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忍者キャプター

忍者キャプター事典
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1976'4'7〜1977'1'26

 忍びの名門天堂無人は、風魔忍群の大将風魔烈風が忍びの術を悪用して日本征服を企んでいることを察知し、7人の忍者からなる正義の忍群「忍者キャプター」を組織する。一方、風魔忍群のエリート忍者出雲大介は、風魔烈風の考えに反発し、抜け忍となり刺客に追われる身となった。かつての恩師である天堂無人の勧めにより、出雲大介はキャプターのリーダー・火忍キャプター7となり、雷忍キャプター1、水忍キャプター2、花忍キャプター3、土忍キャプター4、金忍キャプター5、風忍キャプター6と言う仲間と共に風魔忍群に立ち向かうのだった。
 この作品の最大特徴は正義のヒーローが7人もいると言うこと。これだけの数のヒーローを揃えたのはある意味画期的で、以降約20年の間、最多人数を記録していた(「ビーファイター・カブト」で10人。そして「超星神グランセイザー」でなんと12人という数で更新された)。いくら下忍がいるとはいえ、一人の敵に対して7人で戦うというのは、ある意味集団リンチに近いものがあったりする。43話あった割にそれぞれの個性の描き方も偏りがあり、決してバランスが良いとは言えないのだが、キャプター一人一人が極端に強く描かれないため、さほど違和感はない。7人もいるので、性格付けがはっきりしてるのも面白いところ。
 主人公にはこれまで多くの特撮番組で主役を演じている伴直弥を主役に、そして一方数々の悪役を果たしてきた潮健志も味方に描いているのだが、この人の個性が強すぎて、結果的に7人も主人公がいるはずなのに印象に残るのは潮健志ばかりになってしまったのがちょっと惜しい…いや、それが良いという話もあるが。

 

主な登場人物
火忍キャプター7
出雲大助
(役)伴直弥。「キカイダー」の主人公ジロー、「イナズマン」の主人公渡五郎、「バトルフィーバーJ」の二代目バトルコサック、「超獣戦隊ライブマン」の星博士、「電光超人グリッドマン」の井上英世など、特撮界において重要な役を果たし、のみならず現在のジャパニーズホラー映画での常連でもある。
 東西大学院生。本作の一応の主人公。元々風魔忍群のエリートだったのだが、御館である風魔烈風が日本征服を狙っていることに反発を覚え、恩師・天堂無人にキャプターのリーダーとして迎えられる。火遁の術を得意とし、必殺技は、5000度の高熱を発する火輪弾を使った火輪弾火炎陣。
風忍キャプター6
泉敬太
(役)佐藤宏之。代表作は本作。
 東西学院中学3年生。キャプターチーム最年少メンバーで現役の高校生。強風を発する風貝を使った攻撃を用いる。性格はかなり無謀な方で、いつも良い格好を見せて自分を認めてもらおうと努力するが、大抵失敗してる。友情には大変厚い。
金忍キャプター5
大山昇
(役)藤江喜幸。「怪獣ブースカ」「好き好き魔女先生」などの子役として、そして後に伍代参平の名前で「ゴーグルファイブ」のゴーグルイエロー役もこなす。割と太っていて動きが良いのでなかなか重宝するのだろう。
 電気屋に勤める。風忍同様、忍術修行中の身だが、メカに強く、キャプターカーやキャプターマシンの整備を担当。得意の武器は円盤しころ。
土忍キャプター4
黒川団
(役)宇津海仙。代表作は本作。
 怪力自慢の巨漢。実はレスラーで、アルバイトに宅配便で働いている。土に潜って敵を引き入れたり、味方を逃がしたりと技は多彩。必殺技は土棒を使った土棒くずし。
花忍キャプター3
桜小路マリア
(役)松葉夕子。代表作は本作。
 当初のメンバーで風忍の保護者として行動。しかし本人も結構のりの良い性格なため、一緒になってはしゃいでいることが多い。花ヌンチャクを使った大車輪花吹雪が必殺技。途中でアメリカに留学し、天童無人の孫娘天童美樹に交替する。
花忍キャプター3’
天童美樹
(役)野川愛。代表作は本作。
 天童無人の孫娘。最初はサポート役に徹していたが、花忍桜小路マリアがアメリカに留学したのを受け、二代目花忍として活躍する。
水忍キャプター2
四条左近
(役)琳 大興。代表作は本作。
 南北大学3年生。水を自在に操る能力を持つ。顔は良いんだが、日本語があまり上手くないためか、あんまり台詞もなく、やや不本意な役回りっぽい。得意の武器は激流砲。
雷忍キャプター1
袋三郎兵衛
(役)潮健志。東映映画の名バイプレイヤーで、特に任侠ものの作品では大活躍。悪役からドジな味方まで様々な役をこなしていた。特撮にあってはなんと言っても「仮面ライダー」の地獄大使が有名だが、他にも「悪魔くん」のメフィスト、「変身忍者嵐」のイタチ小僧、「バトルフィーバーJ」のヘッダー司令官など多彩。
 天堂家の執事でキャプターチームの最年長メンバー。鼻がとても利き、捜し物などはお手の物。又結構涙もろい人物でもある。高圧電流を発する武器・電気縄を操る。
天童無人 (役)高桐真。出演作は少なく、本作がその代表作になる。
 忍法の達人で、出雲大助の師匠でもある。風魔忍群の暗躍を知り、忍者キャプターを結成。風魔烈風に挑む。37話で甲賀かげさそりにより殺されてしまう。
戸隠白雲 (役)佐々木孝丸。
 天堂無人の師匠で、忍大臣の異名を持つ。天堂無人亡き後、悲しみに暮れるキャプターの前に現れ、彼らを指導していく。
影山巡査 (役)五野上力。
 天童無人の屋敷近くの交番勤めのお巡りさんで、何故か毎回登場する。とぼけた性格をしているが、結構自己中心なところがあり、その融通のきかなさが良い味を出している。
風魔烈風 (役)堀田真三。他に「宇宙からのメッセージ」のコーガー団長だが、やってることは全く同じ。
 風魔忍軍の頭領。日本征服を狙う。最初に風魔十三忍者を繰り出し、その後風魔鬼四天王、あやかし三行者と次々にキャプターに向かわせるが、ことごとく失敗に終わる。とにかくオーバーアクションと「なっはっは、なっはっは」と言う笑い声がとても味のあるキャラ。
忍将軍
暗闇忍道
(役)堀田真三。
 全国に散らばる忍者の総元締め52代目暗闇忍道が自ら名乗る。全忍者の力を使い、日本征服を企む。風魔烈風と同じく堀田真三が演じるため、コスチュームが変わっただけで他は同じ。特に「ぬわぁっはっはっはっは」と言う笑い声まで同じ。
話数 タイトル コメント
第1話 東京タワーに立つ七人の忍者

