読書日誌
2021’7〜9月

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21'09'28 蜘蛛ですが、なにか?3
馬場翁 (検索) <amazon> <楽天>
 エルロー大迷宮の中でほぼ最強の存在にまで成長した“私”は名実ともに最強となるべく、地竜アラバに挑む。圧倒的な力の差はあるものの、勝利の条件は揃っていた。一方、兄が死んで勇者の称号を受け継いだシュンだったが、突如起こった内乱によって父王は殺され、シュンは父親殺しの汚名を着せられて殺されそうになる。その背後にはシュンと同じ転生者であるユーゴの存在があった。

 3巻にして主人公は最強の存在となってしまった。展開はかなり早い感じ。一方、人間側の主人公の方は苦労の連続。こちらは仲間を作りながらしっかり主人公っぽいストーリーとなっている。
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21'09'25 アオイホノオ22
島本和彦 (検索) <amazon> <楽天>
 冬休みで実家に帰ったホノオ。しかし今度は週刊少年サンデーに短期連載が決まっていたため、でひたすら漫画描き三昧となった。そのため家の近所にいる漫画家志望の尾藤という女の子にアシスタントを頼むこととなった。あくまで外見ではなく実力でアシスタントを頼んだと自己弁護しながら、その可愛さと健気さに惹かれていくホノオ…

 まさに私にとってはリアルタイム世代。月刊サンデーを買い始めた直後で、週刊少年サンデーを買い始める直前のギリギリの数ヶ月にあった出来事。ここまで絞られると、この時何をしていたかとか何を考えていたまで覚えてる。
 作品には突然登場した尾藤さんに驚かされる。なんだこのオタクに優しすぎる天使みたいなキャラは。妄想以外に登場しないようなキャラに知り合えるとは、なんともすばらしいこと。
 それはそうと、相変わらず情報量の固まりで、あだち充の「タッチ」で和也の死というとんでもないことをやった時。「超時空要塞マクロス」で級友達が活躍している裏話、そして劇場版『うる星やつら オンリー・ユー』公開間近など。脳内がその時代にすっかり戻ってしまった。
 この時代にレンタルビデオがあったことは初めて知った。郵便小包を使ったもので、一週間4千円。こんなサービスがあったんだな。絶対使わなかっただろうが。
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21'09'22 などらきの首
澤村伊智 (検索) <amazon> <楽天>
 主に比嘉姉妹が関わっている事件を中心に描く、怪異絡みの事件の短編集。「ゴカイノカイ」「学校は死の匂い」「居酒屋脳髄談義」「悲鳴」「ファインダーの向こうに」「などらきの首」を収録する。

 これまで2編の長編に登場した日嘉三姉妹の過去や今関わっている事件などを描く話だが、怪異絡みの中にもハートウォーミングな話もあったり、SFチックな話もあったりとバラエティ豊か。結構幅広い
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21'09'19 メッシュ2
萩尾望都 (検索) <amazon> <楽天>
 「革命」メッシュはある日精神不安定な女性と出会い、彼女の面倒を看る内、彼女に惹かれていくようになった。何かから逃げようとしている彼女の力になろうとするメッシュ。
 「モンマルトル」まだ復讐に燃えていた時の少年メッシュに働き口を与えてくれたギャングのドルー。彼との生活の中でメッシュが得たものと失ったもの。
 「耳をかたむけて」実家のある村に帰省するマルローについていくメッシュ。しかしこの村ではマルローは歓迎されていない人物である事を嫌でも知らされてしまう。
 「千の矢」自称天才画家エトゥーのモデルとなることになったメッシュ。我が儘なエトゥーに振り回されてしまう騒動。
 「MOVEMENT」メッシュが形態模写をして、それをマルローが当てるという実験的手法。
 「船」家出した少年が出会った男の家に一泊させてもらうことになったが…

 パリに住む贋作画家マルローと居候のメッシュの生活。短編ドラマだが、一編一編が人の心情に深く入り込んでいて、かんり読み応えある。その分読むのにだいぶ時間がかかってしまうが、それが著者の味。
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21'09'16 転生したらスライムだった件1
伏瀬 (検索) <amazon> <楽天>
 大手ゼネコン勤めの独身サラリーマン三上悟はは街で暴漢に刺されて死亡した。だが次の瞬間気がついたら、何故か異世界で、しかもスライムとなって転生してしまったことに気づく。ほとんど全ての感覚が無くなり、周囲にあるものを吸収することしか出来ない体を抱え、洞窟の中でそこら中のものを食べているうち、洞窟に封印されていた暴風竜ヴェルドラと出会う。暇を持て余していたヴェルドラからこの世界のことを教えてもらい、リムルという名前をもらう。

