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京極夏彦

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 京極 夏彦(きょうごく なつひこ、1963年3月26日 - )は、日本の小説家、妖怪研究家、アートディレクター。世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)、関東水木会会員、東アジア恠異学会会員。「怪談之怪」発起人の一人。北海道小樽市出身。北海道倶知安高等学校卒業、専修学校桑沢デザイン研究所中退。代表作に『百鬼夜行シリーズ』、『巷説百物語シリーズ』など。株式会社大沢オフィス所属。公式サイト「大極宮」も参照。…Wikipediaより。
 
ソフト関係 映画・OVA
京極夏彦 怪 福神ながし(2000) 原作・脚本
京極夏彦 怪 赤面ゑびす(2000) 原作・脚本
京極夏彦 怪 隠神だぬき(2000) 原作・脚本
京極夏彦 怪 七人みさき(2000) 原作・脚本
妖奇怪談全集(2002) 編集・語り
新怪談残虐非道・女刑事と裸体解剖鬼(2003) 編集・語り
嗤う伊右衛門(2003) 原作
巷説百物語 狐者異(こわい)(2005) 原作
姑獲鳥の夏(2005) 原作・出演
巷説百物語 飛縁魔(ひのえんま)(2006) 原作
魍魎の匣(2007) 原作
ルー=ガルー(2010) 原作
豆富小僧(2011) 原作
TV
ゲゲゲの鬼太郎(4th)
<A> <楽> 1996
京極夏彦 巷説百物語
<A> <楽> 2003
魍魎の匣
<A> <楽> 2008
シリーズ
京極堂
その他

京極堂

03'11'22 陰摩羅鬼の瑕
 長野は立科に建てられた華族由良家の屋敷。その中は鳥の剥製で埋め尽くされ、人々から「鳥屋敷」と呼ばれるほどだった。そこに住む現在の当主由良昂允伯爵はこれまで四人の妻を、事もあろうに婚姻の翌日に失っていた。そんな屋敷に五人目の花嫁、薫子が嫁いでくることになった。薫子を護るために呼ばれたのは、事もあろうに傍若無人な私立探偵榎木津礼二郎だった。そして一時的に失明してしまった榎木津の付き添いとして又しても惨劇の場に足を踏み入れることになった小説家の関口。推理小説に殊の外関心を寄せる昂允は、鬱が未だ治っていない関口との間に心の交流を持つようになる。そして、いよいよ婚姻の翌日。そこには…

 京極堂のシリーズも、短編を合わせるともう11冊になるのか。こんな分厚い作品に私も良くつきあってるなあ(笑)。大体普通の小説でも充分3〜4冊分、ライトノベルだったら5、6冊分にはなろうという分量だ。読むだけで一苦労だよ
 それでもなんだかんだでつきあい続けたのは、無駄話の部分の蘊蓄が面白いのと、これだけの厚さにも拘わらず、読書に引き込む演出がふんだんになされているから。特に一冊目の「姑獲鳥の夏」、四冊目の「鉄鼠の檻」なんかは大変面白かった。
 それで本作だが、ちょっと首を傾げる出来。謎解きはたった一つだけだし、しかもほとんど冒頭部分で大体犯人は分かってしまう…動機が分からなかったのが悔しいだけ。それに今回は京極堂が完全に傍観者の立場で、最後にちょっと登場して謎解きして終わり。だったしなあ。前の「塗仏の宴」で出てきた京極堂のライバルがいつ出るか結構期待してたんだが、それも出ずに終わってしまった。
 これだけ長い小説だったが、読み終わって爽快感が得られなかったなあ。次作に期待しよ…まだつきあうのか?(笑)
<A> <楽>
06'11'04 邪魅の雫
 江戸川、大磯、平塚と次々と殺人事件が起こった。被害者に関わりはなし。だが凶器はいずれも青酸毒物ということだけが共通していた。警視庁はこれを連続殺人事件として調査を始めるが、警視庁と地方警察の足並みは揃っているとは言えず、更に公安までが出張ってくるにあたり、今は左遷中の身である青木は独自の調査を開始した。この事件の真相は?そして使用された薬物とは?

