの頭の中ではMATは地球より強いのか?
 この話って、庵野秀明監督が好きそうだな。彼の作品にはこの話から出たとしか思えないような話が多い。
 マグネドンは地上では無敵なので、ウルトラマンはマグネドンを宇宙に連れて行った。その時点で地球の危機は回避されたのだが、それでもマグネドンを破壊したのは意地か?マグネドンと戦った惑星の描写はアルミホイルで作ったとしか思えないんだが。
 終わりにバラバラになったマグネドンの体が地上に降り注ぎ、それが流れ星になる描写あり。これが地上で再生したとかだったら話がますます面白くなったが…>
第21話 怪獣チャンネル

  監督:筧 正典
  脚本:市川森一
  特殊技術:高野宏一
 真夜中に世界中のテレビに突然旅客機が飛行しているのが映される。更にその旅客機は突如爆発してしまうのだった。一体その映像は本物なのか?そしてそれを映したのは何者なのか?それを突き止めるためにMATは調査を開始する。だが、原因不明の電波攻撃を受けるのだった。そして上空に現れる怪獣の姿が…
 敵は電波怪獣ビーコン。三つの目が特徴の怪獣で、空中飛行形態と地上形態が取れるのが特徴的。電波を操り、世界中のテレビに映像を送りつけることも可能。
 ビーコンは空中に浮かんでいるため、マットアローとの派手な空中戦が描写されるのだが、それが全国中継されて、お茶の間でMATとビーコンの戦いを観ている一般家庭の描写も挿入される。メロドラマを観ながら涙を流す主婦のアップが妙に多く、なんだかなあって感じの話。
 とはいえ、特撮関係においてはレベルは極めて高い。わざわざ下町に怪獣が現れるって描写は、怪獣の巨大感をこれ以上ないほどに映えさせていた。「ウルトラセブン」では多用されていたが、本作では珍しい。その分町の破壊などとても派手で、ビーコンに吹っ飛ばされたウルトラマンが家を破壊しながら倒れるなど、小気味が良い。更に吊りによって移動するビーコンの描写も良い。これって現在多用されるワイヤーアクションの先取りだ。そして勿論、本作を代表する“夕焼け”の描写も素晴らしい。最後に日没の町にすっくと立つウルトラマンの格好良いこと。
<日本全部の電波を止めるという豪快な作戦が展開されるが、それははっきり言って無理。アマチュア無線一件分の電波で済むはずなし。>
VOL.6
<A> <楽>
第22話 この怪獣は俺が殺る

  監督:山際永三
  脚本:市川森一
  特殊技術:高野宏一
 日々増え続ける都内のゴミの山。それらは夢の島へと集められている。その夢の島で怪獣が現れる。そしてそれに合わせるようにプラスチックが次々と腐食するという怪事件が勃発していた。MATは調査を開始したのだが、そんな時に夢の島に火災事件が勃発。新隊長である伊吹が着任する前にそれを処理しようとした郷だったが…
 敵はプラスチック怪獣ゴキネズラ。なんだか赤くて愛嬌ある顔つきが特徴(多分顔の部分だけを新造した着ぐるみの流用だろう)。プラスチックを食料として夢の島に現れる。ミサイルを口や手で受け止めたり、とんぼを切ってかわしたりと、大変身軽な怪獣。顔だけでなく行動も愛嬌がある。伊吹隊長のマットアローが発射したミサイルを口で受け止めた所を、スペシウム光線を食らって顔だけ大爆発。
 ゴミが怪獣を生むと考えるならば、これはもの凄い深刻な問題なんだが、物語自体は伊吹隊長の赴任の方に焦点が置かれている。
 かつてベムスターにより破壊されたMATステーションに加藤が着任することになった。その代わりにMAT体調として赴任してきたのが伊吹隊長。以降伊吹の指揮下でMATは活動を行うことになる。
 ゴキネズラは最初ニューヨークに現れ、その後夢の島へ移動…ひょっとしてこれって別個体なんじゃないか?
 今回、ゴキネズラによって握りつぶされたマットジャイロからウルトラマンが登場…これで郷が生きてるって他の隊員もよく思うよな。
<次郎が遊んでいたポリバケツは埋め立て地から持ってきたと言うこと。ちょっと待て。あの下町から埋め立て地まで一体どれだけ離れてると思ってるんだ?
 伊吹隊長は着任早々何も知らされずに夢の島の消火活動を行っていた郷を謹慎処分にしてしまう。何も知らされないのに、これは可哀想では?でも、ちゃんと命令違反を犯した郷のことを見て見ぬふりして庇ったりする。なんだかんだで良い上司だ。
 マットジャイロを握りつぶされた際、郷は右手を怪我し、それがウルトラマンにも影響するのだが、その割には両手使ってトンボ切ったりと、全然痛そうに見えなかったりする。>
第23話 暗黒怪獣星を吐け!

  監督:山際永三
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:高野宏一
 日本で皆既日食が起こった日。MATでも丘と郷が屋上で天体の神秘を眺めていた。そしていつの間にか屋上に現れる女性。彼女は「北斗七星が消えた」と謎めいたメッセージを残して消えてしまった。そして日食が終わると同時に落下してきた怪獣ザニカ。その怪獣に攻撃の意志なしと見た伊吹隊長は、ザニカは何かに追われて地球にやってきたのではないかと推測する。
 敵はカニ座怪獣ザニカ暗黒怪獣バキューモン。ザニカは文字通り蟹のような姿をした怪獣で、しかも蟹座からやってきたという、ベタベタな設定の怪獣。バキューモンは暗黒怪獣の異名を持ち、なんと星をも飲み込むほどの巨大なガス状怪獣。そしてカニ座が飲み込まれてしまったためにザニカは地球に逃げてきたのだと分かる。地球には生体が合わないために、地上にいるだけで泡吹いて苦しんでいる。
 丘隊員が中心となった珍しい話だが、話は決してリリカルなものにはならず、むしろ全特撮作品を通じても最もスケールのでかい話となった。何せ星を喰う怪獣が出てくるんだから。宇宙そのものの危機が描かれることになってる。
 今回はザニカに追われた郷隊員がウルトラマンに変身する。
<郷と丘が屋上で見かけた女性。劇中では「少女」と言われていたが、年齢的にそれは無理が…
 バキューモンはなんと星々を飲み込んで地球にやって来るというのだが、地上で見られる星というのは、たまたまそう言う配置に見えるだけで、星の一つ一つの場所はまるで違う。それを飲み込むバキューモンって、一体どういう怪獣なんだろう?しかも地上で見える星の光が消えるまでには場合には数万年もかかるのだが…設定そのものに無茶があるぞ。
 ザニカは生体が地球に合わないため、苦しみもだえているが、だったら宇宙にいたままの方が幸せだっただろうにね。
 ザニカの手をウルトラブレスレットで切り落としたウルトラマンは、ザニカは悪くないと判断し、地球に向かっているバキューモンを倒しに行くのだが、ザニカそのものを放っておいてる。宇宙に連れて行くとかなんかしろよ。
 バキューモンが星をはき出したら、元の場所に星が戻ってる…
 これも時代だけに「基地外」発言が次々と飛び交ってる。>
第24話 戦慄!マンション怪獣誕生

  監督:富田義治
  脚本:上原正三
  特殊技術:大木 淳
 信州の山奥に隕石が落下し、そこから小さな宇宙生物が発見される。その生物は無害そうに見えたが、危険性を鑑みたMATはそれを処理することに決定。処理場で破壊する。それを見学に来た次郎は友達の明夫を連れてくるのだが、明夫はその怪獣の破片を拾って自分のマンションの壁に貼り付けるのだが、今度はその破片は明夫の命令通り姿を変えていった。すっかり嬉しくなった明夫はどんどんその破片を怪獣っぽく変えていくのだが…
 敵はマンション怪獣キングストロン宇宙小怪獣クプクプという宇宙生物の破片を明夫少年がマンションに貼り付けた所、どんどん体が変化し、やがてカメのような甲羅と二歩のツノを持つ凶悪な怪獣へと変化する。キングストロンという名前は明夫の命名。弱点は背中に生えた角で、これを逆さにすると動けなくなってしまい、そこをウルトラブレスレットで倒される。
 私にとってリアルタイムに見ていたトラウマ作品第2弾。冒頭で無害そうな怪獣を破壊するシーンとか、本当のことを言ってるのに怖がった母から子供が家から追い出されるシーンなどは見ていた当時、凄く気持ち悪かった。精神的にこたえたんだろう。
 子供の無邪気さがシャレにならない事態に陥らせてしまうと言う話。実際子供にとっては怪獣を自分で作るなんて、夢の一つなんだよな。
 特撮は今回もクオリティ高し。特にマンションの狭い通路が破壊されるシーンや、川にたたき込まれるウルトラマンの姿、フィルムの逆回しによるキングストロンのスピーディな動きなど、相当な力が入っている。トランポリンアクションは今回も健在。ちなみにここから特撮で大木淳が入っているのも特筆すべき。
 今回マンションの倒壊に巻き込まれた郷がウルトラマンに変身する。
<危険かも知れない宇宙生物をまるで公開処刑のように、普通の広場で破壊するMATの面々。子供が見てるってのに、こんな残酷なことをするなんて…それで破片を持ち帰った明夫に対し、郷は「MATですら宇宙怪獣には警戒を重ねているんだ」と力説…説得力無いぞ。
 通報を受けてマンションにやってきた郷と岸田は容赦なく壁に描かれたキングストロンに対してマットシュートをぶっぱなしてる。良いのか?>
第25話 ふるさと地球を去る

