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今川泰宏の通の道一本勝負 原作 ジャイアントロボ地球の燃え尽きる日(コミック) 七人のナナ(コミック) |
鉄人28号 白昼の残月 2006 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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戦後復興の兆しが見え始めた東京。少年探偵として鉄人28号を操り、難事件を次々解決している金田正太郎のもとを一人の青年が現れる。何と彼は鉄人のコントローラーを持っており、正太郎よりも巧みに鉄人を操るのだった。彼は自分のことを同じ名前の兄、正太郎であると告げる。実は彼こそが本来の鉄人の操縦者として育てられていたのだ。しかし、弟の正太郎に潔く鉄人を託する。と宣言する。その頃、東京のあちこちに“廃墟弾”という兵器が隠されている事実が発覚。それは二人の父金田博士の開発したもので、本土決戦に備えた最終兵器であった。兄の正太郎はこれを封印するために鉄人の力が必要だと語る… かつてOVAで「ジャイアントロボ」を独自解釈により横山キャラ総出演の作品に変え、大いに話題を湧かせた今川監督が、再び横山光輝原作で、日本のロボットアニメの先駆けとなった「鉄人28号」を、再び独自解釈を自由に使って作り上げた新しい映画化作品。今川監督は先行して本作のテレビアニメも作っているので、そのアニメ化という側面もあり。 今川監督はやはり横山光輝作品に思い入れがあるのだろう。思いっきり演出には力が入っていて、見所は多数見受けられる。流石にアニメもデジタルとなり、かつて手書き最高峰と言われた「ジャイアントロボ」で観られた重厚感は失われているが、その代わりにいろんな意味で色気を感じさせられる出来にはなってる。 では“色気”とは一体何か?と言う話になるのだが、以降はかなりフェティな話をさせていただこう(言葉遣いが下品になるのは許されよ)。 色気を感じるのは人それぞれと言えばそれまでだが、これまで幾つかの今川監督作品を観てきて思ったのは、この人は色気というものをアニメーションの中に感じる人なのではないだろうか?ということだった(別段変態と言うつもりはないよ。為念)。それは正太郎という半ズボン姿の少年の描写であったり(そもそもショタコンなる言葉は“正太郎コンプレックス”の略語であり、この正太郎から来ている)、フェロモン剥き出しながら性的なものを全然感じさせない女性や、明らかにマゾヒストとしか思えない男、割烹着姿の若い女性、軍服姿の青年、ハードボイルド風の格好させた男など、多彩な記号的なキャラを様々な場所に登場させていることからも分かる。 ただし、それらは確かに狙ったキャラクタではあっても、今川監督はそのような記号ではなく、それらのキャラに自分自身で肉付けをすることに対するフェティ具合を見ることが出来る。「俺が創造主だ」。これこそもの凄い快楽ではないかと思われる。 その意味では別段それは人間である必然性はない。鉄人の持つ、つるりとした金属触感であったり、途中登場した大鉄人の錆びの浮いた重厚感であったり、不発弾の禍々しさであったり、それらが大迫力で動き回るシーンなど、「これは全て私の掌の上だ。私がこれを作り出してるのだ」と、大いなる優越感を感じさせる部分であり、何より自分自身の創作意欲を徹底して満足させるモチベーションとして機能している。総じて言えば、今川監督の持つフェティというのは、創作意欲と直結したものと考えられる。 今川監督作品は昔から「原作レイプ」という悪評を受けてるが、それは当然である。本当にレイプしてるつもりで作ってるんだから。他者の作り出した、いわば子供を奪い取って自分の子供にして、好きなように動かしてやる。この悪意こそ、この人の作家性の高さにつながるものだから。 その意味で初劇場作品となった本作は、いろんな意味で今川監督の思いと暴走が入り込んだ作品として仕上がった。それは先に挙げたような記号的なキャラであったり、敢えて実写特撮風味をアニメーションに取り入れた動きをさせてみたり、デジタルではなかなか得られないロボットの重量感を出してみたり、わざわざ音楽を伊福部昭を起用したりと。まあいろんな所に外連味が見られる訳だ…というか、この作品から外連味を外したら何にも残らん。 ただ、それが上手く機能しているかどうかと言うのは別問題。監督にとっても初劇場作品と言うことで、外してはならないという恐れがあったか、他の横槍に押されたか、画の動きやキャラの魅力がそのまま映画の魅力とはならないまま終わってしまった。 この作品に限って言えば、キャラの暴走は上滑りし、一本調子な物語と、やたら多い説明的な台詞が物語の中にすんなり入り込むことを阻害する。変に大戦がどうこう思想的なものを出さず、完全なアクションアニメとして割り切ってしまった方が良かった気がする。その辺の歯車が上手く噛み合ってくれれば大傑作になり得た作品だったのだが。 だからこそ、今川監督のリベンジを期待したい。もっと過酷にアニメーターを苦しめた上に、暴走しまくった、妄想全開の、まさに今川ワールド全開の物語を。 蛇足になるが、鉄人28号というのは28番目に作られたロボットという意味らしい。そうなると、劇中に出てきた“あれ”はやっぱり17番目に作られたんだろうな。特撮好きの今川監督だったらそれくらい平気でやってくれてるはずだ。 |
ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 EP7「大団円~散りゆくは、美しき幻の夜」 1998 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日 1998 | |||||||||||||||||||||||||||
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ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 EP6「罪と罰~全てはビッグ・ファイアのために~」 1995 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 EP5「真実のバシュタール!~過ぎ去りし少年のあの日々・・・~」 1994 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 EP4「豪傑たちの黄昏~勝利の鐘、未だ響かず~」 1994 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 EP3「発令! 電磁ネットワイヤー作戦 上海に墜つ・・・」 1993 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 EP2「バシュタールの惨劇」 1993 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日 EP1「黒いアタッシュケース」 1992 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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