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_(書籍) _(書籍) |
2019 | ||
2018 | サスペリア 監督・製作 | |
2017 | 君の名前で僕を呼んで 監督・製作 | |
2016 | ||
2015 | 胸騒ぎのシチリア 監督・製作 | |
2014 | ||
2013 | ||
2012 | ||
2011 | ||
2010 | ||
2009 | ミラノ、愛に生きる 監督・製作・原案・脚本 | |
2008 | ||
2007 | ||
2006 | ||
2005 | メリッサ・P 〜青い蕾〜 監督 | |
2004 | ||
2003 | ||
2002 | ||
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1999 | ||
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1977 | ||
1976 | ||
1975 | ||
1974 | ||
1973 | ||
1972 | ||
1971 | パレルモで誕生 |
サスペリア | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1977年。東ドイツのベルリンにある舞踏学校にアメリカ人女性のスージー・バニヨン(ジョンソン)が入学した。亡くなった母の遺志で、そこで教えられている暗黒舞踏を学ぶことにしたのだが、この学校の寮はいくつもの不審な出来事が起こっていた。精神科医のジョセフ・クレンペラー(エバースドルフ)は、病院に入院した寮生のパトリシア(モレッツ)から、寮で夜な夜な悪魔崇拝の儀式が行われており、既に生け贄として犠牲者も出ていると聞かされ、独自に調査を始めていた。 1977年。折しも日本では海外のホラー映画ブームが起こっており、主にアメリカ産のホラーが次々と入ってきていたが、全く毛色が違い、本気で怖い作品がイタリアからやってきた。それがダリオ・アルジェント監督の『サスペリア』(1977)。これまでに観てきた作品とは一風変わった雰囲気と残酷描写は大受けして大ヒット。特に「決して一人では見ないでください」のキャッチコピーは日本中で大ブームを引き起こした。これを引き金にイタリアのマカロニホラーは一時期日本中で大いに受け入れられたものだ。 オカルトホラーの代表作とも言えるサスペリアから実に40年の歳月を経てついにリメイク作品が登場した。 過去大ヒットした作品のリメイク作品は何本も作られている。中にはオリジナル版を超えようという意識で作られたものもあるが、そのほとんどは意識は高くてもオリジナルのヒットにあやかるものばかりで、オリジナル版には到底敵わないものばかりになってしまう。 そんな中に作られたのが本作で、正直これも観る前はオリジナルには到底敵わないと思ってたが、実際には意外にも好作。 元々のサスペリアは確かにホラー作品の中では名作と言われるが、なんせ元がイタリア製のホラー。低予算だし決して脚本が練れてる訳ではない。悪く言えば突出した雰囲気の演出だけで名作になったとも言える。 それで本作が目指したのは二つ。 一つはオリジナルに匹敵する雰囲気作り。ここでグァダニーノ監督を選んだのは見事な采配と言えよう。監督は『君の名前で僕を呼んで』で名を上げたが、現時点で最も耽美系作品を上手く作れる監督といえる。しかもイタリア人。この人が作れればねっとりとした雰囲気のオカルトホラーが生まれるのは間違いないし、まさにサスペリアはぴったりな素材だった。 二つ目として、オリジナル版では少々いい加減なところがあった設定の見直しと、つじつまの合った脚本。 ホラーは多少脚本につじつまが合ってなくても受け入れられるし、そっちの方が面白いと言うのもある。実際オリジナルは結構つじつま合ってないところもあった(と言うより穴だらけだった)が、それをきちんと分かりやすく整理して設定に整合性を持たせた。普通のバレエ学校を暗黒舞踏を教える学校に変えたのもオカルトホラーとして正しい選択だ。 この一点目に関してはともかくとして、本作の最大の功労点は二点目にある。 まず舞台を冷戦下のベルリンに定めたことで、ぐっと閉塞感が高まったことがある。閉塞感が強い中でマイナーな暗黒舞踏学校を舞台にすることで、更に閉塞感が高まってる。精神的な圧迫が強いので、ホラーの舞台としては最高になってる。 オリジナル版サスペリアは恐怖演出を優先するあまり、脚本に結構穴が多く、犯人とは無関係と思えた人が全くの伏線なしに実は…というのが唐突に出てきたりもした。そのあたりは恐怖演出のスパイスとして考えれば良いのだが、納得いかなかったのはラストシーンとなる。 ラストですべてが終わってバレエ学校を出た時のスージーは、未だ混乱の際にある学校を背にしたまま明らかに笑顔を浮かべていたのだ。 あれほど恐怖のどん底にたたき落とされ、それこそ命からがらで、しかも他の人たちを放って逃げ出したスージーに笑う要素はないはず。この点に関して色々と議論を呼び、その真実は分からないままだった。勝手な推測だが、あれは作り手側ももあまり意味考えずに作ったのだと思うのだが、あの違和感があってこそ作品は名作たり得た。 この点をはっきりさせたのが本作の最大の特徴点と言える。オチは敢えてここでは言わないけど、スージーがまさにこの学校に入ってきた理由と、この儀式において彼女がどんな立ち位置にあるのか。まさにこの結論を出すためだけに本作は作られた意味がある。 本作のラストがあったお陰で、オリジナル版が私の中でストンと納得いくようになった。オリジナル版を補完するという意味だけでも本作は観ておくに値するし、演出の妙な淫靡さがオリジナル版よりもねっとりした感触で楽しめる。 オリジナル版を観ている人にこそ観て欲しい作品だし、これを観るとオリジナル版の良さも再認識できる。 |
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君の名前で僕を呼んで Call Me by Your Name |
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2017米アカデミー脚色賞、作品賞、主演男優賞(シャラメ)、歌曲賞 2017英アカデミー脚色賞、作品賞、主演男優賞(シャラメ)、監督賞 2017ゴールデン・グローブ作品賞、男優賞(シャラメ)、助演男優賞(ハマー) 2017LA批評家協会作品賞、男優賞(シャラメ)、監督賞 2017NY批評家協会男優賞(シャラメ) |
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