| 最後の乗客 |
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堀江貴(脚)
岩田華怜
冨家ノリマサ
長尾純子
谷田真吾
畠山心
大日琳太郎 |
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| ★★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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3 |
3 |
5 |
4 |
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東北の地方都市。駅のロータリーで客待ちしていたタクシー運転手の遠藤(冨家ノリマサ)は、ドライバー仲間から大学生ぐらいの幽霊が出るという噂を聞かされるのだが、その後タクシーを流していたところ、彼が言った通り一人の若い女性(長尾純子)をタクシーに乗せる。更にその後道に迷って佇んでいた母子を乗せ、計4人で海辺へと向かうのだが…
今年はなんか映画好きには不思議な年だ。世界的な超大作で素晴らしい作品は例年以上に多いのだが、同時に低予算作品で好作も多い。特に日本ではインディーズ作品に大きなヒットがあった。
インディーズながら大ヒットを記録して大きく取り上げられた作品に『侍タイムスリッパー』(2023)があったが、やはりインディーズで静かに盛り上がった作品があった。それが本作。『侍タイムスリッパー』はストレートに時代劇への思いをぶつけた作品だったが、本作も又監督の強い思いによって作られた作品となっている。
話自体はSFチックな短編で、時間的に言ってもテレビサイズの作品である。テレビムービーさえならず、オムニバス番組の一本程度に収まってもいい感じの物語だろう。役者も基本無名の人ばかり。金はかかっていない。
しかし、そんな作品が無茶苦茶心に刺さる。
それは監督の思いが画面からあふれ出してるような気持ちにさせるから。いや、監督の思いと言う寄り、あの日、あの地震を体験した人の思いがあふれたかのような話だったら。
宮城県出身の監督にとって、2011年の東日本大震災は大きなショックを受けていた。その時の強い衝撃こそがこの映画を作らねばならないという思いへと変えられているのは分かる。
東日本大震災が与えた衝撃とは、単純に地震にあって肉体的経済的にダメージを受けたというのだけではなく、精神的なダメージの大きさを感じさせる。
あの時、助けられた命があったかも知れない。あるいはどれだけ頑張っても助けられなかった命を目の前にしていたら。
そんな体験をした、あるいはその体験を当時リアルに感じていたからこそ、それを正面から捉える映画を作りたかったのだろう。
そしてその思いをきちんと映像化させるだけの技量があった。一見どんなに稚拙に見えたとしても、その思いを受け止めることが出来た以上、本作をけなすことは出来ない。
そしてこれがどれだけテレビサイズであったとしても、多くの人の手が関わるテレビ放映では本作の思いは伝わらない。映画だからこそ、監督の思いを込めたものができた。
ある意味映画の原点とは何かと考察させてくれる良い作品だった。
あと主人公役の冨家ノリマサは『侍タイムスリッパー』のベテラン俳優役でも演じており、今年ヒットしたインディーズ2作品にどっちも出演という快挙を果たしてもいる。 |
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