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ケン・ローチ
Ken Loach

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鑑賞本数 合計点 平均点
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
書籍
評論
ケン・ローチ (映画作家が自身を語る)(書籍)
2019 家族を想うとき 監督
2018
2017
2016 わたしは、ダニエル・ブレイク 監督
水と砂糖のように 出演
ヴァーサス/ケン・ローチ映画と人生 出演
2015
2014 ジミー、野を駆ける伝説 監督
2013 1945年の精神 監督
2012 天使の分け前 監督
2011
2010 ルート・アイリッシュ 監督
2009 エリックを探して 監督
2008
2007 この自由な世界で 監督
それぞれのシネマ 〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画〜 監督
2006 麦の穂をゆらす風 監督
2005 明日へのチケット 監督
2004 やさしくキスをして 監督
2003
2002 11'09''01 セプテンバー11 監督
SWEET SIXTEEN 監督
2001 ナビゲーター ある鉄道員の物語 監督
2000 ブレッド&ローズ 監督
1999
1998 マイ・ネーム・イズ・ジョー 監督
1997
1996 カルラの歌 監督
1995 大地と自由 監督
1994 レディバード・レディバード 監督
1993 レイニング・ストーンズ 監督
1992
1991 リフ・ラフ 監督
1990 ブラック・アジェンダ/隠された真相 監督
1989
1988
1987
1986 ファザーランド 監督
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
1970
1969 ケス 監督・脚本
1968 夜空に星のあるように 監督・脚本
1967
1966
1965
1964
1963
1962
1961
1960
1959
1958
1957
1956
1955
1954
1953
1952
1951
1950
1949
1948
1947
1946
1945
1944
1943
1942
1941
1940
1939
1938
1937
1936 6'17 ワーウィックシャーで誕生

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家族を想うとき
Sorry We Missed You
<A> <楽>
レベッカ・オブライエン
パスカル・コシュトゥー
グレゴワール・ソルラ
ヴァンサン・マラヴァル(製)
ポール・ラヴァーティ(脚)
クリス・ヒッチェン
デビー・ハニーウッド
リス・ストーン
ケイティ・プロクター
ロス・ブリュースター
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
 ニューカッスルに住む建築労働者のリッキー(ヒッチェン)は、一大決心をして妻のアビーの車も売ってトラックを購入して配達事業を始めることにした。しかし実質それは親会社の下請けで、全ての荷物は親会社が指定するもので、ほとんど休みもなく働かされる上に保証もないという契約を結ばされてしまう。泣く泣くその契約を結ぶのだが、どれだけ働いても全く給与は好転せず、更に思春期を迎えた息子は悪い友だちと付き合い始めていた。

 イギリスの市民の目線で、ありふれた庶民のドラマで定評あるローチ監督が2010年代の終わりで選んだのは、今の時代の大手通販事業で働く市民の姿だった。まさにそれは最先端の話題だ。
 21世紀になって一気に拡大したビジネスはネット通販で、そのロジスティックとして宅配が一気に拡大した。ビジネスとしては魅力的なジャンルだったが、その実体はどうなのかというと、中間搾取が激しい業界だとは聞いていた。
 流通業界にはちょっとした思い出がある。大学時代は宅配業者でアルバイトしていたこともあるが、バイト仲間でその運輸業界に入社した先輩がいた。聞くところではその当時得ていた給料は羨ましい限りのレベルだった。体壊すことを厭わずに本気で働けばお前の倍以上は金稼げると言われたこともあったが、10年も経つとだいぶ変化していた。忙しさは変わらないが、どんどん薄利になっていたと言うのだ。以降はその人物も出世したので、私の知り限りではあんまり細かいところは分からないのだが、どうやらこれを観る限り、世界的な状況はますます悪くなっていることがうかがえる。
 世界的に見て、現在の宅配業の何が悪いかがこの作品の中にはっきり現れている。
 まず宅配業はこれまでのように大きな会社が従業員を雇って、自社の社員に給料を上げている訳では無い。個人の会社に宅配を委託して業務を行っている。元会社にとってこれは大きなメリットがある。自社の社員であれば保険を掛けねばならないが、相手が他の会社なので、そこで働く社員に保険を適用する必要が無い。しかももし事故が起こった場合、責任を相手に取らせることが出来るため、自社の懐が痛まないどころか損失分の金額を要求も出来る。更に出来高払いのため、残業手当もいらない。元会社には大変有利な状況が出来上がる。
 そして個人事業主は、会社の社長となるのだが、社長に労働基準法は適用されない。過重労働であっても、どれだけの時間働いても罪に問われない。更に契約に縛られるため、時間通り荷物を送り届ける義務が生じる。これはつまり自分が荷物を運べない場合、自分の責任で誰かに下請けに出さねばならなくなる。
 ここから分かるとおり、個人事業主はとにかく立場が悪い。日本では“社畜”などという言葉があるが、そんなレベルではない。逆に社長の方がきつい。
 そして案の定リッキーはどんどん追い詰められることになる。
 この辺は観ていて本当に辛い。

