読書日誌
2018’7〜9月

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18'09'30 オーバーロード2 漆黒の戦士
丸山くがね (検索) <amazon> <楽天>
 ひょっとしてこの世界に転生した仲間がいる可能性を顧慮し、アインズ・ウール・ゴウンを名乗るようになったモモンガは、この世界で生きるためとこの世界で生き残る算段を付けるためにしもべ達を地上に派遣する。そして自らも姿を変えて冒険者として見聞を広めようとしていた。

 全く未知の土地に転送されたゲームプレイヤーを描く第2巻。アンデッドということで人としての情がほとんど無く、それ故に人を思いやる心がないというのが面白い設定で、冷静さと精神の未熟さが妙な具合に絡まり、他の作品にはない不思議な魅力がある。
<A> <楽>
18'09'27 YASHA4
吉田秋生 (検索) <amazon> <楽天>
 凜が作り出したウィルスは日本中に蔓延し、特に体力の無い者たちを中心に次々に命を奪っていった。そのウィルスが自分の遺伝子の構造に似ていることを知った静は、自分の血を元にワクチンの開発を始めるのだが…

 前回のラストでウィルスの蔓延が暗示されたが、その結果から始まる。未曾有のバイオテロが始まることになるのだが、なんせ見えないウィルスが相手だけに、展開は静かすぎる。それが又リアリティなのかも知れない。
 それより本巻で、突然シン・スウ・リンが登場したのにびっくりした。「BANANAFISH」の時から大分年齢が上がってるようで、本作が数年後の世界だと分かる。
<A> <楽>
18'09'24 Re:ゼロから始める異世界生活5
長月達平 (検索) <amazon> <楽天>
 女王候補宣誓式に乱入してしまい、呆れられたエミリアはナツキ・スバルに冷たい言葉を残してロズワール邸に帰ってしまった。生命力の回復のためにレムと二人でクルシュ邸に留まらざるを得ないスバルは完全にクサっていたが、そんな時、レムが姉のラムに危険が迫っていることを察知して…

 再び死に戻りのループに巻き込まれるスバル。相変わらず考え方がぶっ飛んでいて共感出来ず、読むのが苦労するが、後半ショックで心を閉ざして何も考えないようにした途端、読みやすくなったところが面白い。
<A> <楽>
18'09'20 はじめの一歩121
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 ゲバラとの試合に敗北を喫した一歩。診断の結果、極めてパンチドランカーに近いと言われてしまい、一歩はリングを降りる決意を固める。

 はっきり引退とは言ってないものの、リングを降りることになった一歩。なんかトレーナーになるとか言って迷走してる感じがある。タメの時期なのかも知れないけど、少々読んでて苛つく。
<A> <楽>
18'09'19 花物語 化物語9
西尾維新 (検索) <amazon> <楽天>
 以上続きの一年が過ぎ、直江津高校三年生となった神原駿河はおかしな噂を耳にする。なんでも願いを叶えてくれる「悪魔様」がこの町に来たというのだ。阿良々木暦の真似事のようなことがしたくなり、その「悪魔様」に会ってみようと考えた駿河だが…

 突然時が過ぎ、一年後の話。いつか消えるはずの神原駿河の猿の手が消えるところまで。これまで何を考えているのか今ひとつ分からなかった駿河の一人称で物語が展開するため、その思考がよく分かったが、結局考えが分からなかったんじゃなくて、たいして何も考えてなかったというのがオチだった。いや、面白いんだけど。
<A> <楽>
18'09'16 少女終末紀行1
つくみず (検索) <amazon> <楽天>
 文明が崩壊した世界で、あてどない旅を続けるチトとユーリの二人の少女。食べ物を探したり、時に他の人と出会ったりしつつ、二人の旅は続いていく。

 時に喧嘩をしたりもするが、チトのリードでユーリがそれに文句を言いながらも従うという人間関係で構成される人間関係。終末を過ぎ、あとは残った人間が死滅して終わるだけの世界の中、特に何か起こる訳ではない日常生活に特化した話というのが新鮮。
<A> <楽>
18'09'14 鏨地獄
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 江戸一番の仏師と呼ばれる小瀬川桂堂は、ある夜、美しい娘がさらわれる瞬間を目撃してしまう。彼女が連れ込まれたのが幽霊屋敷として名高い来栖屋敷だと分かり、彼女を救うために弟の佃珊之助と共に屋敷を探ることにするのだが…

