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悪魔くん

悪魔くん事典
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1966'10'16〜1967'3'30 

 水木しげる原作の同名マンガのドラマ化作品。原作とは設定が大幅に違い、悪魔くんは人間を守るヒーローとして描かれている。後のアニメ版はこの特撮番を元にしている。

主な登場人物
山田真吾 (役)金子光伸。他に「ジャイアントロボ」の大作少年役。
 通称・悪魔くん。育ちの良さそうな少年だが、父親はタクシー運転手。豪快な母親としっかり者の妹がいる。ファウスト博士に人間を恐怖や苦しみから救う稀なる相を見抜かれ、メフィストを使い妖怪と戦うことを命じられる。
メフィスト兄 (役)吉田義夫。
 シルクハットにマント姿の悪魔。シルクハットと魔法の杖で戦う。金にがめつく、真吾少年にチョコレートをもらってからはそれが大好物になる。ソロモンの笛と契約書に弱い、頼りになるのか否か判らない悪魔。自称悪魔一のハンサム。
メフィスト弟 (役)潮健児。
 地獄警察に捕まってしまったメフィスト兄の代わりに現れた悪魔。ほとんど兄のメフィストと変わらない格好をしている。初登場時のシルクハットは模様つきだったが、兄愛用のシルクハットを受け継ぐ。
話数 タイトル コメント
第1話 妖怪ガンマ

  監督:小林恒夫
  脚本:高久 進
  特殊技術:小川康夫
 墓場を歩くひとりの怪老人。彼は霊柩車から棺桶が飛び出し、死体が飛び去るのを見る。そして、タクシー運転手が眼を焼かれ事故死する事件が…。山田真吾少年は老人を追い、古井戸の奥の地下洞穴へ。そこで老人が命ずると魔法陣が廻り、土精が出現した。老人は300年生きたファウスト博士(何故日本にいるのだ、などとつっこんではいけない)。老人は少年にこの世を救う稀なる骨相を見る。彼は少年に悪魔メフィストと契約し、この世の妖怪と戦えと命じて消え去る。現われた悪魔メフィストは面倒臭がるが、契約書とソロモンの笛の威力に負けて少年に従うことに。標的は人間の目を奪う妖怪ガンマーだ。
 今回はキャラクター紹介編。白黒画面のおどろおどろしい世界かと思えば、意外にユーモラスで愉しめる。真吾少年の正統派ヒーロー性と、メフィストの憎めない俗物性が楽しい。ところでガンマーはビル街を見下ろすばかりに巨大化しているスチルが有名なので、等身大のままあっけなく倒されてしまったのは当て外れだった。

<A> <楽>
第2話 化け烏

  監督:小林恒夫
  脚本:高久 進
  特殊技術:的場 徹
 飛行機が巨大な化けガラスに襲われ、墜落する事件が続発した。悪魔くんはメフィストを呼び出し、化けガラスを呼び出すために飛行機で退治に出かけるが、その機には友人のトップ屋が密かに乗り込んでいた。三人の飛行機は入道雲の中の烏を狙うが、網で引っかけたまま無人島に不時着した。烏を探す少年たちと、食料を捜すメフィスト。烏はメフィストをだまし、地球を売り渡させようとした。怒ったメフィストは魔力で烏を凍らせ、火山に追い落とした。そして烏に姿を変えられた人々をもとに戻した。
 化け烏とセスナのチェイスシーンはアングルを器用に変え、なかなか見させる。
第3話 ミイラの呪い

  監督:山田 稔
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 子供が寝ているあいだに、空の彼方から現われた謎の巨大な手に連れ去られる事件が続々と起こった。エジプトからミイラを持ち帰った田島教授は、ミイラに襲われて自分がミイラにされ、子供を連れ去られた。彼と戦い苦戦したメフィストは、悪魔くんの提案でミイラの故郷・エジプトへと向かう。ピラミッドに入った悪魔くんたちは棺桶を発見、そこに記された象形文字から彼が魔術師ビアンカであることを知る。メフィストは襲いくるミイラに対し、壁を崩して太陽光を浴びせ、滅ぼすことに成功するのだった。
 妖怪ひとりをやっつけるために、わざわざエジプトまで飛んでいってしまうという発想のすっ飛びように仰天する。
第4話 大海魔

