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セシル・B・デミル
Cecil B. DeMille

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Cecil B. DeMille
Wikipediaより
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 セシル・B・デミル(Cecil Blount DeMille)は、アメリカ合衆国の映画監督。20世紀前半の映画創世記に最も成功した映画製作者のひとり。
Wikipediaより引用
経歴
1881'8'12 マサチューセッツ州アシュフィールドで誕生
母の作った劇団で演劇を学ぶ。
1902 コンスタンス・アダムスと結婚。4人の子供に恵まれる
1913 ジェシー・L・ラスキーに監督として入社する。
1950 全米監督協会で評議員として、密告を含めた赤狩りを指令する。
1952 ゴールデン・グローブ賞にセシル・B・デミル賞新設
1959'1'21 死去
5+
4+ 十戒
地上最大のショウ
3+ 十誡
チート
北西騎馬警官隊
2+
個人的感想
 監督の映画で最初に観たのは十戒だった。そのオリジナルである十誡はだいぶ後になって観たが、やはり出来は集中していた分、リメイク版の方が上。それになによりあのスペクタクルは一見の価値あり。また地上最大のショウも個人的には大変好きな作品。
 ワイルダー監督のサンセット大通りには本人役で出演もしている。
1956 十戒 監督・製作
1955
1954
1953
1952 地上最大のショウ 監督・製作
1951
1950 サンセット大通り 出演
1949 サムソンとデリラ 監督・製作
1948
1947 征服されざる人々 監督・製作
1946
1945
1944 軍医ワッセル大佐 監督・製作
1943
1942 絶海の嵐 監督・製作
1940 北西騎馬警官隊 監督・製作
1939 大平原 監督・製作
1938 海賊 監督・製作
1937
1936 平原児 監督・製作
1935 十字軍 監督
1934 恐怖の四人 監督
クレオパトラ 監督
1933 新世紀 監督
1932 暴君ネロ 監督・製作
1931 スコオ・マン 監督・製作
1930 マダム・サタン 監督
1929 ダイナマイト 監督
破戒 監督
1928
1927 キング・オブ・キングス 監督
1926 ヴォルガの船唄 監督
1925 昨日への道 監督
金色の寝床 監督
1924 霊魂の叫び 監督
勝利者 監督
1923 アダムス・リヴ 監督
十誡 監督
1922 屠殺者 監督
土曜日の夜 監督
愚か者の楽園 監督
1921 禁断の果実 監督・製作・脚本
アナトール 監督
1920 人間苦 監督
何故妻を換へる? 監督
1919 連理の枝 監督
夫を変へる勿れ 監督
男性と女性 監督
1918 情熱の国 監督
浮世の常 監督
醒めよ人妻 監督
囁きの合唱 監督
1917 小米国人 監督
神に見離された女 監督
1916 孤松の桟道 監督
ヂャンヌ・ダーク(前後篇) 監督
1915 マリア・ローザ 監督・製作
カルメン 監督・製作
チート 監督
1914 スコウ・マン 監督・製作・脚本
農場の薔薇 監督・製作・原案

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レビュー
十戒
The Ten Commandments
1956米アカデミー特殊効果賞、作品賞、撮影賞、美術監督・装置賞、衣装デザイン賞、編集賞、録音賞
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セシル・B・デミル(製)
イーニアス・マッケンジー
ジェシー・L・ラスキー・Jr
ジャック・ガリス
フレドリック・M・フランク(脚)
チャールトン・ヘストン
ユル・ブリンナー
アン・バクスター
エドワード・G・ロビンソン
イヴォンヌ・デ・カーロ
デブラ・パジェット
ジョン・デレク
ニナ・フォック
ヴィンセント・プライス
セドリック・ハードウィック
H・B・ワーナー
ヘンリー・ウィルコクソン
マーサ・スコット
ジュディス・アンダーソン
ジョン・キャラダイン
ヘンリー・ブランドン
タッチ・コナーズ
オリーヴ・デアリング
フレッド・コーラー・Jr
