読書日誌
2020’7〜9月

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20'09'30 聲の形3
大今良時 (検索) <amazon> <楽天>
 機会を見つけては手話の会話を続け、少しずつ硝子との距離を近づけていく将也。小学生時代に硝子を応援したために仲間はずれにされてしまった佐原みよことの再会。そしてその佐原を虐めた植野直花との再会などを通して、少しずつ時間が進められていく。

 やっぱりきつい。読むのにかなり気合いが必要だし、読み進めようにもリアルな虐めネタが出てくるとどうしても止まる。しかし、決してきついだけでないのが幸いで、なんとか読み進めている状態。
<A> <楽>
20'09'27 Re:ゼロから始める異世界生活15
長月達平 (検索) <amazon> <楽天>
 魔女のお茶会で嫉妬の魔女サテラによって死に戻りの力を失ってしまったナツキ・スバル。これまでのような死んで経験を積むことが出来ない状態で、誰一人失わずに救うという困難なミッションをこなさねばならなくなった。最大の関門であったガーフィールを味方に付けることが出来たスバルは、ガーフィール、オットーと共に魔人の待つロズワール邸へと向かって行く。一方試練に挑むエミリアと、自暴自棄に陥りかけているロズワールの正気を取り戻すべく敢えてロズワールに勝負を挑むラム。

 第4部最終話。これまでの中で最もアクション主体の話となった。死に戻りがなくなったため、本作品の最大の特徴を封印したが、だから緊張感ある話になっていた。
<A> <楽>
20'09'24 双亡亭壊すべし12
藤田和日郎 (検索) <amazon> <楽天>
 双亡亭の主坂巻泥努が語る過去。それは彼が画家として立つために払った大きすぎる犠牲と、報われることのない愛情によるものだった。その狂気が次元を超えた何者かを呼び寄せてしまい、双亡亭が誕生したという。泥努にとって最大となるこの作品が出来れば後は世界はどうなっても構わないと言う。

 双亡亭の主坂巻泥努の狂気について。簡単に言えば愛するものの死というのが直接の動機になるのだが、そこに至るまでの過程が少年漫画から完全に逸脱してる。ここまで徹底して狂気にこだわる著者も又たいしたものだ。まだまだ刺激的な作品を作ってるな。
<A> <楽>
20'09'21 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった2
山口悟 (検索) <amazon> <楽天>
 15歳となり、いよいよ魔法学園に入学したカタリナ・クラエスは乙女ゲーム“Fortune Lover”の本来の主人公であるマリアとも出会う。ゲームでは、この一年後の卒業式イベントで国外追放か殺されるかとなってしまうため、慎重にイベント回避しなければならないのだが、何故か敵となるはずのマリアに懐かれてしまう。それで仲間達に囲まれて楽しく過ごしていたが…

 1巻で男女問わず周り中の人たちに好かれてしまうと言うタラシの才能を発揮していたが、2巻でもそれは健在。ついには本来の主人公までたらしこんでしまう。本人は一切その意識が無く、単純に楽しいからというだけというのが、この作品の面白さだろう。
<A> <楽>
20'09'19 銀の匙15
荒川弘 (検索) <amazon> <楽天>
 大川先輩と二人で立ち上げた会社も豚の放牧事業として少しずつ形が整ってきた。そんな折、大川から資格のためにお前も大学に行くように言われてしまい、ギリギリの時間で受験勉強を始める。

 14巻のレビューしたのが2018年だったから、それから2年経って最終刊。内容が凄く濃くて実に楽しい巻だった。同級生とかの他の人たちのサブストーリーが面白くて八軒と御影のラブストーリーはほとんどなし。まあこれがこの作品の面白さかな?八軒の親父さんが妙にキャラ立ちして、何故かギャグ要員になってしまった。
<A> <楽>
20'09'16 恋物語 化物語12
西尾維新 (検索) <amazon> <楽天>
 初詣で賑わう京都にいた“俺”貝木泥舟は突然戦場ヶ原ひたぎの連絡を受ける。気が向いたのでその話を聞いてやることにしたところ、なんと千石撫子という少女によって二ヶ月半後に殺されてしまうと言うとんでもない話を聞かされる。これまた気まぐれでその依頼を受けた“俺”は神となった少女を騙すために再びその田舎町に脚を踏み入れる。