  監督:小林恒夫
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 漁船の船長が、突然海から現われた魔物に「ヒシャクをくれ」と言われ、渡すと巨大になったヒシャクで水を注ぎ込まれ、漁船は沈んでしまった。悪魔くんは妖怪の気配を感じ、家族や友人、メフィストとともに海へと出かけた。釣りを始めたメフィストは、化け物を釣り上げる。野宿を強いられた一行のもとに謎の女が近づき、魔神の呪いを恐れるなら帰れと言い放った。女こそは大海魔であり、友人のヒンタを攫うが、メフィストの魔力で海を干上がらせられ、大海魔は溶けてしまう。メフィストは、「海の平和を乱す人間を襲う」と言った女の気持ちに思いを馳せるのだった。
 問題作という訳ではないが、『ノンマルトの使者』をちょっとだけ想起させるストーリー。大海魔はさほど悪いことはしていなかったのに…と同情させられる話ではある。
第5話 ペロリゴン

  監督:加島 昭
  脚本:桂真佐喜
  特殊技術:矢島信男
 沼が光を放ち、怪獣ペロリゴンがその姿を現わした。その付近でトラックを走らせていた男たちは、長い舌に巻かれて餌食になってしまった。遊園地に無断入場しようと沼に近づいた悪魔くんたちは、ペロリゴンに捕まるから危ないと警備員の小父さんに言われる。そこへペロリゴンが現われる。メフィストを呼んだ悪魔くんだったが、彼らもペロリゴンの腹に呑まれてしまう。しかし腹に穴を開けて逃げ出す一同。穴から消化液が全身に回ったペロリゴンは、溶けていってしまうのだった。
 大怪獣編だが、ほのぼのした雰囲気は変わらず。戦っているというより追いかけっこをしているようだ。なお「多摩テック」ロケを行なっているのだが、遊園地が破壊されるシーンがあるためか、乗り物に書かれた遊園地の名をテープで隠されてしまっている。事実、この作品は「ゲテモノ番組」とスポンサーが連続して提供しない不遇の作品だった。この遊園地での件もその一例なのかもしれない。
第6話 首人形
  監督:加島 昭
  脚本:桂真佐喜
  特殊技術:矢島信男
 マネキン工場の夜。バラバラ状態のマネキンが一体自力で復元、ナンパ男のバイクに娘に化けて乗り込んだ。そのマネキンの目は大きな一つ目へと変化し、男にガスを吹きかけてマネキンにしてしまった。異状を感じた悪魔くんたちはマネキン工場を訪れるが、戦うメフィストは首人形にいいようにあしらわれる。しぶるメフィストをなだめ、悪魔くんは再戦に向かう。ほんのわずかな間に首人形は何体にも増殖していた。メフィストは粉砕機で首人形を砕き、人形になった人々を解放した。
 この話でマネキン恐怖症になった子供も多いのでは?今見ると実にチープな特撮なのだが、当時の良い子たちには衝撃的だったろう。
第7話 魔の谷

  監督:小林恒夫
  脚本:桂真佐喜
  特殊技術:矢島信男
 強盗三人組が山奥へと逃げ込んだ。そこには入ってはならないという掟のある古い洞穴があったが、強盗らは洞穴の扉を開き、妖怪を封じたお札を剥がしてしまった。突如巻き起こるつむじ風とともに、現われた妖怪に強盗らは木にされてしまった。そこへ悪魔くんたちはハイキングにやって来る。そこへひとり逃げ切って現われた強盗団のボスは悪魔くんたちに助けを求めるが、妖怪に吸い寄せられていったまま消えてしまった。警官や村人たちをも呑み込んだ木。それは村の老婆によれば山彦の仕業だという。相手にするのに愛想が尽きたメフィストは悪魔くんよりソロモンの笛を奪い、古井戸の底で昼寝を決め込もうとするが、どうにも悪魔くんたちが心配で結局帰ってきてしまう。だが、メフィストの魔力は山彦には通じなかった。山彦は雷に弱いと知った悪魔くんは、雷雲を呼び寄せて山彦を洞穴に逃げ帰らせ、お札で封印することに成功した。強盗たちは人間に戻っておとなしく逮捕され、メフィストは笛を悪魔くんに返した。
 コミカルな一編。強盗が唐草模様の風呂敷で盗品を包んでいるなど、この時代ならではの演出。メフィストの悪に徹しきれない人の良さも魅力。
第8話 水妖怪