 アニメの方を知ってから読書開始。文章が上手くて物語も軽快なため、マンガ感覚で読めるのが強みだ。
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21'09'13 もういっぽん!
村岡ユウ (検索) <amazon> <楽天>
 中学時代柔道に打ち込むものの、あまり強くもなれず高校入学を機ににすっぱり柔道を諦めた園田未知。ところが誰も部員のいない柔道部に入部した中学時代のライバル氷浦永遠の無言の圧力に負け、柔道を再開することに。

 実力的に平凡な少女の柔道物語。四人の女の子が普通に学校暮らしをしながら部活をするという、日常風の作品に仕上がっていて、読んでいて妙に心地良い。主人公達がさほど柔道強くないので、その辺のバランスが面白い。
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21'09'11 Arc アーク
ケン・リュウ (検索) <amazon> <楽天>
 17歳で子どもを産み、そこから子どもを見捨てて放浪の旅に出たリーナ。数奇な運命を巡り、リーナは最初の不老の人間と鳴り、30代の姿のまま数十年を生きてきた。そんな時、彼女の前に現れたチャーリーという老人を一目見て、リーナは彼こそが自分が最初に生んだ子であることに気づいてしまう。

 『Arc アーク』(2021)を観て興味持ったので原作を読んでみたが、なるほど映画はきちんと原作に忠実に映画化しており、本では描かなかった部分に焦点を当ててるのが分かった。しかし一方、この作品はどう見ても映画向きの素材ではなく、よくこれを映画にしようと考えたもんだと妙なところで感心してしまった。
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21'09'07 織田シナモン信長1
目黒川うな (検索) <amazon> <楽天>
 本能寺の変で命を落とした織田信長が次に目覚めると、柴犬として転生していた。正確に難ありとされペットショップで売れ残っていたところを尾田市子という高校生に買われ、飼い犬として飼われることとなったが、この町には実は他にも過去の武将達が転生した犬たちがいた。

 たくさんのマンガや小説で散々転生とかしてる信長だが、ここではなんと犬になるという変な話で、犬の本能と過去の武将としての記憶がこんがらがることで脱力風のコメディに仕上がってる。特に犬飼い始めて以来、犬猫のマンガをよく読むようになったが、これはかなり面白い。著者は結構勉強してるらしくて、武将の新しいデータを性格に反映してるので、それも良し。
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21'09'04 暦物語 化物語14
西尾維新 (検索) <amazon> <楽天>
 四月に阿良々木暦が怪異と出会ってから卒業の三月まで約一年。一月ごとに一人ずつ、暦と関わった人物と問答し、その人物が発した答えを一つ一つ見つけていく話を12話に渡って描いた阿良々木暦の高校三年の最後の一年を描く。

 次巻「終物語」につなげるための一冊で、これまでの振り返りを含めて一年を振り返る。話自体は全部小咄だが、3月に登場する臥煙伊豆湖に関わるラストだけはかなり衝撃的な展開が待っている。
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21'09'01 33歳女騎士隊長。1
天原 (検索) <amazon> <楽天>
 かつて長い紛争が続き、国家としてすっかり疲弊してしまったクロノワーク王国。戦乱の世は過ぎ、小康状態を保つ中、隣国の大国ゼニアルゼ王国に王女シルビアが嫁ぐこととなった。王女護衛隊隊長メイルと副隊長メアはシルビアに同行し、護衛任務を果たす。しかしこの二人、最も激しい戦争時に最前線で戦っていたため、完全に婚期を逃し、今もひたすら働き、休みは酒飲んで寝てるだけという状況。そんな女性隊長の日々をコミカルに描く。

 中世ヨーロッパというより、よくあるファンタジー的世界観での話なのだが、中身はコミカルでありつつ、大変シビア。主人公達は日々社畜よろしく働いて休みは寝るだけの生活だが、世界情勢は徐々に変わっていく。その中心となるのが策士女王シルビアのため、その側近である主人公が一々陰謀の内訳を聞かされ続けるというパターン。
 皮肉と諧謔趣味をシニカルな笑いに包んだ意外な好作。
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21'08'29 人の顔
夢野久作 (検索) <amazon> <楽天>
 六歳になるチエ子はちょっと人と違ったところがあり、何もないところをじっと見つめる癖があった。それを気味悪がった母親は少しずつチエ子と距離を置き始める。そんな時、長く外国に行っていた父親が帰ってくる。

