読書日誌
2015’1〜3月

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15'03'28 修羅の門 第弐門12
川原正敏 (検索) <amazon> <楽天>
 THE APEX準決勝で陣雷を倒したジム・ライアンと対峙する陸奥九十九。一回戦で散々陣雷により痛めつけられていたはずのライアンは全くの無傷でリングに上がっていた…
 前巻で次の陸奥戦のためにただ痛めつけるためだけの玉砕戦法を取った陣雷だが、それでも全くダメージが無いという強敵の秘密を暴くという形。まあ実際は他愛も無い秘密だったわけだが。こんな感じで続くのかね?
15'03'26 猫物語(黒) 化物語6
西尾維新(検索) <amazon> <楽天>
 “僕”阿良々木暦が吸血鬼と出会った一月後のゴールデン・ウィーク。町で羽川翼と出会う。親から暴力を受けたという羽川を放っておけず、一日彼女につきあうことになるのだが、その時に死んだ猫に触ったことによって羽川の様子が変化してしまう…
 「傷物語」と「化物語」の間に入る物語。そもそも「化物語」の最終章でちょっとだけ触れられていた羽川の物語の解説編に当たる物語。あそこではたいした事件で無いという印象があったが、実際には死を伴うような大冒険になってた。
 ただ、本来本作の持ち味であった会話のキャッチボールが少なくて読みにくく、後味もあんまり良くない。後の物語の都合上、二人がくっつくことが無いのも不自然な感じ。
15'03'22 激マン! マジンガーZ編1 (著)永井豪 <amazon>
 人気漫画家で、「デビルマン」の連載を開始したばかりのナガイ激は、不意に思いついたアイディアを元に、人間が乗って操縦するロボット漫画を描きたいと思うようになった。そこでこの漫画の企画を進めながら、連載先を探す激だが、なかなか思うように行かないのだが…
 「デビルマン編」が完結を迎え、今度は「マジンガーZ」編へと移った。主人公のキャラも微妙に変え(名前も「ながい激」から「ナガイ激」に変えた)、少々絵柄も明るい感じになってるが、「マジンガーZ」も結構紆余曲折あったもんだ。と思わされる。
15'03'20 燃える北天 炎立つ2 (著)高橋克彦 <amazon>
 陸奥守藤原登任の仕掛けた鬼切部の戦いは安倍の大勝利に終わり、裏工作の功も奏し安倍氏は朝廷からもお咎めなしとなった。そしてその後任として陸奥守に着任した源頼義に完全に従うことで陸奥は平穏な時代を迎える。だあ源氏の頭領として武士の地位向上をもくろむ頼義は争いを欲していた。そんな中、安倍の娘結有を娶った藤原経清は微妙な立場に置かれることになった。
 前九年の役と呼ばれる奥州動乱を舞台に、陸奥守の補佐役でありつつ安倍の一族となったという藤原経清がどう自分の立場を作っていくのかということを中心に描かれる。平和を求めつつ、どちらかに属さねばならない立場というのは辛いものだ。相変わらず人の名前が覚えにくいけど。
15'03'15 ハチミツとクローバー6 (著)羽海野チカ <amazon>
 花見の席で野宮に連れ去られてしまった山田を案じる真山は、自分の気持ちがどこにあるのかを突きつけられる。一方、就職失敗の竹本は、不意に思いついて、行けるところまで行ってしまおうと自転車の旅に出かけてしまう。そして、芸術家として生きるのか、自分の生活を大切にするのかを悩むはぐ。そんな三者三様の生き方を見せられた森田は…
 個性豊かなキャラをほぼ等分に描く作品だが、この巻は本当に内容が詰まっている。未だ全てに決着は付かず、全員が悩みながら、それでも自分の道を探して進んでいる最中といえる。中でも今回突然自分探しの度に出かけてしまった竹本の行動が面白い。それと、前巻から日本に帰ってきた森田だが、どのキャラにも関わりながら、どこにおいても本質的な発言をナチュラルにやってるのが面白い。尤も本人も又、悩みながら進んでいる真っ最中ではあるのだが。
 とても内容が濃く、実に楽しい巻だった。
15'03'13 アイズ
鈴木光司 (検索) <amazon> <楽天>
 著者による短編集。「鍵穴」「クライ・アイズ」「夜光虫」「しるし」「檜」「杭打ち」「タクシー」「櫓」の8編を収録する。