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 日本征服を狙う風魔烈風に率いられる風魔忍群は、国防省局長の娘を誘拐し、その命と引き換えに武器弾薬の引渡しを迫るのだった。風魔忍群の一人出雲大介は風魔烈風の考えに反発。拷問にかけられている娘を助け出し、抜け人となる。彼の前に現れた忍びの達人天堂無人に救われた大介は、正義の忍群「忍者キャプター」のリーダーとなる。のだった
 最初の敵は血コウモリ。通常は青白い顔をした忍者だが、いざ変身すると、真っ赤な唇と長い爪で攻撃してくる。最初だからと言うこともあってか、インパクトの割に攻撃に個性は無し。
 これが第一回目の放映となる。忍者を題材にしてるだけに忍者屋敷とか掟とかを出して個性を出そうとしていることは分かる。しかしなんせキャプターは7人もいる。今回はそのなかの主人公火忍出雲大介の紹介で終わったと言うところ。
 少女を鞭でしばくとか、とても現在では放映出来そうもない描写がなされているのも特徴か。
VOL.1
<A> <楽>
第2話 ロケット忍法の秘密

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 ロケットを用いて日本征服を狙う風魔烈風は忍者コロシコマを派遣し、ロケット工学の権威霧島博士を狙った。
 敵はコロシコマ。7色のド派手な帽子をかぶり、コマを模した飾りを体中にくっつけてる…どこが忍者だ?コマを用いて攻撃するのみならず、ロケット砲を用いた攻撃も行う。コマ隠れという逃げの技も使う。
 2話にして既に主人公が風忍泉敬太になってる。キャプターメンバー最年少で、高校生だが、結構な頭脳派で、風魔忍群にさらわれた霧島博士を救い出すため、わざと捕まり、基地内部で大暴れするが、単体ではあんまり強くなく、十字架に付けられてロケット砲の実験台にされそうになる。最後は自分の正体を明かせないことをぼやくなど、少年らしい姿も見せてくれる。
第3話 ビルの壁に忍者が消えた?!

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 火忍出雲大助と雷忍袋三郎兵衛の忍術の訓練中、風魔十三忍者の一人カゲなしが現れる。やられたふりをして内情を探ろうとした三郎兵衛だったが、風魔烈風に正体を見破られ、風魔忍群の行った銀行強盗の濡れ衣を着せられてしまう。
 敵はカゲなし。カメレオンのような姿で、変装や保護色と言った目くらましの術を使い、手に付けた吸盤でビルの壁を登ることも出来る。雷忍袋三郎兵を散々翻弄した上で銀行強盗の濡れ衣を着せる。
 雷忍袋三郎兵が主人公の話で、メンバー最年長ながら、最も個性を発揮した役で、今回も顎外されて、あらぬ方向を見ながら「あわあわ」しか言えなくなったりとか、実に素晴らしい役を演じてくれた。そして最後は勿論しっかりカゲなしとの一対一の忍術合戦で勝利を収める。おいしい役だ。
第4話 空飛ぶタコ忍者!空中戦!!

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 風魔忍群の次なる標的は石油王国のアブチ大統領の暗殺だった。そのために風魔烈風は風魔十三忍者の一人、人ダコを派遣し、空からアブチ大統領を狙うのだった。事前にそれを察知したキャプターは大統領の命を守るべく行動を開始した。
 敵は人ダコ。巨大な凧に乗って空から現れる。忍者映画では定番か。そこから手裏剣で攻撃するのが主だが、同じく凧に乗って戦う火忍に対し、凧を回転させて攻撃してくる。自らの凧を落とされた火忍は人ダコの凧に乗り移って攻撃した。
 敵を罠にかけたつもりが逆に罠にかけられ、エレベーターに閉じこめられてしまった雷忍と花忍。しかしこう言う時に全く動じない雷忍は、やはり年の功と言うべきか?他にも水忍が罠にかかるが、7人の内3人しか罠にかけられなかったのが風魔忍群の最大の失敗だろう…数が多すぎるんだよな。結局の話。
第5話 キャプター皆殺し作戦

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 風魔十三忍者の内、すでに四人の怪忍者をキャプターに倒された風魔烈風はキャプターに狙いを定め、風魔火とんを派遣する。まんまと罠に落ち、天童無人の孫娘美樹を奪われてしまったキャプターだったが…
 敵は風魔火とん。名前の通り火遁の術を用いる。背中にボンベを背負っていて(消化器のようにも見える)、そこから火を出してるが、そこに火輪弾火炎陣を食ってしまい爆死。
 今回の主人公は雷忍キャプター1、袋三郎兵衛。この人の存在感はキャプター随一だが、元々の設定は天童家の秘書で、天童無人に対する忠義は他の誰よりも大きい。他のメンバーが無人の教えに従って美樹を見捨てようとする中、本来最年長で皆を抑える立場にあるはずの彼が一番子供っぽい行動を取る。
 美樹を人質に取った風魔が要求したのはキャプターのヘルメット。別段ヘルメットだけなら渡してやっても構わないと思うのだが、なんかこのヘルメットには重要な秘密でも隠されてるんだろうか?
第6話 大脱走!忍者塾!!