  監督:竹本弘一
  脚本:七条 門
      豊田総治
  特殊技術:矢島信男
 ある湖で石を投げて遊んでいた子らは、戸板に括り付けられた妖怪を発見した。病院に妖怪は運ばれるが、病室で彼は甦り、光を避けて湖に舞い戻った。そして釣り人を襲い、泡を吹きつけて溶かしてしまう。池の管理人に取り付いた妖怪は、光を避けつつ管理人の家を襲う。メフィストに頼ろうとする悪魔くんをよそに、管理人の孫のケンタたちは自分たちだけで妖怪を退治しようと相談する。それを嘲うように彼らの前に悪魔くんの姿をとって妖怪は出現し、ケンタたちを翻弄した。巨大化する水妖怪にメフィストは一時退却するが、ケンタの姉の前で取り付かれて思わぬ醜態を見せたメフィストは、怒って湖の水を干からびさせ、妖怪を火炎で燃やすのだった。
 怪物のグロテスクさは本編でも1.2を争うのではないか。それでいて頭が良いのだから、単純なメフィストの手にかかるまでには相当な時間のかかった難物であった。
第9話 吸血鬼

  監督:山田 稔
  脚本:若林一郎
  特殊技術:矢島信男
 若いOLが深夜の街で吸血鬼に襲われた。警備員をも毒牙にかける彼を目撃した悪魔くんの父ちゃんはショックで寝込んでしまう。その頃メフィストは夜の公園を見回り、発見した吸血鬼を痛い目にあわせていたが、反対にメフィストの顔を見た女に悲鳴を上げられ、ふてくされて美顔研究所を訪れる。しかしそこは吸血鬼のアジトだった。メフィストは帽子や杖を奪われ、ベッドに拘束されてしまった。そこへ中華料理店の出前としてもぐりこんだ悪魔くんたちは、ニンニクの臭いで吸血鬼となっている人々を退け、メフィストを救った。吸血鬼の親玉ドクター・キューラは情報屋を人質にとるが、誤って電線に触れて感電、焼死してしまった。そしてメフィストは、ひとりゴミ処理場に赴き、帽子や杖、マントを捜し続けるのだった。
 吸血鬼の弱点が見え見えな分、メフィストのドジさ加減が笑える作品となった。
第10話 シバの大魔神

  監督:加島 昭
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 探検家は、死の予言者ザンパに今夜死ぬと予言される。彼を含めた三人はシバの女王の神殿に踏み込み、大魔神の石像に襲われた過去を持つのだ。そして彼は予言どおりに葬られ、もう一人も同じ運命を辿った。最後の仲間も予言を受け取った。
 その頃、メフィストは弟メフィスト(潮健児)を皆に紹介していたが、最後の探検家から予言書を受け取ったヒンタが命を狙われたのを目撃する。ザンパに連れ去られた探検家を追い、シバの女王の神殿に飛んだ悪魔くんと2人のメフィスト。だが魔界の者は掟により、シバの女王の神殿を荒らすことは許されないのだ。探検家たちはいずれも生きており、生け贄にされるところだった。悪魔くんは三人を助け、ザンパを深い穴に突き落とす。ここに至り兄メフィストは、弟の止めるのも聞かず悪魔くんに助勢。そしてシバの大魔神が現われる。魔神は力と光線技で悪魔くんたちを襲う。メフィストは反射鏡で巨像の目からの光線を反射させ、魔神像を破壊した。探検家たちを救った兄メフィストは魔界警察に捕えられ、弟が悪魔くんのパートナーを務めることになった。
 初代メフィストとはこれでおさらば。心配する悪魔くんの肩を抱いて慰めるメフィストの暖かさを象徴する幕切れとなった。今回は魔神像の特撮も絶品。巨大感の演出がリアルである。…余計なことだが、「シバの大魔神」といったらインド神話、と思うのは筆者だけであろうか?シバの女王とは思わなかった。
第11話 幻の館