 「仄暗い水の底から」と同じ系列の短編集で、これらをホラーとカテゴライズするのは少々気が引けるものがある。異界に紛れ込んでしまった人を描くって感じか。怖い結末に至るものもあるし、逆にポジティブに生きようって言うオチになるものもある。どれも「視線」というのを主題にしてるのが特徴か。
15'03'08 アオイホノオ12
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 DAICONIIIの映像に打ちのめされ、更に集英社に送った原稿についての担当からの忠告を全く理解できなかったホノオは、集英社を見限り、再び小学館への投稿に挑戦することに。

 前巻DAICONIIIオープニングアニメで、完璧なほどに打ちのめされたホノオだが、それに続いて相当痛々しい物語が展開はしている。その痛々しさこそがこの作品の売りだから、それはそれで良いんだが…
 でも本作を読んだ時期が、まさしく岡田斗司夫の例の事件の後を起こした後だということ。素直な心で読むことができない。作品自体で痛々しいのは山賀の方なんだけどさ。
15'03'03 ヒア・カムズ・ザ・サン
有川浩 (検索) <amazon> <楽天>
 雑誌編集部に勤める古川真也は物に込められた“想い”を観る事のできる能力を持っていた。そのため過去に嫌な思いをしていたが、そのために作家ともうまくつきあえていた。一方、真也の後輩同僚の大場カオルの不器用ながらまっすぐな仕事にまぶしさも感じていた。そんな折、20年もの間渡米して離れていたカオルの父親が帰ってくることとなり、父とのわだかまりを持つカオルによって真也はつきあわされることになるのだが…
 前に読んだ「ストーリーセラー」と同様、登場人物は基本的に同じで違う物語を二編描くと言う構造を持った作品で、著者らしい文体の冴えを見せている。物語としてはそうたいしたことはないかもしれないけど、文章の巧さで充分堪能できる。
15'02'27 修羅の門 第弐門11
川原正敏 (検索) <amazon> <楽天>
 THE APEX一回戦。陸奥は王者ボルトに勝利。その後も兵は次々と勝ちを収めていくのだが、最後に現れた、絶対に倒れないという評判を持つジム・ライアンと対戦する迅雷。前評判通り、どんな足技も凌ぎきるジムに対し、迅雷の取った作戦とは…
 陸奥以外の試合は消化試合みたいなものであっけなく終わってしまうのが多いが、やっぱり次の陸奥の相手となるということで、一人だけたっぷり時間をかけて対戦させてる。まあ、結果は当然と言った感じの終わり方ではあるけど。
15'02'22 黄金の怪獣 少年探偵26
江戸川乱歩 (検索) <amazon> <楽天>
 宝石商に届いた大胆不敵な挑戦状。更にその家の周囲には次々と異変が起こり、その度に家人が次々に何者かによって入れ替わられてしまう。そして調査に来た小林少年までが…

 これが少年探偵の最終巻。ほとんど同じ人間を整形手術によって作り出すという、どっちかというと推理と言うよりSFっぽい設定で、これまでのいろんな積み重ねを崩してしまったような感じもある。
 このシリーズ読み返し始めてから、もう2年になるのか。面白かった。
<A> <楽>
15'02'16 新世紀エヴァンゲリオン14
貞本義行 (検索) <amazon> <楽天>
 人類補完計画が始まり、世界中の人間は全てLCLへと還元されてしまった。そんな中、人類の未来の選択を強いられるシンジ。シンジの選んだ選択とは…