 詐欺師貝木泥舟を一人称の主人公にした話。10話目で北白蛇神社の神になってしまった千石撫子の顛末が描かれる。卒業式に殺されるはずの阿良々木暦が翌年も生き残っているのが既に分かっているので、当然誰かが撫子を止めることは分かっていたが、それが貝木というのが面白い。
 いつも皮肉で斜に構えるばかりの貝木が意外に真っ直ぐに描かれてるのが面白い。
<A> <楽>
20'09'13 パタリロ!5
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 世界中でダイヤモンドの盗難事件が頻発し、ダイヤ原産国のマリネラを調査しにきたバンコランとマライヒ。警備体制は万全だと太鼓判を押すパタリロだが、まんまと大量のダイヤを何者かに盗まれてしまった。半ば当てずっぽうで日本にヒントがあると考えたパタリロはダイヤを取り戻すために日本へとやってくる。

 初期の代表作とも言える「スターダスト」編。この話はアニメ版実写版双方で映画化されるほどの有名作品。
 昔読んだことがあって、てっきり2巻分くらいかけていたと記憶していたが、実際は丸1巻分も無かったんだな。パタリロが暴走しっぱなしなのにいつの間にか解決に近づくという作風が確立された話となる。
<A> <楽>
20'09'09 闇への迷走
アルトゥル・シュニッツラー (検索) <amazon> <楽天>
 ウィーンに住む裕福な家の次男ローベルトは少々塞ぎ気味な性格で、日々鬱々として日常を送っていた。そんな中、ローベルトを気遣う兄を初めとする人々の交流に時に救われ、時に傷つきながら生活していく。

 これも一種の鬱小説。まるで白樺派のような作風だが、それでしっかりと読ませてしまうのが小説家としての実力なのかも。
<A> <楽>
20'09'06 風と木の詩1
竹宮惠子 (検索) <amazon> <楽天>
 19世紀フランス。コンブラード学院にセルジュという少年が転入してきた。浅黒い肌を持つセルジュに蔑みの目を向けるものもいたが、彼は持ち前の不屈の精神で偏見を取り除いていく。そんなセルジュの前に現れたのはジルベールという少年だった。まるで女性のような容姿を持つジルベールは、学園の多くの男達に身を任せ、それで特権のような振る舞いをしていた。そんなジルベールと同じ部屋で寮生活を送ることとなるのだが…

 元々耽美が苦手で、タッチも肌に合わないということで実はれまでに本作には一切触れてこなかった。少し勇気を出して読み始めたのだが、やっぱり読みにくい。一冊読むのに本を一冊読むくらいの労力がかかる。しかし面白い。耽美系ではなく、本作は思春期の少年の感情を正面から描いた作品なのだな。
<A> <楽>
20'09'02 夢小説
アルトゥル・シュニッツラー (検索) <amazon> <楽天>
 ウィーンに住む真面目な医師フリドリンは、忙しい生活の中徐々にストレスが溜まっていることを自覚し始めていた。そんな時、友人からウィーンにあるという秘密クラブの存在を教えられる。好奇心からそのクラブに潜り込んだフリドリンが味わった恐怖とは…

 アイズ ワイド シャット(1999)の原作。なんだかよくわからない悪夢のような作品。ただ、特徴的なのが全編を覆う鬱的な雰囲気で、この憂鬱な描写こそが著者が支持される理由なのだろう。
<A> <楽>
20'08'30 僕のヒーローアカデミア6
堀越耕平 (検索) <amazon> <楽天>
 雄英高校は夏休みに入り、ヒーロー科の面々はそれぞれインターンとして全国のヒーロー達の元で研修が始まった。出久はオールマイトの先生であるグラントリノの元でワンフォーオールの使い方を学ぶこととなった。一方、全国のヒーローの前に現れて再起不能にしていくヒーロー狩りのステインに復讐を誓う飯田は、次にステインが現れるとみられる保須市にインターン先を希望していた。