  監督:富田義治
  脚本:市川森一
  特殊技術:大木 淳
 建設中の高級マンションを襲う地震。地震によって崩れた建材は上空に舞い上がり、宇宙に飛び去ってしまう。その瓦礫の行き先は銀河系第三惑星のザゴラス星だと言うことが分かる。
 敵は隕石怪獣ザゴラス。直立したサンショウウオのような姿をしている。有史以前にザゴラス星から飛来した隕石に付着していた微生物が巨大化したもの。
 南が中心となった話だが、子供のいじめが描かれる話。これは観てるだけで辛いが、その少年が強く成長していく話として仕上げられている。ただし、それまでいじめられっ子だった少年が武器を手にした時に怪獣にも立ち向かえるようになったが、怪獣を倒した後でも少年は銃を手放そうとしなかった。それを南隊員が押しとどめるというラストシーンはかなり重要で、「やられたらやり返せ」からもう一歩進み、過剰な暴力に溺れるな。という釘を刺す話とも鳴っている特徴がある。
 今回の特撮も大木淳が担当。最後はやっぱり夕陽で締められていた。
 今回相野村の地盤隆起に巻き込まれた郷がウルトラマンに変身する。
<特撮をパロディ化すると何故かよく出てくる大八車。なかなかこれが出ることがないのだが、ここでは珍しくもそれが出てくる。
 いくら自分の子供時代を思い出したからと言って、子供にマットガンを持たせる南。懲戒免職ものだ。
 南と六輔少年を助けるためにウルトラブレスレットを使ったウルトラマンは光線技を全く使わなかった。実はブレスレットに全てのパワーが奪われてるんじゃないのか?>
VOL.7
<A> <楽>
第26話 怪奇!殺人甲虫事件

  監督:筧 正典
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 都内で蒸発事件が頻発した。それと同時に奇妙な三本角カブトムシの目撃事件が続発するのだった。その甲虫を捕獲したMATは、それはレーザー光線を出して人間を蒸発させていた事を知る。だが、殺してしまおうとした甲虫は突如巨大化…
 敵は昆虫怪獣ノコギリン。もの凄いストレートなネーミングだが、そのものズバリで巨大なクワガタの怪獣。隕石に乗ってやってきた普通サイズの甲虫がスペースレーザーで撃たれて巨大化したもの。頭に付いたもう一つの角からレーザー光線を発射し、東京タワー(?)を倒してしまった。スペシウム光線も全く通用しなかったが、ブレスレットによるウルトラスパークとハンドビームの連携を受けて破壊される。
 お茶の間サイズの作品で、どっちかというと「仮面ライダー」っぽい物語が展開する。勿論最後はウルトラマンと戦わなければならないので、更にサイズは巨大化させることになる。
 今回は光学系の特撮が多用されているな。
 郷の乗ったマットジャイロが墜落してウルトラマンが出現。
<郷にもらったルージュを掃くアキだが、次郎が「鬼婆」と言うように塗りすぎ。そんな姿を弟に見せるなど、嗜みというのが足りない…今それを言ったら女性からリンチ受けそうだが…それに郷とのデートではルージュの色は薄いものになってた。
 郷とアキがデートで観ているのは『吸血男爵の森』という怪奇映画。ヒロインは確かに外人だが、その吸血男爵をやってるのが太った日本人というのがなんとも。妙に微笑ましいが、これって怖がるものなの?
第27話 この一発で地獄へ行け!

  監督:筧 正典
  脚本:上原正三
  特殊技術:高野宏一
 信州にある観音寺に突如現れた怪獣は巨大観音像の一体を手の回転ノコギリでまっぷたつにしてしまった。丁度そんな時、早朝マラソンをしていた郷は東三郎という青年と知り合う。東は郷がウルトラキックという技を出すのを偶然目にし、その教えを請うのだった。実は東には意中の人がおり、試合に勝ったらつきあいたいと言う。しかしその女性とは…
 敵は八つ切り怪獣グロンケン。両手と頭に回転ノコギリを付けた怪獣。信州にある観音寺の観音像を手のノコギリでまっぷたつにする。ブレスレットチョップで両手を落とされた上でウルトラスパークで首まで落とされ、最後に蹴りを入れられて体中バラバラに。
 偶然に偶然が重なる面白い話で、郷が知り合ったキックボクサー東三郎のお母さんがMATに通報した本人であったり、その東の意中の人が坂田アキだったとか…不思議な三角関係が描かれるのだが、この辺はさすが上原脚本。今回は人間関係が中心の話だったので、怪獣はとりあえず出しました。的な意味合いが強い。
 なんと「キックの鬼」こと沢村忠が客演。郷と手合わせして真空跳び膝蹴りを見舞うというサービスを見せる。ウルトラマン対グロンケンの戦いも話に合わせたか、キックボクシング的な戦い方をしてる。
 最後、郷から教わったウルトラキックを出さずに試合に負けてしまった東が「意地で負けることもあるさ」と言っていたが、アキの意中の人が郷だと分かったら、やっぱり出せなくなるんだろうね。精一杯の強がりだろうけど、それも又良し。
<グロンケンの頭の回転ノコギリは回転してないけど、これが回転するんだったら、脳味噌はどうなってるんだろう?
 奇妙なことだが、都内で怪獣が暴れ回っているのは見慣れていてなんとも思わないのだが、これが地方だと、下の人間は大丈夫だろうか?とか考えてしまう。昔松本に住んでたからからか?> 
第28話 ウルトラ特攻大作戦

  監督:山際永三
  脚本:実相寺昭雄
  特殊技術:佐川和夫
 突如小笠原起きに発生した台風が消え去ってしまった。その台風はタンカーを巻き上げ、山奥の町に落ちてしまった。人知を超えた出来事にMATが出動するが、その台風は日本各地に突然現れては消えるという事を繰り返すのだった。
 敵は台風怪獣バリケーン。クラゲのような姿をした怪獣で、腹に顔があるのが妙に不気味。頭部の傘部分を回転させることで台風を起こすことが出来、両手足から電撃を発する。更に腹の口はスペシウム光線をも吸収してしまう。最後は頭の回転に合わせてウルトラマンも同時に回転し、そのまま宇宙に運び来られてしまう。
 ここでは光化学スモッグに覆われてしまった東京の描写などもあって、社会的な関心が覗える話に仕上がった。怪獣出現によってスモッグが吹き払われるとは、ある種皮肉な話になってる。
 今回郷と組んだ岸田隊員は、これまでと較べ、随分丸くなったようだ。妙に郷に対して優しいし、大笑いまでしてる。更に伊吹隊長からも「郷にかぶれたか」と言われてしまう…郷が一体伊吹隊長にどう思われてるかよく分かるエピソードだ。
 今回アローに乗った仲間達の危機に郷は自分の意志でウルトラマンに変身する。
<バリケーンが出現したのを発見したのは、なんとオフで車を飛ばしていた郷本人。台風を見失うのはともかく、怪獣退治の専門家MATがそれまで全く気づかないというのは、ちょっと問題あり。
 今回も雨を降らせたり火を使ったり、ウルトラマンは泥だらけになったりと特撮部分は力が入ってるが、いくつかバンクシーンもあり。
 そう言えば初めてウルトラマンが戦っている際に郷の不在がなじられるシーンがあり。
 尚、坂田が開発したスタビライザーは後の話の伏線になっている。これがMATで制式採用された時…>
第29話 次郎くん怪獣に乗る