 子どもを使ったホラー話。短いので予兆で終わってる感じだが、これを長編にして、ドラマ性を加えれば本物のホラーになるだろう。著者にその気があったら、これも相当面白い作品になっただろうに。
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21'08'26 パタリロ!13
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 「ベルサイユのヒマワリ」パタリロは子孫の10世の救援信号を受けて未来へと向かうが、そこでタイムスリップしてしまったヒマワリ部隊の一人を助けるよう助けを求められる。
 「タロット輪舞曲」ロンドン滞在中のザカリーの予言がMI5の目にとまり、その面倒を看ることになったバンコラン。超能力を信じないバンコランに惚れてしまったザカリーは自分の能力が役に立つことを必死に訴える。

 過去の実際の歴史に干渉するのは前にもあったが、何故か前の話もフランス革命だった。著者が気に入ってるのかな?もう一本は一方的にバンコランに言い寄るザカリーの構図で、なんか三角関係に移行しそうな感じ。どちらの話もパタリロは狂言回し。
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21'08'22 アクセル・ワールド24 青華の剣仙
川原礫 (検索) <amazon> <楽天>
 無限フィールドに居座ってリーダー達を閉じ込める高熱球体エネミーのインティを倒すという難題を押しつけられたハルユキは、時折聞こえるようになった謎の声に導かれるように無限フィールドの更に上にあるハイエストレベルへと上る。そこでシルバー・クロウを待っていたのはかつての三代目クロム・ディザスターで、BBから排除されたはずのセントリア・セントリーだった。彼女はシルバー・クロウにBBに置ける剣の極意を教えると言う。

 ここまで来て又しても新キャラ登場。しかも又しても女の子。ハルユキの周りはとんでもない状況になってる。物語はあまりにも都合良すぎる展開なのだが、それでないとストーリーが進まないという矛盾を抱えてる感じ。
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21'08'19 中春こまわり君2
山上たつひこ (検索) <amazon> <楽天>
 元同級生のジュンが内縁の夫が立ち上げる予定の会社に投資してほしいとこまわりと西条に持ちかけてくる。しかし浮気し放題のその夫に不信感を覚えるこまわりは、それとなく探りを入れてみる。

 1巻からの続きとなる連作短編集だが、今巻は全部推理ものになってるのが面白い特徴。変態的な言動も誰かに求められて行うってことがほとんどで、あのこまわり君がなんでこんなにまともになるんだ?というギャップが面白い。小説家山上龍彦の原作を漫画化したって感じ。
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21'08'15 人でなしの恋
江戸川乱歩 (検索) <amazon> <楽天>
 一人の未亡人の告白。それはさる貴族の元に嫁ぎ、幸せな家庭生活を送っていたはずの自分がいかに不幸で浅はかだったか。そして夫が本当に愛していたのは誰で、その恋愛を終わらせるためになにをしたかだった。

 手紙の文体で描かれる、文字通り“人でなし”の恋を描いた話で著者の代表作の一つ。しかし今の日本ではこれは全く問題にならぬ程度のタブーでもある。それはそれで良いことなのだろう。
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21'08'12 手塚治虫アシスタントの食卓
堀田あきお (検索) <amazon> <楽天>
堀田かよ (検索) <amazon> <楽天>
 1970年後半。新しく手怎vロにアシスタントとして入社した著者が他の漫画家志望のアシスタント達と一緒に過ごした漫画界の日々と、それにまつわる食の数々を綴ったエッセイ風マンガ。

 漫画家手恷。虫が超人的スケジュールの中、それでも逃げ回ったり、アニメを作ろうとしたりと言った、生々しくてリアリティのある出来事を背景に、その時々に食べたものを描いている。視点が面白い作品だった。あと、アシスタントの中に石坂啓がいるのだが、最後の座談会でようやく「この人か!」と分かるところが以外。
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21'08'08 大江戸恐龍伝5
夢枕獏 (検索) <amazon> <楽天>
 平賀源内がニルヤカナヤから連れてきた龍を見世物にしたところ、大評判となり、ついには将軍まで見物に来ることになった。大成功の源内だったが、まさに将軍が来た時に、何者かが龍の檻に放火し、龍が江戸市中に解放されてしまった。