 ステイン編の中編となる話。出久に関しては現在ワンフォーオールの使い方を勉強中だが、まだ勉強が始まったばかりでとんでもない事件に巻き込まれてしまう。
 今巻の見所は、ヒーロー論を言葉で語る部分が多いところ。これまでのヒーロー漫画ではあまり語る事がなかったヴィラン側の論理が多数。面白い。
<A> <楽>
20'08'26 死んだガブリエル
アルトゥル・シュニッツラー (検索) <amazon> <楽天>
 とある女優に恋い焦がれて自殺したガブリエル。その友人の“僕”はガブリエルを愛していた女性とガブリエルについて話をしているうちに盛り上がってしまい、二人でその女優に会いに行くことになった。

 上流階級の恋愛ごっこを描く話。遊びだからこそごっこで自殺してしまうと言うシュールな展開。夢と現実の境目どころか生と死の境目までよくわからなくなる展開だ。
<A> <楽>
20'08'24 悪の秘密結社ネコ
ぱんだにあ (検索) <amazon> <楽天>
 人の目から見る限り、可愛いネコ。しかし実はネコの秘密結社による人々に対する洗脳計画が着々と進んでいたのだ。可愛さを見せつけることで人の営みを阻害し、更にネコがいないと生きていけなくするように。一方、そんなネコの暗躍を知り、それを邪魔するために立ち上がる存在もあった。

 これもTwitterでフォローしている絵師の単行本。明らかにTwitter由来で読んでる本は圧倒的にネコの作品が多いのは私の嗜好がよく分かるようなところ。しかしこの作品だとネコよりも実は犬の方が面白かったりする。ネコに対するアルアルネタより犬に対するものの方が頷けたりする。
<A> <楽>
20'08'21 銭形平次捕物控16 人魚の死
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 八五郎に流行りの海女の見世物に出かけた。そこでの二人の海女の素潜りにすっかり魅了されてしまった八五郎は足繁く小屋に通うようになる。そんな八五郎の目の前で海女の一人が殺されてしまう。

 八五郎の活躍と言うより、失敗を描く作品。八五郎は愛すべきキャラとして著者も愛おしく思っているらしい。それ以外はたいした作品というほどではない。
<A> <楽>
20'08'18 サスケ1
白土三平 (検索) <amazon> <楽天>
 大坂夏の陣で滅んだ真田の一族。だが猿飛忍群と呼ばれる真田の忍者達は未だ生き残り、徳川への復讐を誓い潜伏していた。その一人大猿大助は一人息子のサスケを鍛え上げ、忍者として生き抜く術を教え込む。だが徳川の治世を守る伊賀忍者の服部半蔵は猿飛忍群を執拗に追い回していく。

 「カムイ伝」と並ぶ著者の代表作の一本。基本的に著者の作品は忍者を描きつつ、執筆当時の日本の国を重ね合わせたものが多いが、本作の場合は主人公を子どもに設定して、忍術をたっぷり見せることを目的にしてる感じ。これまでのいろんな作品に描いた忍術をこの作品で解説するという解説的な意味合いもあるようだ。
<A> <楽>
20'08'15 キノの旅20
時雨沢恵一 (検索) <amazon> <楽天>
 三組の旅人と一人の少女の話。「人間の国」(シズ)「仲の悪い国」(全員)「拘らない国」(キノ)「宝探しの話」(師匠)「夫婦の話」(フォト)「ターニング・ポイント」(キノ)「羊たちの草原」(キノ)を収録する。

 実にいつも通りの話。ただ羊の草原の話は前にもどこかで描いていた記憶がある。
<A> <楽>
20'08'12 パタリロ!4
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 イギリスと中国の主席による会談が始まろうとしていた。ところが中国主席が通訳として指名したのは、イギリスとは全く関係ないパタリロだった。使節団が出る前にロンドンにやってきたパタリロを警備しなければならなくなったバンコラン。

