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2008 | ||
2007 | Lou Reed's Berlin 監督 | |
潜水服は蝶の夢を見る 監督 | ||
2005 | スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー 出演 | |
2000 | 夜になるまえに 監督・脚本 | |
1996 | バスキア 監督・脚本 | |
1951 | 10'26 ニューヨーク市ブルックリンで誕生 |
潜水服は蝶の夢を見る 2007 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2007米アカデミー監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞 2007英アカデミー脚色賞、外国語映画賞 2007カンヌ国際映画祭監督賞、パルム・ドール 2007LA批評家協会撮影賞 2007サンフランシスコ映画批評家協会外国語映画賞 2007トロント映画祭外国映画賞 2007ゴールデン・グローブ外国語映画賞、監督賞、脚本賞 2007インディペンデント・スピリット監督賞、撮影賞、作品賞、脚本賞 2007放送映画批評家協会外国語映画賞、作品賞、監督賞 2007セザール主演男優賞(アマルリック)、編集賞、作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、音響賞 2007AFIトップ10 2007ナショナル・ボード・オブ・レビュー外国語映画賞 2007ゴールデン・トマト・アウォーズ小規模公開作品第5位、外国語作品第3位 2007アメリカ監督組合賞 2007アメリカ撮影監督協会賞 |
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雑誌ELLEの編集長ジャン・ドミニク(アマルリック)は、ドライブ中に突然脳梗塞で倒れてしまう。三週間後、意識が目覚めた彼は、自分が身体全体の自由を奪われた"ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)"となっている事を知らされる。意識は鮮明なのにそのことを伝える術がなく、絶望にうちひしがれるが、やがて言語療法士アンリエットや理学療法士マリーらの協力で、左目の瞬きでコミュニケーションをとる方法を会得する。 42歳という働き盛りに突然の病に倒れ、身体の自由を奪われてしまった著者が左目の瞬きのみで綴ったというベスト・セラー・エッセイの映画化。作品自体はフランス語だが、監督は何故かアメリカ人のシュナーベルという変則的な製作で作られた。 本作を観るに当たり、結構躊躇もしたのは確か。そもそも最近すっかり日本で流行の難病ものは嫌い。お涙ちょうだい的な演出は萎えるし、いかにも「君こそ全て」の恋愛劇に持っていくのも、凄く嫌。まあ、本作の場合は主人公が中年だし、実話が元ということ(それに折角これだけ賞を受けてるんだから、観ておかないと損かも?という打算)で拝見。 ただはっきり言えば、かなり良い意味でそれは裏切られた。 実際、突然しょうがいを持ったからと言って人間の精神が急に変わるわけではない。いやもちろん変わるところも多いが、相も変わらぬくだらなさを持ち続けている事も多い。この作品の面白いところは、その“変わったところ”よりも“変わらないところ”を中心にしているところ。動けない苛つきをなんとか表現しようとか、家族の大切さを再認識したところで愛人がやってきてしまい、その未練を断ち切れない自分を再発見するシーンなんか、しょうがいを持たない人間の修羅場のよう。 しかしながら、そんな彼をそのまま周囲は受け止めていく。そして主人公も受け入れられていることを知っている。結果、その信頼関係こそが本作の本当に素晴らしいところだと思える。くだらなくも素晴らしい存在。それこそが人間なんだろう。 本作を特徴付けるものとして左目のみの視点で物語の多くが展開しているという点が挙げられよう。主人公は瞬きをするし、時として焦点が定まらないため、対象がぼやけて見えにくい事もある。特に冒頭部分はこの視点だけで物語が始まるため、てっきりこのまま?と思わせるところも面白い。そして視点が制限されればされるほど、精神はどんどん自由になっていくのも面白い。動けない肉体の殻に閉じ込められても、人間は確かに自由になる部分がある。 実験映像的な臭いがするが、映像の制限によって、逆にイマジネーションを広げる試みは確かに成功している。時々こういう作品を観るのも心地良いものだ。 |
バスキア 1996 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1996インディペンデント・スピリット助演男優賞(デル・トロ)、新人俳優賞(ライト) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ニューヨークで暮らす青年ジャン=ミシェル・バスキア(ライト)。彼は自分を表現する方法を模索し続けていた。音楽、映像、そして絵画。その絵がルネという画商に認められ、一躍彼の名は有名になっていく。作品は高額で売れ、画家としてその名を轟かせる事になる。だが毎日の豪華な暮らしを得た変わりに大切なものを失ってしまう。結婚まで誓ったジーナとも別れ、親友であるアンディ・ウォーホル(ボウイ)の死を迎えドラッグに溺れていく。27歳の若さでこの世を去った天才画家を友人だったシュナーベル監督が描く。 グラフィックアートという独自のジャンルを編み出した天才画家バスキアの太く短い生涯を描いた作品。監督のシュナーベルは生前のバスキアの親友で、そのオマージュが詰まった作品でもある。 先ずこの作品は出演者を見てもらえば分かるが、見事に性格俳優ばかりを起用して脇を固めている事に驚かされる。何よりこれだけ個性的な面々を集めようと思ったことが凄いし、それでまともに映画を撮ることが出来たと言うことに驚かされる。一体誰の趣味だ?できるならここにジョン=マルコビッチを出せば完璧だったのだが… ストーリーそのものは実に淡々としており、等身大のバスキアという人物を撮ることに集中している感があるが、個性的な脇役を見ているだけで楽しめる(邪道な楽しみ方だけど)。映像的には面白い手法が取られていて、不意なコマ落としや不思議な映像が時折挿入されるなど、バスキア自身を示すかのようにポップアート的な映像が見られるのも楽しい。 これが芸術家としての生き方なのだろう。 |