 リッキーは多少自分勝手なところもあるが、それでも家族を楽にしてあげたいという思いでこの仕事を始めたはずである。しかし実際に仕事を始めてみると、今までよりずっと忙しくなって、しかも薄利。ギリギリで働いているために家族に何かトラブルが起こってもそれに対応出来ないようになる。家族のために始めたはずなのに、家族に負担ばかりを掛けてしまう。
 これによって起こるのは、まずリッキー自身の心から余裕が消える。自分の思い通りにならないことを前にすると、自分より弱い者に当たり散らすようになり、周囲が敵だらけに見えてくる。特にそれは家族へと向かっていく。
 リッキーは妻や子どもに対して自分を支えてくれないものと思うようになり、精神的に追い詰められていくのだが、それ以上に家族が追い込まれていく。家族一人の不調は一人で終わらない。精神的な痛みは連鎖していく。
 主人公の精神的危機が家族の危機になっていく。この辺がとてもリアリティ高いし、それでこれを解消する術がないというのがなんとも暗澹たる気分にさせられてしまう。
 これは人ごとではない。日本も同じ状況なのだから。いやむしろ日本の方が悪い。流通業界だけでなく、「派遣」というとんでもないシステムがあるわけだし。背中が寒く感じる。
製作年 2019
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域 ニューカッスル・アポン・タイン
関連
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wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
天使の分け前
The Angels' Share
<A> <楽>
レベッカ・オブライエン
パスカル・コシュトゥー
ヴァンサン・マラヴァル(製)
ポール・ラヴァーティ(脚)
ポール・ブラニガン
ジョン・ヘンショウ
ガリー・メイトランド
ウィリアム・ルアン
ジャスミン・リギンズ
ロジャー・アラム
シヴォーン・ライリー
チャーリー・マクリーン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 2012
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
書籍名 <A> <楽>
著者名 (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
麦の穂をゆらす風
2006カンヌ国際映画祭パルム・ドール(ローチ)
2006ヨーロッパ映画撮影賞、作品賞、監督賞(ローチ)、脚本賞
2006キネマ旬報外国映画第5位
<A> <楽>
レベッカ・オブライエン
アンドリュー・ロウ
ナイジェル・トーマス
ウルリッヒ・フェルスベルク
ポール・トライビッツ(製)
ポール・ラヴァーティ(脚)
キリアン・マーフィ
ポードリック・ディレーニー
リーアム・カニンガム
オーラ・フィッツジェラルド
メアリー・オリオーダン
メアリー・マーフィ
ローレンス・バリー
ダミアン・カーニー
マイルス・ホーガン
マーティン・ルーシー
ジェラルド・カーニー
ロジャー・アラム
ウィリアム・ルアン
★★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 2006
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域
関連
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
SWEET SIXTEEN
2002カンヌ国際映画祭脚本賞、パルム・ドール(ローチ)
<A> <楽>
レベッカ・オブライエン
ウルリッヒ・フェルスベルク
ヘラルド・エレーロ(製)
ポール・ラヴァーティ(脚)
マーティン・コムストン
ミッシェル・クルター
アンマリー・フルトン
ウィリアム・ルアン
ゲイリー・マコーマック
ミッシェル・アバークロンビー
トミー・マッキー
★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 2002
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域
関連
allcinema Walker ぴあ IMDb CinemaScape
wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
レディバード・レディバード
Ladybird Ladybird
<A> <楽>
サリー・ヒビン(製)
ロナ・マンロ(脚)
クリシー・ロック
ウラジミール・ヴェガ
モリシオ・ヴェネガス
レイ・ウィンストン
★★★☆
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1994
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
歴史地域
関連
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wiki キネ旬 eiga.com wiki(E) みんシネ
ケス
Kes
<A> <楽>
トニー・ガーネット(製)
ケネス・ローチ
バリー・ハインズ
トニー・ガーネット(脚)
デヴィッド・ブラッドレイ
リン・ペリー
コリン・ウェランド
フレディ・フレッチャー
★★★★
物語 人物 演出 設定 思い入れ
製作年 1969
製作会社
ジャンル
売り上げ
原作
ケス: 鷹と少年 <A> <楽>
バリー・ハインズ (検索) <A> <楽>
歴史地域
関連
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