 最終巻。盛り上がるはずの物語が今ひとつと言った感じになったのは、そのまんま『キングコング』だったから。あまりにもそのまんまで、これでは小説では上手くいかない。
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21'08'05 うちの会社の小さい先輩の話2
斎創 (検索) <amazon> <楽天>
 会社の面々で初詣に出かけることになり、一度実家に戻っていた篠崎拓馬は正月早々から着物姿の先輩と会えると、いそいそと用意していたところ、勘の良い姉に女の影を見られてしまい、付けられてしまう。先輩の片瀬詩織里を見た途端、姉はすっかり一目惚れしてしまい、拓馬に結婚を迫る。

 この漫画を買うきっかけとなったエピソードがこの正月の話だったので、読めて良かった。相変わらず甘々な話ばかりだが、こういうのも良いもんだ。
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21'08'01 わたしの推しは悪役令嬢2
いのり。 (検索) <amazon> <楽天>
 悪役令嬢のクレアに鬱陶しがられながらも、そのクレアを破滅から救い出そうと奮闘する“私”レイ。しかしその努力が逆にシステムに影響を与えてしまったか、元のゲームにはなかったはずのキャラクターやイベントが次々と起こってしまい、“私”が思うよりも遥かに早く破滅の時が迫ってしまった。どれだけ努力しても救えないという事実を突きつけられた時、“私”の取るべき道は…

 あらかじめ結論が分かっていて、それを回避すれば良いだけの話かと思ったら、ゲームシステムに干渉したことで余計苦労が増してしまったというのが面白い作品。終わり方も意外なすっきり感。一応これで話は完結してるが、続編もあるらしい。
<A> <楽>
21'07'29 夏目友人帳17
緑川ゆき (検索) <amazon> <楽天>
 夏目が出会った人の姿をした妖怪は、自分の姿を見ることが出来る女性に会いに来たと言う。放っておくことも出来ない夏目は協力してその女性を探そうとする。

 この巻は夏目を巡る二つの物語と、若き頃の名取周一が的場静司と出会う話で、名取の過去が描写されている。
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21'07'25 キノの旅23
時雨沢恵一 (検索) <amazon> <楽天>
 三組の旅人と一人の少女が巡る世界の話。「赤い霧の湖で」(師匠)、「ロボットがいる国」(キノ)、「ピンクの島」(フォト)、「眠る国」(キノ)、「愚か者は死んでも良い国」(キノ)、「戦える国」(シズ)、「狙撃犯のいる国」(キノ)、「始まりと終わりの国」(キノ)を収録する。

 「狙撃犯のいる国」が中編であとは短編。いつも通り安心して読める作品に仕上がっていた。初期と較べると話がだいぶ優しくなった気がするが、それが熟練というものかな?
<A> <楽>
21'07'24 銀河鉄道999 10
松本零士 (検索) <amazon> <楽天>
 鉄郎とメーテルの旅もいよいよアンドロメダへと入り、更に常識外の星々への旅が続く。「四次元エレベーター」「ルーズゾーンの妖怪」「アンドロメダ千夜一夜」「幽霊駅13号」「マカロニグラタンの崩壊」「メーテルの旅」「石の花」「サルガッソーの底なし沼」を収録する。

 アンドロメダの旅はトラブルも多く、予定した駅に到着出来ないこともしばしば。その中で「メーテルの旅」は未来のメーテルと出会う話で、メーテルが鉄郎との旅の後も旅を続けることが暗示されていた。まあこの場合別世界という解釈もあるが。
<A> <楽>
21'07'21 Re:ゼロから始める異世界生活18
長月達平 (検索) <amazon> <楽天>
 魔女教大司教達によって占拠されてしまったプリステラ。彼らは市民の命を人質に、貴族達にいくつもの要求を突きつけてくる。市民達の不安が募る中、女王候補のアナスタシアの元に、都市に滞在していた他の女王候補者と騎士達が集まり対策を練る。一方、司教の一人レグルスに捕らえられてしまったエミリアは、なんとレグルスと結婚されそうになるのだが…

  今巻は一度も死に戻りがなく、スバルは満身創痍で作戦立案に加わる。この巻はほぼ全編作戦立案で終わってしまった感がある。スバルが動けない分、エミリアが個性出してる感じ。。
<A> <楽>
21'07'17 陋巷酒家1
丸岡九蔵 (検索) <amazon> <楽天>
 荒廃した未来世界。モンスターが地上を徘徊し、人類は地下で細々と暮らしていた。そんな中でも人々は娯楽を求め、商店街が点在していた。そんな商店街の一つの一角にある立ち飲み屋。気っぷの良い女将さんとアンドロイド女子の笑美がきりもりするその酒場にはいろんな人たちがやってきていた。