  監督:山際永三
  脚本:田口成光
  特殊技術:佐川和夫
 次郎は友達の良子の家から借りてきた大切な組木細工の箱を無くしてしまう。実はたまたまそれを見つけた郷が持って行ってしまったのだが、その郷が無人宇宙ステーション・ナンバー5にその箱を持って行ってしまった際、紛失してしまうのだった。しかしその直後忽然と消えてしまうナンバー5…
 敵はやどかり怪獣ヤドカリン。姿はネーミングの通りヤドカリで、その生態もヤドカリのものと同じらしく、宇宙ステーション・ナンバー5に寄生して地上に落下してしまう。ウルトラマンによってステーションナンバー5から引きずり出されると、不安らしく又ステーションに戻ろうとする。ウルトラランスで串刺しにされた上でスペシウム光線で破壊される。
 久々に郷の新人っぷりが発揮され、伊吹隊長から厳しく叱責される姿が見られる。MAT隊員としてもうベテランかと思われたが、伊吹に言わせるとまだまだのようだ。ついでに次郎君の情けなさも色々と。次郎の子供っぽい行動がかえって自分を傷つけることになる…まあ、こうやって傷つくことで分別を覚えていくもんだが。
 話としてはちょっとしたほのぼの系。暗いストーリーばかり出てくるのはなんなので、こう言うのも良しだろう。
 ここでも岸田が随分丸くなった姿が見られる。
<宇宙ステーションナンバー5が無いと報告する郷に、「燃料が無くなるまで探せ」と怒る伊吹隊長。無茶言う。
 そのナンバー5だが、大きさが場面毎に随分違ってる。
 特にこのシリーズで顕著なのは、宇宙から落下したものは大気圏摩擦を起こさずにそのまま落ちてしまうのだが、ここでも同じような事が起こってる。いくら何でもあの大きさのステーションが落ちて全く分からないってのは問題ないか?>

VOL.8
第30話 呪いの骨神オクスター

  監督:真船 禎
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:高野宏一
 坂田健と次郎の兄弟はハイキング中道に迷い、その山に住む老人の小屋に泊めてもらうことになる。たまたま同じく迷った民俗学者の先生も含め、一夜を小屋で明かすが、朝になるとその老人は山奥に牛の骨のようなものがたくさんあるので、それを見てくれるように頼むのだった。だが、禍々しいその骨を持って行くと祟りが起こるという老人の言葉を無視してその骨を街に持って行こうとする学者達。その時、突如として彼らの前に巨大な怪獣が現れた。
 敵は水牛怪獣オクスター。二本脚の怪獣だが、手はなく、牛に似た大きな顔と巨大な二本の角が特徴。あまり強そうには見えないが、水の中では無敵の強さを誇る。口から溶解液を吐き出し、あらゆるものを溶かしてしまう。坂田の推測によれば、これはかつてこの山で滅んだ水牛の一匹で、仲間の骨を守るために怪獣化したのではないかと言われる。ウルトラブレスレットで湖の水を干上がらせ、スペシウム光線とウルトラショットにより白骨化した。
 人間が溶かされる描写や、老人を絡め取った触手の描写、ウルトラマン対オクスターの水中決戦など、光学的な特撮が多用された話となった。
 民俗学者として今回ゲスト出演したのは大泉滉。この人凄い個性を持っているので、話に華を添えてる。
 今回マットアローの危機を見た郷が湖に飛び込んだらウルトラマンが登場した。入水?
<ツッコミじゃないが、このオクスターのソフビフィギュアを子供の頃持ってた。これしか買ってくれなかったんだよな。しかし、なんで子供の頃の私はこれを欲しがったんだろう?
 オクスターの溶解液は人間が浴びると体だけ溶けるのだが、マットジャイロにかかると、金属も溶けてる。
 オクスターの棲む湖はウルトラマンでも背が立たないほどに深い。しかし、一旦水を干上がらせると、えらく浅い。
第31話 悪魔と天使の間に・・・

  監督:真船 禎
  脚本:市川森一
  特殊技術:高野宏一
 伊吹隊長の娘美奈子が友達の風間輝雄を連れてMATにやってきた。口が不自由ながらMATの大ファンという輝雄は、心話を使い、郷に話しかけてきた。実は彼はゼラン星人であり、ウルトラマン抹殺の使命を帯びて地球にやってきたのだ。憤った郷は輝雄を殴りつけるが、当然誰も郷を信じようとはしない。一人で戦うしかないと心を決めた郷だったが…
 敵は囮怪獣プルーマ宇宙怪人ゼラン星人。ゼラン星人は紫色の脳味噌むき出しの宇宙人で、風間輝雄という少年に身を扮して郷にプレッシャーを与える。実はその目的はウルトラブレスレットの遠隔操作だった。プルーマはゼラン星人に操られる怪獣で、大きな甲羅を背負ったカメに似た怪獣。見た目通り硬い甲羅が特徴でスペシウム光線を食らっても倒れず、ブレスレットのウルトラスパークによって首を落とされる。だが、実はウルトラマンに倒されることが前提で送り込まれてきたのであり、ブレスレットを使わせることがゼラン星人の目的だった。
 ここからいわゆる「11月シリーズ」と呼ばれる傑作群が始まる。その第一回である本作は人間の良心に関わる話。殺されることを予告され、しかも誰も助けがないという郷の苦悩が描かれる話で、子供の好意が地球とウルトラマンの危機を招くという、なかなかハードな内容の作品となった。素直で友達を大切にする子供が間違っていたというのは、話としてはかなり救いようがないが、これこそ脚本の市川森一の真骨頂と言えよう。子供を虐待する主人公なんて、普通描けないもんだよ。
 ウルトラブレスレットがウルトラマンを襲うのだが、もの凄く色々な形になってる。本当に万能アイテムなのだな。
 魚眼や煽りなど、カメラアングルが実に凝ってるのも特徴で、これもシリーズを象徴する良き作品だと言えよう。
 今回もウルトラマンは郷の意志で変身している。
<「私はいつもお前を信じてる」と郷に語りかける伊吹隊長。しかしその直後、輝雄が宇宙人だと主張する郷を「キチ●イ」呼ばわりするなど、なかなか彼のキャラが覗える話となっている…結局輝雄を殺したのは彼自身だったりするんだが。しかも最後は正しいことを娘に伝えてる。
 いくら宇宙人とは言っても、子供が血を垂らしながら歩き回る描写は精神に来るな。
 郷にプレッシャーを与えるために輝雄は心話で話しかけるのだが、そんなことしなければこの作戦は成功していただろうね。>
第32話 落日の決闘

  監督:大木 淳
  脚本:千束北男
  特殊技術:大木 淳
 竜神岳一帯に頻発する地震を調査するため、郷、南、上野の三隊員は一般人に扮して竜神岳付近の聞き込みに回ることにした。その村には野原太郎というイタズラ好きの少年がおり、いつも嘘ばかりついて村人を困らせていたが、実は太郎の本当の父親は村に開通したトンネルの落盤事故で死んでいたのだ。MATの話を聞き込んだ太郎は父の死は怪獣に関係があると思い、トンネルに向かう…
 敵は変幻怪獣キングマイマイ。蛾をモデルとする大変シャープな印象を持つ怪獣。幼虫と成虫の二つの形態を持ち、幼虫時はお尻からガスを出し、成虫になると口から粘液を出す。ウルトラマンに背中の羽根を結ばれて倒れるが、それは死んだふり。その後ウルトラブレスレットを口に放り込まれて爆発させられる。
 設定は暗いが妙にコミカルな演出がなされた話。太郎少年がついた嘘で車が階段を上ってみたり、一般人に扮した三隊員がモロに外した格好してるとか。更に怪獣との戦いは真っ赤な夕陽に照らされて…監督を務める大木淳の趣味に溢れた作品といえよう。時折こう言うのがあってこそウルトラマンだよ。
 この話の設定は決して明るくは無い。太郎少年は実は孤児で、父を落盤事故で亡くしていて、それを知っているが、知らぬふりを続けていくストレスが人を騙したり暴力的になったりという歪みとして出てきている。だからこそ洞窟で父の変わり果てた姿を見て、その埋葬を済ますことで一つの成長を果たすという物語にもなっているのだ。
 今回太郎と共に鍾乳洞に閉じこめられた郷が自らの意志でウルトラマンに変身。最初は等身大に変身し、太郎を無事トンネルから逃がした後で巨大化する。
<一般人に扮した上野隊員の姿はモロにヒッピー風。「怪しまれないように」と言っている伊吹隊長の言葉を聞いてたのだろうか?更に上野は道に迷ってふらふらになった上に、キングマイマイの一撃を受けて空を飛ぶ…おいおい。
 地震の頻度を調べている南は、ハイカーの格好して、キャンプ暮らししてるようだ。それにしてはテントがちゃんと張ってないみたいだけど。
 キングマイマイの初登場シーンとか戦いのシーンは何故か「ちゃんちゃちゃんちゃちゃんちゃちゃん」という妙に明るい音楽が奏でられる。更にその攻撃方法はお尻からガスを出すというもので、四つんばいになってお尻をMATに向ける。良いのかなあ。こんな演出して。
 あらかじめ太郎のことを聞いていたとはいえ、初めて出会った少年を「太郎君だね?」と聞き返す郷。勘が良いのか、単純にご都合主義なのか…
 キングマイマイの死んだふりに見事騙されるウルトラマン。やっぱり生きものを手にかけるのをためらったのだろうが、この程度で騙されるとは、なんとも人(?)が良い。
 ブレスレットを怪獣の口に放り込んで腹の中で爆発させるって今回の倒し方は「必殺からくり人」の仕掛けの天平というキャラがやってたやつだ。この放映は4年後だから、これからヒントを得たか?>
第33話 怪獣使いと少年

