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クレーベル・メンドンサ・フィーリョ
Kleber Mendonca Filho

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評価 年代 レビュー 書籍
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
年代
2021
2020
2019 バクラウ 地図から消された村 監督・脚本
2018
2017
2016 アクエリアス 監督・脚本
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1970
1969
1968 レシフェで誕生

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レビュー

 

バクラウ 地図から消された村
Bacurau
<A> <楽>
エミリー・レクロー
サイド・ベン・サイド
ミヒェル・メルクト(製)
クレーベル・メンドンサ・フィーリョ
ジュリアーノ・ドルネリス(脚)
バルバラ・コーレン
トーマス・アキーノ
シウヴェロ・ペレイラ
ソニア・ブラガ
ウド・キア
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 ブラジルの奥地にあるバクラウという村出身のテレサは村の長老のカルメリータが亡くなったと連絡があったことから、葬儀に出席するためにバクラウに戻ってきた。老若男女の村の住民に囲まれ、久々にリラックスできたテレサだが、戻ったその日から村で不可解な出来事が次々と発生する。それはインターネットの地図上から村が突然姿を消し、村の上空には正体不明の飛行物体が現れることから始まり、翌日には給水車のタンクに何者かが銃を撃ち込み、村外れでは血まみれの死体が発見される。更に滅多に来ることがない余所者も村を訪れていく。

 『アクエリアス』で鮮烈な映画デビューを果たしたブラジル出身のフィーリョ監督作品による一風不思議な作品。なかなか称するのが難しい作品だが、とりあえず言えるのは本作は不条理劇と考えれば良いだろう。映画のポスターなどでは空飛ぶ円盤らしいものが浮遊しているのが大変違和感があり、これはひょっとして宇宙と交信するSFなのか?などとも思ってしまうのだが、本編はそんな事もなく、SF要素はほとんどない。
 物語の流れ自体は単純だ。ブラジルの片田舎にある村を武装集団が狙い、それを撃退するというシンプルな構成である。『ランボー ラスト・ブラッド』(2019)のランボー役が複数いる話とでも言えるだろうか?
 ただ、とにかく説明不足なのが問題だ。
 この説明不足はいくらでもある。いくつか挙げてみよう。
 何故バクラウが狙われるのかの根本的な説明がなされていない。明らかに彼ら武装集団は素人ではなく、軍隊に近い組織で、政府か有力な政治家のバックアップがあるはず。それはこの村を訪れ、選挙協力を要請していた政治家がいて、彼が裏で糸を引いていたらしいことが分かるのだが、今度は動機が分からない。何故あんなにバクラウに対して下手に出ていて、しかも攻撃を命じたのか。
 次に、バクラウの人間が襲撃馴れしているのが不思議なところ。最初はやられっぱなしに思え、このままだとあっけなく村ごと全滅すると思っていたら、各家庭には豊富な武器があって、しかもトラップを仕掛けたりストーキングして相手を個別に殺したりしてる。殺人に忌避がなく、しかも武器のプロフェッショナル。そんなのがなんでこんな片田舎の村に集団でいるんだ?
 細かいところだが、バクラウは陸の孤島のような場所にあり、水も給水車で運んでこないといけない場所にあるのだが、村人はどこかで外貨を稼いでいる訳でもないようで、村の中で経済が完結してる。更に仕事らしい仕事してる人がほとんどいない。
 この辺がとても違和感を感じさせる。

 本作が何故映画賞を受賞出来るほどの作品だと言われるのかは、この部分ではないかと思われる。
 実はこの点について明確にされていないのだが、バクラウの人々が何か特別な存在である事だけは確かである。それは色々と考えられるだろう。例えば殺し屋として養成される特別区域であるとか、特殊なウイルス保菌者で万一のために隔離されているとか、あるいは何らかの形での被差別区域というのもあり。ただ、おそらくは過去政府によって管理されていた場所で、現在は政府管轄から外れているが、何か政府に対する弱みを握っているために封印されているということになるのかも。
 この辺は色々考えられるが、別段細かいところは構わない。社会的弱き立場の人間が一方的に蹂躙されるのではなく、そんな人間でも抵抗できるという事実にこそ価値がある。
 それだけ世界は一方的な蹂躙が多いということでもある。立場が弱い人間は我慢するしかない世相を背景に、そこに希望を持たせられるという点が重要で、それだけで本作は充分と言うことなのだろう。
製作年 2019
製作会社
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原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
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