ウォンテッド 2008 |
2008米アカデミー音響賞
2008放送映画批評家協会アクション映画賞
2008Mr.スキンヌードトップ8位
2008スクリーム映画BEST ACTRESS IN A FANTASY MOVIE OR TV SHOW(ジョリー)
2008全米年間興行成績第16位
2008スクリーム・アワードファンタジー映画主演女優賞(ジョリー)
2008再生回数が多かった予告第7位
2009MTVムービー・アワード女優賞(ジョリー)、キスシーン賞(ジョリー&マカヴォイ)、トンデモシーン賞(ジョリー)
2009サターン作品賞 |
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マイケル・ブラント
デレク・ハース(脚) |
アンジェリーナ・ジョリー |
ジェームズ・マカヴォイ |
モーガン・フリーマン |
テレンス・スタンプ |
トーマス・クレッチマン |
コモン |
クリステン・ヘイガー |
マーク・ウォーレン |
デヴィッド・オハラ |
コンスタンチン・ハベンスキー |
クリス・プラット |
ローナ・スコット |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
3 |
5 |
2 |
3 |
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毎日会社に通い、うんざりする経理事務のルーティン・ワークを淡々とこなしていたウェスリー(マカヴォイ)の生活は、ある日謎めいた女フォックス(ジョリー)と出会って一変した。突如ウェスリーに襲いかかってきた暗殺者を撃退したフォックスは、自分が千年前から、神に代わって"運命の意志"を実践してきた秘密の暗殺組織"フラタニティ"のメンバーであると明かし、更に死んだウェスリーの父がそのリーダーであったことを知らされる。そして父の跡を継ぎ、フラタニティのメンバーになる選択が迫られるウェスリーだが…
マーク・ミラー原作グラフィックのベルの映画化。不思議な雰囲気を持つ作品で、アンジェリーナ・ジョリーのど派手アクション、馬鹿馬鹿しさとシリアスさを兼ね揃えた物語展開などがはまったか、最終的に2億ドル以上の収入をもたらした作品。
ただ、わたしにとってはなんとなくはまり込めにくい作品だった。
理由を考えてみると、本作は超常的な能力を持つ人間たちによる殺し合いが物語の主眼となるが、多分この描写の噛み合わせの悪さが問題なのだろう。
まず主人公は最初何の能力も持たない一般人のようだったが、実はとんでもない動態視力の持ち主で、それを見込まれた組織から徹底的に訓練を受けるわけだが、その訓練というのが人を瀕死に至るまで徹底的にいたぶり、その後に特殊な薬液によって完全回復させるというもの。その訓練風景がほとんどスラップスティックもので、笑いを誘うように描写される。実際日本の古いコメディマンガを参考にしたかのような、なぶられ、風呂に放り込まれ、又引きずり出されて再び訓練に追いやられると言った様子は完全にお笑いの側に立っている(そういえば『食神』で似たような描写があったので、そちらの記憶と直結して笑えたのかもしれない)。某映画批評家によれば、この描写はマゾ体質の男にはたまらない内容なのだとか。
一方、物語の設定そのものは結構ハード。主人公は常に運命に翻弄され、ギリギリの中で選択を強いられて運命を選び取っていく。
物語上に笑いの要素はあんまりなく、それが物語上の違和感となって残ったのだろうかと今では思ってる。
コメディにするならもう少し物語を柔らかくした方がいいし、ハードさを主眼とするなら訓練風景をハードに、殺し合いの描写に力を入れるのだったら、人間ドラマを押さえ気味に。その辺のバランスを考えずに何でもかんでも入れてしまったのが本作の違和感の正体なのかもしれない。
一つ一つのパーツを見るなら見応え充分なのだが、何でもかんでも混ぜっぱなしになってしまって、とにかくバランスの悪さばかりが見えてしまった作品だった。
世界的にもかなりヒットしたため、続編が作られるという噂があったが、その話は一体どこに行ってしまったのか? |