神々の山嶺
Le sommet des dieux |
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ジャン=シャルル・オストレロ
ディディエ・ブリュネール
ダミアン・ブリュネール
ステファン・ローランツ
チボー・ルビー(製)
堀内賢雄
大塚明夫
逢坂良太
今井麻美 |
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| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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4 |
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日本のエベレスト登山隊を取材するためネパールに来ていた山岳カメラマンの深町誠(堀内賢雄)は、偶然消息を絶っていたクライマー羽生丈二(大塚明夫)を目撃する。彼が手にしていたカメラは、英国の登山家マロリーの遺品と思われ、マロリーが本当にエベレストに無酸素登頂していたかという登山史上最大の謎の答えが見つかるかもしれないと、日本に帰ってからカメラを追う深町は羽生の過去を探る。
私が夢枕獏の小説を読み始めたのは中学生の時。当時刊行が始まった「キマイラ」シリーズからだった。それ以降著者の作品は読み続け、おそらく大部分は読んでいることになる。著者の描くジャンルは多岐にわたるが、どれも読みやすい上に読み応えもあって、これからも読んでいくことになるだろう。
しかし著者を代表するジャンルは何かと言われると困る。初期の作品は菊地秀行と共に伝奇作品の両巨頭と言われていたが、その後「餓狼伝」で格闘技小説でも大ヒット、更に「陰陽師」シリーズは今もメディア化される大ヒットとなっている。更に伝奇ならぬ伝記小説も多々書いており、どれも読みやすくて濃いので楽しませてもらっている。
そんなことで著者の場合代表作が多すぎて困るが、世界的に最も有名になったのが山岳小説となるようである。中でも本作「神々の山嶺」は谷口ジローによる漫画化を経て、世界でも紹介され、本作の映画化となった。
実は既に平山秀幸監督によって『エヴェレスト 神々の山嶺』として日本でも実写映画化されているが、海外で、しかもアニメとして作られるって、なかなか珍しいことだ。
ちなみに本作は既読だが、丁度琉球弧への旅行中に文庫携えていき、加計呂麻島のビーチに横になって読んだことをよく覚えてる。真夏の日差しにあぶられながら凍傷の話を読むのは乙なものだった。
本作の原作は漫画版の方だが、そちらは未読。時折SNSには画像が上がったりもするので、だいたい小説のどの部分かとかを判読するくらい。
あくまで原作の小説版を基準にすると、だいぶ話がシンプルになってる。冬のエベレスト単独登頂や、マロリーのカメラよりも羽生の行いに焦点を当てた作りで、かなりすっきりしてる。
主人公の深町が見ている羽生は、山岳救助出来ないパートナーを見殺しにしたという負い目と、エヴェレスト北壁の単独登頂という二つのベクトルだけで構成され、その他の要素が入り込まない。そのために物語はだいぶシンプルになっている。
小説版の著者は何事も回りくどく描く癖があり、そしてその癖を楽しんでる身としては、このシンプルさがなんか物足りない。作品としては面白いが、外連味がなさ過ぎるのが残念なところ。 |
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