 パタリロが中国に行く話と、マリネラにやってきた国際密売組織のドンを追ってバンコランとマライヒがやってくるという二つの話。それとパタリロが出てくる妖怪話が2編。普通のSFが2本と、なかなか豪華な一冊。
 パタリロの貞操の危機というか、明らかにやばい状態に陥ってるシーンがある。一応これもBLになるのだろうか?
<A> <楽>
20'08'09 ずうのめ人形
澤村伊智 (検索) <amazon> <楽天>
 ホラー専門雑誌に勤める“僕”藤間は、同じ雑誌社に勤める同僚が発見したという、不審死をした先輩編集者の部屋で見つけたという素人小説を読まされる。「ずうのめ人形」というタイトルのその小説は、いじめられっ子の中学生が怪異に遭遇するというものだが、小説を読み進めると、その中に書かれている人形の姿が実際に見えてくるようになる。更に小説を押しつけた同僚編集者までが不審死となったと知る。知り合いのつてで霊媒師と会うことになる。

 「ぼぎわんが、来る」に続く比嘉姉妹のシリーズで、作られた都市伝説に挑む話。小説の中にも書かれているが、これは「リング」の翻案がベースになっているが、そこに様々なオリジナル要素を加え、更に倒叙ミステリの手法を加えた力作。ぐいぐい読ませる作品で、ほぼ一気読みだった。
<A> <楽>
20'08'06 サイボーグ009 4
石ノ森章太郎 (検索) <amazon> <楽天>
 世界各地にある黒いピラミッドと交戦しつつその襲撃から逃げる009達。しかしピラミッドのみならず海底からも攻撃があり、徐々に追い詰められていく。そんな中、海底からの使者を迎え入れざるを得なくなる。

 海底ピラミッド編の後編を収録。この話は何万年も前に起こった宇宙での二つの星の戦いの代理戦争が地上で再開され、それに巻き込まれてしまったという話で、009たちは利用されるだけ利用されて放り出されてしまった感があって終わり方もかなり中途半端。
 しかしそれがこの話の目的なのだろう。009が正義のヒーローになるだけの話にはしたくないという著者の思いが込められてる感じだ。物語がもやっとした感じで、それで読ませるのが本シリーズを名作としてるのかも知れない。
<A> <楽>
20'08'04 銭形平次捕物控15 怪伝 白い鼠
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 根岸にある近江屋という糸屋に幽霊が出るという噂が流れ、近江屋の娘お雛が平次に助けを求めてきた。幽霊を目撃したという雛の弟の富太郎の言葉を受け、半信半疑で近江屋を調べる平次。

 幽霊話の顛末。この作品はオカルトではないため、当然タネはあるが、少々強引すぎる謎解きだった。
<A> <楽>
20'08'01 俺物語!!3
河原和音 (検索) <amazon> <楽天>
アルコ (検索) <amazon> <楽天>
 ラブラブカップルの猛男と大和。二人でハイキングに行ったら遭難してしまったり、みんなで海に行って親睦を深めたり、そろそろ受験のことを考えて二人で勉強を始めたりする話。

 既に完全にマンネリになってしまった感のある物語だが、まさにそれを読みたくて読んでいるのだから全く問題なし。しかしこの町は危険が多すぎるな。今回は猪まで出てきたぞ。
 あとは猛男の父親が初登場。えらく濃いめの顔の好男子だった。典型的なホームドラマのお父さんといった感じだが、ネタで作ったんだろうな。
<A> <楽>
20'07'29 第五氷河期
海野十三 (検索) <amazon> <楽天>
 平和を謳歌する日本。その中で氷河期がやってくると吹聴して誰からも煙たがられている北見博士は、擾乱剤で警視庁に出頭させられてしまった。そこでも自説を曲げずに呆れられてしまうのだが、この学説に耳を傾ける人も少しずつ増えていく。