★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 古代。エジプトでは貴族のエジプト人と、虐げられる奴隷のイスラエル人とに大きく分けられていた。エジプトの王族の家に育ったモーセ(ヘストン)だったが、偶然実は自分がイスラエル人であることを知る。悩みの末、エジプトを出て長い年月を過ごしたモーセだったが、ある日神の声を聞く。自分こそがエジプトで虐げられているイスラエルの民を救うべく選ばれた人間であると…
 デミル監督最後の作品で、かつて自身の作り上げた『十誡』(1923)の古代部分のクローズアップ作品。
 ハリウッド大作にはキリスト教を扱ったものが多いが、その中でも双璧をなすものは本作と『ベン・ハー』(1959)だろう。そのどちらも入念な時間と多くのエキストラ、当時最先端の特撮技術によって作られているスペクタクル作品に仕上がっている。聖書を題材にすると売れると言う頭があるのか、製作者も財布のひもがゆるむのかも知れないし、1957年の全米興行成績堂々の1位と言う記録がなによりそれを証明してるだろう。
 未見ながら、本作はそもそもデミル監督が1923年に監督した『十誡』のセルフリメイク作品で(ただしこちらは古代編と現代編の2部構成)、本作を作る上で監督自身もそうとう気負っていたらしく、企画と考証研究に3年、現地エジプトのロケハンと脚本執筆に3年、撮影にかかるまでの準備に3年、撮影が始まってからのロケに3ヶ月、セット撮影に4ヶ月と、合計9年7ヶ月を用いたそうだ。製作側もそうとうやきもきしたことだろう。又、主演のヘストンを強く推薦したのも監督自身だという。
 そもそも聖書のこの出エジプトの話というのは非常にドラマチックに、そしてスペクタクル性に溢れているため映画の素材としてはもってこいなのだが、歴史を題材とした大作は時代考証からロケ、そして衣装や装置、特撮ととにかく金がかかる。映画会社としてもこの手の作品を作るのは会社の浮沈をかけて行うのが普通で、そうそう観られるものじゃない。しかもそれが当たるかどうかは時の運も多く作用する。それらが上手くかみ合った時、初めて成功と言える。本作が出来たのは半ば奇跡的なかみ合いが起こったからとも言えるだろう。
 本作の圧巻は海を割るシーンだが、画面構成の見事さにヘストンの仰々しさがぴたりと決まり、まさしくこれこそスペクタクル。アカデミー特殊効果賞は当然とも言える出来だ。ここはテレビの小さな画面には勿体なすぎ。これは絶対劇場で観るべき作品だ。あの圧倒的な水の演出はまさに映画のために作られたもの。今はSFXを用い(最近ではむしろVFXという名称の方が一般的か?)演出できるんだろうけど、生の迫力がこっちにはあるし、その手間とタイミングが見事だから良し。
 本作でブレイクした観のあるチャールトン=ヘストンのモーセ役ははまり役(赤ん坊のモーセは何と彼の息子フレイザーだという)。以降歴史スペクタクル作品には当然の如く登場するようになる(笑)。あとこれまたファラオ王にははまり役のユル=ブリンナー。この人、本当にアメリカ人以外の役が多いなあ(笑)
製作年 1956
製作会社 パラマウント
ジャンル 宗教(ユダヤ教)
売り上げ $93,740,000
原作
聖書 <A> <楽>
歴史地域
関連 十誡(1923)
プリンス・オブ・エジプト(1998)
地上最大のショウ
The Greatest Show on Earth
1952米アカデミー作品賞、原案賞、監督賞(デミル)、衣装デザイン賞、録音賞
1952
ゴールデン・グローブ作品賞、監督賞(デミル)、撮影賞
<A> <楽>
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セシル・B・デミル(製)
フレドリック・M・フランク
セオドア・セント・ジョン(脚)
チャールトン・ヘストン
ベティ・ハットン
ジェームズ・スチュワート
コーネル・ワイルド
ドロシー・ラムーア
グロリア・グレアム
ウィリアム・ボイド
ヘンリー・ウィルコクソン
ライル・ベトガー
ローレンス・ティアニー