  監督:小林恒夫
  脚本:高久 進
  特殊技術:小川康夫
 湖のほとりにある古い洋館。そこに滞在していた女の魂が、火の玉となってどこへともなく飛んだ。それを追う恋人は鋭い爪に引き裂かれて悶死した。悪魔くんたちは、偶然ただで別荘が借りられると新聞広告で見、その洋館へ向かう。そこには若い女主人が待っていた。だが、前回泊まったカップルの叔父夫婦だと名乗る連中が先回りする。女主人はそれが狂言であると見抜くが、文句ひとつつけなかった。やがて二人は悪魔くんたちのおどかしで逃げ回るが、思いがけず妖婆に吸い込まれてしまった。女主人を助けに向かって抱きつかれ、鼻の下を伸ばすメフィスト。だが、壁にあった女主人の肖像画が怪しい光を目に宿していることに、悪魔くんは気づいた。そして情報屋の妹、さらに情報屋が妖婆に襲われる。妖婆を追うメフィストが肖像画を傷つけると、女主人は妖婆の正体を現わした。メフィストが闘いの末妖婆にとどめを刺すと、肖像画は醜く老い崩れていった。そして飲み込まれた人々が元に戻るとともに、館は音もなく消え去るのだった。
 『ドリアン・グレイの肖像』あたりから思いついた話なのだろう、わりと先が読めるのが残念だった。
第12話 狼人間

  監督:加島 昭
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 スコットランド、満月の夜。姿を消した黒木博士を追う伊藤は、怪物に襲われたのかと怖れていたが、無事博士と合流した。そして日本。博士はある奇跡的な植物を持ち帰ったという。それを追う情報屋。その植物を水鏡で見たメフィストは、人を狼に変える満月草だと見抜く。その頃、黒木博士の罠に落ちた情報屋は閉じ込められてしまった。博士宅に忍び込んだヒンタは、狼と化した伊藤に満月草を食わされ、狼男になってしまう。メフィストはこっそり満月草を始末し、悪魔くんたちはヒンタに襲われたものの、満月草の燃える煙を吸って彼らは悶え苦しみ、人間に戻った。しかし、黒木博士はすでに死んでいた。博士を装っていたのは人間を呪う狼男だったのだ。怪力をふるう彼にメフィストは苦戦するが、火をかけられて倒れ、その屋敷とともに滅びた。
 この物語でのオリジナル部分は「満月草」くらいだが、それが有効に使われていなかったのが惜しまれるところ。
第13話 ドクロンの踊り

  監督:佐藤 肇
  脚本:高久 進
  特殊技術:小川康夫
 遊園地の乗り物のスイッチが切ってあるのに、突如乗り物が動き始めた。その謎が明らかにされぬまま、ピエロが魔術ショーのビラをまいて子供たちを誘った。そうして集まった子供たちの内の情報屋が、小さくされてビンの中に閉じ込められる魔法が披露された。そして、ピエロは悪魔くんに地獄を見せるという。ピエロは妖怪ドクロンの正体を現わし、悪魔くんを亡者の世界に送り込む。たまたま通りかかったメフィストに助けを求める悪魔くんは、ここは地獄だからとそっけなくされるものの、ソロモンの笛を大きく吹いてメフィストに元の世界に返してもらう。それを知らぬ子供たちはドクロンの化けたピエロの誘いに乗り、地獄へと落とされる。情報屋たちは亡者どもにこき使われ、永遠の責め苦にあう。そこに現われ、ドクロンと戦うメフィスト。ドクロンはメフィストを小さくするが、メフィストは逆封じの魔術でドクロンをビンに閉じ込め、大気圏外へと送った。
 地獄の亡者どもがそこらのアンちゃんにしか見えないのはご愛嬌。西洋と東洋の地獄が渾然一体となったあたり、水木ワールドにきわめて忠実に感ずる。
第14話 妖術師バラモン

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 夜更けの町に地獄より逃げてきた男、バラモンは、瞬く間に地獄警察に取り押さえられてしまう。だが彼は、鈴木少年の家に悪魔を呼び出す方法が書かれた本を送った。鈴木はその本に従ってバラモンを呼び出すが、彼は鈴木の言うことなぞ聞かない。それでも、少しは仏心を出してひとつだけは願いを叶えてやるという。翌日鈴木を宿題で縛る先生と、ついでに級友たちをバラモンは消した。悪魔くんは父ちゃんの目撃談を聞き、先生たちの消えたという工場に向かった。しかしバラモンはメフィストに逆恨みしていたのだ。バラモンはうるさい鈴木の母まで消し、もとに戻して欲しければ悪魔くんの持つソロモンの笛を持ってこいと笑う。それを止める悪魔くんと鈴木、メフィストとバラモンの闘いがはじまる。
 でも、いくらバラモンが地獄の釜に閉じ込められていたとはいえ、それが巨大な飯炊き釜だったとは…絶句。