 江戸時代を舞台にした半分怪談のような物語。ガストン・ルルーっぽさがある。ただちょっとまとまりに欠き、オチもなんかもやっとした感じ。
<A> <楽>
18'09'12 へうげもの2
山田芳裕 (検索) <amazon> <楽天>
 このままでは織田家だけが力を持つことになることを危惧した明智光秀により、本能寺の変が起こった。だがそこで信長の前に現れたのは、なんと毛利と戦っているはずの秀吉だった…

 素直に武将として上に上がりたいと願う織部だが、自分の思いなど本物の野心を持つ人間の前には何の意味も持たないことを痛感させられるという話になった。野心もある数奇者という立場では越えられない壁があり、中途半端な存在となっていくのだが、逆にその中途半端っぷりが魅力になってるのが面白い。
<A> <楽>
18'09'08 女性の秘密
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 幕末は江戸の町も騒乱の中にあった。中でも旗本の次男三男たちによる乱暴狼藉は激しく、彼らを束ねる大須賀は恐怖の象徴となっていた。そんな大須賀が次に狙ったのは江戸一の美女と謳われる藤沼家の一人娘操だった。彼女を拐かした浪人連中だったが、彼らの前に立ちふさがる者があった。

 著者お得意の時代劇小説だが、無理矢理ファンタジーをねじ込んだために設定に随分無理が生じてしまい、ぐだぐだな物語になってしまった。ちょっと色々詰め込みすぎだな。
<A> <楽>
18'09'05 双亡亭壊すべし 6
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 一旦撤退を命じられた双亡亭探索班。だが凧葉はこの奥にいる人間に呼ばれているような感触があり、更なる探索を提案した。そして双亡亭の奥深くで幽霊の群れを発見した凧葉たち。更に深奥を目指す彼らについて行くが、そこで見たものは。そして双亡亭に新たに青一と縁朗が近づいていた。

 双亡亭の核心一歩手前までやってきたところで第一部が終わったと言うところ。これから中心人物を変えての話が始まることになる。なんだかんだ言って、著者はみんなのために命を賭けて戦うと言う展開の描き方は名人芸。本作で遺憾なくそれを発揮していた。
<A> <楽>
18'09'03 湖心亭
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 奇譚クラブのメンバーの一人で世界的に有名な水泳選手の三国潔によって語られた不思議な物語。それは三国の友人で若き実業家の伊東一郎が山奥に作ったというまるで要塞のような建物についてだった。その別荘湖心亭に招かれた三国はそこで不思議な女性と出会う。

 女の情念について描いたような話だったが、魔術やら奇術やらがやたらと出てくるペダンチックな話であり、そんな蘊蓄を読んでる内にいつのまにか有耶無耶に終わってしまった。肝心な物語が全然駄目。
<A> <楽>
18'08'30 新仮面ライダーSpirits14
村枝賢一 (検索) <amazon> <楽天>
 仮面ライダー1号と2号の力を借り、風見志郎はV3に変身することが出来た。だが半透明となったボディと、沸き上がる破壊衝動に戸惑いつつ、感情に飲み込まれていく。一方、サザンクロスで龍の制御を試みていた結城丈二は、決意を胸に大首領にコンタクトを取る。

 四国編で壊れた風見のダブルタイフーンの修理が完了して、あっけなくジェットコンドルを粉砕。引っ張った話の割に終わり方はあっけなかった。それ以降は少しの休息で、仮面ライダー達の周囲の人間関係を少し整理。こう言うのが好きな人も多いね。
<A> <楽>
18'08'26 魔の笛
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 奇談クラブに集まった面々の中から語られる、人の血を吸う度に音色が冴え渡る魔笛“鈴虫”。いかにしてその笛が人の血を吸うようになったのか、そしてそれがどのように処分されたのかが語られる。

 奇談クラブの一編。怪談っぽい物語で、こういうのもありか。いろんなパターンの小説を書いているんだな。
<A> <楽>
18'08'25 アオイホノオ18
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 原作付きで月間サンデー連載が決まったホノオ。だが原作者の雁屋哲から送られてきた原稿のレベルが高すぎて到底自分の手に負えるものではないことに気づかされる。それでも何とかネームを切ろうと四苦八苦するのだが…