 極めて短い作品で、氷河期が実際にやってきた時点で話が終わるので、少々尻切れトンボな印象はある。しかし小松左京の「日本沈没」に先行してこんな作品を書いたという事実そのものが素晴らしい。パニック作品の名作と言えよう。
<A> <楽>
20'07'26 半神
萩尾望都 (検索) <amazon> <楽天>
 著者によるSF短編集。タイトルの「半神」を含め10編を収録する。

 SFがアイディアで作られるというなら、著者の作品はまさに一級品のSFと言えよう。タイトルの「半神」は何度読んでも心揺さぶられるし、シェイクスピアのSF翻案である「夏の夜の夢」なんかも、シェイクスピアが現代でもしっかりエンターテインメントとして機能してることが分かる。まあ、これはほんとにSFなの?と言うのもいくつかあったりもするが、その辺ひっくるめて面白かった。
<A> <楽>
20'07'23 三体
劉慈欣 (検索) <amazon> <楽天>
 ナノカーボンの専門家汪森は突然政府直属の警察組織から呼び出しを受ける。世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられ、知り合いの大学教授を見張るよう依頼を受ける。スパイのような真似を嫌でも従わざるを得ない汪森だったが、調査対象の家からVRゲームを発見する。そのゲーム「三体」は三つの太陽のある惑星を舞台に、ここで生き残る術を見つけるというものだった。難解なそのゲームを繰り返しプレイしていく内にコツを掴み、次のステージに進むことが出来た直後に、ある組織から連絡を受ける。

 ヒューゴ賞を受賞した初の東洋作品というので興味を持って読んでみたが、内容は大変なものだった。一応SFジャンルとしてはファースト・コンタクトになるのだろうが、中国人しか描く事が出来ない現実の歴史の重みというものがある。さすが文化大革命のただ中に生まれた著者だけあって、そこでのサバイバル術がリアルすぎる。
<A> <楽>
20'07'20 アオイホノオ21
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 月刊サンデーでの連載で着々と実力を上げていくホノオ。一方、そのホノオの同級生庵野、山賀、赤井が関わったというSFアニメ「超時空要塞マクロス」の放映が始まり、そのオープニングを観てしまって打ちひしがれてしまう。

 時代的には1982年。「超時空要塞マクロス」が始まった時となる。実際にあの作品は凄い作品だったのだが、40年も経ってあのオープニングを丁寧に解説されると、そこまで凄かったのか!と目から鱗状態となった。それに対して激しい嫉妬心を燃え上がらせる著者は、まさにルサンチマンこそが原動力だったと分かる。それに完全変形バルキリー。タカトクトイス製で後に金型から「トランスフォーマー」のスカイファイアーとして売られたという曰く付きのオモチャ。あれ欲しかったんだよなあ。
 他にも、連載当時は全く描けなかった描写を今なら渾身の描写で描けると、妙に力のこもった「風の戦士ダン」とか、ようやく同級生で後のボンズ社長となる南雅彦が登場したりと、とにかく見所満載。
<A> <楽>
20'07'18 銭形平次捕物控14 たぬき囃子
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 平次の先輩の岡っ引き石原利介の娘お品が平次を訪ねてきた。石原の管轄で連続した盗みが入っているのだが、当の石原が体を壊して動けないという。そこで知恵を借りに来たというお品を手伝うことになった平次は、盗みがおこった日には必ず祭り囃子の音が聞こえていたことが分かる。

 これまで何度か登場した先輩岡っ引きの石原と和解する重要な話。この話から登場したお品は以降の常連となる。話自体は結構純粋な推理ものになってた。
<A> <楽>
20'07'15 パタリロ!3
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 マリネラに中国雑技団がやってきていた。それに影響されたかパタリロは夢遊病で功夫の達人になってしまい、周囲にえらく迷惑を掛けていた。そんな中、マリネラで発掘されたダイヤが何者かによって盗まれる事件が起こる。