<A> <楽>
第15話 妖怪としぬすみ

  監督:田口勝彦
  脚本:桂真佐喜
  特殊技術:矢島信男
 胸を矢で射られた少女が、吸い寄せられるように荒れ寺の中へ入ってゆく。そこにいた妖怪としぬすみは、少女から若さを奪い、老婆に変えてしまった。寺を悪魔くんと情報屋が雨宿りに訪れると、その少女が泣いていた。メフィストを呼ぼうとする悪魔くんを、としぬすみの部下ピンハネが矢で射ようとする。悪魔くんは逃げおおせて魔法陣の前に立つが、メフィストは腹痛に苦しんでいた。それを知ったピンハネはメフィストを騙し、怒らせて逃亡した。その間に情報屋は妖怪に捕まってしまう。メフィストは悪魔くんと仲たがいし、悪魔くん一人で敵に立ち向かうが、ピンハネはともかくとしぬすみには苦戦する。機嫌を直したメフィストはとしぬすみに立ち向かうが、反対に首を刎ねられてしまう。果たして勝負の結果は…。
 途中で使われるアニメーション効果が時代を感じさせる。
第16話 モルゴン

  監督:竹本弘一
  脚本:藤波敏郎
  特殊技術:矢島信男
 ガンマX線で新生物を誕生させんと研究を重ねていた博士は、助手の三平に死んだモルモットの処理を命じていた。そんな夜、死んだモルモットが火炎を吐く怪獣モルゴンとなり、博士を襲った。それを命じていたのは、人間嫌いでモルモットを愛する三平だった。科学者たちの悲惨な死を調査する悪魔くんたちだったが、メフィストは三平の特殊機械で小さくされてしまう。悪魔くんに助けられたメフィストは怒り、モルゴンに立ち向かう。手に負えぬままに科学者を守る悪魔くんたちに、三平は睡眠薬入りのお茶を出すが、飲んだふりをして悪魔くんとメフィストは起きていた。悪魔くんとメフィストは連携プレーでモルゴンにとどめを刺し、三平は火の海に呑まれていった。悪魔くんたちはモルモットの墓をつくり供養するのだった。
 三平の姿は、ファナティックな動物愛護運動家を予言するように見えた。
第17話 黒猫館

  監督:竹本弘一
  脚本:奥中惇夫
      竹本弘一
  特殊技術:矢島信男
 夜中にタクシーを呼び止める女。だが、運転手は女をガスで眠らせ、謎の館へと連れ帰った。迎えに出た老婆は女を主人に見せよと言い、主人…黒猫妖怪は彼女を食らうために冷凍庫に入れさせた。悪魔くんたちは女性失踪事件を妖怪の仕業と考え、館に入り込む。運転手と老婆はそれに気づき、悪魔くんたちを追いつめるが、運転手は事故を起こして入院してしまった。黒猫妖怪は悪魔くんたちを冷凍室に閉じ込める。彼らが何とか脱出して間もなく、老婆は口封じのために病院に向かい、運転手を刺したあと自分も湖に入水自殺する。残った黒猫妖怪と、メフィストの闘いが始まる…。
 運転手はともかく、老婆は何の役に立つのだろう。簡単に口封じに同意するあたり鉄の規律を表現しているのだろうが、どうにも納得できかねる。
第18話 怪奇雪女

  監督:加島 昭
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 山崩れの中から出現した雪女は吹雪を呼んだ。彼女は「山は私だけのもの」とうそぶき、観測所の人々を凍らせる。メフィストと悪魔くんは雪山に飛ぶが、山小屋の少女に泊まるように言われ、彼女が雪女とは知らずにうなずく。襲う雪女に立ち向かうメフィストは、得意の火炎術でも雪女を倒せず、逆襲されて負傷してしまった。悪魔は負傷すると、回復するまで魔力が使えないのだ。ふたりは観測所を目指す三人の車に助けられる。だが執拗に襲う雪女は隊員ひとりを遭難させ、メフィストの回復までにと全員を凍死させようとする。間一髪、力を回復したメフィストはつららミサイルで攻撃に出る。
 巨大化するわりにセコい雪女。せめて山脈ひと繋がりは私のもの、とほざく気概(?)が欲しい。
第19話 地獄脱出作戦

