ミッション:8ミニッツ 2011 |
2011上半期ベスト第16位
2011違法ダウンロードされたハリウッド映画第4位 |
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ベン・リプリー(脚)
ジェイク・ギレンホール
ミシェル・モナハン
ヴェラ・ファーミガ
ジェフリー・ライト
マイケル・アーデン
キャス・アンヴァー
ラッセル・ピーターズ
スーザン・ベイン |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
4 |
3 |
3 |
4 |
4 |
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海兵隊員のコルター・スティーヴンス(ギレンホール)が目をさますと、そこは列車の中で、見知らぬ女性(モナハン)から親しげに話しかけられていた。ほどなく列車内で大爆発が起きる。再び意識を取り戻すと、そこは軍の研究室の中にあった。モニター越しに話しかけてくる女性はコリーン・グッドウィン大尉(ファーミガ)と名乗り、彼が体験したのは乗客全員が死亡したシカゴ郊外での列車爆破事件直前8分間の犠牲者の意識の世界だったという。彼女は再び彼をその列車に送り込むので、そこで列車爆破犯の情報を取れと命令する。準備も何もないまま同じ時間を繰り返していくコルター。その内、彼は自分が置かれている現実に気づかされることになる…
本作を観たのはそんなに大きな理由があった訳ではない。タイトルの帯に「警告:このラスト、映画通ほどダマされる。」とあったのに惹かれたのと、twitterで流れてきた、これを観た人の感想が好意的だったから。
正直な話、これは面白かった。物語自体はワンアイディアもので、他愛ないと言えば他愛ないが、絶妙な8分間が連続して続くことで、全く飽きさせずに最後まで突っ走り、そして帯にあるように最後は気持ちよく騙された。意外さと心地よさ。これだけあれば映画は充分楽しくなることをきっちり示した作品だろう。オチが重要なのでここではネタバレはしないが、同じ事が繰り返されている内に、徐々に真実が分かってくるというのは、ゲームとかをやっているとよく分かる感覚。どうやったらこれを超えられる?と思って何度も失敗してる内に、「こうしたら?」「ああしたら?」と考えるのが楽しい。むしろゲームやってる時よりも、少し離れて考えてる時間がとても楽しかったりもするものだ。まさにその感覚を映画の中で味あわせてくれる。
それと、映画の根底をなすテーマが、繰り返す日常の中で何が最善かを考えるという、まるでニーチェのような哲学的テーマを内包しているようで、なんかライミス監督の『恋はデジャ・ブ』(1993)を思わせる内容も良い感じ。
つまり科学的、哲学的の両面から本作は作られていると考えられるだろう。しかもそのバランスはあまり考えずに娯楽に徹したのも良いところ。
時間の問題もあってか、哲学的内容を深めることが出来なかったことと(あれはハッピーエンドなの?『天国から来たチャンピオン』で味わった居心地の悪さもある)、科学的な説明が足りなかったこと(何故8分間に何度も挑戦できるのかとか、コルターがそれに適合するのか。それによって現実世界にどのような影響が起こるのかとか、色々出てくる)なども結構後になってくると出てくるのだが…
でも、その辺考えずに娯楽だからと割り切ってしまうのが良いんだろう。観ていて楽しい。それで充分か。 |