マーベルズ |
|
|
ケヴィン・ファイギ
製作総指揮
ルイス・デスポジート
ヴィクトリア・アロンソ
メアリー・リヴァノス
ジョナサン・シュワルツ
マシュー・ジェンキンズ
脚本
ニア・ダコスタ
メーガン・マクドネル
エリッサ・カラシク
ブリー・ラーソン
テヨナ・パリス
イマン・ヴェラ―ニ
ゾウイ・アシュトン
パク・ソジュン
サミュエル・L・ジャクソン
ゲイリー・ルイス
ゼノビア・シュロフ
モハン・カプール
サーガル・シェイク
テッサ・トンプソン |
|
★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
3 |
4 |
4 |
2 |
3 |
|
アベンジャーズマニアの高校生で、自らもオーラを使うヒーロー、カマラ・カーン(ヴェラーニ)は、いつか最強のアベンジャーズであるキャプテン・マーベルと一緒に戦いたいと願っていた。丁度その頃ニック・フューリー(ジャクソン)率いるS.A.B.E.R.
のエージェント、モニカ・ランボー(パリス)は、フューリーの依頼で宇宙の歪みを調査していたのだが、それはダー・ベン(アシュトン)というクリー人の女戦士によるものだと分かる。ダーがとある惑星で見つけたバングルを装着したところ、キャプテン・マーベル、カマラ、モニカの3人が、力を使うたびに入れ替わる謎の現象に巻き込まれてしまう。
第二期MCUもだいぶ進み、そろそろ方向性が定められる時期に入ってきたと思うのだが、テレビシリーズとの関わりも出てきたので話はまだ拡大を続け、どう収束していくか見えない状態になってる。
事前情報で、本作で少しまとめにかかると思ってたのだが、少なくとも全くその気はなさそうだ。前作となる『キャプテン・マーベル』(2019)から、キャロルの親友マリアの娘モニカ・ランボーと、テレビシリーズの「ミズ・マーベル」との絡みまであって、話は拡大中。特にセイバーのエージェントとしてモニカがやってることは次元のひびを直すような行為は、これまでのマルチバースやクォンタムゲート、地球にある地下世界、はたまたセレスティアルズと関わりがあるのかないのか全くヒントが無い。お陰で更にシリーズの混迷が増すだけの結果となった。
MCUの一本として大きく見る限りは本作は今ひとつと言ったところだが、単体の物語としてみる限りは結構面白い。他の作品と較べてもコミカル度が高いし、何より女の子三人が楽しそうに戦ってるシーンは結構見応えもある。
そのキャラクターだが、本作には三人のヒーローが登場する。キャプテン・マーベルであるキャロルは一作目からの続投で、最強のキャラとなるが、精神の入れ替えという不思議な現象によって力をセーブさせられてるのは面白い。更にモニカに関しては『キャプテン・マーベル』では少女だったが、この作品ではだいぶ年月が経っていて成人しており、エージェントとして活躍中。超人の能力はないものの、エージェントとしては一流というキャラ。一方のミズ・マーベルはMARVELヒーローの中では初の中東出身のヒーローで、家がイスラム教徒のヒーローも初ということで、面白い立ち位置にある。更に昔MARVELキャラを使ったソーシャルゲームで持ちキャラだったということもあって、ちょっと思い入れも高い。
そんなもんで、意外に期待度は高く、結構楽しみにしていたし、少なくともそれに見合うだけの内容は持っていた。
ストーリーの大きさというか、宇宙を舞台にした広さで言えばシリーズ中最高だし、コミカルさとシリアスさのバランスも良い具合。特にマーベルの飼い猫のグースが出る度に笑える描写が出てくるし、途中でミュージカルになってしまう星とかの描写も良い具合。三人が入れ替わるって設定もストーリーの根幹に関わるものなのに笑える部分が多い。
同時にこれまで以上に人というかスクラル人たちが死んでいく。国民の大部分は何の力も無く、ただ運命に翻弄されて死んでいくばかりという描写はこれまでにないシリアスさでもある。
概ね文句の無い出来だった。だが、強いて言えば物語にもう一押し欲しかったところ。ラストシーンはちょっと意外だったが、これからますます設定が増えていきそうで、どうやって収集付けるのか更に分からなくなってきた。
それに『アベンジャーズ エンドゲーム』(2019)を過ぎている今、この程度ではまだ満足がいかないというのが正直な感想ではある。脳が刺激になれてしまった気がする。 |
|