  監督:竹本弘一
  脚本:押川国秋
  特殊技術:矢島信男
 悪魔くんと情報屋、ユキコの3人は、ユキコ宅の家宝を取り戻すために地獄に潜入した。メフィストは地獄の掟に背いて力を貸さねばならないため、しぶしぶ顔である。だが、3人は三途の川で死んでいないことを見抜かれ、牢に入れられる。そこで『シバの大魔神』事件で囚われていた兄メフィストと出会った彼らは、弟メフィストの手引きで脱獄する。そもそものユキコの行動の意味はというと、欲深な祖父が黄金の仏像を抱いて地獄に落ちたために、病に冒されてしまった家族一同を救うためなのだった。悪魔くんと情報屋は小鬼に化け、閻魔大王の下へ赴いて肩をもむと誤魔化し、まず兄メフィストの杖を取り返した。そして剥肉地獄、針の山を切り抜けた一行は宝物殿にたどり着き、仏像を取り返すも、妖術師バラモンの弟ブラックが現われ、メフィストが相手をしている間に子供たちは火炎地獄に連れ去られてしまった。勝利したメフィストは人間界に続くロープで3人を送り、自分は追ってくる鬼どもとともに地獄へ舞い戻るのだった。
 地獄といっても、残酷さにおいてはスーパーマイルドで期待はずれ。兄メフィスト、バラモンの弟などの登場は嬉しかったが。
第20話 未来ゾーン

  監督:加島 昭
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 パトカーに追われる強盗団のクルマ。トンネルの中でその自動車は忽然と消えた。25世紀から来た謎の兄妹が自動車をおもちゃにして動かそうと試みたのだ。強盗団はアジトの牢にふたりを閉じ込めるが、彼らは牢も金庫も通り抜けてしまう。それどころか時間を止めることもできたのだ。強盗団はそれに狂喜し、時間を止めさせて金や宝石を盗みまくる。魔力で動くことのできたメフィストと悪魔くんは、「時間を止める妖怪」かと彼らを追う。そして強盗団を懲らしめようとするが、妹ピッチを人質にとられた兄ロロは、時間を二倍にして強盗を逃がす。しかしアジトに追ってきたメフィストにとって、未来人からはなれた悪党どもなど敵ではなかった。脅迫された未来人はメフィストの魔力を封じたが、なんと生身でもメフィストは滅法強かったのだ。彼は強盗を一網打尽にし、囚われた未来人たちを解き放ってやった。
 でも、ちょっと無理のある話。時間ネタはかくも難しいものかと思い知らされた一編。
第21話 化石人

  監督:田口勝彦
  脚本:高久 進
  特殊技術:矢島信男
 日本アルプスでは、時ならぬ雪崩れ続きで遭難者が相次いでいる。スキーに出かけてきた悪魔くんたちは、クレバスに落ちて死んだという死体を見て、首を絞められて殺されたのだと言いはる。そして怪我をした男から、藤波博士に届けてほしい、と言われて書きつけと包みを託されて仲間たちと下山する。一方、山荘に残った人々を妖怪が襲った。だが、妖怪の求めるものはそこにはなかった。東京に向かう悪魔くんたちが禁を破って包みを開けてみると、いきなり冷気が噴き出し列車内につららができてしまった。妖怪はある念波をキャッチし、東京へ飛ぶ。その頃藤波研究所では、冷気を発する化石と、それが雪崩れ続出の謎の手がかりになるという書きつけが見られていた。それを追って現われる化石人。メフィストは魔力で化石に戻すが、化石人が断末魔のテレパシーを送るのを彼は見逃さなかった。研究所を襲う何人かの化石人。彼らはアルプスのクレバスに王国を築いていた…。
 化石人は何故か、「海底原人ラゴン」を彷彿とさせる半魚人スタイル。だが共存の道は模索されず、あっという間にメフィストに滅ぼされた。
第22話 呪いの森の魔女

  監督:田口勝彦
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 道に迷った旅人はある村で旅籠に案内されるが、そこは鬼婆の住家だった。旅人は鬼婆の餌食となるが、それを止める者はいはしなかった。村人は鬼婆に食われない代わりに生け贄を捧げていたのだ。その村へやってきた悪魔くんたちも、例の旅籠へ連れてゆかれる。夜中に起きた彼らは、障子に映る包丁をとぐ鬼婆の影を見る。メフィストは鬼婆を退治しようとするが、鬼婆は村娘の体に逃れた。そこで彼は一計を案じ、生け贄の村娘に化けて鬼婆に近づいた…。
 何人かの村娘に姿を変えてメフィストを幻惑させる鬼婆が、最後まで騙し通さず自ら正体を現わすのがこの番組の潔い(?)ところ。
第23話 化けぐも

