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アニーシュ・チャガンティ
Aneesh Chaganty

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1991 誕生

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ティムール・ベクマンベトフ
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アダム・シドマン
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マリヤ・ザトゥロフスカヤ
アナ・リサ・ムラヴィナ
イゴール・ツァイ(製)
アニーシュ・チャガンティ
セヴ・オハニアン(脚)
ジョン・チョー
デブラ・メッシング
ジョセフ・リー
ミシェル・ラー
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 最愛の妻を亡くし、高校生になる娘のマーゴット(ラー)と二人暮らしをしているデヴィッド・キム(チョー)。寂しさを引きずる二人はお互いの顔を見るのも辛く、すれ違いの日々が続いていた。そんなある日、勉強会に出かけたはずのマーゴットから数度夜半過ぎに電話がかかる。朝になって電話をかけ直すと、全くつながらないまま。それから数日が過ぎ、デヴィッドはついに失踪届を警察に出し、担当者の女性刑事ヴィック捜査官(メッシング)の事情聴取を受けることになる…
 
全編PC画面の中で展開する異色のサスペンス作品。娘が生まれたときのWindowsXP時代から、15年ほど経過したMacの画面まで、すべてが一つの画面の中で展開するということで、視点と画面映えが大変面白い作品に仕上がってる。
 目新しさを言うなら、やはりPC画面内でのストーリー展開だろう。
 これまでにもいくつかこれに似た画面の作品は存在した。それは例えば、一つのビデオカメラで事件を映しづける疑似ドキュメンタリー作品だったり、隠し撮りしたビデオ画像をテレビで映し続けるという『ファイナル・カット』(2000)であったり。
 ビデオ機材の進化でそう言った捻った見せ方をする作品もそれなりに出ている。また、PCを使って個人情報を奪われることの恐ろしさを演出するのは現代のサスペンスではほぼ必須項目。
 ただ、PC画面というのはビデオ画面とは情報量が全然違う。
ビデオ画面は一つの画面しか映すことができないのに対し、PC画面は複数の画面を同時に展開させることもできるし、多量の文字情報を提供もできる。更にPCは進化し続けているため、セキュリティの甘い時代の古い機材を敢えて持ち出すことで個人情報を探っていくこともできる。これまで以上にいろいろ捻った画面の見せ方ができるのが本作の特徴であろう。
 画面映えだけでなく、それらをうまく活用してサスペンスとしてちゃんと物語もできている。

 そういう目新しさに目が行きがちだが、本作の本当に面白い点とは、人の本性をどうやって暴くかという、いわば覗き見の楽しみを、最新機材を用いて行うことにある。
 妻が亡くなって以来、同じ家に住んでいてもすれ違いがちの娘が本当は何を考えていたのかを探るのに、SNSを探るのは良い方法である。もちろん個人情報なのでパスワードを用いて通常は自分以外見られないようにするのだが、そのセキュリティを突破して個人情報に到達するのは、ある種ハッカー気分にもなる。
 そこで分かってくるのは自分の知らない娘の姿。学校の授業もサボりがちで、友達もほとんどいない。あれだけ好きだったピアノの塾も行かずに黙って授業料をため込んでる。更にSNSには心ない書き込みも多数。
 ここで、ひょっとしたらこの娘は外面だけ良いけど、親に隠れて何か悪さをしていたのではないか?と思わせる。
 この展開から実は…というところが実に面白い。
 人の表面の皮を一枚めくって、そこで見えたものが真実ではない。更にその奥が重要だと言う事で、最後はちゃんと家族愛の物語に着地するところがうまい作りだ。

 その意味で本作はとても設定的に面白い作品なのだが、何点か勿体ないところがあって、それが引っかかってしまった。
 PC画面一つで物語が展開するのは面白いのだが、本作には複数のPCを用いているため、どうしても複数の画面が出てきているはずである。それを一枚の画面で行っているように見せるのは設定上ちょっといただけない。しかもズームアップとかまで使っているのが困りもの。PCの性能上不可能ではないのだが、技術的に高度すぎて一般的なレベルでなくなってる。
 そして物語の根幹となるサスペンスが途中で何となく先が読めてしまったところ。これが分からなければきれいに騙されて気持ちよく追われたんだが、「やっぱり」と思ってしまった時点で残念ながら気持ちが萎えた。

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