 いよいよ初連載となる「風の戦士ダン」に手を付けるまで。劇中劇で「もし今描くのなら」という仮定の物語が描かれている。こんなハードな設定の物語がギャグ満載の作品になろうとは思いもしないが、その突拍子の無さをひっさげて連載を開始したため強烈なインパクトを与えることになったのも事実。
 実際私が初めて連載の作品を読んだ時に、「なんじゃこりゃ?」と思ったくらいだから。少なくともこれまでに無かった画期的な作品だったのは確かだ。
<A> <楽>
18'08'23 紅唐紙
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 珍景博士の異名を持つ読書家の珍田が古本屋で稀覯本を格安で手に入れる。そして大学へと帰る道すがら、その本を10倍の値段で売ってくれと言う人物が現れた。つっぱねる珍田だったが…

 「銭形平次」原作者として知られる著者の現代劇シリーズの一編。
 変わった話を持ち込んで話すという奇談クラブの紹介から、実際にどんな話がなされているのかまで。話自体にきちんとオチをつけ、何も知らなかった人物がクラブにはまり込むまでしっかりと描いている。
<A> <楽>
18'08'21 荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟
荒木飛呂彦 (検索) <amazon> <楽天>
 映画好きを公言する漫画家の著者が、「サスペンス映画」という括りで大好きな映画を紹介する作品。

 単純に著者名で、どんな映画の観方をしてるんだろう?という興味で読み始めたが、なんとも熱く、しかもポイントをちゃんと突いていて面白い。
 サスペンス映画の紹介だが、ちゃんと「何故この映画が好きなのか」を映画の構造から分析して語っているので考察が深い。
 知らなかったが、著者の映画紹介としては本作は続編に当たるそうだ。
<A> <楽>
18'08'19 河童の三平 下
水木しげる(検索) <amazon> <楽天>
 死神の予言は避けようがなく、死ぬしかないと悟った三平。せめて生前の父が言い残した、母の元へ行こうとするのだが…

 本作が完結編となる。横浜、東京、猫の街、そして本当に死んでしまい、あの世に行く前に故郷に帰るという話になってる。その際友達の河童に自分の身代わりになって親孝行するように言い残し、結果として本当に「河童の三平」となって物語は終わる。なんだこのオチは?と言う気もするが、著者の作品は不条理だから面白いので、実に著者らしいとも言えるか。結構いろんな特徴あるキャラが出てくる割に描写不足が目立つが、それも著者らしさ。
<A> <楽>
18'08'17 夜歩く石像
フランク・ベルナップ・ロング (検索) <amazon> <楽天>
 マンハッタン美術館の博物館長となったアルジャノン・ハリスは博物館の目玉展示となるものを世界中から集めていた。次々に集まる古美術品の中に、奇怪な像が持ち込まれてきた。これを持ち込んだウルマンによれば、これこそが邪神クァウグナール・ファウグンそのものだと言うのだが…

 クトゥルフものに寄せた物語だが、人間側の努力によって邪神が封じられるというパターンなので、伝奇アクションっぽいものに仕上げられた。このままB級映画にしても良いくらい。ただ、ラヴクラフトのものとは大分離れたような感じ。
<A> <楽>
18'08'16 夏目友人帳13
緑川ゆき (検索) <amazon> <楽天>
 的場一門が一堂に会する会合に招かれた夏目。的場とは距離を置きたい夏目だったが、半ば強引に連れてこられてしまった。実は妖怪が見える夏目の目が必要だというのだが…

 長編は夏目にとっては天敵とも言える的場に協力させられるという話が展開。妖怪を使役する的場に反発していた夏目だが、これでおかしな意味で縁が作られてしまった。ちらっと名取も出てくるけど、夏目は夏目で自分の能力を単なる呪いではなく、何か役に立てたいという思いも持ち始めているようで、人間関係に少し変化が起こり始めているようでもある。
<A> <楽>
18'08'12 電気処刑器
アドルフ・デ・カストロ (検索) <amazon> <楽天>
 会社の金を持ち逃げしたフェルドンという男を追えと命じられた“私”は半ば無理矢理メキシコ行きの列車に乗り込む。少しウトウトした“私”の前に発明かを名乗る謎の人物が現れ、実験を手伝うよう語りかける。