  監督:竹本弘一
  脚本:藤波敏郎
      竹本弘一
  特殊技術:矢島信男
 スピード狂の駆るスポーツカーが、化けグモの巣にかかった。それを予知夢に見た悪魔くんだが、メフィストも同じ夢を見たという。彼らは早速夢に見た峠へと飛ぶ。現われた化けグモは目玉をえぐられ、姿を消すのだが、メフィストを民家に封じ込め、火をつけるのだった。なんとか危機を脱したふたりは谷底をさぐる。彼らを騙し怒りを買った化けグモは、飛行機につかまって飛び、羽田空港に降り立って暴れまわる。ふたりはミサイルにまたがって化けグモを煙に巻き、とどめを刺した。
 ところで予告では、「なぜ彼は人間を憎むのか。なぜ彼は文明を破壊するのか。それは全く謎だ」と語っているのだが、実際何の説明もない。この化けグモ、倒されるために出てきたとしか思えない。ちょっと安直に過ぎる一編。
第24話 カマキリ仙人

  監督:竹本弘一
  脚本:押川国秋
  特殊技術:矢島信男
 五百年のあいだ、円覚上人に封印されていたカマキリ仙人が甦った。じつは情報屋の先祖が彼から大切な鎌を奪い、それを仙人は恨みに思っていたのだ。悪魔くんと情報屋は好奇心からその鎌の封印を解いてしまい、仙人にそれを奪われた情報屋は仙人の思うがままにされてしまう。立ち向かう悪魔くんとメフィストは生き埋めにされるが、なんとか脱出し、情報屋にかけられた術を解いた。一方、情報屋一家への復讐に向かった仙人は、あの手この手で一家を狙う。だが、メフィストの魔力で鎌を錆びさせられた仙人は退治される。
 仙人とメフィストの魔力合戦が見もの。特にふたりのカーチェイスなどは、この仙人ホントに五百年封印されていたのかと疑われるところ(笑)。
第25話 人喰いダイヤ

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 森の中の邸宅で、娘が悲鳴をあげて消失した。うろたえる父の前に胡散臭いトルコ帽の宝石商が現われ、娘のダイヤを買い戻した。それはツタンカーメン王の墓から出土したという「エジプトの星」であった。そしてダイヤは婚約中のカップルの娘の手に渡る。娘が眺めると、「助けて」と言いたげな娘たちの姿がその中に浮かび、光とともに娘はダイヤに呑まれてしまった。悪魔くんたちは妖怪の仕業と見るが、メフィストは旅行中。悪魔くん、ヒンタ、情報屋は捜索を開始したものの、宝石商に部屋の中に閉じ込められてしまった。彼らはメフィストを呼び出して逃げようとするが、当のメフィストも地獄の大王の命でそのダイヤを捜していたのだった。その頃、ダイヤは悪魔くんの妹の手にわたり、それを取り戻そうとした悪魔くんともども呑まれてしまう。呼ばれてダイヤの中に入ったメフィストは、宝石商と名乗った妖怪と剣を交える。
 ダイヤを巡っての人々の欲望があらわになるコミカルな一編。「妖怪」は最後まで人間型のままであり、名前もない。でもこういった話もまた『悪魔くん』ならでは。
第26話 透明怪人

  監督:折田 至
  脚本:伊上 勝
  特殊技術:矢島信男
 タクシーを止めて乗り込んだ不気味な男は、運転手の死ぬ日時を知っていた。彼の名は死神第4号。だが彼はその時、人の死期を知ることのできる虫眼鏡を落としてしまった。虫眼鏡はブンペイ少年の手に渡る。それを知った死神はブンペイの前に現われ、彼が次に死ぬと告げる。悪魔くんはそれを知ってメフィストを呼ぶが、「死神の仕事を邪魔してはならない」との掟でメフィストは傍観を決め込む。困った悪魔くんたちは自分らだけで死神を懲らしめようとするが、あの世へと引きずり込まれそうになる。だが、密かに協力したメフィストが死神をペテンにかけるのに成功した。門番に格下げになった死神はやぶれかぶれの攻撃に出る。
 今回も前回に引き続き、低予算のお手軽特撮編。でも、そういった話のほうが本編では面白いのは確かである。一向に最終回らしくない話で、メフィストとの悪魔くんの別れも、予告編の時間内で手を振っておしまい、というきわめて簡単なもの。