★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 座長のブラッド(ヘストン)率いる世界最大と言われる巨大サーカス一座に、新しく空中曲芸の達人セバスチャン(ワイルド)が加わった。しかし元々この一座の花形空中曲芸師であり、ブラッドの恋人でもあるホリー(ハットン)はセバスチャンにリングを譲ることを潔しとせず、厳しい訓練に明け暮れるようになった。サーカスの経営で頭がいっぱいのブラッドはそんなホリーを放っておくのだが、彼女を優しく見守るクラウンのバトンズ(スチュワート)は、何かとホリーとブラッドの注意をお互いに向けるように心がける。やがて二人の演技合戦はエスカレート。安全装置なしの超難度業に挑んだセバスチャンは落下して半身麻痺になってしまう。リングに返り咲いたホリーだったが、やがてその同情は愛情へと変わっていく…
 サーカスを舞台としたスペクタクル映画。1952年全米興行成績1位。かつてデミル監督は20年代初期に企画するが、やっと成功した作品で、監督の並々ならぬ決意が感じられる作品に仕上がっている。ここで使用されたサーカスのセットは本物のサーカス一座であるリングリング・ブラザース=バーナム・アンド・ベイリー一座(劇中でも同じ名前)の協力によるもので、事細かくテントの設置から安全装置の敷設まで描かれているので、ドキュメンタリーとしても大変参考になる作品で、壮大なサーカスはどれだけの苦労があるのか、と言う点で観ることも出来る。
 特にサーカスは人間の極限の芸を見せることがその真骨頂。それがしっかりと描けているのが嬉しい所だ。
 物語は男女の愛情を絡めた群像劇であんまり目新しいところはないのだが、何せ俳優陣が豪華な上に、背景のスペクタクル性を感じると、それだけで圧倒されるほどだ。それにこの長尺を埋めるため、群像劇に限って見ても、話は二転三転。一切素顔を出さないスチュワートの勿体ない使い方も含め、この長さで飽きさせない。
 でも本作で一番面白いのは、華やかな舞台を支える裏方の苦労だろう。もちろん座長は経営やスケジュールも含め、一番頭を使う立場にあるが、ここでのヘストン演じるブラッドはそれらを決して人任せにせず、自分で何でも抱え込もうとする。結果、ものの見方は全て合理的、機械的になってしまう。心許せる仲のホリーに対してまで、それを当てはめてしまおうとするので、結局それは“非人間的”の烙印を押され、サーカスが派手になればなるほど孤独になっていく…いわば独裁者タイプの人間になっていく。ホリーは彼の孤独を知っていたから彼を愛し、逆にそれによって傷つけられる。最初彼女が安らぎを求めたのは意外にも芸の中であり、一生懸命に芸に打ち込むことによって彼と共に歩もうとしていた。それが表舞台には出ない努力と、度胸となっていた。しかし、やがて彼女は自分の弱さを知ることによってブラッドにはついて行けない事を知ることになる。最初半分誇らしげに「あの人はサーカスのことしか考えてない」と言っていたのが、やがてブラッドに対する決別の言葉に変わっていくのだ。それはブラッドが本当に打ちのめされる時まで続くが、彼自身がうちひしがれてしまった時、逆に生来の勝ち気を取り戻したホリーに対し、最後にブラッドが語る言葉が巧い。このキーワードあってこそ、この作品が本当に引き締まったものとなるのだ。
 勿論脇を固めるキャスト陣もヴェテラン揃いで、群像劇としてしっかり機能しているのも重要。特にスチュワートはクラウンのメイクを決して落とさない分、行動と発言だけでその存在感を見せつけてくれる。あんなメイクしてながら、しっかりシリアスしてるあたり、巧さを感じさせる。他の人間もちゃんと存在感を出していて、だからこそ飽きさせない作りが出来ているのだ。
 趣味的な満足感と群像劇の心地よさが合わさったものとして、大満足の作品だった。
 尚、本作は大作続いた割りに監督の初めてのアカデミー作品賞(及びアーヴィング・G・タルヴァーグ賞)受賞。監督は授賞式で感激して涙ぐみ、お礼の挨拶も出来ないほどだったとか…彼の作品の中では意外に評価は低かったりするが、私には満足の一本。
製作年 1952
製作会社 パラマウント・ピクチャーズ
ジャンル 職業(サーカス)
売り上げ
原作
歴史地域
関連
北西騎馬警官隊
North West Mounted Police
1940米アカデミー編集賞、撮影賞、作曲賞、室内装置賞、録音賞
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アラン・ルメイ
ジェシー・ラスキー・Jr
C・ガードナー・サリヴァン(脚)
ゲイリー・クーパー
ポーレット・ゴダード
マデリーン・キャロル
プレストン・フォスター
ジョージ・バンクロフト
エイキム・タミロフ
ロン・チェイニー・Jr