 四つの物語が収録されているが、パタリロや他のキャラの愛情物語に無理矢理こじつけてるのが少女漫画らしい。パタリロの変態性が抑え気味なので、ちょっと普通っぽい話だな。
<A> <楽>
20'07'12 在りし日の歌
中原中也 (検索) <amazon> <楽天>
 著者の死後発見された遺稿からの詩を収録した、いわば遺稿集。山羊の歌と双璧をなす著者の代表作でもある。

 これを読んだのが大学時代だったから、今からもう何年前やら。久々に読みたくなったのだが、これはやっぱり良いね。私がよく聴く、割と電波入ったような歌詞にはここから取ったものが多く、その意味でも楽しめるし、どれだけ愛されてるのかが分かるところでもある。
<A> <楽>
20'07'09 仮面ライダークウガ12
井上敏樹 (検索) <amazon> <楽天>
横島一 (検索) <amazon> <楽天>
 研究室でガリマの抜け殻と戦った五代は自分の感情の持って行き場に困り、バイクを駆って東京を後にする。一方、妹の香里奈を連れ、自分たちのよく知る孤島へと行った一条は、そこでバラのタトゥーの女と鉢合わせしてしまう。

 一応話は三分割。五代はパワーアップを果たしたものの、感情の持て行き場がなく、東京から逃げ出す。これは本当に逃げ出しただけで、活躍は次巻以降へと持ち越し。一条は妹の精神を壊した張本人であるバラのタトゥーの女、ラ・バルバ・デと再会。何の因果か彼女と協力して先代のバルバを倒す。そしてもう一人の津上翔一だけが東京に残り、駿河と行動を共にするが、五代がいなくなった今、東京で活動するのは一人になってしまう。
 しかし何というか、私もいい加減付き合いが良いな。
<A> <楽>
20'07'08 銭形平次捕物控13 美女を洗い出す
野村胡堂 (検索) <amazon> <楽天>
 疾風の綱吉という遊び人が殺された。検分した平次は凶器がノミによるものと見立てた。それを聞いたガラッ八は大工の棟梁を捜し回り、辰五郎という男を捜し出す。一方の平次は綱吉が足繁く通っていた水屋に顔を出し、そこの看板娘のお常に入れ込んでいく。

 平次の夫婦仲の危機というあまり例を見ないパターンの話。それに合わせるように愛憎問題で犯人が発覚してしまう。
<A> <楽>
20'07'05 ルパン三世1
モンキー・パンチ (検索) <amazon> <楽天>
 神出鬼没の大泥棒ルパン三世と、ルパン追う警視庁の銭形警部。様々なところに首を突っ込んでは命がけの盗みを繰り返すルパンに、周囲はすっかり引っかき回されてしまう。そんなルパンの活躍を描いた作品。

 今頃になってようやく読み始め。実は小学校の頃に何冊かは読んだ記憶があるのだが、この中には私の記憶にある話はなかった。良く言えばスタイリッシュだが、描写の省略が多いため、コマをちゃんと読み込まないと意味が取れないところも多く、その分読むのに時間がかかる。
 次元大介も登場してるが、話によってはルパンの幼なじみでルパン帝国の重鎮であったり、銭形の部下の刑事であったりと、立場が一定してない。
<A> <楽>
20'07'02 鬼物語 化物語11
西尾維新 (検索) <amazon> <楽天>
 夏休みが終わり、半ば思いつきでやってしまった時間旅行からようやく戻ってきた阿良々木暦は、いつものように八九寺真宵と軽口を言い合っていた。そこに突然現れた“くらやみ”に追いかけられてしまう。問答無用に触れるものを全て消してしまうと言う不条理なものに追いかけられた暦は、身を守るためになんとかその謎を探ろうとする。

 10巻である「傾物語」の直後から始まる作品。始まりはいつものように軽いものだったが、内容はかなり重い。実質的には忍(キスショット)の過去の話から“くらやみ”の正体を探る話だが、結論が出た時点で八九寺が消えなくてはならなくなってしまった。代わりと言っては何だが、これまで何度も名前だけは出ていた臥煙伊豆湖が初登場してる。
<A> <楽>