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 風魔忍群が忍者育成のために開いている忍者塾から一人の少年才蔵が脱走した。しかし抜け人の制裁は厳しく、その指導者風魔分身が才蔵を追う。少年を助けた火忍キャプター7だったが。
 敵は風魔分身。三つに分身できる。割合あっさりと術は破られるし、結構こう見えて人が良く単純なので、それを利用されてしまう。大体、いつ破られるか分からない技だったら、相手を一撃で倒さねばならんだろう。散々いたぶってる間に術見破られて、すぐに殺されてしまった。
 忍者ものには定番の抜け人狩りのお話。キャプターが保護した少年を用い、風忍キャプター6が逆に罠にはめようとするのだが、すぐに見破られてしまう…って第2話と全く同じパターンじゃん。
 抜け人となった少年才蔵の食べっぷりが痛快。それだけで充分って感じ(笑)
第7話 ミステリー ぬすまれた顔!?

  監督:山崎大助
  脚本:伊上勝
 原子力開発の江田所長の様子がおかしくなった。風魔十三人の一人で変幻自在の顔を作れる顔なしの仕業だった。キャプターを倒すため、次々とキャプター達の顔を借りる顔なし。
 敵は顔なし。文字通り顔のない忍者で、他の人間の顔を自分の顔に写し取ることが出来るのが最大特徴。変装術を駆使し、キャプターを翻弄するが、相手を油断させて倒す以外の攻撃が無いので、正体を見破られると、とても弱い。
 これまでほとんど台詞もなかった土忍キャプター4が中心となる回。メンバーには大抵出てくる太ったキャラクタで、体型に似合ってかなりのお人好しのようで、それをつけ込まれて顔を盗まれてしまう。あんまり良い役じゃなかったな。
第8話 激突!ハイウェー忍者戦

  監督:山崎大助
  脚本:伊上勝
 ガン治療薬として開発されたウィルスは、ガンどころか人間の細胞そのものを破壊してしまう恐ろしいものだった。そのウィルスを狙い、風魔十三忍者水ぐもが研究所を襲う。
 敵は水ぐも。ウェットスーツを着込んでボンベを背中に背負った忍者で…どう見ても忍者には見えない。丘河童といった風情の格好。液体に姿を変え、どんな場所にも侵入し、又、相手を氷付けにしてしまう水グモ封じを用いる。風魔烈風がいない時、烈風の椅子でふんぞり返って、烈風が現れて焦りまくる姿がなかなか良し。
 後半は水グモと水忍キャプター2の水中戦が描かれるが、カメラを回転させながら、演じる側はゆっくり動いて、水の中という演出をしてるが、重力は存在してるので、
 このシリーズを通して現れる真田巡査が今回はウィルス入りのボールを拾ってしまったことで出ずっぱりで、ほとんど主人公クラス。
第9話 敵か味方か?女忍者

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 忍者キャプター率いる天童無人の元に原子力研究所を破壊するという挑戦状を送りつけてくる。大胆不敵なその挑戦に、正面から受けて立つキャプター。彼らの前に立ちふさがる女忍者くノ一。
 敵はくノ一。何でも父が風魔忍者で、その跡を継いだらしい。原子力研究所爆破を狙うがキャプターに阻まれ、風魔烈風に拷問を受ける。それを助けた火忍と雷忍を罠にはめようとする。風魔忍軍では初めての女忍者だが、くノ一というのは本来固有名詞ではないはずだが?ちなみにこの役は牧れい。当時この人憧れのお姉さんだったんだよね。
 敵が女性だけに結構花がある話だが、くノ一には色気と拷問はつきものなのだろうか?
 抜け忍となったくノ一をみんなで笑顔で見送っていたら、突然爆死と言うショッキングなラストが見られる。
第10話 怪奇!ロボット使い

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 風魔烈風の次なる狙いは風忍キャプター6の学友の家にある世界最大のダイヤ。人形使いの風魔忍者あやつりがダイヤを狙う。
 敵はあやつり。老人の姿で登場し、風忍キャプター6の学友に人形を渡し、その人形を用いて盗みを働こうとする。人形のみならず、自身もブーメランと毒を使った攻撃をする。
 今回は風忍が主役で田村という同級生との友情が描かれる回だが、同じ修行見習いの身である金忍キャプター5も中心となってる。金忍はこれまでほとんど台詞もなかったが、ようやく出てきた。この中では実は一番キャリアが長い人なんだが。
第11話 毒ガス忍者は不死身

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 風魔烈風は風魔秘伝の吸った人間をロボット化する毒ガスを用い、日本を混乱に陥れようと画策する。そのために風魔忍者死なずを派遣する。死なずに襲われた園児バスの子供達が危ない!
 敵は風魔十三忍者の死なず。ドクロの顔を持ち、絶対に死なない忍者。鉄砲の弾が当たっても、手がもげても首を切られてもすぐに復活する。忍者と言うよりは怪人だな。実は小柄の忍者が着ぐるみに入ってるだけというオチが付き、自爆して果てる。
 東映特撮伝統といえる園児バスジャックにより、子供達を操り人形としてしまい、その解毒薬を巡っての攻防戦。
第12話 SOS風忍キャプター6

