感染列島 |
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瀬々敬久(脚)
妻夫木聡
檀れい
国仲涼子
田中裕二
池脇千鶴
カンニング竹山
金田明夫
光石研
キムラ緑子
嶋田久作
正名僕蔵
ダンテ・カーヴァー
馬渕英俚可
小松彩夏
三浦アキフミ
夏緒
太賀
佐藤浩市
藤竜也 |
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★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
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4 |
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いずみ野市民病院を訪れた一人の患者。初診の時は単なる風邪と思われたのだが、二日後全身血だらけとなり運び込まれ、あらゆるワクチンを投与するもその甲斐無く死亡してしまう。しかしこれは始まりに過ぎなかった。次々に同じ症状を発症して運び込まれる患者達。新型ウィルスによる感染爆発(パンデミック)が始まったのだ。最初に患者を看た内科医の松岡剛(妻夫木聡)は、責任を感じ、第一線でこのウィルスと戦うことを決意する。そんな時、いずみ野市民病院にWHOから一人の女医が派遣されてくる。彼女の名は小林栄子(壇れい)。かつて医学生だった頃の松岡と関わりを持った女性だった…
予告が大変面白そうだったので、2009年の正月三発目の映画として本作の鑑賞を決定。しかし、三本とも正月に観るにしては重すぎるのがなんだが。
感染を題材にした映画というのは内外問わず、実は結構多く存在する。比較的真面目な作品としてはハリウッドでは『アウトブレイク』があり、日本でも『復活の日』がある。しかし、この“感染”というのは、違った意味で興味惹かれる映画人が多いらしく、感染を題材に取った作品の大部分はホラーで作られる傾向がある。それこそホラーだけに限って言えば、『バタリアン』、『バイオハザード』、『28日後…』など、古くから現在まで何かしら途切れることなく作られ続けられてる。
そう言うのも嫌いじゃないんだけど(ぶっちゃけた話で大好きだが)、やっぱりこう言うのを真面目に正面から作ってくれた作品があっても良いのに。と前から思っていた。特に一応真面目に作られているとはいえ、『アウトブレイク』であれ『復活の日』であれ、アクションとかSF的なギミックの方に力点が入っているので、純粋に医学的な作品が観てみたかった。
そう言う意味で本作は設定的にとても興味が惹かれるし、主人公の立ち位置も、微妙に真実に近いのに、あくまで一人の医者としてウィルスに立ち向かう。というもので、遠すぎず近すぎずという、良い位置関係を保つことは出来ていた。少なくとも前提においては非常に上手いとは思う。
ただ、物語としてどうか?と言われるとそれは別な話。良い初期設定を残念ながら活かすことは出来なかったようだ…というか、設定以外が全部駄目すぎる。
先ず感染源となった嶋田久作演じる医者のお父さんが、どうやって日本に入ってきたのか、あるいはどうやって日本を出られたのか、その根本的部分がすっぱり抜けてるじゃん。あんな明らかな感染源を国が外に出すはずは無かろう。地域封じ込め政策とか言いつつ、医者はいずみ野市民病院の中にいる人しかいないのか?封じ込められてるはずなのに、平気で長野とか海外に出る主人公のいい加減さもひどい。責任を持った医者は日本にはどこにもいないのか?突然海外に出て、ゾンビ映画さながらの恐怖を味わうってのも、無理があるってか、医者舐めとんのか?というレベル。医者はどこだ?
本作を作るにあたり、この場合主人公は二人設定すべきだったと思う。一人は真面目な医者で良いから、もう一人は病理学者にして、そちらの方に動きは任せてしまえばこの辺全部解消出来たのに。折角フリーのウィルス研究者なんてのを登場させてるんだから、カンニング竹山なんかじゃなくて、もっと主人公っぽくさせてやれや。いっそ佐藤浩市をこっちに使えば良かったんだ。
後、内容が薄いんだから、この素材で2時間半は使いすぎ。本作はやたら長回しが多用されてるのだが、その意味が全然感じられない。それに余計なキャラのパートが多すぎる。結果として間延びしすぎ。ラストシーンに向かう怒濤の展開も、テレビレベルのチープさ。大概のシーンはもっとスマートに出来たはず。これを2時間以内に収められない方がおかしいんだ。こんな間延びした話を1時間半も観てるときつい。後半1時間は時計をちらちら見てたよ。
…とりあえず、これまでになかった作品だから。というひいき目がないと本作は観ていてきつい。面白い素材を活かせなかったのがとても残念。 |
製作年 |
2008 |
製作会社 |
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ジャンル |
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売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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関連 |
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キーワード |
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