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チャック・ワークマン
Chuck Workman

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タイトル
<A> <楽>
  
物語 人物 演出 設定 思い入れ

 

ビートニク 1999
<A> <楽>
  
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 50年代末から始まり、若者文化に大きな影響を及ぼしたビートと呼ばれる人々。ビート世代と呼ばれる彼らについてのドキュメンタリー作品。ビートの教祖とも言われるケルアック、ギンズバーグ、バロウズの3人の残したフィルムを基に、ビート世代の人々の証言や当時の記録映像などで綴る作品。
 若者文化の走りとしてアメリカで興ったビート世代。これは1944年にケルアック、ギンズバーグ、バロウズの3人が出会ったときから始まった。彼らは大人の作りだした世界を欺瞞と感じ、社会に対しての反逆と共に、自分の感性に正直に生きようとしていた。やがてこのムーヴメントが新しい音楽としてのロックンロールを作り上げ
(ロックとは文字通り固い岩を示すが、その岩が転がり続けることで決して苔むしたり泥にまみれることなく、岩であり続けると言う意味:異説あり)、そして70年代のヒッピーへと受け継がれていくことになる。
 世代的な継承のみならず、ビートとヒッピーが生まれる社会には共通性がある。
先ずそれは世界が二重構造を持っていると言うことを否応なく突きつけられた時代だと言うこと。つまり戦争が起こり、非常時の高揚感が薄れてきた時代である。秩序を口にする大人が戦争という非秩序を賞揚している。否応なく青年達はその欺瞞性を突きつけられた。更に戦争によってもたらされた科学によって人間性というものが見えにくくなっていた時代でもある(どの時代でもそう言うムーヴメントはあるのだろうが、今の日本にそれを感じることは残念ながら出来ない。私がヒッピー世代に変にこだわるのはそれがあるのかもしれない)
 
彼らは殺し合いと秩序の二つしか提示出来ない大人達に対し、そうではない。自分自身の感性に素直に生きることこそが大切と主張した世代である。言ってしまえば自由に生きる事を誰からも押しつけられることなく、自分で選び取ろうとした世代である。ビートは第2次世界大戦終了後の虚しさによって、そしてヒッピーはヴェトナム戦争によって…
 勿論違いはいくつかある(名称だけじゃなく)。ビートは先立つものがなかったため、存在そのものが模索の連続であったこと。一方のヒッピーはビートというムーヴメントが先にあったが故にそれをベースに発展していくことが出来たこと。そして情報網の発達によって、基本的にアメリカのみで発展したビートに較べ、ヒッピーは全世界的に広がることが出来たこと。何より重要なのは、個人の感性を重要視するのは共通していると言っても、ビートがあくまで個人で留まっていたのに対し、ヒッピーは
共同体を指向したこと(ヒッピーは思考の中心に「愛」という概念を持ってきたことが大きい)。ビートルズの調べに乗せてワールドワイドに展開することが出来た。
 
(間違っているかも知れない)勝手なゴタクを並べてしまったが、私とビートの関わりはあまり多くない。私が物心ついたのは80年代になってからだから、70年代のヒッピーに興味を持つことはあっても、それ以前のビートについてはあまり知らなかった。強いてビートとの関わりがあるとすれば、クローネンバーグの映画『裸のランチ』(1991)を観たことから始まった。この作品の著者こそがビート族の中心の一人、ウィリアム=バロウズ。クローネンバーグファンとして映画を観て、その原作に興味を持ち、手に取ってから。正直訳分からない作品だったけど、なんか妙に惹かれるものを感じ、ビートについて調べたことから。
 本作はそう言う意味で非常に楽しめた。何せ私が知りたいことが見事に詰まってた訳だから。
 ケルアック、ギンズバーグ、バロウズの実際の言葉が映像付きで観られたのは嬉しかったし、デニス=ホッパー
(この人の生き方は確かにビートの影響が見られる)やジョニー=デップ(この人はむしろヒッピー世代なんだろうけど、この人って偏った知識が凄いからなあ)、ジョン=タトゥーロによる彼らの詩の朗読が又泣かせる(役者として大好きだし)。彼らの反骨精神はここから来てるのかもね。
 お陰でますます興味を持ったな。

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