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 風魔烈風は慈善家の桜井の娘を風魔忍者三つ目にさらわせる。たまたま彼女と共にハイキングに来ていた風忍キャプター6だったが、力及ばず、誘拐を許してしまう。
 敵は風魔十三忍者の三つ目。ヘルメットに目が三つ書かれているだけだが。三つ目からフラッシュをたき、目くらましをしてから弓を用いた攻撃を得意とする。又、目を投げつけ、爆弾とすることも出来る。
 三つ目が四人のキャプターから逃れ、直接桜井を襲うシーンがあるのだが、すぐにキャプターに追いつかれて驚いてる。キャプターは車で追いかけてるんだから、当たり前だろうに
 今回は影山巡査が非番で魚釣りをしていたところ、魚の代わりに風忍の泉敬太を釣り上げてしまい、協力して三つ目に挑む。影山巡査大活躍。それ以外はあんまり見所無いかな?
 風忍の主役の回がやたら多いような気がするんだが?
VOL.2
<A> <楽>
第13話 まぼろしの大秘宝

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 10兆円にも上ろうという忍者の秘宝を狙い、風魔は甲賀忍軍に伝わる日輪の鏡を風魔の天地人三兄弟が奪った。残る月輪の鏡を狙う風魔烈風はその在処を知る天童無人から情報を得ようとする。
 敵は風魔十三忍者の天地人三兄弟(天魔、地魔、人魔)。十三忍者という名前の割に最後の敵は3人か。天魔は変装の名人で、人魔は鈎付き手甲を飛ばして攻撃する。
 初の前後編となった作品で、これが前半の山場だろう。これまでの歴史で全ての忍者が集めた秘宝を巡る戦いが描かれる。
第14話 火忍キャプターは二度死ぬ

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 月輪の鏡を奪われ、風魔天地人三兄弟により崖から落とされた火忍キャプター7は忍者村の一軒家に匿われた。実は真の月輪の鏡はこの家にあったことを知った火忍だったが…
 敵は前回に続き天地人三兄弟だが、今回はなんと下忍が登場しない。結果的に3人を7人がいたぶる結果になった。
 タイトルがなかなか人を喰ってる。一応前半の一つの山場で、ドラマ的には悪くないんだけど、どうも今ひとつの感が拭えず。それは結局演出の悪さなんだろうと思う。
第15話 まんじ谷から鬼が来た!

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 風魔十三忍者は倒れた。しかし風魔烈風は次なる刺客“風魔鬼四天王”を呼び寄せるのだった。次々に風魔の妨害となる要人を暗殺していく恐るべき敵。
 敵は風魔鬼四天王だが、今回はシニガミが登場。不思議なツボに入り、要人の家に入り込み、暗殺をこなす。最後は壺に入って逃げようとするところを火炎弾をツボに放り込まれて爆死。
 ここから新展開となり、四人の新しい忍びが全員ここで登場してる。しかし、強さで言えばさほどでなく、展開的にもいつもと同じと言った印象を受けてしまう。
第16話 隠れ忍者の娘は同級生

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 キャプター6風忍の同級生の娘根来サリエの父が経営する平凡な喫茶店。しかしそこは実は風魔の前線基地だった。その喫茶店を訪れる人々を次々とさらう風魔鬼四天王のキジン。彼らの目的は…
 敵は風魔鬼四天王のキジン。喫茶店を隠れ蓑に眠り薬を飲ませて人をさらい、銀行襲撃用のトンネル掘りをやらせる。キャプターカーとのカー・チェイスの果てに、キャプターをやっつけたと高笑いしてる間に攻撃を受けて死亡。
 風忍の弱さが強調されたような話で、下忍にまで負けてしまう。それとトラックとキャプターカーによるカー・チェイスが見られるが、やはり交通規制の多い日本で、更にテレビシリーズだけあって、かなりしょぼい。トラックの助手席から顔を出して叫ぶキジンの姿がひたすら惨めに見えてしまう。その分火薬の量はかなりふんだんに用いられているが。
第17話 狙われたニセ札名人

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 次なる風魔の作戦はニセ札を日本中にばらまき経済を混乱させようと言うもの。そこで風魔鬼四天王のハンニャはニセ札作りの名人に目を付けるのだが…
 敵は風魔鬼四天王のハンニャ。般若の面をかぶったくノ一で、自分でもニセ札を作るが、一目見た雷忍に見破られてしまう程度のもの。それでニセ札の名人コウヤマギンジロウに目を付ける。バラに身を潜めたり、そこから登場したり。いつもはまんじフラワーショップという花屋の店長をしてる。
 忍者だった父が風魔に利用されそうになって娘を巻き込むという、前回とほとんど同じパターン。今回はキャプターの面々も結構個性は出してるな。
第18話 忍法!カブト虫変化!!

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 風魔鬼四天王の最後の一人オニビは風魔の作り出したあやつりカブト虫をこども達に配り、こども達を操ろうとする。
 敵は風魔鬼四天王の最後の一人オニビ。人間の時はラフな格好の青年で、こども達にカブト虫を無料で配っている。カブト虫に操られた子供を盾に、火忍キャプター7を捕らえることに成功する。必殺技は鬼火回しだが、火を使った技のため、火忍に返されてしまう。
 これで新しい敵風魔鬼四天王の話も終わり。子供を操ると言うのが物語の骨子だが、とりあえず今回は更にカブト虫を配るための労働力としか使っていないため、目的は不明。
 キャプターの面々が、バラバラのように見えて実はお互いを気遣う姿がかいま見える。
第19話 親友は風魔少年忍者

  監督:中村経美
  脚本:伊上 勝
 風魔鬼四天王は倒れたものの、風魔烈風は新たにあやかし三行者を呼び氏、作戦を続行させることになる。
 今回の敵はあやかし三行者の1番目の敵どくろ行者。その名の通り髑髏の顔を持つ忍者(行者?)。「〜ぞよ」と言うのが口癖。それとどくろ行者の弟子少年忍者の風間小太郎。くつろいで話をする二人の姿が見られる。小太郎は口から煙幕を吐く。
 新展開となったため、改めてキャプターの面々の私生活が描かれる。結構学生とかも多いみたいだ。特に出雲大介はエネルギー科の大学院生で、師である長沢教授と共に新エネルギー開発にいそしんでいるのが分かる。
 脚本の井上勝は変わってないけど、展開としては結構しっかりしてきた感じを受ける。やっぱり特撮作品で面白いのは精神的なものだから。親友を手にかけねばならない少年忍者の演出がしっかりしてるのでなかなか好感度が高い作品に仕上がってる。まあ、相変わらず神出鬼没の出雲大介がご都合主義だが。
第20話 黒いピアノの忍術師

