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ティム・フェールバウム
Tim Fehlbaum

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★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 ミュンヘンオリンピック真っ最中の1972年9月5日の夜。武装したパレスチナテロリストがイスラエルの選手村を襲撃し、イスラエル選手11名を人質に取って立てこもってパレスチナ人囚人たちの釈放を要求した。スポーツ中継を行っていたアメリカのABCのスポーツ中継クルーは、すぐさま事件の取材を開始するのだが、報道規制やようとして知れぬ警察とテロリストの交渉の不明さに取材は難航していく。

 平和の祭典であるオリンピックで実際に起こった凶行を描いた作品。実はこれまでにも何作かこの事件について描いた作品はあって、その一番有名なのはスピルバーグの『ミュンヘン』(2005)で、この事件は冒頭に襲撃事件を持ってきて、その後のイスラエル諜報機関モサドによる追跡調査と復讐をメインに撮ったが、肝心の襲撃事件はさらっと流していた。
 それに対して本作は襲撃事件をメインに持ってきたのだが、主人公がアメリカの報道陣というのが面白い視点。
 スポーツ中継の専門家が突然目の前に現れた政治事件に対して臆することなく突撃取材をするのだが、政治報道の常識を知らない人ばかりなので、どこか隙があるし、人材も足りてないので、短い時間に正しい報道方法をかき集めていく過程もリアル。
 手探りで報道してる感が満載で、間違いも多い。それが緊迫感を増していて、観てるこっちも緊張感を味わえる。ドキュメンタリーを観てる感があるので、結末が分かっていながらそれでも興奮した。

 本作で一番面白いのが、誰も正しい方向が分からないのだが、とにかくやれることをやっていこうという姿勢で、手探りで放映しているというのが良く分かるところ。それが正しいのか間違っているのかは分からないままでも、何もしないでいるよりはまずは行動する。それが正しい訳でないことは本人たちも分かっているので、おっかなびっくり、でも大胆に。これがテレビの持つ特性というのが良く分かる。それが観てる側にも伝わるからこそライブ感覚で観る事が出来た。
製作年 2024
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