 ラヴクラフトものとは全く異なるコメディタッチのホラー作品。クトゥルフものとは全く関係のないのだが、本書に収められたのは、この作品もアイディアだけが著者が出して、それを文書化したのがラヴクラフトだからだとか。
<A> <楽>
18'08'11 YASHA3
吉田秋生 (検索) <amazon> <楽天>
 静の身柄を手に入れた雨宮家は、静の双子の弟凜を使って静の頭の中にあるはずの研究ノートを手に入れようとする。だが静のボディガードのケンやゴールドバーグ財団の横槍が入ったために実験は失敗。静と凜の記憶が混濁してしまう結果に…

 指向性の強い殺人ウイルスを追う話となり、どことなく「BANANA FISH」を思わせるところもあるが、そこに静と凜という二人の主人公を配し、舞台を日本にしたことでぐっと親しみやすくなっている。しかし本当にバイオテロが起こってしまうと言うのは容赦ない。
<A> <楽>
18'08'08 俘囚の塚
ゼリア・ビショップ (検索) <amazon> <楽天>
 オクラホマ州にあるネイティヴ調査に向かった“わたし”は、ネイティヴも近寄らない不思議な遺跡のことを耳にする。何人もの行方不明者が出ているという遺跡を調査してみようと思い立った“わたし”は、できる限りの人を集め、衆目の中で発掘を行った。その結果、古い金属筒に入った文書を見つける。スペイン語で書かれたその文章を読み進めていくが…

 ラヴクラフト作品の正統なる後継者と言った感じの作品で、いかにもと言ったギミック満載。それもそうで、本作の著者はアイディアを出して、ラヴクラフトと共同執筆したらしい。読みやすい作品だった。
<A> <楽>
18'08'07 巨娘3
木村紺 (検索) <amazon> <楽天>
 池袋にある焼き鳥チェーン鳥吉4号店店主、ジョーの破天荒な日常生活を描く第4巻。愛するオニイチャンがさらわれたり、他の人たちの恋愛相談に乗ったり。今回では初めてジョーが倒れるという描写もあり。

 2巻刊行時から随分経って、連載再開していたことが分かり即購入。相変わらずとても好みのクオリティで、何度読んでも飽きが来ない。
 現役プロレスラーすら一撃でノックアウトさせるというジョーが初めてダウンしたという描写もあるが、病気のためというオチがついた。
<A> <楽>
18'08'02 怪魔の森
フランク・ベルナップ・ロング (検索) <amazon> <楽天>
 家でくつろいでいた小説家ハワードと友人フランクの元に半病人となった共通の友人ヘンリーが転がり込んできた。森で何者かに襲われたというヘンリーの容態を看たフランクは、その頭に大きな穴が空いているのを見てしまい…

 脳髄の化け物に襲われるという怪奇を描いた作品で、なんか映画『顔のない悪魔』の怪奇バージョンみたいな趣がある作品。
 ラブクラフトのものとは異なるが、話の構成は真っ当な冒険小説っぽく仕上げられている。
<A> <楽>
18'07'31 幻魔大戦
平井和正 (検索) <amazon> <楽天>
石ノ森章太郎 (検索) <amazon> <楽天>
 銀河を二分する幻魔と銀河連盟との戦いも、幻魔の勝利で終わった。この勝利によって幻魔は銀河全ての生命を滅ぼそうとする。そんな中、何も知らない地球では連盟の長フロイによって強力なテレパシストのルナが見いだされていた。フロイの意思に従い、幻魔に対抗出来る地球の超能力者を集めるルナとサイボーグ戦士のベガ。高校生東丈は二人の接触を受けて超能力を開眼させるのだが…