  監督:中村経美
  脚本:伊上 勝
 学校の無人の音楽室で突然なり出すピアノの音。それを調べた子供は次々とピアノに引き入れられてしまう。
 敵はあやかし三行者の乙姫。ピアノの音によってこども達を惑わし、ピアノに引き入れてしまう。又、ピアノがあるのなら、すぐに風魔烈風の元に帰ることが出来るらしい。江戸時代から生きており、天童家とは浅からぬ縁があるらしい。
 乙姫は単なる敵ではなく、その業の深さで悲しむべき存在。忍者を題材とするなら、こういう話を出すべき。その業の深さを単に「悪」と断定して倒すのはどうなんだろう?
 女性だからこそ乙姫の哀しさが分かる花忍により倒され、初めて火忍以外の攻撃によって倒された例となった。
第21話 キャbプ場は風魔の墓場の決戦!!

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 キャプターを倒さんがため、風魔烈風により300年の眠りから起こされた鏡行者は早速下忍達の訓練に入った。偶然その近くでキャンプしていた泉敬太たち中学生グループに目を付けた鏡行者は、風忍となった敬太を拉致。洗脳してキャプターに罠をかけるのだった。
 敵はあやかし三行者の最後鏡行者。300年間墓場で眠り続け(と言うことは死んでたって事?)、風魔烈風により起こされるわけだが、妙に事情通。あっけなく風忍を捕まえ、背中に大きな鏡を背負い、そこに人間を誘い込んで洗脳。そこから術をかけた風忍を送り込んだりできる。又ほとんどの攻撃は鏡によって跳ね返すことが出来る。
 相変わらず若さ故に術にかかりやすい風忍。半人前のキャラクターと言うことで使いやすいんだろうな。又、リーダーである火忍までもが鏡の中に入ってしまい、そこでのむしろ精神的な戦いが描かれる。
 ラスト、あやかし三行者が消え、又しても新しい忍者を呼び寄せる風魔烈風。引き出しが多いな。次々と新しい忍者グループを送り込んでくるよ。
第22話 お化け屋敷に風魔が出た!!

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 遊園地のお化け屋敷に本物のお化けが出た!からかさ道人はお化け屋敷に入ったこどもを捕らえ、人間爆弾に仕立てて送り出すのだった。たまたま遊びに来ていた影山巡査の甥がそれを目撃してしまい…
 敵は風魔五道人の最初からかさ道人。からかさお化けそのものという、大変ふざけたデザインをしてるが、こどもを人間爆弾にしようとかの発想も面白いし、からかさを広げることで火忍の火炎弾まで防いでしまう。
 小山遊園地とのタイアップで作られた話で、舞台は勿論遊園地で、遊園地の乗り物を用いたアクションが演出されてる。しつこいくらいに「小山遊園地」の名前がでるのもタイアップならでは。人間爆弾にされたこども達がゴーカートでキャプターに向かってくるシーンまである…でも、これが一番やっかいな敵かも。
 影山巡査が意外な恐がりだと言うことが分かる話。こども連れだったので、てっきり彼のこどもか?と思ったが、甥だとのこと。
第23話 ニュドオ道人!土忍!術くらべ

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 力自慢のニュドオ道人が現れた。久々の娘との邂逅を楽しむが、娘から戦いを止めるようにと諫められたニュドオ道人の弱気をなじる風魔烈風は娘を人質に取る。
 敵はニュドオ道人。敵なのだが、娘を思う気持ちが強く、正面対決を望むなど、性格は良いがそれを風魔烈風につけ込まれ、無理にキャプターと戦わせられる。
 初めての土忍が主人公の話で、ニュドオ道人との力比べが描かれる。しかし、力自慢の土忍よりもニュドオ道人は強い。しかしあくまで一対一の正面勝負にこだわるあたり、通常七対一のリンチ状態が逆転してるのが面白いところだ。
 そう言えば初めて敵が死ななかったな。最後、ニュドオ道人が風魔烈風に特攻をかけた時は、こいつもやられるのか!?とか思ったけど。
VOL.3
<A> <楽>
第24話 火忍をあやつる地獄笛

  監督:田中秀夫
  脚本:長坂秀佳
 風魔五道人の3番目の敵、ハガクレ入道は人の心を悪に染めるという地獄笛を狙い、先祖代々笛を受け継いできた子供を狙い、その笛で火忍を操り、キャプターを内乱に陥れようとする。
 敵はハガクレ入道。児雷也とイヨマンテを合わせたような格好で、確かに忍者と言えば忍者だけど、この格好はちょっとやりすぎ。精神攻撃を使ってくるわ、独自の配下を持っているとか、これまでの敵の中では一番手強かったかも知れない。尤も今回も火忍の機転で事なきを得るわけだが…なんでも出来過ぎだよ。
 ハガクレ入道が見抜くのだが、キャプターの変装は見事に外してる。特に老婆の格好をした火忍って、不気味すぎるわ。それに雷忍のばけたのって…インド人?町中を民族衣装をまとったインド人が歩くか!
 ラストは、数百年も伝えられてきた地獄笛を持ち主の子供が踏みつぶす。それだけ強くなったと言うことを示すわけだが、芸術品としての意義は?
第25話 大変!敬太が裏切った!!