 約20年という長かった貞本版「エヴァンゲリオン」の最終巻。旧劇場版のラストをちょっと変えただけって話もあるけど、一応のハッピーエンドを迎えさせるためにはこうせざるを得なかったんだろう。確かにちゃんとした終わり方はしてるんだが、一番面白みのない終わり方でもある。
<A> <楽>
15'02'14 霧のむこうのふしぎな町
柏葉幸子 (検索) <amazon> <楽天>
 小学校六年生のリナは、初めての一人旅で長野のある村へとやってきた。そこに来た人は必ず仕事をしなければならないというルールがあり、これまでのリナの生活とはかけ離れた暮らしがあった。
 映画『千と千尋の神隠し』に影響を与えたと言われる作品。勿論話自体は大きく異なってはいるものの、中身には確かにあの映画のキーワードや人物像が詰まっている感じ。ファンタジー作品としては一級品だし、さくっと読める良質な作品。
15'02'10 県立地球防衛軍4
安永航一郎 (検索) <amazon> <楽天>
 高校を卒業したものの、浪人生として、相変わらず防衛軍の活動を強いられる盛田と武井。やる気を全く見せない二人だが、相変わらずトラブルの方がやってきてしまい…
 新装版の最終巻。物語順序はオリジナル版とはちょっと違っているものの、分かってる物語をなぞってるだけ…と、思ったんだが、30年ぶりに読んでみると、この作品、どんだけ特撮の宝庫だったんだ。と改めて驚かされる。よくぞここまでネタ仕込んだな。
 巻末漫画はお正月仮面が登場。いつの間にこんなに顔でっかくなった?
15'02'07 新魔獣狩り12 完結編・倭王の城 上
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 莫大な黄金が眠るという卑弥呼の墓を巡り、いくつもの組織が暗躍する中、ついに美空が古文書からその在処を推測した。それについていくサイコダイバーの久門鳳介と毒島獣太。そして全く違った目的で富成仙吉もその地富士の樹海へと向かう。
 キャラが多くなりすぎて更に随分前巻から経ってしまったので、キャラの相関関係が把握できてない。気がついたら、7年ぶりじゃないか。
<A> <楽>
15'02'04 新仮面ライダーSpirits10
村枝賢一 (検索) <amazon> <楽天>
 夢の島の地下にある旧ショッカー基地で戦い続ける仮面ライダー1号とZX。一方荒廃した東京ではデルザー軍団と戦う他のライダー達。そんな中、1号とZXの前に現れたのは…

