茶の味 |
2004毎日映画コンクールスポニチ新人俳優賞(土屋アンナ) |
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飯泉宏之
滝田和人
和田倉和利(製)
石井克人(脚)
佐藤貴広
坂野真弥
浅野忠信
手塚理美
我修院達也
土屋アンナ
中嶋朋子
三浦友和
轟木一騎
樹木希林
森山開次
加瀬亮
水橋研二
庵野秀明
岡田義徳
寺島進
武田真治
和久井映見
草なぎ剛
相武紗季
堀部圭亮
野村佑香
田中要次
久世浩
三木俊一郎
櫻井映子
田中星児
尾野真千子
村田貴輝
松山ケンイチ
志賀廣太郎
高橋一生
森下能幸
関根大学 |
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★★★★ |
物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
4 |
4 |
5 |
4 |
4 |
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山間の小さな村。ここで静かに時は流れている。ただ、春野家の一人一人にとっては、決していつも通りではなかった。長男ハジメ(佐藤貴広)は片思いの女の子が転校してしまい、またしても失恋に悩み、小学校一年生の幸子(坂野真弥)は、なぜか自分にしか見えない巨大化した自分自身が勝手に動き回るのに悩んでいる。母の美子(手塚理美)は昔取った杵柄のアニメーターの復帰をはかり、それで放っておかれる父の信夫(三浦友和)は面白くなかった。他に彼らを取り巻く叔父達や祖父など変わり者ばかりが集まる春野家の春の一コマを描く。
石井克人監督の3本目の作品で、全部劇場ではないが、一応3本とも私は観ている。最初の鮫肌男と桃尻女は、正直「なんじゃこりゃ?」という感想でしかなかった。田舎に出る変態の群れという(?)雰囲気はなかなか面白いものの、話そのものがつながってるようでつながってない印象。一方2作目のPARTY7はストーリーよりも雰囲気の方を重視したため、その突き抜け方が面白かった。これでようやく私も石井監督に注目し始めた。
総じて言えば、1作目の鮫肌男と桃尻女は物語をベースに雰囲気を作り、2作目のPARTY7はストーリーを置き去りにして雰囲気を特化させていたわけだが、3作目の本作は、雰囲気しかないように見えていながら、その積み重ねでしっかり物語ができあがっていたと言う、実に珍しい作品に仕上がっている。
本作は一見意味を持たない小ネタが連続して登場するだけに見える。しかも主人公がやたら多く(登場の大部分が机に向かって何か書いているだけという手塚理美も含め)、話があっち飛んでこっち飛んで何々?と言う感じの中、ただひたすらに時が流れていく。
そして小ネタの繰り返しの中で気づいていく事になる。
どんな田舎でも、そしてどんなばかげたことのように見えても、時は流れていくのだという単純な事実に。子供の頃、死体の幻想(?)に悩まされていた叔父が死体を見なくなったように、幸子は巨大な自分を見なくなっていくし、失恋の悩みにうちひしがれるハジメはやがて新しい恋を見つけていく。そして美子はひたすらセルを書き続けている内に、アニメは完成していく。そして、オジイには…寿命がやってくる。
時からは逃れられないが、その過ぎ去る時を肯定的に捉えようとすることで、全く変わってないようにさえ見えるキャラの一人一人が、実はしっかり成長している。時というものを捉えて、そういう効果を付けているわけだな。
それと、本作は田舎を舞台としているが、かなり現代化してる…というか、妙にオタク的な演出が多々見られるのも、なんか妙に面白い。コスプレ青年がどやどや電車に乗ってくるのとか(ヨーロッパの映画では電車とかバスとかに妙なのが乗ってくる演出が多用されるけど、そのオマージュもあるのかな?)、中盤で母の美子が作り上げたアニメーションが流されるのもツボ。あのアニメってそれなりにアニメの歴史とか技法とかを知ってないと出来ない(「監督」という名前で庵野秀明が出てきてるが、あのアニメ自体庵野タッチを巧く作り上げてる)。その辺も含め、石井監督は本当巧くなったなあ。私にとって、更なる注目株に成長してくれた。
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製作年 |
2003 |
製作会社 |
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ジャンル |
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売り上げ |
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原作 |
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歴史地域 |
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