ウィリーズ・ワンダーランド
Willy's Wonderland |
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ニコラス・ケイジ
マイク・ナイロン
グラント・クレイマー
ジェレミー・ダニエル・デイヴィス
デヴィッド・オザー
ブライアン・ロード(製)
G・O・パーソンズ(脚)
ニコラス・ケイジ
エミリー・トスタ
ベス・グラント
リック・ライツ
クリス・ワーナー
カイ・カドレッツ
クリスティアン・デル・グロッソ
テレイル・ヒル |
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★★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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アメリカの片田舎をカスタムカーでドライブ中の男(ケイジ)は、何者かが道路に仕掛けた車止めのせいでタイヤがパンクしてしまう。数時間後にたまたまトラックで通り掛かった近くの町ヘイズビルの修理工ジェドに助けられ、車をヘイズビルまで牽引してもらう。ジェドは車の修理を請け負ってくれたが、修理には一晩かかり、千ドルが必要だという。現金を持たない男は途方に暮れるが、そこに現れたテックスという男が廃墟となったテーマパーク“ウィリーズ・ワンダーランド”を一晩掃除してくれれば修理代を出してやるという。他に方法もなく、その申し出を受けた男だが…
文芸的な作品からヒーロー作品まで幅広い演技で定評のあるニコラス・ケイジだが、2020年代になって仕事にこだわりがなくなったというか、何でも仕事を受けるようになっていき、今ではジャンル俳優としてもうすっかり有名になりつつある。これはこれで結構好きだよ。
そんなジャンル作品の中で、近年最も評価された作品が本作だろう。
実際、これはなかなか面白い。話は極めて単純で、悪霊に生け贄にされた人間がやたら強くて、逆に悪霊をたたきのめすという話。なんというか、SNSで時々出てくる短編漫画をそのまま実写映画化したような単純な話である。しかし物語を変に複雑にしなかったお陰で実にシンプルで、それが面白い話になっていた。ケイジが生け贄に選ばれる話というのはこれが初めてではなく、前に『ウィッカーマン』(2006)があったが、あれは物語にこだわりすぎていじりすぎたために全く面白くなくなっていた。全くその逆をやってみたら意外にも面白くなったという感じ。
話はほぼ一本調子。名前も分からない男がテーマパークの掃除をして、くつろぎ、悪霊が襲ってきたら返り討ちにする。それが何度も続いていく。後半は他のキャラも含めてバリエーションが出来たり、このテーマパークが何故取り憑かれたのかとかの説明とかもあるが、基本的には男の強さだけを強調する話なだけである。
無口で何やるにも淡々とこなすだけの男。悪霊退治さえ仕事の一部のようにこなすその姿は、ほとんどロボットみたいなんだが、その黙々とした姿が妙に似合ってる。悪霊と戦う以外の時間はゲームをしたり踊ったりと、頭のネジがぶっ飛んだような行為をしてるが、それも又シュールでよろしい。
かなり好みな作品で、もう少し評価点あげても良かったのだが、後半の定番の馬鹿騒ぎした若者が襲われるパターンで気が削がれたことと、ケイジ以外の演技が下手すぎるのが問題で、そこがあと一歩高評価できない理由。もうちょっとちゃんと演技できる人連れてきたら、ジャンル映画の大傑作になってたと思う。
「俺だったらこうするのに」と思わせてくれてるのに、面白いのだから、私的には大満足だ。 |
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