 基本的に9巻とほとんど構造は変わってないようだが、動きは出てきている。ついに完全なる変身を果たした地獄大使のガラガランダと、ZXに向かってJUDOへの裏切りを仄めかす暗闇大使。ようやく話もZXへと向かって行くか。一方で東京のデルザー軍団も少しずつ減っていっている。ストロンガーが宿敵ドクターケイトとの戦いを制したのは、感慨深いものがある。
<A> <楽>
15'01'31 魔法科高校の劣等生2 入学編下 (著)佐島勤 <amazon>
 魔法科高校に入学した司波達也は半ば強引に風紀委員にされてしまった。そんな達也に近づいたのは、委員としてトラブルを解決した壬生沙那香という上級生の女子生徒だった。彼女の言動に違和感を覚えた達也だが…
 入学編の後編。学校のトラブルバスターのはずが、最後はテロリストとの戦いにまでいってしまった。展開は結構面白いんだが、余計な情報量を多用する文体がやや読みにくいという難点となってる。
15'01'27 修羅の門 第弐門10 (著)川原正敏 <amazon>
 ボルトと陸奥九十九との戦いが始まった。驚異のタフネス度を誇るボルトに対し、陸奥の取った方法は、全てを受けて返すといういつものやり方。危なっかしいその戦い方に、周囲ははらはらさせられっぱなしだが…
 今巻も基本的には消化試合。どんな戦い方をしても陸奥は負けないし、戦い方もたいしたものではない。そのままスルーか。
15'01'22 脳男 (著)首藤瓜於 <amazon>
 地方都市の愛宕市で起こる連続爆弾事件を捜査する警部茶屋は、ようやく犯人を絞り込み、犯行現場に踏み込んだ。だがそこには犯人と目される緑川ともみ合う男がいた。緑川は逃がしたものの、その男鈴木一郎を確保した。鈴木に不審な点を覚えた警察は彼を精神鑑定に回すこととなった。そこで彼をカウンセリングする鷺谷真梨子は、彼の精神が極めて特異なものである事に気づく。
 感情を持たない名探偵の登場の話。本人よりもむしろ周囲の人間が、彼の扱いを巡って右往左往しているのがメインとなる。非常に特徴のある構造を持った推理小説で、シリーズとして充分に耐えられる強度を持った物語と言えるだろう。
15'01'19 ハチミツとクローバー5 (著)羽海野チカ <amazon>
 勤め先の二人の社長の喧嘩によって島根に出向を命じられた真山は、決断を強いられる。一方、卒業を前に自分の制作物に打ち込む竹本。兄に半ば拉致されるように海外に旅だった森田の姿がなんと…
 今回はとても動きが大きい。まずは折角就職した真山が、自分の思いに素直になって理花の会社におしかけていく。そして竹山はひたすら天に伸びる塔を作り続け、なんかうずうずしてしまった修司によって「青春の塔」と名付けられてしまうが、それが教授から大評価を受けてしまう。でもこの巻で一番の見所は、アメリカに行っていた森田が突然アカデミー賞を受賞していたということだろ。「は?」と言ったところ。
15'01'17 北の埋み火 炎立つ1 (著)高橋克彦 <amazon>
 永承四年(1049年)。陸奥の豪族安倍貞任の婚儀に招かれた陸奥守藤原登任に随行した藤原経清は、そこで貞任とその妹結有と運命的な出会いを果たす。だが安倍の黄金を見た登任は、自らの任期中に某かの成果をあげようと、考え、安倍に反乱のおそれありと調定に奏上していた…
 かつてNHKの大河でやった奥州藤原氏の栄枯を描いた物語。その始祖とされる藤原経清を描いた一作目。陸奥守の配下でありつつ、そのやり方に反発を抱き、安倍氏と親近感を覚えるという物語で、かなり骨太な物語となってる。ただ、登場人物に似た名前が多く、人物関係がちょっとわかりにくいのが問題か。
15'01'14 はじめの一歩109
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 ゴンザレスと一歩の戦いは、激しい一撃の応酬によってゴンザレスの勝利となる。敗北を喫した一歩は、その後敗北を徹底的に味わわねばならなかった。そんな中でも再起を目指す一歩だが…

 気がつけばもう100巻を越え、伊達戦以来一度も敗北していなかったが、ついに敗北が訪れた。正直、ようやくか。と言う感じではある。これをやるにせよ、せめて五年くらい前にやっておくべきだった。
 ただ、一体どうやって一歩が再起するかだけはちょっと興味はあるか?
<A> <楽>
15'01'07 山賊の娘ローニャ
アストリッド・リンドグレーン (検索) <amazon> <楽天>
 北欧の森深くに二つの山賊の集団があった。その一方マッティス山賊に一人の女の子が生まれた。ローニャと名付けられたその子は母ロヴィスと父マッティスそして12人の山賊たちの愛情を一杯に受け、危険な森の中ですくすくと育っていった。そんなある日、マッティス山賊が根城としているマッティス城で一人の男の子と出会うローニャ…

 現在放映中のアニメ原作というので読んでみたが、なるほどほんの僅かずつしか物語が進んでない理由がよく分かった。この一冊で一年くらいやるとすれば、ほとんど物語が進行しないわけだ。小説としてはちゃんとしてるけど、アニメ向きなのかねえ?
<A> <楽>