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上 勝
 風魔烈風の弟にして五道人の一人かまいたちが風魔烈風により呼び出され、キャプター抹殺に乗り出す。催眠術にかけられた風忍キャプター6は火忍キャプター7の命を狙い、かまいたち自身は雷忍と花忍を捕らえる。
 敵は五道人の一人かまいたち。風魔烈風の弟でもある。催眠術、煙幕使い、カマイタチと、技が多彩で専用の虚無僧姿の下忍も使ってくる。大変強いが、どうしてもツメが甘い。
 風忍が狂わせられ、花忍と雷忍が捕まってしまい、その人質交換を申し出られるところで引き。前後編の話となっている。
 ここで最年少の風忍泉敬太が実は孤児であったことが分かった。
第26話 風魔烈風!死す!!

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上 勝
 かまいたちを引き渡すことで雷忍を助け出したキャプターだったが、花忍は捕らわれたままで、更に風忍は徐々に弱っていく。火忍と天童無人は最後の決戦を決意するのだった。
 敵は前回に引き続きかまいたち。それと風魔烈風自らが打って出る。かまいたちは風魔の居城に火忍を引き込むことに成功するが、激戦の上自爆する。又、風魔烈風はキャプターを仲間から引き離し、数々の技を駆使しつつ各個撃破していく。そして最後に天童無人との一騎打ちに出るが、生還した火忍に邪魔され、更にキャプター全員と戦う羽目になる。
 風魔烈風最後の戦いが描かれる。強いのは強いのだが、その死はあっけない。
 そして最後にマリアがアメリカに留学することになる。これが一応の一部完となる。しかし、アメリカに忍者を伝えるためって、なんか以降のアメリカのニンジャブームの先駆けみたい。
第27話 新しい敵!甲賀忍者団!

  監督:中村経美
  脚本:伊上 勝
 風魔烈風は倒れた。だが、新たに忍将軍を名乗る暗闇忍道が日本征服を企み、全国の忍者軍団を呼び寄せたのだ。その計画に反対する天童無人は全国の忍者軍団を敵に回すことになった…キャプターの新たな戦いが切って落とされる。
 52代目暗闇忍道がここで現れる…って、なんだ又堀田真三じゃないか。風魔烈風と全然変わってないぞ。「ぬわぁっはっはっはっは」と言う笑い声まで同じ。それと甲賀忍者闇丸。影に隠れての不意打ちが得意。火忍に忍び寄るが、心臓の音が消せなかったため、火炎弾火炎陣を喰らって死亡。
 冒頭で前回アメリカに旅立ったマリアの代わりに天童無人の孫娘美樹が改めて花忍キャプター3として任命される。
 新しいキャプターの戦いがここから始まり、これまでのキャプターカーに続き、今度はヘリキャプターも登場。ん?ジェットで空飛んでるように見えるが?それに連れ、キャプターも空から降下してくる。パラシュートもなしに落ちてくるのだから、忍者というのは凄いものだ。
 天童無人が捕らわれ、キャプターの最大の危機が描かれる回で、物語は結構良し。
第28話 入門 天堂忍者塾

  監督:中村経美
  脚本:伊上 勝
 天堂無人は未来のキャプターを担う存在として天堂忍者塾を開く。だが、それを聞きつけた忍将軍はそのこども達をさらわせようとするのだった。風忍と共に訓練に励むこども達の前に現れた甲賀忍者影法師。
 敵は影法師。影に紛れて不意打ちを食らわす…って、ひょっとして前回の闇丸と全く同じ?天堂忍者塾の塾生をさらい、甲賀忍者として育てようとする。結構人の良いおっちゃん。
 割と軽いノリで作られた本作。緊張感のない少年忍者が登場するのみならず、キャプター同士で軽口を言い合ってるし、天堂無人も結構軽はずみな発言してる。敵の影法師も子供の発言でコロッと騙されるし。テコ入れでノリが変わったのか?
 忍者ってのは人に知られず。ってのがモットーかと思ったのだが、なんか凄く開かれているのが意外な展開。それにしても命がけの戦いを繰り広げてる最中に、まるで「殺して下さい」とばかりに子供を出すのは設定的にどうかと思うぞ。
 ちなみに少年忍者の一人は同時期に「大鉄人17」で主役を張っている神谷政浩だった。
第29話 謎の手品師!カードがしゃべる!?

  監督:中村経美
  脚本:長坂秀佳
 町に手品師が現れ、それを見たこども達を次々に虜にしていく。これは実は甲賀幻斉がこども達を集めるために行ったことだった。幻斉の跡を尾けた敬太と忍者塾の塾生も捕らえられてしまうのだった。
 敵は甲賀幻斉。手品師に扮装し、こども達をたぶらかす。手品師だけによく口が回るが、喋りすぎたためキャプターに位置を悟られてしまう。
 話は忍者塾生がやはり中心で、冗談も多く、やはりテコ入れで子供用になっていることを思わされる。幻斉にたいし饒舌に「何じゃお前は。ペラペラペラペラ喋りおって」と喋る雷忍に、「あなたも同じでしょ」とか返してるし。
第30話 忍術屋敷の黒い罠

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上 勝
 忍将軍は甲賀蜘蛛彦に命じ、東京中のガスタンクに甲賀の秘術で致死性の毒煙を入れることを計画する。ガス会社の社長の息子を人質に取り、更に雷忍までもが撃退された。
 敵は甲賀忍者の蜘蛛彦。頭に大きな蜘蛛のマスク(と言うよりぬいぐるみに近い)をかぶった忍者で、忍者というよりコスプレ…ひょっとして本物の蜘蛛を頭に乗せてるって設定か?蜘蛛の巣を張り、そこに蜘蛛のように小さくなって姿をくらませることが出来る。
 忍将軍と雷忍との初めての対決が描かれるが、圧倒的な忍将軍の力にあっけなく雷忍は敗退。白目を剥いて気絶する。
 忍術屋敷の中でのからくりに打ち勝つというのが主題で、暗い屋敷内をさまようキャプター達の姿が描かれる。一人、又一人と脱落していくが…というパターン。
第31話 伊豆山の対決!!