 小説版の原作を受けて描かれた漫画版。小説の1〜2巻をベースに、その後は独自展開をしていくが、その物語はまんま映画版に受け継がれていく。
 映画版の問題点は、本作の描写が足りなかった部分を補強することなく作ってしまったからあんな出来になったのかと妙に納得。
 しかし、本作が出たのが40年近くも前。以降散発的に漫画版が描かれ続けていることもようやく分かってきた。色々知らないことが多いようだ。
<A> <楽>
18'07'30 妖魔の爪
ソニア・グリーン (検索) <amazon> <楽天>
 マーティン・ビーチで海水浴を楽しむ人々。その中で一人の人間が突如海に引きずり込まれようとしていた。彼を助けようと多くの人が手を貸すのだが、どれだけの人が手を出そうとも、引きずり込む力は衰えること無く、しかも彼らに触れた途端、身体が外せなくなってしまう…

 真・ク・リトル・リトル神話大系の一編。著者は女性で、なんとラヴクラフトの奥さん(当時)だという。
 作品そのものはなんということもない話だが、綱引き状態の人間がじりじりと海に引きずり込まれ、それをただ観ていなければならない人々というシュールな構図だけが見所の作品。
<A> <楽>
18'07'27 へうげもの1
山田芳裕 (検索) <amazon> <楽天>
 織田家に仕える古田家当主の古田織部。数奇者として知られながら、自分の栄達も夢見て、時にライバルに先んじるために忠義に励み、時に賄賂を送り、そして時にお宝に目がくらみ…そんな人間味溢れる織部だが、千利休を師として仰ぐようになってから、少しずつ風向きが変わってきた…

 織田信長〜豊臣秀吉の時代を描く歴史大作だが、その主人公にあまり有名でもない人物を配したのが面白い。単なる狂言回しのように見せつつ、俗物としての欲望、数奇者としての審美眼などを兼ね揃えているからこそ、このような魅力的な人物となるのだろう。時代に翻弄されつつも、独自の生き方を貫く面白い作品となった。
<A> <楽>
18'07'24 廃都
H・P・ラヴクラフト (検索) <amazon> <楽天>
 探検家の“私”はアラビアの砂漠の中にお宝のような古代都市が眠っていると聞きつけ、その廃都を探す旅に出た。偶然からその入り口を発見することが出来、好奇心を抑える事が出来ずに一人で入り込むのだが…

 著者から始まった「クトゥルフ」作品の肝となる「ネクロノミコン」の名前が最初に出たと言う記念すべき作品。
 内容は、古代に滅んだと思われた旧人類が、実は今も生きていて、その恐怖を味わって現実世界に生還するという、いかにも著者のものという感じ。久々に心地良い気分にさせられた。
<A> <楽>
18'07'21 KEYMAN12
わらいなく(検索) <amazon> <楽天>
 バトラーの狙いが分かり、異世界の扉を開く鍵となるボビーの保護に動くアレックスとピート。だがそんなアレックスの前に立ちふさがる者がいた。その姿は…

 いよいよ残り1巻。ラストに向けて疾走中だが、この巻はクライマックスに向かう幕間的な意味も大きく、これまで出てきた、特に獣人たちがちょっとだけ次々に出てくるようになった。軽く間延びといった感じだけど、全ての人物の役割分担を完了するという意味はあった。後はラストに向けて駆け抜けるだけ。
<A> <楽>
18'07'19 日本人改造論
ビートたけし (検索) <amazon> <楽天>
 著者が今の日本に対して考えている事を歯に衣着せずに語るエッセイ集。

 随分大上段なタイトルだが、内容的には、過去から現在に渡って様々な人間につきあってきた著者が、いかに人間とは取るに足らないようなものかと書いているだけ。
 自分が立派な人間でもなんでもなく、馬鹿者であるということを通説に分かっているからこその発言なんだろう。
 しかし、これこそがこのタイトルにつながる訳だろうな。
<A> <楽>
18'07'18 YASHA2
吉田秋生 (検索) <amazon> <楽天>
 有末静を巡り、銃を持つ外国人が行き来するようになり、一気に不穏な空気が流れる洛北大学。当の静は自分の研究を続けようとするが、そんな彼の前に現れた全く同じ遺伝子を持つ弟の凜に、身柄の安全を保証する代わり、自分の研究を手伝うように言われる。そんな静を守ろうとする永江十一の思いは空回りしっぱなしだった。