 タッチと言い物語と言い、「三丁目の夕日」とか「鎌倉物語」あたりを未来世界に持って行った感じの作品で、何か大きな事件が起きる訳でもないちょっとした事件を飲み屋の目を通して描くといった感じ。雰囲気良し。
<A> <楽>
21'07'14 裏世界ピクニック1
宮澤伊織 (検索) <amazon> <楽天>
 廃墟巡りを趣味にしている“私”紙越空魚は噂を頼りにある廃墟から裏世界への道を見つけてしまった。命の危機もある裏世界に何度か通っていたのだが、ある日得体の知れない何かと接触してしまって身動きが取れなくなってしまった。その時、そこに現れた金髪美少女に助けられるが、仁科鳥子を名乗る彼女はこの裏世界で捜し物があると言い、協力を要請するのだった。命の恩人の言うことなので、半ば強制的に鳥子に付き合わされることになってしまう空魚。

 女子大生二人が現実につながる異世界に行って、そこで冒険するという話。子どもの頃にアニメで見たような設定だが、しっかりしたSF構成で、ネットロアや様々なSF作品へのオマージュも大きく、読んでいて楽しいものになっていた。
<A> <楽>
21'07'10 悪の秘密結社ネコ2
ぱんだにあ (検索) <amazon> <楽天>
 人間社会に知られぬよう巧妙に人間達を構成員のネコの下僕にすべく活動する秘密結社ネコ。その陰謀を知り、陰謀を防ぐべく日夜活躍するイヌーマンの戦いを描く。

 ほぼ1巻と内容は同じ。人間社会に浸食するネコたちの姿と、本能にあらがえずにいつも詰めが甘い犬兄妹とネコ総帥の戦いがぬるく展開する。何度も繰り返して読めるし、なんとも言えぬ癒やしの固まりが素晴らしい。
<A> <楽>
21'07'09 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった6
山口悟 (検索) <amazon> <楽天>
 魔法学園を卒業したカタリナは、早く結婚をと迫るジオルドから逃れるようにマリアと共に魔法省へ入省した。そこで新しい生活に慣れようとしていたが、何故か変わり者ばかりしかない魔法具の開発局に入る事になってしまった。そんな時、遠くの村でタヌキ被害をなんとかしてくれと言う依頼で、局の数人がかり出されることになった。カタリナとマリア、そして先に入局していたソラが訓練を兼ねて同行することになる。

 学園編が終わったら、今度は続編ゲームの世界での活躍となった。カタリナ自身は未プレイゲームのため、全く分からないまま手探りで破滅回避に動くことになった。新キャラも何人か登場しているが、ちょっと盛り上がりには欠ける感じ。
<A> <楽>
21'07'05 パタリロ!12
魔夜峰央 (検索) <amazon> <楽天>
 「霧のロンドンエアポート」MI6のバンコランに降りかかる謎の事件。しかしこれはバンコラン自身が何者かに狙われていたことが分かってしまう。実はMI6の同僚でバンコランが唯一敬愛する先輩がその原因だと分かる。たまたまそれに関わってしまったパタリロは、マライヒと共にタイムワープして若き頃に寮生活を送っていたバンコランの元へと向かう。

 丸々一巻分を使った長編で、バンコランが美少年キラーとなった理由とか、オカルトやタイムワープなどの単語に嫌悪感を覚えるようになった理由が描かれていく。大部分は時を超えてきたパタリロのせいだった訳だが。
<A> <楽>
21'07'01 オーバーロード14 滅国の魔女
丸山くがね (検索) <amazon> <楽天>
 世界征服に向かう時は満ちたと判断したアインズはついにリ・エスティーゼ王国を滅ぼすことにした。貴族の一人の過失を口実にして、一切の慈悲無く蹂躙を開始する。戦いが進む中、半ば予想していたように、強大な力を持ち立ち塞がる者が現れる。これをかつてのユグドラシルにつながる接点と考え、自ら戦地に赴くアインズ。

 ほとんど唐突に始まった王国攻略の話。話としてはアインズ並の力を持つ存在がようやく姿を現したが、それは次巻以降の伏線。それ以上にとんでもないのが王女ラナーだった。王国滅亡を前に全くなにも出来なかったように見えて、最後に全部かっさらっていった。これによってアインズ・ウール・ゴウンはこの世界最高の知恵袋を手に入れた訳だが、彼女の存在がどう話に関わっていくやら。
<A> <楽>