  監督:東條昭平
  脚本:上原正三
  特殊技術:大木 淳
 黙々と空き地で穴を掘り続ける少年がいた。佐久間良というこの少年、両親と死に別れ、しかも宇宙人と噂されている曰く付きの少年だった。中学生の集団からいじめに遭い、最後は犬をけしかけられるが、なんとその犬は爆発してしまう。そんな少年を静かに見守る老人と謎の虚無僧…町の人は気味悪がって少年に食べ物を売ってくれる所もなくなってしまった。そしてついに町の人からリンチを受けそうになる良。助けようとした郷までもがまきぞいを食ってしまう…
 敵は宇宙調査員メイツ星人古代魚怪獣ムルチ。メイツ星人はかつて地球の風土を調べるために地球にやってきたが、その際にムルチに襲われる少年を見て、少年を助け、念動力でムルチを封印していたという。地球の汚れた大気のために肉体はむしばまれ、余命幾ばくもなかった。そして町の人のリンチを受けて死亡。ムルチは古代魚をイメージしたつるっとした印象の怪獣で、このデザインも最高によい。メイツ星人の念動力で地中に封じられていたが、メイツ星人の死と共に復活する。炎を吐き、まるで老人の敵討ちのように工場地帯を火の海に変える。
 私の幼少時の最大のトラウマ作。子供をよってたかってリンチかける町の人とか、良少年のひねくれた性格とか、あまりに凄まじい作品だった。特に食べ物を踏みにじられ、死んでしまえとばかりに犬をけしかけられたりと、あまりと言えばあまりの描写だ。しかも最後は町の人から(警官も含め)集団リンチ…おいおい。それで最後、泣きながら一人黙々と河原を掘り続ける良…泣ける。本気で泣ける
 そして郷はここで初めてウルトラマンに変身するのをためらう。果たしてこれだけ残酷になれる人間を救うことが本当に正義なのか?そして何故このような人間を助けねばならないのだ?という葛藤の中で、ウルトラマンに変身する…このシーンが又格好良い。
 メイツ星人がどんどん弱っているのは地球の公害のため。「シロアリのように私の肉体を(蝕んでいく)」とはなんとも凄まじい台詞だ。直接公害問題に言及しているがこれだけではない。社会的弱者(ちなみに老人の名字は金山という)を、いわゆる普通の住民達がリンチして殺してしまうと言う、社会派的な意味合いを強く持つ作品だった。
 しかし、これが幼少時のトラウマになったのはよく分かるよ。こんなものを本当に良く作ったもんだ。
 今回伊吹隊長の檄により、人間を救う事を決意した郷は自らの意志でウルトラマンに変身する。雨の中で戦っているのも良い描写だ。
<何故かここでの伊吹隊長は虚無僧姿。意味は…無いような気がするんだが?で、ムルチが暴れている最中に郷の前に現れ、「町が大変な目に遭ってるんだぞ」と言うのだが、肝心のトップがこんな事をしてて良いのか?(加藤隊長に続き、伊吹隊長も郷の正体を知っていたというのなら話は別だが)
 良少年をリンチにかける町の人の中には警官の姿もあった(と言うか、金山老人を殺したのは警官のピストルだった)。公僕がこんな事をして良いのか?と言うか、こんな描写して良かったのか?>
VOL.9
<A> <楽>
第34話 許されざるいのち

  監督:山際永三
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:佐川和夫
 郷の旧友で生物学者の水野は動物でも植物でもない新しい生物を生み出す研究に没頭していた。アルファレオン電磁波を作り出した水野は卵から怪獣レオゴンを作り出してしまう。
 敵は合性怪獣レオゴン。トカゲとウツボカズラの合成怪獣で生物学者の水野が作り出した新種の生物。背中に背負ったウツボカズラから蔦を出すことが出来る。自分を作り出した水野を飲み込み、蔦でウルトラマンを苦しめるがウルトラスパークでバラバラにされてしまった。
 「ウルトラマン」の「謎の恐竜基地」に続く人間が作り出した怪獣の話。マッドサイエンティストものの定番で、その通り科学者は自分の作り出した怪獣を殺すことが出来ず、逆に殺されてしまう。しかし、コンプレックスの固まりで自分の研究に絶対的な自信を持つ水野の姿は、マッドサイエンティストの鏡だ。私はこういうキャラが大好きだ。
 自分の作り出した怪獣が憎い。だけど、これを殺してしまったら自分のアイデンティティが崩れる…この苦悩が又良いのよ。
 ちなみにこの話のストーリーコンセプトと怪獣デザインはなんと当時高校生だった小林晋一郎。後の『ゴジラVSビオランテ』(1989)の原案者である(ちなみに本業は歯医者さん)。20年後、まさか同じ植物と動物の合成怪獣が出来るとは思いもしなかっただろう。
 今回はレオゴンに飲み込まれた水野を追った郷が水の中でウルトラマンに変身する。
<すっかり事件がなりを潜め、たるみきってるMATの面々。その中で怒鳴り散らす伊吹隊長が妙に浮いてる。>
第35話 残酷!光怪獣プリズ魔

  監督:山際永三
  脚本:朱川 審
  特殊技術:佐川和夫
 一週間の間に世界各地の灯台が次々と消え去るという事件が起きていた。そして唯一救出された外国人が光の結晶に変わってしまう。その経路から、怪獣が灯台を破壊しつつ日本に近づいているのではないか?と推測する郷は坂田と共に独断で南洋に向かう…
 敵は光怪獣プリズ魔。怪獣と言うよりは意志を持った光そのものの結晶であり、南極の氷に封じられていたが、氷が溶け出すと共に活動を開始する。エネルギー源である光を求めて灯台を襲っていた。結晶化光線を用いてあらゆる物質を光に変えてしまう。硬い結晶そのもののため、ウルトラマンによる物理攻撃は一切通用しない。MATにより極限にまで冷却された後、小さくなったウルトラマンが内部からスペシウム光線を出すことで破壊される。ちなみに命名は次郎による。
 日常の出来事から怪獣の弱点を探すという、本シリーズで確立された物語が展開する。ここではプリズムの実験とか、ガラスのコップにお湯を入れたら壊れてしまったとか。…そう言えば似たような話が『エヴァンゲリオン』でも使用されていたな。
 文明社会がいかに光を必要としているかという、多少社会的な問題も出てくる。
 光を題材としたためか、鏡や虫眼鏡を使った演出が多用されており、オーロラなどの描写もあり。
 今回は変身は二回。最初は坂田を救うため郷が自らの意志で変身。二度目はプリズ魔を追い込んだ球場で。
<プリズ魔は本シリーズでは初の完全に人間外の形状を持った怪獣だが、同じく結晶型の怪獣である「ウルトラマン」のブルトンに似たような攻撃をする。ちょっと安易だったかな?
 プリズ魔をスタジアムに追い込んで冷却弾を撃ち込むブリザード作戦が展開されるのだが、隊員がスタジアムの中にいるのにそれを敢行するとは、なかなか凄まじいものが…
 ちなみにここでの脚本家「朱川審」は岸田森のペンネーム。だから今回坂田が大活躍するのだろう。>
第36話 夜を蹴ちらせ

  監督:筧 正典
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:佐川和夫
 池田山で怪電波が発信されたとの報を受けたMATは調査を開始。それが鈴村という一人の女性が発信源であることを突き止める。彼女を尾行する郷と岸田だったが、彼女は一つのお屋敷の中に消え去ってしまった。そしてその家で犠牲者が出る。それが宇宙人の仕業と睨んだMATは、今度は鈴村を捜し回るのだが…
 敵は吸血宇宙星人ドラキュラス。コウモリのような姿をした吸血怪獣。噛みつくことでウルトラマンのエネルギーも吸い取ることが出来る。狙いは全ての女性を殺してしまうことらしい。ウルトラブレスレットのウルトラクロスに差し貫かれて倒される。
 放映時はもう冬だが、怪談話が展開する。どちらかというと等身大ヒーローで使用されがちなネタで、特記する所の少ないストレートな話。
 全てが夜の戦いというのは本作では珍しいが、その分特撮班は苦労したっぽい。
<最初の尾行中の郷と岸田。他に誰もいない道で後ろをノロノロと走ってるからばれてるって。
 ドラキュラスの目的は全人類の抹殺で、それで女性を次々と殺しているそうだが、大変効率が悪そうだ。15人しか殺せなかったそうだし。
 ドラキュラスが仮に等身大だったら良いのだが、巨大化したまま鈴村みどりに化けるシーンあり。親を騙そうとしていたらしいが、なんぼなんでもその描写はなあ。何がしたかったんだろう?
 なんにでも変形できるウルトラブレスレットは今回十字架に変形する。やっぱりドラキュラと言ったらこれなんだろうか?>
第37話 ウルトラマン夕陽に死す