 静を取り巻く混乱が主軸になるが、いろんなキャラが登場して、それなりに描写されるためにストーリーの進みがちょっと遅いが、話自体はかなり面白い。結局お邪魔にしかなってないのに、ちゃっかり主人公っぽい活躍をしてる十一の存在感も良し。
<A> <楽>
18'07'15 地球発狂事件
海野十三 (検索) <amazon> <楽天>
 自称フリーライターのアイスランド人ドレゴがある日深酒をして目覚めると、窓の外から見える山の頂に巨大な船が突っ込んでいる奇怪な光景を目にする。友人の記者水戸と共に確認に行くのだが、それは地球を揺るがせる大事件の発端だった。

 ファーストコンタクトを描いたSF作品と言うことになる。結構面白いのだが、後半の展開が強引すぎて、もうちょっと工夫が必要だったかと。
<A> <楽>
18'07'12 はじめの一歩120
森川ジョージ (検索) <amazon> <楽天>
 華々しい復帰戦となるはずのゲバラとの対戦は、パンチドランカー症状が発症してしまった一歩の敗北に終わる。ボクサー人生どころか人生そのものに支障が出るとされた一歩の決断とは…

 ここまで引っ張って「やっぱりパンチドランカーでした」という酷いオチ。少なくとも前2巻の引っ張りはなんだったの?という話。
 スポーツ作品は落として上げるが基本だが、120巻も引っ張ってそれをやられても困る。
<A> <楽>
18'07'10 瑠璃の方船
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 小説家として一定の成功を収めた“僕”は、ここまで小説家を続けて来られたのは一人の男との出会いによるものだったと述懐する。最強のアマチュア棋士と謳われつつ、切望したプロになれず、下手な生き方しか出来なかった河野城平という男のこと。彼と“僕”との交流を通し、著者の反省を総括する。

 自らの小説家人生を振り返って描く、メタ小説。おそらくここに登場する河野城平という男は著者が関係した何人かの人間をくっつき合わせて作られた虚構の人物だと思われるが、とても気合いの入った作品だ。
<A> <楽>
18'07'09 河童の三平 中
水木しげる(検索) <amazon> <楽天>
 不思議な事に次々に妖怪が三平の家にやってくるようになった。人間の学校にも行かねばならない三平にはもてあますばかりなのだが、前に別れたはずの死神が三平の前に現れ、三平の死を告げる。

 前の話を引きずりながら次々に新しい妖怪が出てくるので、話がどんどん拡大してごちゃごちゃになっている。著者の作品の特徴だが、死というのが消えることを意味しないので、余計ややこしいことになる。対する三平が完全に受け身なので、ただ流れていくだけというのがなんとも。
<A> <楽>
18'07'04 Re:ゼロから始める異世界生活4
長月達平 (検索) <amazon> <楽天>
 5人目の龍の巫女候補が現れたことにより、いよいよ本格的に王選が始まることとなった。自分がこの世界に呼ばれた理由はレムリアを王にすることだと信じるナツキ・スバルは、エミリアが止めるのにも構わず、なんとか城に潜り込む手立てを考えるのだが…

 いよいよ王選が始まる。新キャラも多数登場してるし、意外なキャラが意外なところで登場もしてる。話自体はとても盛り上がっているのだが、常人離れした思考と行動をする主人公に全く共感できず、その痛々しい描写にめげてなかなか読み進められない。
<A> <楽>
18'07'02 サカモト
山科けいすけ (検索) <amazon> <楽天>
 幕末。京の町でしのぎを削る佐幕派と討幕派。その間でどちらの陣営にも人望がある坂本龍馬を中心とした人間模様をコミカルに描く。

 30年ほど前だろうか?同じ4コマギャグの著者の「SENGOKU」が好きで繰り返し読んだものだが、お陰で色々戦国武将についての知識が歪んでしまったものだ。本作は戦国時代ではなく幕末になるが、パターンは同じで、かなり懐かしく思い出す。
 主人公の坂本龍馬はとらえどころがない。これは現在でも共通する認識だが、その精神がモロにムー系のオカルト傾倒。薩摩の人間はみんなサツマイモのことしか考えておらず、長州の人間は基本全員テロリスト。新撰組にあっては、土方歳三はバイセクシャルで男女構わず手を出し、沖田総司は過食症のぽっちゃりと、まあ著者らしさに溢れていて、読んでいて楽しいし、やっぱり繰り返して読むに適している。
<A> <楽>