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上 勝
 忍将軍が呼び出した甲賀蟇十郎は細菌学の権威矢部博士を狙う。それを察知したキャプターは博士の滞在する伊東へと向かう。しかし、そこには既に蟇十郎によりキャプターを待ち受ける罠が張られていたのだ。
 敵は蟇十郎。蟇蛙を頭にくっつけている。気持ち悪い。蟇蛙に姿を変えることが出来る。キャプターを分断させ、雷忍、風忍、土忍を捕らえる事に成功する。他に花忍に対抗するように甲賀のくノ一が登場。花忍と戦うがわざと負けてメッセージを託す。
 今回は雷忍が大活躍。元々コメディリリーフとして存在感を持っていたが、なんでも今回は誕生日だそうで、スーパーを超高速で回って買い物してみたり、温泉に入って歌を歌ったり、甲賀忍者に水責めにあったり(?)。存在感は相変わらずあるな。
 伊東温泉のホテルとのタイアップ企画で、温泉や料理などがちゃんと出てくるのが東映特撮らしい。
 キャプターを分断させ、個別に捕らえようとする忍将軍の作戦が展開する。前後編の前編。
第32話 絶海の決戦!!

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上 勝
 忍将軍の罠にはまったキャプター。天堂無人は捕らえられ、雷忍、風忍、土忍を人質に捕らえられたキャプターは大室山で絶体絶命の危機に陥った…
 敵は前回に続き蟇十郎。朧は出雲大介を騙そうとするが、勘の鋭い大介はそれに気づき、自爆して果てる。
 忍将軍の罠と、それに対抗するキャプターの姿が描かれる。どちらも罠を張るがお互いに手の内が分かっているのがミソ。分断され、個別撃破されたと思ったキャプターが全員無事ってのはやりすぎとはいえ、やはり燃えるシチュエーションだ。
第33話 大追跡!忍者バス!!

  監督:中村経美
  脚本:伊上 勝
 甲賀の細菌工場での人体実験のため、甲賀鉄猿がバスジャック事件を起こす。偶然風忍泉敬太の友人がそのバスに乗っていたため、風忍が追いかける。
 敵は鉄猿。名前の通り猿の顔を持った忍者で、鍛え上げた鋼の肉体はキャプターの攻撃のことごとくをはじき返す。
 定番のバスジャック事件が展開するが、ここでは別段幼稚園バスではなかったため、柄の悪い男達が乗ってるのが特徴か?
 鉄猿は細菌の人体実験をするためにバスジャックまでしたのに、何故かそのバスから細菌ガスを放出…脚本がちょっといい加減じゃない?
第34話 電話機から悪魔の手が出る!

  監督:中村経美
  脚本:松下幹夫
 甲賀忍者イタチ丸が作り出した猛毒を都内の電話機から流そうとする忍将軍の作戦が始まった。中央電話局に勤める金忍金山昇の友人達が人質となってしまう。
 敵はイタチ丸。甲賀の科学者で、毒ガスを開発し、それを都内にばらまく作戦を立てる。事件をかぎつけた金忍を捕まえ、それを囮にキャプター全滅を謀るが、見事に失敗。頭に付けたイタチの顔からガスを出す事が出来る。
 金忍キャプター5が主人公の話。三郎兵衛がその声色を真似るシーンがあるけど、本当にそっくり。
 おっと。お巡りさんがこれまでの影山巡査から変わったな。
VOL.4
<A> <楽>
第35話 恐怖の蝶人間

  監督:奥中惇夫
  脚本:塩田千種
 忍将軍が育て上げた甲賀忍者鬼蝶丸の放つ毒鱗粉を浴びた人間は蝶の幼虫を腹の中に埋め込まれ、蝶を生み出す道具にされてしまう。三人のこども達が犠牲となってしまい、現代医学では治しようのない
 敵は鬼蝶丸。端正な顔をした学生服姿で(ちょっと学生と言うには老けすぎてるが)、こども達に蝶を育てさせ、その蝶の幼虫を子供のお腹で育てさせようとする。
 子供の腹を食い破って蝶が出てくるというホラー風味満点の話。実際にはキャプターによって阻止されるのだが、今にも腹が割けるんじゃないか?と思わせる演出がされていて、結構どきどきする。更にこれまでどんなときにも超然としてきた火忍が鬼蝶丸の前になすべくもなく毒の餌食になりかける描写もあり。
 シリーズ中で一番緊迫感がある話かも知れない。
第36話 死神は七面相

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 忍将軍に呼び出された甲賀死神は暴走を起こす忍油を都内のガソリンに入れ、パニックを起こそうとする。
 敵は死神。七面相を得意とし、どんな人間にも化けることが出来る。ガソリンスタンドの店長になりすまし、暴走を起こす忍油を混入するが、それを察知して調べに来た雷忍にも化ける。最後の戦いでは次々とキャプターに化け、混乱を引き起こす。キャプター構えが出来なかったために正体がばれてしまう。
 いつもパリッとした格好をしている雷忍がスーツを脱ぐと金太郎腹掛けをしてることが分かる。
 初めてキャプター櫓が登場する。
第37話 天堂無人の最後

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上 勝
 甲賀の秘薬さそり毒を用い都民をパニックに陥れようとする甲賀かげさそり。それを察知した花忍はかげさそりの潜入した病院に忍び込むが、逆に花忍は捕らえられ、単身その救出に向かう無人の前にかげさそりが立ちふさがる。
 敵はかげさそり。甲賀の秘術さそり毒で都民を混乱に巻き込もうとする。それをキャプターにかぎつけられるのだが、逆に花忍を捕らえることに成功。助けに来た天堂無人を殺してしまう。だけど、祖父である天堂無人の死を嘆く花忍をそのまま放っておく等、甘さもある。最後は怒りの花忍によって殺される。
 これまでキャプターの師で精神的支えだった天堂無人が殺されるというショッキングな回。さそりにたかられた花忍を助けるため、血まみれになりながらさそりをたたきつぶしていく。そしてボロボロになりながらも花忍を助けようとする中、ついにかげさそりの凶刃に倒れる。壮絶な最期だった。
 いつも忍者を殺されて怒り狂う忍将軍が、ここだけは笑いまくるのが印象的。ただ、天堂無人亡き後、戸隠白雲が登場…ひょっとして無人役の高桐真の身辺関係なのか?
第38話 戸隠白雲暗殺計画!!

