ミス・ポター 2006 |
2006ゴールデン・グローブ女優賞(ゼルウィガー) |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
2 |
3 |
4 |
4 |
3 |
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1902年。ヴィクトリア時代の封建的風潮が残るロンドンでせっせと自分のために絵本を描いていた女性ビアトリクス=ポター(ゼルウィガー)は、この絵本を出版しようと走り回っていた。いくつかの出版社を回るが、その中で唯一ウォーン兄弟出版社が出版を申し出る。実は兄弟の三男ノーマン=ウォーン(マクレガー)の初出版として、失敗をもくろんでのことだったが、ノーマンは初仕事で燃えており、その甲斐あって、絵本はビアトリクスの望み通りの形で出版され、しかも大ヒットする。誠実なノーマンに好感を持つビアトリクスに対し、ノーマンもついにプロポーズを申し出る…
世界的なベストセラー絵本ピーター・ラビットの生みの親でナショナル・トラストに属して湖水地方の自然保存に努めた事でも知られるビアトリクス=ポターの半生を描いた作品。これまで一度『ピーター・ラビットとなかまたち』(1971)という映画が出来たが、これは動物バレエを延々と映しているような作品で、ほんのちょっとビアトリクスの解説をしていただけ。本式の伝記では映画では初めてとなる(確か昔NHKスペシャルかなんかでTV用ドキュメンタリーは観た記憶がある)。
ピーター・ラビットが世界中に愛されている絵本というのは本当で、私も子供の頃はボロボロになるまでこのシリーズを読んだ記憶がある。それもあって是非。という思いで鑑賞に。
先ず本作は大変映像的には優れた作品とは言えよう。湖水地方の美しさはかなり観ていて心地良いもので、ああいう田舎の風景を劇場の大画面で観ているだけでなんか癒されるような気持ちになる。そしてロンドンの描写も細かく、イギリス映画特有の長回しもかなり効果的に用いられている。アニメーション合成も気持ちよくまとまっている。
キャラクタもこれが都合三度目のイギリス映画主演となるゼルウィガーが、本当に等身大っぽい女性の姿を好演。対するマクレガーとも、先の共演となる『恋は邪魔者』(2003)とは全く違った姿で落ち着いた演技を見せている。
そう言う意味では映画的には優れた作品で、好作と言ってしまって構わないのだが、残念なのが物語のテンポ。悪い訳ではないのだが、それまでどれだけ出版に苦労したかとか、両親による貴族との結婚の強要やビアトリクスとノーマンの恋愛模様の葛藤とかが今ひとつ伝わってこないため、流れを追ってるだけという印象を受ける。恋愛劇が好きな訳じゃないけど、ここまで盛り上がらないとちょっと寂しい。それに湖水地方の保全に努める。という話まで描くとすれば、90分ちょっとでは足りなかったんじゃないかな?なんだか全てがとんとん拍子に進みすぎ。
あっさり目の作品なので、誰が観ても安心出来るのだが、ドラマ性が薄すぎるのが難点だな。
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