ピーターラビット |
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ウィル・グラック
ザレー・ナルバンディアン
ダグ・ベルグラッド
ジョディ・ヒルデブランド
キャサリン・ビショップ
スーザン・ボルソヴァー
エマ・トッピング
ロブ・ライバー
ジェイソン・ラスト
ジョナサン・フルジンスキ(製) ロブ・ライバー
ウィル・グラック(脚)
ローズ・バーン
ドーナル・グリーソン
サム・ニール
ジェームズ・コーデン
マーゴット・ロビー
デイジー・リドリー
エリザベス・デビッキ |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
3 |
3 |
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イギリスの片田舎湖水地方にあるマクレガー氏(ニール)の庭にはイタズラ好きの兎が住んでいた。今日もマクレガーの目を盗んで農作物をしこたま盗んだのは良いのだが、リーダーのピーターがマクレガーに捕まってしまう。だが殺される直前マクレガーは心臓発作を起こして亡くなってしまった。そして家を受け継いだ甥のトーマス(グリーソン)が家財処分のためにやってくる。近所にいる画家のビア(バーン)と意気投合するのだが、ビアを慕うピーターはそれが面白くなく、トーマスを追い出そうと兄弟達と一緒に悪戯を仕掛けるのだった。
ベアトリクス・ポターによって創造され、世界中にファンを作り続けている絵本「ピーター・ラビット」。かくいう私も幼稚園の時分に家に置いてあったので、繰り返し読んでいた。
「ピーター・ラビット」の魅力というのは、絵の可愛さもあるが、意外な残酷さというのが子供心に刺さるということがあったかと思う。野生動物として生きる兎は命がけで生きていていて、命がけさが文章からにじみ出てくるような感触もあったのだろうと思う。子供心に響く作品というのは、実はそんなところにあったのかもしれない。
それで「ピーター・ラビット」を映画化するには、そう言った残酷性というか、サバイバル的なものがほしくなっていく。単なる優しげな絵本の作品で終わってほしくない。
…と、言うのが元々あって、まさにその理想的な作品が目の前に出てきた。まさにここに展開するのは兎たちの生き残りを賭けたサバイバルであり、人間との間の戦争だった。
しかしなんだろう。この強烈な「コレジャナイ」感は。
いや、「なんだ」ではない。最初から分かってる。この作品、絵本から明らかに逸脱してるのだ。この物語は絵本の後日譚みたいな話になっていて、本編には全くない話になっているので、正確には本作は絵本の映画化ではなく、キャラクターを使って好き勝手にやってるだけのアクション作品である。よくもまあこれを堂々と「ピーター・ラビット」と言えたもんである。
しかし作品自体は確実にヒットして、続編も作られることが決まったそうなので、映画としては成功だろう。それにそもそも本作を「ピーター・ラビット」として観ないでアクションコメディ作品と観られるならばそれで良い。
ストーリー自体を言えば『ノートルダムの鐘』(1995)の変調と言った感じで、一人の女性に恋したピーターがライバルの男の恋路を邪魔していく内に友情が生まれるというパターン。それをイギリス流の諧謔趣味で仕上げた感じ。
後半になるとむしろピーターのライバルとなるトーマスが自分自身を取り戻していく話になっていて、アクション部分の派手さに隠されてはいるが、物語はしっかり定番を踏襲してる。このバランスが本作をヒットさせたのだろう。
それも理屈では分かってるんだが、思い入れのある作品を蹂躙された思いってのも確実に存在しており、なんとも観てる間、心があっちこっちに跳んでしまうような気になる。
明確に駄目作品とは言えないのだが、心のどこかで「これを認めるな」と激しく抵抗している。なんとも心騒ぐ作品である。 |
製作年 |
2018 |
製作会社 |
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ジャンル |
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売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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