十戒
The Ten Commandments |
1956米アカデミー特殊効果賞、作品賞、撮影賞、美術監督・装置賞、衣装デザイン賞、編集賞、録音賞 |
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セシル・B・デミル(製)
イーニアス・マッケンジー
ジェシー・L・ラスキー・Jr
ジャック・ガリス
フレドリック・M・フランク(脚)
チャールトン・ヘストン
ユル・ブリンナー
アン・バクスター
エドワード・G・ロビンソン
イヴォンヌ・デ・カーロ
デブラ・パジェット
ジョン・デレク
ニナ・フォック
ヴィンセント・プライス
セドリック・ハードウィック
H・B・ワーナー
ヘンリー・ウィルコクソン
マーサ・スコット
ジュディス・アンダーソン
ジョン・キャラダイン
ヘンリー・ブランドン
タッチ・コナーズ
オリーヴ・デアリング
フレッド・コーラー・Jr |
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★★★★☆ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
4 |
5 |
5 |
4 |
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古代。エジプトでは貴族のエジプト人と、虐げられる奴隷のイスラエル人とに大きく分けられていた。エジプトの王族の家に育ったモーセ(ヘストン)だったが、偶然実は自分がイスラエル人であることを知る。悩みの末、エジプトを出て長い年月を過ごしたモーセだったが、ある日神の声を聞く。自分こそがエジプトで虐げられているイスラエルの民を救うべく選ばれた人間であると…
デミル監督最後の作品で、かつて自身の作り上げた『十誡』(1923)の古代部分のクローズアップ作品。
ハリウッド大作にはキリスト教を扱ったものが多いが、その中でも双璧をなすものは本作と『ベン・ハー』(1959)だろう。そのどちらも入念な時間と多くのエキストラ、当時最先端の特撮技術によって作られているスペクタクル作品に仕上がっている。聖書を題材にすると売れると言う頭があるのか、製作者も財布のひもがゆるむのかも知れないし、1957年の全米興行成績堂々の1位と言う記録がなによりそれを証明してるだろう。
未見ながら、本作はそもそもデミル監督が1923年に監督した『十誡』のセルフリメイク作品で(ただしこちらは古代編と現代編の2部構成)、本作を作る上で監督自身もそうとう気負っていたらしく、企画と考証研究に3年、現地エジプトのロケハンと脚本執筆に3年、撮影にかかるまでの準備に3年、撮影が始まってからのロケに3ヶ月、セット撮影に4ヶ月と、合計9年7ヶ月を用いたそうだ。製作側もそうとうやきもきしたことだろう。又、主演のヘストンを強く推薦したのも監督自身だという。
そもそも聖書のこの出エジプトの話というのは非常にドラマチックに、そしてスペクタクル性に溢れているため映画の素材としてはもってこいなのだが、歴史を題材とした大作は時代考証からロケ、そして衣装や装置、特撮ととにかく金がかかる。映画会社としてもこの手の作品を作るのは会社の浮沈をかけて行うのが普通で、そうそう観られるものじゃない。しかもそれが当たるかどうかは時の運も多く作用する。それらが上手くかみ合った時、初めて成功と言える。本作が出来たのは半ば奇跡的なかみ合いが起こったからとも言えるだろう。
本作の圧巻は海を割るシーンだが、画面構成の見事さにヘストンの仰々しさがぴたりと決まり、まさしくこれこそスペクタクル。アカデミー特殊効果賞は当然とも言える出来だ。ここはテレビの小さな画面には勿体なすぎ。これは絶対劇場で観るべき作品だ。あの圧倒的な水の演出はまさに映画のために作られたもの。今はSFXを用い(最近ではむしろVFXという名称の方が一般的か?)演出できるんだろうけど、生の迫力がこっちにはあるし、その手間とタイミングが見事だから良し。
本作でブレイクした観のあるチャールトン=ヘストンのモーセ役ははまり役(赤ん坊のモーセは何と彼の息子フレイザーだという)。以降歴史スペクタクル作品には当然の如く登場するようになる(笑)。あとこれまたファラオ王にははまり役のユル=ブリンナー。この人、本当にアメリカ人以外の役が多いなあ(笑)
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