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 19世紀末のカナダ。フランスからアメリカへと強引に編入されようとしていたことに反発を覚えたメティス(入植者フランス人と現地人との間に生まれた子達の子孫)たちが反乱軍を組織しアメリカから派遣されてきた騎馬警官隊に戦いを挑んでいた。そんな中の1885年。メティスのリーダー(バンクロフト)はアメリカ本土で奪い盗った最新鋭のガトリング砲をカナダまで運び入れた。盗まれたガトリング砲を追ってテキサス・レンジャーのダスティ・リバース(クーパー)が国境を越えてカナダ騎馬警官隊の砦に到着した。守備隊のリーダー(フォスター)といがみ合いながら、共に砦の防衛を戦い続けていく。

 1940年全米興行成績4位という記録を残したスペクタクル戦争映画。カナダのサスカチワン地方が舞台となっているが、実際にはパラマウント撮影所で大部分が撮影され、オレゴン州ユージーンでの追加撮影によりそれらしく見せている。
 この時代に作られた作品としては、本作が単なる戦争スペクタクルで終わっていないのが特徴的である。
 まず一つは本作が実際の史実を元にしたものである事。19世紀末に元フランス領であったカナダは独立する。その際にそれを良しとしない現地の人々の反乱があったという史実を元に作られた作品で、相変わらずの物量演出で大変凝った作りになっている。
 二つ目として、聖人君子がいないというところだろう。戦場なのだから殺伐としているだけでなく、主人公を含めて仕事でやってるという態度を誰も崩そうとせず、仲の悪い者たちがすぐにいがみ合う。しかし一旦的が来るとちゃんと連携して戦っていくという戦場のリアルをこの時代からもう作っていたという事。
 既に第二次大戦は始まっていて、戦争の現実を知った人が多くなってきたことも原因だろう。理想的な聖人君子が悪の化身の的をやっつけるという構図ではもはや受けないことを前提に、リアリティを付けることで質を上げたのだろう。
 かなり良いところまで行った作品だとは思う。
製作年 1940
製作会社 パラマウント・ピクチャーズ
ジャンル 恋愛(戦下)
売り上げ
原作
歴史地域
関連
十誡
The Ten Commandments
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ジャニー・マクファーソン(脚)
テオドラ・ロバーツ
シャルル・ド・ローシュ
エステル・テイラー
リチャード・ディックス
ロッド・ラ・ロック
レアトリス・ジョイ
ニタ・ナルディ
アグネス・エヤーズ
チャールズ・ファレル
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 それまで男女のきわどい物語ばかりを監督してきたデミルが本作から歴史大作へと乗り出すようになる
 それまで犯罪をテーマにした作品を作っていたデミルが批判に晒されているため、その矛先をかわすために作ったとも言われる
 聖書物語と風刺ものが混ぜ合わさった物語に仕上げられる
 聖書の物語と現代の物語がリンクしているが、むしろ現代編は「カインとアベル」の話に近い。
 豪華主義は相変わらずで、映画会社の製作資金を湯水のようにつぎ込んだ。劇中では3千人もの人員や何千頭もの家畜をエキストラとして動員し、モーゼが紅海の海水を割るシーンの派手さは後々までの語りぐさとなるほど
製作年 1923
製作会社 パラマウント・ピクチャーズ
ジャンル 宗教(キリスト教)
売り上げ $1,800,000
原作
聖書 <A> <楽>
歴史地域 出エジプト(BC13C)、エジプト
関連 十戒(1956)
プリンス・オブ・エジプト(1998)
エクソダス:神と王(2014)
チート
The Cheat
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ジェシー・L・ラスキー(製)
ヘクター・ターンブル
ジャニー・マクファーソン(脚)
ファニー・ウォード
ジャック・ディーン
早川雪洲
ジェームズ・ニール
阿部豊
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1915
製作会社 ジェシー・L・ラスキー
ジャンル 人生(女の一生)
売り上げ $17,311
原作
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