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ロドリゴ・コルテス
Rodrigo Corte's

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鑑賞本数 1 合計点 4 平均点 4.00
書籍
2010 [リミット] 監督・製作総指揮・編集
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1976
1975
1974
1973 パゾス・ヘルモスで誕生

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[リミット] 2010
2010映画界の新星監督
2010ナショナル・ボード・オブ・レビューオリジナル脚本賞、
トップ10
2011MTVムービー・アワード恐怖演技賞(レイノルズ)
2011サターン主演男優賞(レイノルズ)

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クリス・スパーリング(脚)
ライアン・レイノルズ
ロバート・パターソン
ホセ・ルイス・ガルシア・ペレス
スティーヴン・トボロウスキー
サマンサ・マシス
エリク・パラディーノ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 イラクで民間のトラック運転手をしているポール・コンロイ(レイノルズ)はが目覚めた時、自分が縛られて狭い空間に押し込められていることを知る。手元にあるライターで周りを照らしてみると、そこは地中に埋められた棺桶であることを知る。手元には、懐中電灯とライター、そして自分のものではないブラックベリーの携帯電話。自分がどこにいるのかもわからず、携帯電話で助けを求めようとするポールだったが…
 極限状態にある人間を描いた作品で、ワンシチュエーションで話が
すべて展開する作品。
 こういったワンシチュエーションの話というのは、アイディア勝負で監督の腕の見せ所なので、結構多くの監督が挑戦している(金がかからないというのも強みか)。その最たる存在はヒッチコック監督だろう。特にワンシチュエーションにこだわり、その中で数々の傑作を生み出している。
 ただ、ある意味では本作はそのヒッチコックすら超えたシチュエーションを用意できた。何せはじめから終わりまで、最も狭い空間だけで物語を構築することができたのだから。
 私が知っている限り、もっとも狭い空間で物語が展開したのは、リンクレーター監督の『テープ』(2001)で、最初から最後までホテルの一室だけで話が展開し、登場人物も3人だけ。というもの。あるいは変則的だが先に挙げたヒッチコック監督の『救命艇』(1944)も相当に狭い空間だけのシチュエーションを作ることに成功している。
 だが、本作の狭さは群を抜いている。なんせ舞台の全てが棺桶の中だけだから。よくここまで考えたものだ。
 そしてそのワンシチュエーションを活かすことができたのは、監督の腕もあるが、今は携帯電話というありがたいアイテムが存在するから。これをうまく物語に使ったのが大きい。
 携帯電話は今や会話とメールだけの存在ではなく、ネット検索したり、動画を撮ったり映したりと言った機能もあり、それらをフルに駆使することによって、たった一人しかいない空間を、多人数との関わりの中で描くことができるようになった。 考えてみると、携帯一つあれば、その人物の過去や、現在置かれている状況、そして自分がなさねばならないこと、すべてを描くことが可能だ。これだけ効果的に携帯電話を使うことができたのが本作の成功点であろう。その点は本当に感心したし、これこそ携帯を使ったドラマの可能性をきちっと示唆した作品だろう。

 実際最後まで全く飽きずに観ることができたが、後半になると、
別な意味で期待感が膨らんできた
 せっかくのワンシチュエーションを、最後まで持って行くのか、それとも一瞬でも広い空間を使って台無しにするのか?その一点だけでもわくわくしながらできたし、上手いサスペンスにも仕上げられていた。
 オチの部分はここでは書かないけど、一言「上手い」とは言っておこう。どこかで観たシチュエーションも多いけど、それらを効率よく取り入れたおかげで、最後までわくわくは続いてくれたし。

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