  監督:富田義治
  脚本:上原正三
  特殊技術:大木 淳
 坂田の考案したスタビライザーがMATで用いられることになり、郷は自分のことのように大喜びだった。だが、その背後で大きな野望が渦巻いていたのだ。郷秀樹がウルトラマンであることを知った宇宙電波研究所の所長はその情操を狙おうとしていたのだ。
 敵は再生ベムスターシーゴラス。そして暗殺宇宙人ナックル星人用心棒怪獣ブラックキング。ベムスターとシーゴラスはライブフィルムの使い回し。そして二体の怪獣によりウルトラマンの能力を研究したナックル星人により操られたブラックキングは、ショック醒めきれない圧倒的な力をもってウルトラマンを圧倒する。ストレートなデザインの怪獣だが、凶悪な目と一本角が特徴。
 暗い話で名作が多い本シリーズの中でも白眉と言えるのが本作。これまで家族同様につきあってきた坂田とアキの死という凄い話が展開する。坂田は自分の考案したスタビライザーがMATで使われることを喜び、アキは久々の郷とのデートで浮かれていた訳だから、更にそのショックは大きい。坂田はひき逃げで、アキは車から放り投げられ…
 シリーズを通してのバイプレイヤーの死。ウルトラマンシリーズでは初めての描写となった。そして最後はブラックキングとナックル星人の挟み撃ちにあい、ウルトラマンまでもが崩れ落ちてしまう。
 ウルトラマンと郷の情緒は一緒であり、郷の心理状況がウルトラマンにも影響することが本作で明らかにされる。
 今回の変身は2回。一回目は自分の意志で、二回目はビルから飛び降りることで変身する。
<ナックル星人は完全人間型の宇宙人だけにウルトラマンとの戦い方も本当にプロレスっぽい。だけど、殴ってないのが丸分かりだったりする。
 ナックル星人の宇宙船で運ばれるウルトラマン。その鎖は不自然に曲がったまま。重力無視?
 そう言えば昔、楳図かずおの描いた「ウルトラマン伝説」でナックル星人がウルトラ兄弟を抹殺しているのがあったが、なるほど確かにラスボスにふさわしい凶悪さだ。>
VOL.10
<A> <楽>
第38話 ウルトラの星光る時

  監督:富田義治
  脚本:上原正三
  特殊技術:大木 淳
 徹底的にウルトラマンの能力を調べ、更に坂田兄妹を殺すことで心の動揺を誘い、ついにウルトラマンの捕獲に成功した。ウルトラマンを捕らえたナックル星人は強力な電磁波をMAT基地にかけて出撃を出来無くさせた上で基地に通信を送り、12時間以内に降伏せよと通告する。12時間で反撃を強いられるMAT。そしてナックル星に運ばれ、処刑の時を待つウルトラマンの運命は…
 敵は前回に続きナックル星人ブラックキング。姿の描写で言えば、ナックル星人はもこもこのぬいぐるみ状の服を着てるので、妙に可愛げ。しかし攻撃は凶悪。
 ウルトラマンが捕らわれているため、前半はMATの活躍が描かれるのだが、彼らは直線的というか、ツメが甘いというか、あっけなくナックル星人に捕まってしまう。
 それで後半はウルトラマンを助けるためにやってくる旧ウルトラマンとウルトラセブンの描写があり。ちゃんとハヤタとダンは人間の姿で出るし(これが初めての競演になるな)、更にちゃんと「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の主題歌を流してくれるのは感涙ものだ。それで最後は「帰ってきたウルトラマン」の歌で締め、三人が一緒に飛行。これがここからレオまで続く新シリーズの醍醐味ってやつだ。
 ナックル星人とブラックキングを倒し、完勝に終わるのだが、坂田兄妹が新だという事実には違いなし。
 地球に戻った郷は自分の意志で変身する。
<前回全然ツッコミ所がなかったのに、今回は山ほど出てくる。
 ウルトラマンが倒され、郷がいなくなっているのに、MATの誰も郷のことを心配してないように見えるんだが。その後、伊吹隊長に完全棒読みで「カイジュウトノタタカイガオソロシクナリ、ソレデカクレテイタンダ」とか言われてるし…しかしこれって根本的な疑問では?
特殊な電磁波であらゆる通信が途絶したMAT基地にナックル星人は通信を送っている。まあ、これは電磁波を送ったのがナックル星人だから、特殊な周波数を知っているとも言えるが。
 ナックル星人に操られ、丘隊員を襲う南と上野。女性を襲う描写ってのは、どうもやばい描写に見えるんだけど。
 ハヤタとダンの夢のタッグが見られるのだが、ハヤタ役の黒部進、太ったね。
 ナックル星の宇宙船団が多数やってくるが、スペシウム光線一発で全機爆破。重力がないはずなのに全部下に落ちてる…は良いとしても、一体でこれだけウルトラマンを苦しめてるナックル星人なのに、あっけないものだ。
 次郎君、お兄ちゃんとお姉ちゃんを殺されてる割りには新キャラのルミ子と一緒にクリスマスパーティなんかやってる…まあ、彼なりに苦しみを乗り越えたと言うことにしておこう。>
第39話 20世紀の雪男

  監督:筧 正典
  脚本:田口成光
  特殊技術:真野田陽一
 新年早々人類学者の津村英夫と婚約者の片岡洋子は雪男の実在を証明すべく雪山奥深く分け入っていた。二人は雪男らしき影を見るのだが、津村は行方不明となり、洋子も遭難して保護される。洋子の証言を聞いてMATは雪男論争が始まってしまう。洋子を保護に行った郷と岸田だったが…
 敵は雪男星人バルダック星人。イカのような、鳥のような顔をした曰く言い難い姿の宇宙人。240年前に地球にやってきており、雪男の伝説となった。地上に残って、バルダック星の最接近を待っていた。口から出る冷却液は地上のあらゆるものを凍らせてしまう。ウルトラブレスレットによるウルトラ火輪によって溶けてしまった。
 冬の怪談シリーズと題した一連の作品の第一作。正月早々雪男という寒い話題を持ってくるとは、なんとも冒険の作品だ。町中が凍らされたりという描写もあって観てるだけで寒くなる。まとめ方は綺麗だったがすっきり終わらせすぎた幹事もする。
 今回はバルダック星人の冷却液で郷が凍ってしまい、倒れた所でウルトラマンが出現する。
<長野の奥地で雪男のことを「イエティ」と呼んでる。なかなかハイカラな呼称だが、やっぱり田舎だけに「イエテ」になってる。この辺は芸細かいな。
 この辺りから本シリーズの怪獣のデザインがちょっと変になっていく。今回のバルダック星人は、ちょっと情けなさ過ぎる感じ。
 雪山で郷と岸田の問答は「魔笛」のようだ。岸田自身がデータ第一主義を捨てて思いこみで発言してるように思える。
 実は洋子はルミ子の友人で、その関係から話が追求される。ちょっとご都合主義だな。
 無意味に体をくねらせて喋るバルダック星人。風貌と相まって不気味というより失笑ものだが。大体津村に一々説明しなければならないのか?
 巨大化したバルダック星人に対し、南はマットバズーカを撃つのだが、なんと小脇に抱えて撃ってる。いくら無反動と言っても無理だろ?
 巨大化したウルトラマンはいきなりバルダック星人にドロップキックをかますが、バルダック星人の顔がひしゃげてるぞ。よく無事だったな。>
第40話 まぼろしの雪女