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 天堂無人無き今、戸隠白雲がキャプターを率いることとなった。それを知った忍将軍は白雲を暗殺すべく計画を巡らすのだった。
 敵は甲賀あか天狗。名前通りに天狗の面を付けた忍者。甲賀を裏切ったふりをして天堂家に入り込み、戸隠白雲を暗殺しようとする。
 もう終わりが近いが、無人の死による新展開がここから始まる。ここで忍将軍の強さもここで出てくる。必殺のキャプター櫓までもがまるで通用せず。その忍将軍と互角以上に戦う戸隠白雲の姿を描くなど、時間をきちんと使って魅力を出すことに成功している。
第39話 念力忍者が超能力の子供を狙う!

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 忍将軍に呼び出された甲賀念力は日本中から選ばれた超能力を持った子供を誘拐し、その力を集中させ、キャプターを倒すことを画策する。
 敵は甲賀念力。名前の通り超能力者で、テレパシーやサイコキネシスなど様々な技を使う。ゼンジー北京ばりの怪しげな日本語を用い、元の姿に戻る時は「ねんりき〜」と唱えながらかざした片手を振る…『ミクロ決死隊』か!超能力を使える子供を騙してさらい、その超能力をあわせることで自らの能力を高め、石油コンビナートを爆発させようとする。結局こども達に裏切られてもくろみがキャプターにばれてしまうが。
 アニメーションを駆使して超能力者とキャプターの戦いが描かれるのだが、甲賀念力が怪しすぎて爆笑できる。動きや台詞の一つ一つが大笑い。
 又、いつものような町中とか採石場でなく、実際のコンビナートを用いて戦いが描かれるのも今回の特徴。下人との戦いもバリエーション豊か。
 念力の特訓として、閉め切った部屋に閉じこめられ、壁を見ながらカップラーメンを啜る子供…なんだかなあ。描写がまずすぎない?
第40話 御用心 忍者からのお年玉!?

  監督:田中秀夫
  脚本:伊上勝
 正月の町に不思議な羽子板を使う甲賀忍者羽衣が現れ、初詣の客に羽子板を配って回る。その羽子板を使ったもの達は次々と不思議な術にかかってしまう。風忍、雷忍までもがその犠牲と…
 敵は羽衣。ピンク色の羽衣を頭巾のように身体にまとった忍者だが、こう言うのは女性にやらせるべきじゃないか?ごっつい男にやらせるもんだから、ムチャクチャ不気味。一旦始めてしまうと羽子板を取り去られるまでは羽根を突き続けると言う羽子板を「お年玉」と称して神社の境内で配る。又、この羽子板は羽衣の分身であり、羽子板のあるところにはどこにでも現れる。
 正月らしく、キャプターの面々も紋付き袴+振り袖姿で登場する。紋付きでも雷忍は山高帽姿なのね。
第41話 笑う人形

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 物理学者レスターは、ついに新しい核エネルギーを完成させた。その研究を手に入れようとした忍将軍は甲賀魔利緒を差し向ける。
 敵は魔利緒。甲賀の誇る人形使いで、核エネルギーの研究成果を奪うためにレスター博士を襲う。人形を自在に使った術を用う。人形が笑い狂い、催眠術をかけるなど、ホラー描写などもあり。日本人形を偏愛し、「おひい様」と言って愛でてる姿は狂気さえ感じられる。実はこの魔利緒人形こそが本体だったというオチが付いた。
 後半はからくり屋敷が舞台なので、かなり暗い中で話が展開する。しかし、人形ってのはなんでこんなに怖いのかな?
第42話 やみがらす!忍者教室!?

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 甲賀忍者やみがらすが小学校に現れ、こども達を次々とカラス天狗に変えてしまう。やみがらすの命令通り
 敵はやみがらす。そのまんまカラス天狗と言った風貌をしている甲賀忍者で、学校の先生に化けて生徒をみんなカラス天狗に変えてしまう。一種の洗脳かな?
 後一話で最終回というのに、普通のお話が展開する。やみがらすは子供に催眠術をかけてカラス天狗にしてしまうのだが、それを「この俺が鍛えたカラス天狗」などと言ってる。まあ、確かにはったりは必要だし、ヒーローは子供を攻撃できないという弱点を利用してるのは事実だ。
第43話 暗闇忍道の最後

  監督:奥中惇夫
  脚本:伊上勝
 忍将軍は抜け忍となった甲賀狼丸をキャプターと戦わせるべく、その孫娘を誘拐する。
 敵は狼丸。既に老人だが、孫娘を人質に取られることでキャプターと戦わざるを得なくなる。老人ながら数々の忍法を用い、大変強い。一対一の戦いであれば、キャプターにも引けを取らない実力者。そして最後にとうとう忍将軍こと暗闇忍道との最終決戦。
 いよいよ最終回だが、話自体はシリーズの一本と言った感じで、かなりあっさりした印象を受ける。強い忍者が孫を人質に取られて戦わざるを得なくなるってのは時代劇の定番とも言える。後に『宇宙からのメッセージ』の14話でも同様なストーリーが用いられている。更に忍将軍との戦いとなるが、これも唐突という印象を受ける。倒され方も割とあっさりしていて、これだったら前の風魔烈風の物語の方が盛り上がったな…ひょっとして打ち切りで帳尻を合わせたか?