 本編のシリーズだけは読み続けているが、相変わらずとにかく長い。何で分冊にしないのか?と言うレベル。更に本作は「鉄鼠の檻」や「陰摩羅鬼の瑕」、「塗仏の宴」と言った既刊からの人間関係が山のように出てくるため、あらかじめ読んでないと人物の関係性が分かりづらい(分からなくても大丈夫だけど)。一応本作も推理小説になるんだろうけど、実は犯人はほぼ全員分かっているため、本格推理の観点からすれば異色。型破りな方法ではあるが、物語としては結構面白い。特に本作はタイトルが全てを言い表してるって意味では完成度が高い。
<A> <楽>

その他

02'09'11 嗤う伊右衛門
 有名な『東海道四谷怪談』をベースに、著者流の解釈を加えて描いた、もう一つの「お岩」と「伊右衛門」の物語。

 著者はかなり好きな作家で、特に「京極堂」のシリーズはあらかた読んでいたし、その質の高さ、なにより日本語のこだわりは好みで、この人の操る言葉は私のボキャブラリーを増すのに大変役立っている。それが怪談噺を描くというので、かなり期待していた(読んだのは随分経ってからになってしまったけど)。
 『東海道四谷怪談』は歌舞伎の舞台劇として観たことがあるし、講談本も読んだことがある。勿論有名なのはお岩さんなのだが、実際の主人公は彼女の夫伊右衛門であり、真面目一徹の伊右衛門がついには妻と子供を殺害し、極道に堕ち、ついには妻の岩に呪い殺されるまでを描いていた。題字に「嗤う」と書いてあるので、最後にどのような笑い方を見せてくれるか。と言う所に興味があった。
 だけど、本作での伊右衛門はあくまで真面目さを崩すことなく、最後に見せた笑い顔も決して「嗤い」ではなかった(嗤いとは相手を蔑んでの笑い方であり、極めて差別的な表情を見せるはずなのだ)。まあ、確かに質は高いが、言葉にえらくこだわる割りに、こんな所で題字を外すとは少々興ざめか。
<A> <楽>
03'10'15 どすこい(安)
 現代日本においていくつか登場したベストセラー小説を全て相撲に置き換え、ギャグ小説にしてしまうと言う、天下の奇書。「四十七人の力士」(元ネタ池宮彰一郎著「四十七人の刺客」)、「パラサイト・デブ」(元ネタ瀬名秀明著「パラサイト・イブ」)、「すべてがデブになる」(元ネタ森博嗣著「全てがLになる」)、「土俵<リング>・でぶせん」(元ネタ鈴木光司著「リング」及び「らせん」)、「脂鬼」(元ネタ小野不由美著「屍鬼」)、「理油」(元ネタ宮部みゆき著「理由」)、「ウロボロスの基礎代謝」(元ネタ竹本健治「ウロボロスの基礎論」)の7編を収録する。
 うーん。ベストセラーなのは分かってるけど、この中で読んだのは3冊しかないぞ
 これはマジでくだらない。くだらなすぎて思わず笑ってしまうと言う作品だ。これだけくだらないものを全部描いたってだけで凄いもんだが、著者が「京極堂」シリーズの、シリアス作家ってのが又凄い。一体著者の頭の中には何が詰まってるんだろうか?と見たくなるような作品だった。自分の出世作にして大ベストセラーになった「姑獲鳥の夏」「でぶめの夏」と書いた自虐ネタも笑える。色々な意味で「面白い」と言って良い作品だ。
<A> <楽>
14'08'27 冥談
 著者による短編集。「庭のある家」「冬」「鳳の橋」「遠野物語より」「柿」「空き地のおんな」「予感」「先輩の話」を収録する。

 著者の作品はこれまで(超)長編しか読んだことがなかったのだが、短編は短編で味わい深い。最後の数行で「あっ」と思わされる掌編の手本みたいな話から、全体を通してじわじわと怖さを与えるものまで描き方は様々だが、かなりの水準にまとめられており、味わい深い。
<A> <楽>

 

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