  監督:筧 正典
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:真野田陽一
 長野で連続の失踪事件が起こっていた。その状況から超常現象により消されたと推測されたため、MATは郷らに待機を命じる。丁度その頃、ルミ子と次郎は冬山登山に行っていた。二人が泊まったカエデ荘では、一緒に泊まっていた若い夫婦が消えてしまう。連続事件に共通するのは、老人と娘がアベックを誘い出し、その後二人とも消えてしまうと言うものだった。その二人を追いかける郷だったが…
 敵は冷凍怪人ブラック星人雪女怪獣スノーゴン。ブラック星人は山小屋の管理人の老人になりすまし、若い男女を凍り付けにした上で母星である土星に連れ帰っていた。スノーゴンはブラック星人に操られる怪獣で、若い女性になりすましてアベックを氷付けにしていた。口から冷凍光線を吐き、ウルトラマンを凍らせてバラバラにしてしまう。再生したウルトラマンのウルトラディフェンダーにより自分のはき出した冷凍液を跳ね返されて凍らされた上で破壊される。
 冬の怪談シリーズ第二弾。今度は雪女伝説をベースにした作品となっている。
 ウルトラブレスレットの新しい能力である再生能力が発揮された。こんな能力があったらウルトラマンはまさに無敵だ。
 怪談話だけに照明の使い方とか、モロにそれっぽく作られているし、観てるだけで無茶苦茶寒そうだし、ウルトラマンがバラバラにされるという描写まである。ここまで徹底的にウルトラマンを殺したのは初めてのことで、ほとんどスナッフビデオ。次郎とルミ子の前にウルトラマンの頭が転がる描写まである。
 今回はスノーゴンによって凍らされた郷が命の危機を迎えてウルトラマンに変身する。
<ルミ子の部屋には二階があるみたいだが、ここってアパートだよね。こんな広いのは珍しいのでは?
 山小屋の管理人がおかしいと、山小屋の周りに展開する。どう見ても怪しげなんだけど。結局全員一緒にスノーゴンに凍らされてる。
 ブラック星人の母星はブラック星ではなく土星とのこと。その場合は土星人じゃないのかな?
 今回のウルトラマンの変身は次郎とルミ子が見守る中で行われているようだが、ばれてないの?
 ウルトラブレスレットの機能の一つウルトラディフェンダーは敵の攻撃を跳ね返すらしいが、スノーゴンの攻撃が終わってもずーっと冷凍光線を出し続けてる。増幅機能でもあるのか?
 スノーゴンを煽ってウルトラマンをバラバラにまでして勝ち誇るブラック星人だったが、スノーゴンが倒されたら一撃でお終い。あっけない。>
第41話 バルタン星人Jr.の復讐

  監督:佐伯孚治
  脚本:長坂秀佳
  特殊技術:佐川和夫
 ある夜次郎は不吉な夢を見る。亡くなった兄健の声で「流れ星に気をつけろ」というメッセージと、夜空に浮かぶバルタン星人のシルエット。死んだ人間が見えるはずはないと言う郷の態度に怒った次郎は、近くに住む友人のススムに連絡して様子を見てきてもらうことに。ところがススムは愛犬のコロと共に建築途中のビルで行方不明になってしまうのだった。
 敵は宇宙忍者バルタン星人Jr。これが全シリーズ通して4回目の登場となるのだが、造形は結構不細工。父の敵討ちのため地球にやってきた。次郎に兄の夢を見させて友人のススムをおびき出し、それを人質に取ることでMATをおびき出す。そしてロボット怪獣ビルガモ。バルタン星人に操られるロボットで、建築中のビルに偽装していた。これも造形はあんまり良くない。あんまり強くもないのだが、体の中にMATの隊員と次郎たちがいるために攻撃出来ない。
 本シリーズのマスコットキャラである次郎は事件を解決する糸口を見つけることも多いが、概ね今回のように邪魔することの方が多い。だからマスコットキャラなんだけど。
 久々にバルタン星人が登場。今回が4代目となるはずだが、「父」という言葉を使っているので、「ジュニア」の名称が付いているようだ。ただ、本人は戦わずにビルガモに戦わせるだけで、逃げる途中にスペシウム光線を撃たれて死んでしまう。ちょっと情けない。
 今回は郷がビルガモによって破壊されたビルの下敷きになってしまった郷がウルトラマンに変身する。
<MATガンでも傷を付けることが出来ないビルガモの体だったが、工事現場の作業員が杖で突っついただけでも崩れてしまう。どういう材質なんだ?
 次郎がビルの中に入った際、MAT全隊員が内部に突入してる。危険はみんなで一緒か?
 ビルガモの中から隊員が脱出する際、突然現れたルリ子さんが「ビルガモの体を動かしちゃ駄目!」と叫んでるけど、怪獣の名称から、今の状況まで全てを一瞬のうちに把握したのか?エスパー並みだ。
 バルタン星人Jrは最後に「勝負は1回の表を終わったばかりだ。必ずお前の命をもらいにくる」と不敵な言葉を語るのだが、その直後逃げ出してスペシウム光線で倒されてしまう。バルタン星人Jrにとっての勝負は1回表であっさりとついてしまったようだ。ウルトラマンはエネルギー切れなんだから、戦ったら勝てそうなのにね。>
VOL.11
<A> <楽>
第42話 富士に立つ怪獣

  監督:佐伯孚治
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:佐川和夫
 富士の裾野で頻発する自動車事故。ドライバーは一様にまっすぐは知ってるつもりが、何故か車線を越えてしまったという。事故は全て軽微なものだが、この事態を重く見たMATは調査を開始した。晴天の昼間、しかも富士山の頂上に笠雲がかかっている時に限られる事故。これは実は富士山頂にいる怪獣が光を曲げているためだと判明する。そしてMATの前に現れたストラ星人…
 敵は宇宙怪人ストラ星人。のっぺりした青い顔つきが特徴の宇宙人で、地球を別荘にするため(!)パラゴンを使って侵略しようとした。そして蜃気楼怪獣パラゴン。ストラ星人に操られる怪獣で、ぴんっと立った尻尾と突き出た背中に光源を保つのが特徴。太陽光を屈折させる能力を持つ。光りを屈折できるため、レーザー光も跳ね返す。ウルトラブレスレットにより太陽光線が曲げられなくなり、本当の姿を現した所でウルトラマンに八つ裂きにされて富士山火口で燃え尽きてしまう。
 これまでのシリーズを通し色々と怪獣や宇宙人が描写されたが、地球を別荘にするためにってのは初めてじゃないか?
 田舎の人が逃げまどう描写がここにもある。この作品はこれが多用されるのが特徴か。
 今回の特撮と言うか、爆発は凄く、本当に人間の至近距離で爆発してる。怪我人が出ないのが不思議だ。
 今回郷はなんとアローに攻撃されて変身する。
<パラゴンは太陽光を曲げると言う事実を指摘されながら「大丈夫だ」と言って突っ込む伊吹隊長のアロー。部下を信用しろよ。更にそれが蜃気楼だと分かっても、「俺は蜃気楼なんかには騙されないぞ」と攻撃し、結果的に大惨事を引き起こしてる。
 ところでミッション中に南が何かの瓶をあおってるけど、まさかウイスキーじゃないよね?
 富士山って活火山だっけ?>
第43話 魔人 月に吠える

  監督:筧 正典
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:真野田陽一
 MATの面々に押し出されるように久々の休暇を取った伊吹隊長は連れ合いと娘を連れ、連れ合いの実家である信州蓮根湖へと向かう。だが、そこには農民に化けたグロテス星人が既に張っていた。伊吹の連れ合いと娘を人質に取り、MATの即時解散と海底基地の破壊を命令するのだった。
 敵は発砲怪人グロテス星人。伊吹隊長の暗殺を目的とし、連れ合いの実家で伊吹を待っていた。伊吹の隙がないことを知ると、連れ合いと娘を人質に取る。「星人は涙を理解しない」とか言いつつ、地団駄を踏むなど大変人間的な行いをしてる。そして魔神怪獣コダイゴン。グロテス星人が蓮根神社の御神体を操って怪獣化させたもの。古代の武将像のような姿が特徴。石で出来ているため、ウルトラマンの攻撃も効かないが、グロテス星人が倒れることで元の御神体へと戻る。
 伊吹が中心となる話。MATの中で唯一の家族持ちなので、家族との関係が描かれる。いざとなれば地球防衛を優先する伊吹隊長の性格が良く出た話。
 今回は氷の張った湖が舞台だけに、ウルトラマンの戦いも見ているだけで寒くなってくる。
 今回グロテス星人の元へ向かう郷が自分の意志でウルトラマンに変身する。
<この辺になると怪獣とか宇宙人とかのデザインがどんどん悪くなっている。特にグロテス星人のデザインはちょっと悲しくなるほど。
 グロテス星人は伊吹隊長の命を奪うために地球に来たらしいが、連れ合いの実家で張ってるなど、なかなか効率の悪い待ち伏せの仕方をしてる。それに伊吹の抹殺を考えるなら、人質を取った時点で母親でも殺してしまえば効率良いんだけど。>
第44話 星空に愛をこめて

