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アンナ・ボーデン
Anna Boden

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書籍

_(書籍)

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キャプテン・マーベル 2019
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ヴィクトリア・アロンソ
ジョナサン・シュワルツ
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スタン・リー(製)
アンナ・ボーデン
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ジェニーヴァ・ロバートソン=ドウォレット
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アキラ・アクバル
ケネス・ミッチェル
スタン・リー
クリス・エヴァンス
スカーレット・ヨハンソン
マーク・ラファロ
ドン・チードル
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
シリーズ第21作
 宇宙で巨大な版図を得ているクリー星は各地で頻発している反乱に手を焼いていた。特に数は少なくなったとは言え、宿敵スクラル人との争いは激化しており、その潜伏先に精鋭部隊を送り込むことになった。その一員であるヴァース(ラーソン)は、メンバーと共に地上に降下するが、待ち構えていたスクラル人の手に落ちてしまう。宇宙船に連れ込まれ、記憶をのぞき込まれてしまうのだが、無理矢理シャトルを奪取して宇宙船を脱出する。更にシャトルの故障によって付近の星に不時着を強いられるのだが、そこは初期文明の世界C-53“地球”の1995年だった。そこで特殊調査員のニック・フューリー(ジャクソン)と出会う。
 MCU(マーベル・シネマティック・ユニヴァース)もだいぶ進み、第一期の最終作の前の作品となる『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018)が公開された。そのラストのボーナスショットで、消えゆくニック・フューリーが最後に呼び出そうとしていた人物がいた。
 それが本作の主人公キャプテン・マーベル。宇宙の半分の生物が死に絶える中、たった一人で全てを覆せるキャラとして登場予定である。これから公開される
『アベンジャーズ』最終作の中心人物となるべき戦士の単独作品となり、彼女が一体どんな活躍をして現在に至るのかを描くのが本作となる。

 本作はMCUのキーとして存在するのは確かである。劇中様々なキーワードが飛び交い、それらの多くは過去のMCU作品との絡みが多い。宇宙が舞台なため、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)絡みが多いが、他にもMCU作品の中心となるニック・フューリーの若い頃が描かれたり、彼の左目がどう失われたのかとか、いろいろ他のシリーズとの関連が面白い。

 ただ、そんなのを考えなくても、単独でも充分面白い。
 過去を持たず、戦闘機械としてただ命令を果たしていた主人公が自分に秘められた秘密を見つけていくというパターンはSFヒーローの定番だが(実に多いパターンだが、近年での傑作は『アバター』(2009)になるだろう)、次々に明かされていく真実と、質の高いアクションシーンをつなげて飽きの来ない作りになってるし、劇中ふんだんにコミカルなシーンも使われ、全体的にとても質が高い。
 それに何より猫好きにとってはたまらない描写が多々。仮に本当に懐いてくれるならば、グースを飼いたくなるくらい。グースを観てるだけでも本作を観る価値があると断言する。

 だからとてもストレートなヒーロー作品としてもちゃんと観られるのだが、本作には他にも画期的な点がある。

 まず本作はとても珍しい作りをしている。原因は簡単で、女性単独でヒーローを演じる作品がとても少ないというのが理由。前世紀だと『スーパーガール』(1984)くらいしか無かったし、新世紀に入ってもヒーローもののパロディとして作られた『Gガール 破壊的な彼女』(2006)くらいかな?女性は広いんであり、ヒーローに助けられる存在であるという定式をひっくり返したことは良いのだが、女性が主人公になると、何故かストレートな恋愛がらみのものになってしまうのが問題で、ヒーロー作品を観てるつもりなのに、気がついたら痴話喧嘩を延々見せられてることになってることも多々。
 女性がヒーローになると恋愛絡みになるというのは、考えてみれば女性を馬鹿にしたものと取られかねないが、そんな風潮に風穴を開けたものがあった。それが『ワンダーウーマン』(2017)である。DCの救世主と言われるほどの大ヒットを記録したが、たぶんスーパーヒーロー作品では初めて真の意味でヒーローと呼べる女性が登場した作品となった。

 それに遅れること1年。今度はMARVELから単独女性ヒーローの登場。そしてこれもしっかりしたものに仕上げられた。『ワンダーウーマン』の成功の一端は監督がパティ・ジェンキンスという女性だったが、本作も女性が監督を務めたこともあっただろう。
 そして比較が続いてしまうが、『ワンダーウーマン』と同様、舞台となった年代が重要という共通点もある。
 『ワンダーウーマン』の舞台は第一次世界大戦で、この当時のヨーロッパは男達が戦いに出ている間、後方で女性達の活躍の場もあったが、それは基本裏方や秘書のような役割しか許されていない中、誰よりも勇敢に最前線に向かうワンダーウーマンの勇姿が見所だった。差別構造の中、一人戦う女性という姿の新鮮さが一番印象的だったところである。
 それに対して本作のキャプテン・マーベルは95年という絶妙な時代の設定となっている。
 90年代の女性人権問題を扱った作品は意外に映画には多い。人権といった気張ったものではなくても、『羊たちの沈黙』(1990)とか『依頼人』(1994)とか『エリン・ブロコビッチ』(2000)とかの大作作品で女性の単独主人公映画が普通に作られるようになったと言うべきか。
 それまでの映画は女性が主人公でも、それをサポートする男性を中心に描こうとしていた節があるが、90年代になってようやくその意識が芽生えたという事。映画とは世相を反映するものなのだから、社会的に女性の存在が普通になってきた時代ということだろう。
 それは過去女性達が水面下で戦って勝ち得たものでもある。
 本作でも1980年代に女性テストパイロットとなったキャロルとマリアは男性優位のパイロットの世界の中で奮闘した経緯が描かれるが、彼女たちの努力によって、まさにその時代に女性が社会的に認められるようになっていったのだ。
 事実95年という時代にあって、地球に降下してきたヴァースに対して「女伊達らに」などという人はいないし、特にニックなんかは彼女をちゃんと戦士として遇している。
 この辺の細かい描写が本作の面白いところだ。単純なヒーロー作品ではなく、アメリカ社会の中の社会的出来事を踏まえているからこそ本作の厚みが出ているのだ(余談だが『ワンダーウーマン』の続編はまさにキャロルとマリアが奮闘していた時代設定になってる。こちらもどのような描写になるのかとても楽しみである)。

 本作で登場する四次元キューブだが、一つ一つ特殊な機能を持つインフィニティ・ストーンの中で、青色のテッセラクトと呼ばれるもので、次元を越えて移動出来るというもの。MCUでは最もたくさん登場するインフィニティ・ストーンでもある。
 初出は『マイティ・ソー』(2011)で、ラストシーンで地球にやってきたロキが研究室から盗み出している(ちなみにロキが簡単に他人に変装出来るのはロキの杖に仕込まれた黄色いインフィニティ・ストーンのお陰)。
 その次が『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)で、レッドスカルがヒドラにオーバーテクノロジーをもたらしたアイテムとなる。最後に暴走してレッドスカルは次元の彼方に放り込まれるが、そこで最後のインフィニティ・ストーンであるソウルストーンの番人にされてしまう。
 その後一作目の『アベンジャーズ』(2012)でロキがチタウリの戦艦を呼び出すために使っており、その後行方不明になってしまうが、ロキが隠し持っていた。
 そして『インフィニティ・ウォー』オープニングシーンでサノスがロキから奪い取った。合計で既に4つの作品で登場しており、本作でキャロルに力を与えるために登場したことで、5回目の登場になってる。

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