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カール・リンシュ
Carl Rinsch

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鑑賞本数 合計点 平均点
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wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
2014
2013 47RONIN 監督
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47RONIN 2013

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キアヌ・リーヴス
真田広之
浅野忠信
菊地凛子
柴咲コウ
赤西仁
田中泯
ケイリー=ヒロユキ・タガワ
★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 浅野家によって代々治められてきた平和な地赤穂藩。天狗に育てられたと噂される出自の分からぬ異人カイ(リーヴス)も他のサムライからは蔑まれつつも、自分を拾ってくれた浅野家のために仕えていた。そんな折、時のショーグンである徳川綱吉が赤穂の地を訪れる事となり、大石内蔵助(真田広之)を筆頭とする家臣達はその受け入れに大忙しだったが、その混乱に乗じて隣藩の藩主吉良上野介(浅野忠信)は妖術使いを赤穂家に忍ばせ、浅野内匠頭(田中泯)を惑わせ、ショーグンがやってきた当日、内匠頭に自らを襲わせる茶番を演じさせる。その結果、赤穂藩は取りつぶしとなり、内匠頭は切腹、内蔵助は一年間の蟄居を命じられることとなった。そして一年後、蟄居を説かれた内蔵助は、この国を乗っ取るため吉良上野介が浅野の娘ミカと結婚する事を知らされる。それを防ぐべく、内蔵助は浪人となった元家臣達を大急ぎで呼び集める。その中には奴隷として売られてしまったカイの姿もあった…
 2008年。ハリウッドからおかしなニュースが飛び込んできた。なんでもハリウッドがその総力を結集し、忠臣蔵を作る。その主役にキアヌ・リーヴスを抜擢した。というものだった。
 このニュースを聞いた、少なくとも私の感想は
「爆死決定」。丁度同時期に「ドラゴンボール」がハリウッドで作られるというニュースもあって、「一体どっちが酷い?」と言う程度の関心しか持てなかった。
 そして翌年、予想に違わず『DRAGONBALL EVOLUTION』(2009)は大爆死。だが肝心の
『忠臣蔵』はお蔵入りとなったと聞くことになる。ここまで失敗確定の企画だから、やっと正気に戻ったか、と思っていたのだが…
 まさかそれが水面下で作られ続け、しかもちゃんと公開まで持って行けるとは全く予想も付かなかった。いやもう、よくこれ完成までこぎつけたもんだ。

 ただ、作品としてどうか?と言われると、最初の予想であった「大爆死」とまではいかない作品だったとは思う。仮に本作を忠臣蔵をベースにしていない作品として観る場合、日本人が沢山出てくる、エセ日本を舞台としたSFチャンバラとして観る分には、そこそこ観られるし、金ばかり遣った割には出来のあまりよろしくないB級SF作品くらいのレベル。
 …それは良かったのだろうか?それとも悪かったのだろうか?そこは難しいところだと思う。
 『DRAGONBALL EVOLUTION』位にまで行ってれば、大爆死は大爆死でも、人の口に上る頻度は高いし、「カルト作」と言われることだってある。あるいは
「あの作品と較べてさえ酷い」という形容詞として使われる事も出来る。
 本作の問題点は、
そこにすら達してない作品自体の薄さである。
 CGの使い方や、キャラの良さ、剣劇、どれを取ってもそこそこ悪くなく、パートパートは観られる。だけど、それが合わさった時、とんでなく「無個性」になってしまった。
 普通、この手の作品はこれだけ無茶苦茶やったら、個性出まくりになるはずなんだけど、とんでもなく薄い。逆にそれが凄い。これほど「忠臣蔵」を薄く演出できるとは思ってもみなかった。これに比肩できるのはペーターゼン監督の迷作『トロイ』(2004)くらい。本当に、作品として語るべき部分がなにもない。個々の活劇シーンはそれなりに悪くないが、そのほとんどが必然性がなく、流れでとりあえずここに活劇置いておけばいいという程度。更に主人公のカイの居場所を見つけるのが本作の目的の一つであるはずなのに、リーヴスという無表情な人間を主役に抜擢したために全く何考えてるのか分からず、主人公としてあまりに存在感なさすぎ。それをフォローすべき周囲の日本人俳優も数ばかり多くなって個性を出せず、一人真田広之だけが奮戦するという、観ていて痛々しい描写。
 正直に言えば、監督の力量があまりに不足しすぎていたとしか。爆死さえできないネタ映画は悲しすぎる。


 ツッコミ所すらあんまり言う必要は無いだろうけど、とりあえず。この舞台となる赤穂藩は兵庫県。隣の藩とされる吉良の上野国は群馬県(どんだけ広い領地なんだ?)。カイが売られた出島は長崎県。これらの藩に瞬間移動出来ることから、きっとこの世界はどこでもドアが実用化されているに違いない。

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