  監督:筧 正典
  脚本:田口成光
  特殊技術:真野田陽一
 岸田が開発していた遠距離レーダーが完成間近。心うきうきの岸田とパトロールに出かけた郷は炎を上げる車を発見。そこから一人の女性がはい出してきた。彼女を助け出した岸田はあかねという女性の美しさに心奪われてしまう。
 敵は宇宙牛人ケンタウルス星人。デザインの悪さで言えば随一。まるで「マカロニほうれん荘」のトシちゃんみたいな顔してる…しかしこれで女性のようだ。新開発のMATのレーダーを破壊するためあかねと言う女性になりすまし、岸田の前で事故を起こして救助される。しかし実は地球に愛着を持っており、ケンタウルス星を裏切って岸田を愛してしまう。そして燐光怪獣グラナダス。亀とヤドカリを合わせたような姿をした怪獣で、燐光を用いて鬼火を作り出す。ケンタウルス星人に操られてる怪獣のはずだが、肝心のケンタウルス星人が裏切ってしまったため、その抹殺に動く。あんまり強そうではないのだが、ウルトラマンの方に決め手が無く、結局ケンタウルス星人の自爆に巻き込まれて破壊される。
 岸田が中心の話。この人のエリートぶりはなりを潜め、純粋な愛情が描かれるのだが、悲恋に終わってしまう。思えばこの人が一番可哀想なキャラクタかもしれない…それでも中心となる話があるだけマシか。上野隊員なんて今まで一度も話の中心になったことがない。
 今回グラナダスの炎に撃たれた郷がウルトラマンに変身する。
<南の台詞「MATは現実的でなければ仕事なんて出来ない」…凄い矛盾のような気がする。
 あかねに振られてしまった岸田はほとんど自暴自棄になってマットビハイクルでグラナダスに特攻。らしくないというか…でもグラナダスに踏んづけられても軽傷で済んでるけど。頑丈な奴だ。
 どこにでも現れるルミ子と次郎。行く先々にMATの隊員がいるのは才能か?アキとは違い、ルミ子は郷が他の女性と一緒にいても嫉妬する訳でないが。
 そう言えばこの話が唯一ウルトラマンによって怪獣が倒されない話だったな。>
第45話 郷秀樹を暗殺せよ!

  監督:鍛冶 昇
  脚本:斎藤正夫
  特殊技術:佐川和夫
 町に現れた怪獣ロボネズと戦うウルトラマン。無事ロボネズを倒しはしたものの、戦いの際左手を噛まれてしまう。その傷は人間である郷にまで波及し、郷は鼠咬症にかかってしまう。そんな時、次郎のクラスに転校生エリカがやってきて、早速次郎と仲良しになる。だがエリカからもらった万年筆は大爆発を起こす。エリカが怪しいと睨んだ郷は尾行を開始するが…
 敵は鼠怪獣ロボネズ。ネーミング通り鼠のような姿をしたロボットで、オープニングで突然登場し、あっけなくウルトラマンに倒されてしまう。その際ウルトラマンの左手を咬んで郷を鼠咬症にしてしまう。ウルトラスパークを口に受け、ロボットの骨格だけになって壊れてしまう。そして電磁波怪人メシエ星雲人。頭でっかちな宇宙人で、デザインセンスは悪い。ロボネズを用いて郷を鼠咬症にし、更に白鳥座61番星人の女の子エリカを操り、郷を爆殺しようとする。失敗すると浜村医師を操り、郷に麻酔薬を射ち、その後燃やそうとする。郷が死んだと思いこみ、巨大化して暴れ回るが、復活したウルトラマンにあっさり倒されてしまう。
 メシエ星雲人による郷の暗殺計画が描かれる。それにしてもお粗末な侵略計画だ。以降はツッコミ部分で。
 今回は麻酔薬で動けなくなった郷に倉庫の荷物が落ちてきてウルトラマンに変身。
<ロボネズ、メシエ星雲人共にデザインは悪いが、特にロボネズはほとんどぬいぐるみと変わらず。骨になった際、ピアノ線が見える。
 郷を暗殺しようとしたメシエ星雲人は時限爆弾を仕込んだ万年筆を使うのだが、チクタクと時を刻む音が聞こえる…なんともレトロな時限爆弾だ。クォーツにしておけば絶対ばれないのに。
 メシエ星雲人は人間にカチューシャのようなバンドを付けることで人間を操るのだが、あんな見え見えの通信装置付けてばれないとでも思ったか?
 メシエ星雲人は医者の浜村を操り、郷に麻酔薬を注射させるが、なんで麻酔薬?それでメシエ星雲人が火で郷を燃やしてしまうが、死んだのを確認もせずに巨大化して暴れ回る。
 鼠咬症になった割りには郷は元気で活動してる。
 南から郷の安否を尋ねられた伊吹は、「大丈夫。あいつは不死身だよ」」と笑って答えてる。実際その通りなんだけど、確認もしてないでいい加減すぎない?
 アローにもピアノ線が見えたりと、今回の特撮部分はお粗末すぎ。>
VOL.12
<A> <楽>
第46話 この一撃に怒りをこめて

  監督:鍛冶 昇
  脚本:田口成光
  特殊技術:佐川和夫
 マットビハイクルでパトロール中、宇宙人が子供をビハイクルの前に突き落とすのを見かけた郷。直ぐさまその子トオルを助けるが、紙芝居の親父さんは郷がその子を跳ねたと主張する。その証言を重く見た伊吹隊長から謹慎を申しつけられてしまう。そんな時怪獣レッドキラーが現れる…
 敵は宇宙参謀ズール星人。昆虫の幼虫のような顔をした宇宙人で、紙芝居屋の親父さんに化けて郷をMATの任務から外させる。そしてブーメラン怪獣レッドキラー。両手がブーメランとなった怪獣で、むしろ「ウルトラマンエース」の超獣に近い姿をした怪獣。紙芝居の通りの行動をしてるのが特徴。ブレスレットムチでブーメランを取られ、そのブーメランで首を落とされた上に体をまっぷたつにされる。
 本シリーズも後半になると宇宙人が郷に的を絞って攻撃をかけてくるようになったが、ここでのズール星人は郷をMATの任務から外させてしまう。
 舞台は下町で、下町情緒に溢れた描写が展開し、レッドキラーの出現時には大八車を引いて避難する町民の姿が見られる。特撮部分もアニメーションを多用し、なかなか見所満載。
 今回レッドキラーのブーメランに飛び乗った郷がウルトラマンに変身する。別段こんな子とする必要もない気もするが…
<紙芝居を見ていた次郎が「大きくなったらMATに入る」と言っていた。実際はもうすぐMATは無くなりTACへとなるわけだが…
 別段MATにいなくても郷はウルトラマンに変身できる訳だから、ズール星人がやってきたことは完全な無駄のように思えるんだけど。
 MATの開発した新兵器スーパーカノンは原爆と同じ威力があるそうだが、実際にはレーザー兵器らしい。爆発はしない。
 紙芝居の親父さんがズール星人だと分かった郷は直ぐさま彼を撃とうとする。それを止める岸田に、「あれは宇宙人なんです」とか言ったら、岸田はすぐ「そうか」と…仲間を信用しすぎ。>
第47話 狙われた女

  監督:佐伯孚治
  脚本:石堂淑朗
  特殊技術:真野田陽一
 パトロール中の郷と南のアローが墜落した。丘のミスでその連絡が取れなかった事から伊吹隊長は丘が疲れていると判断し、一月の休暇を命じる。そんな時怪獣フェミゴンが現れる。無事MATの活躍で怪獣を撃退できたのだが、丘からの連絡が途絶えてしまった。
 敵はひとだま怪獣フェミゴン。龍のような姿をした珍しい造形の怪獣で、倒されてもすぐに復活する。実は本体は火の玉のような魂だけの存在で、丘に乗り移って変身していた。エネルギー基地を狙って出現し、炎を吐いて攻撃する。
 これまで基本的にサポート役ばかりだった丘が中心の話。これまでの「ウルトラマン」「ウルトラセブン」では女性隊員はかなり存在感があったのに、本作では結構追いやられている感じ。それで一本くらいやってみるか。と言うことなのかな?
 今回ウルトラマンはアローの危機を見た郷が自ら変身する。
<丘の私服姿が描かれるが、セーラ服なんか着てるよ。
 郷と南が行方不明になっているのに、何故だか余裕な伊吹。それにしてもMATって6人しかいないの?
 ここでもMAT基地の中での喫煙および飲酒姿が見られる。今では絶対やれない描写だな。
 MATの制服は下着がないらしい。長いこと水に入っていてもほとんど濡れてないようにも見えるが、一体どういう素材が使われてるんだろう?
 郷がウルトラマンに変身する時は後ろから南が走って追いかけていたはずだが、見られなかったの?
 寒中水泳してた郷は泳ぐたびに魚や蛸といったものを制服に入れてくる。最後はそれで酒盛り…いいの?こんな描写して。>
第48話 地球頂きます!

