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ロマン・ガヴラス
Romain Gavras

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2022 アテナ 監督・製作・脚本
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2018 ワールド・イズ・ユアーズ 監督
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アテナ
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ロマン・ガヴラス
ラジ・リ
ムーラッド・ベルケダール(製)
ロマン・ガヴラス
ラジ・リ
エリアス・ベルケダール(脚)
ダリ・ベンサーラ
サミ・スリマン
オウアシニ・エンバレク
アレクシ・マナンティ
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 フランスの地方都市で末弟が何者かによって殺害されたと聞かされたフランス軍兵士のアブデルは慌てて帰宅し、警察へと向かったところ、そこでは弟が殺されたのは警察のせいだと大騒ぎする兄のモクタルと弟のカリムがいた。モクタルとカリムに先導された人々は警察を襲撃して武器を奪い、自分たちのアパート“アテナ”に戻り、そこで警察が過ちを認めるまで立て籠もると宣言してしまう。状況が分からず宥めることも出来ないまま、なんとかしようと奮闘するアブデルだが…

 劇場用の映画と異なり、Netflixの映画は突然配信され、一気に話題になって少し経つと話題が消えてしまうと言う問題があって、本当に話題の内に観ないと知らないうちに埋もれてしまう作品が本当に多い。それは多分本作にも当てはまる。かなり質が高いのだが、登場キャラに有名俳優が使われてなかったのが理由なのか、割と話題になった期間が短かった。良質な作品をこの程度の時間で消費してしまうのはなんとも勿体ない話である。
 本作はとても面白い試みがされていて、特に現代性というものに見事に合致した作りになってる。それにコスタ=ガヴラスの息子が映画監督をやってるというのも話題になって然りである。

 本作の良い部分はいくつかあるが、一つが現代の映し鏡になっているということ。今は世界がどんどん保守化というか、狭い範囲だけしか守らないことを良しとする風潮があって、それがレイシズムを作り出したり、小さな組織を守ることだけを考えるようになったりしている。かつて界はもっと他者の自由に寛容だった。これは世界がやがてみんなの権利が守られるように移行するという希望があったのだが、実際の歴史ではそれが裏切られ続けている。これは日本だけでなく世界中どこでも起こっている出来事だ。
 本作においてそれは警察とアパートの二つの立場でそれが起こっている。アパートの住民は仲間を殺されたことで、結束を強くして警察に対抗しようとする。だがそれは国家に対しての反乱となってしまう。
 対する警察も似たような状況。官憲という立場があるものの、実際に不祥事を起こしてしまったため、それを隠蔽するには、立て籠もったアテナのアパートの住民を全員問答無用で逮捕するしか方法が無くなってる。もはや意地になって立てこもりを押しつぶすしか無くなってる。
 そんな中で、軍人という立場でどちらの事情も知り、このままではじり貧になるのが分かってしまったアブデルの苦悩を描くのが本作の肝だろう。
 お互いに言い分を聞く気が無いが、言う事を聞かないとこの自体はフランス全体を巻き込む大事件になる。それが分かっているのに何も出来ない。
 当事者ではあるが、京大を抑える事が出来ないアブデルは無力なので、その無力さが観ていて辛くなってくるのだが、それこそが今の時代というものをはっきり示すものだとも言える。
 歴史の傍観者は無力で、歴史を動かすためには力に頼ることになるのだが、力を振るうと国が駄目になる。この矛盾を今の歴史の中で自分たちが味わっていることなのだから。
 だから本作は2020年代というものを示す縮図となっている。言い着眼点だ。

 もう一つは観れば分かるとおり。本作の長回しは見事な技術の固まりである。映画はショットの編集によって作られるものだが、それでも長回しが好まれるのは、それだけで努力が見えるからだろう。その努力というものを本作の大きな価値だと言える。見栄えする長回しを何度もやってくれるので、何度観ても楽しめる。

 後はこれはマイナス面でもあるが、無名の俳優を多数起用することで、この人は一体何をしてくるのか?という期待感を持たせるのも良い具合である。無名だからこの作品があまり話題になりにくいのだが、だからこそ広く観て欲しいとも思う。
製作年 2022
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