  監督:佐伯孚治
  脚本:小山内美江子
  特殊技術:真野田陽一
 郷と知り合いになった次郎の友達のマサルは自分の描いたヤメタランスという怪獣に夢中だった。そんな彼の前に空からカプセルが落ちてきて、そのカプセルを開いたマサルは自分の描いた怪獣そっくりの怪獣を目にする。その怪獣を目にした人間は皆、今していることをやめてしまう。その度ごとに巨大化していくヤメタランス…
 敵は宇宙怪人ササヒラー。飛行機を思わせる流線型の形が特徴で、色は銀と赤というウルトラマンカラーという宇宙人。人類全てを怠け者にしてしまおうとヤメタランスを地球に送り込む。胸から黄色いガスを出して破壊活動を行う。ヤメタランス作戦失敗後、自ら巨大化してウルトラマンに挑むが、スペシウム光線一発で溶けてしまう。そしてなまけ怪獣ヤメタランス。凄まじく不細工な怪獣。本人に悪意はないのだが人間にやる気をなくさせる放射能を出し、これに触れた人間はみんなそれまでしてきたことを止めてしまう。更にそれは感染するらしく、触れられた者はみんな顔に多くのほくろが出て、怠け者になってしまう。あらゆるものを食べて際限なく巨大化してしまうが、ウルトラマンによって縮小され、宇宙に捨てられる。
 全人類を怠け者にしてしまおうという、ある意味もの凄く効果的な作戦が展開される。後半になってこんなコメディ作品が出てくるとは。みんながあらゆることを止めてしまい、MATにまでそれは感染。みんなでブランコに乗って遊んでる姿が見られる。ウルトラマンまでほくろだらけ。
 ワンダバマーチが倍速で聴ける。「ワンダバワンダバ…」ってのもなかなか味があるな。更にウルトラマンとヤメタランスの戦いは逆に音楽が間延び…
 今回やる気をなくした郷が、それでもヤメタランスと戦わねばならないという義務感から自然に変身。
<マサル少年はお母さんのことを「ママゴン」と呼んでいたが、これって『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』でも名前が挙がってた怪獣だな。当時の子供にとってはこれって切実だった訳だ。
 ヤメタランスはあらゆる人間を怠け者にしてしまうのだが、逆に最初から怠け者だった人は勤勉になってしまう。
 ササヒラーもヤメタランスの作戦が失敗したならそのまま帰ればいいのに、ウルトラマンと戦うから負けてしまう。
 ササヒラーの背中のチャックは時折開いてる。>
第49話 宇宙戦士その名はMAT

  監督:松林宗恵
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:真野田陽一
 突如飛来した隕石を調査中のMAT。しかし隕石から放射された冷凍光線により全員が捕らわれてしまう。たまたまその時休暇中の郷はそんなことも知らず、町で宇宙人が変身した人間と出会う。それが銀河の中で最も好戦的な宇宙人として知られるミステラー星人であることを見抜くが、彼は戦いを好まないとだけ言って去ってしまう。実はそれは戦いを嫌い、仲間のミステラー星人から離れた裏切り者だったのだ。他のミステラー星人は彼の娘を人質に、郷をつかまえるように指令するのだが…
 敵は銀河星人ミステラー星人。タツノオトシゴみたいな顔した宇宙人。大変好戦的な宇宙人だそうだが、ここには二体登場する。一人は戦いを嫌って地球に住み着いている善玉の方で、もう一体は彼に戦いを強要するために娘を誘拐し、ウルトラマンと戦わせる悪玉の方。悪玉の方は突きだした口からMPファイヤーを出す。ウルトラブレスレットで口を落とされるが、MAT隊員を操ってウルトラマンに攻撃させている。勝ち誇ってウルトラマンに近づいた所をスペシウム光線を撃たれ、宇宙船で逃げようとした所を正気に戻ったMATのアローによりたたき落とされる。
 宇宙人も悪いのばかりではない。33話のメイツ星人などがそうだが、これってシリーズでは結構語られることが多く、ここでも同じ宇宙人で善玉と悪玉が描かれている。こういう話はやっぱり良いね。
 「戦うだけの目的ではウルトラマンになれない」という郷。ウルトラマンと郷の関係が久々に語られることになった。このところお手軽に変身していたんだが、やはりその姿勢は忘れてなかったようだ。
 ミステラー星人同士の戦いはまるで『フランケンシュタインの怪物 サンダ対ガイラ』。同種族同士の戦いは結構映える…どっちがどっちだか分かりづらいんのが難点だが。
 今回は湖に飛び込んだ郷がウルトラマンに変身する。
<MAT本部はやっぱり6人しかいないらしい。5人が捕らわれ、郷が定時連絡を取ったら、誰も応答してない。良いのかな?
 ミステラー星人は会話の際独特のポーズを取ることが多い。ボディランゲージが言語なのか?>
VOL.13
<A> <楽>
第50話 地獄からの誘い

  監督:松林宗恵
  脚本:斎藤正夫
  特殊技術:真野田陽一
 深夜。何者かが地底科学センターを襲い、研究所を破壊した。そして地底科学の権威小泉博士が失踪。上野隊員は幼なじみの小泉博士の娘ちどりと共に小泉博士を捜すのだが…
 敵は原始地底人キング・ボックル。能面のような顔を持った特色ある怪獣。元々地底に住む地底人だったのだが、ウラン鉱石の影響で体が変化したのだという。両肩から出ている触角を回転させることで対象物を地中に引きずり込むことが出来る。額から出す怪光線と背中から赤いガスを出してウルトラマンを苦しめた。目がなく超音波で相手を探知するため、触角を折られてしまうと動けなくなってしまう。
 ラス前にして初めて上野隊員が中心の話が出てきた。この人は郷以上の熱血漢なのだが、これまでの話ではドジさ加減ばかりが目立っていたキャラ。ようやくここで面目を立てたな。小泉博士を撃ち殺してしまって錯乱した姿は熱演。
 このところ割といい加減な撮影が目立ったが、本作ではカメラアングル凝りまくってるのも特徴。
 今回マンション毎地底に引きずり込まれそうになった所を郷が自分の意志でウルトラマンに変身。その際錯乱した上野をぶん殴って気絶させてる。
<電話ボックスごと地中に連れ去られようとしたちどりを救おうとした上野の背後に怪しい影。すぐにその人物を撃ち殺してしまうのだが、こんな奴に銃を持たせて良いのか?…その後で郷も似たようなことをしてるんだが。MATは怖いな。
 ちどりの部屋に入るシーンがあったが、女性の部屋にしては殺風景な部屋だ。申し訳程度に造花とパンダのぬいぐるみが置いてあっただけ。
 今回の変身シーンは部屋の中で、同じ部屋に上野とちどりがいたが、強引な変身だったな。見られてるぞこれじゃ。
 キング・ボックルに対して攻撃するマットアローはキングボックルじゃなくて町を破壊してる。色々な意味でMATの存在を危うくさせるようなエピソードだ。
 今回も又郷の安否が案じられる中、伊吹隊長だけが余裕で郷の生還を確信してる。この人も郷の正体を知ってるっぽいな。>
第51話 ウルトラ5つの誓い

  監督:本多猪四郎
  脚本:上原正三
  特殊技術:真野田陽一
 地球侵略を開始したバット星人に連れ去られてしまったルミ子と次郎。必至にその行方を捜す郷は初代ウルトラマンからゼットンとの戦いを告げられていた。そしてバット星人におびき寄せられ、バット星人とゼットンの待つスタジアムへと向かう…
 敵は触角宇宙人バット星人。ネーミング通りコウモリのような姿をした宇宙人で、M78星雲と地球を征服するため、かつてウルトラマンを屠ったゼットンを用いてウルトラ抹殺計画を発動させる。ドラキュラス同様、ウルトラクロスで倒される。そして宇宙恐竜ゼットン。シリーズを通して二度目の登場になるが、初代と較べデザインは凄く悪くなってる。大体初代のような圧倒的な力が全然見えない。大体光線技をほとんど使って無いじゃないか。
 いよいよ最終回。ウルトラマンの最後の戦いが描かれる。「ウルトラマン」最終回へのオマージュで最強の敵ゼットンを登場させている。そしてMAT本部の破壊と、最後に郷の葬儀と、自分の正体を明かしてウルトラの星に飛んでいくウルトラマン…最終回にふさわしい話ではある。ただやっぱり伏線が全然無かったため、話はどうにも軽く感じられてしまうのが残念。
 今回郷は自分の意志で変身しようとした所を初代ウルトラマンの声で止められ、その後アローの墜落と共に変身する。
<冒頭でいきなり郷とルミ子の結婚式が行われるシーンがあり。ちょっと驚いた。
 バット星人はウルトラマン達を「裏切り者」と呼んでいたが、バット星人とウルトラの星の間で何かあったんだろうか?それでウルトラの星に向かった軍団はどうなった?少なくとも次回作「ウルトラマンA」では何の言及もなかった。
 伊吹隊長のブーツには刃物が装着されている。しかしこれナイフじゃなく短ドスじゃないのか?
 ゼットンとウルトラマンの戦いでウルトラマンの足下をすくうバット星人。四つんばいになって背後から近づき、文字通り足下をすくっている。なんかとっても情けない。
 最後に次郎に対し「MATに入れ」と励ます郷…だから、すぐにTACになっちゃうんだって。>