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Wikipediaより |
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なるせ みきお。日本の映画監督。大名成瀬氏一族での次男。生まれたのが巳年、巳の月、巳の日だったので「巳喜男」と名付けられた。成瀬は女性映画の名手として知られており、とくに高峰秀子とのコンビによる多数の作品を手がける。また、小津映画によって神話化された原を『めし』『驟雨』で起用し、市井に生きる飾らない妻の姿を生き生きと演じさせた。
スタッフには慕われていたが、無口な性格で付き合いをほとんど持たなかった。情趣に富んだやるせない作風のため、姓名をもじって「ヤルセナキオ」とあだ名された。成瀬の下で助監督の経験をし、自身も成瀬映画のファンであった石井輝男も成瀬のことを大学教授のような物静かな人と語っている。
国内では生前から一定の評価を得ていたが、それは個性的な映画作家というより、むしろ職人監督として。
後に松竹社長となる蒲田撮影所の城戸四郎所長が「小津は二人いらない」と言ったという伝説がある。その小津は成瀬が監督した『浮雲』を「俺にはできないシャシンだ」と賛している。また溝口健二は「あの人のシャシンはうまいことはうまいが、いつもキンタマが有りませんね」と評している。
かつて教えを受けた石井輝男は不肖の弟子と自ら認めているが、「映画は映画館で上映される数週間だけの命である」とする成瀬の姿勢に敬意を払っていた。
黒澤明も自伝の中で自身が助監督についた『雪崩』の撮影での成瀬について、撮影中の時間の使い方など全く無駄が無く「なにもかも自分でやってしまうので、助監督は手持ち無沙汰だった」と振り返っている。また、成瀬の監督としての仕事振りについても「映画のエキスパート」「その腕前の確かな事は、比類がない」と評している。黒澤のスクリプターとして多くの黒澤作品に参加している野上照代は「黒澤さんが一番尊敬してたのは間違いなく成瀬さん」と自著に書いている。
国際的名声が高まったのは死から10年以上もたってから。 |
| Wikipediaより引用 |
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| 経歴 |
| 1905'8'20 |
東京都四谷区谷町で誕生 |
| 1920 |
知人の紹介で松竹蒲田撮影所に小道具係として入社する。その後池田義信の助監督につく |
| 1930 |
短篇ナンセンス喜劇映画『チャンバラ夫婦』で監督デビュー |
| 1934 |
助監督の山本薩夫とともにPCLに移籍し、初トーキー映画『乙女ごころ三人姉妹』(1935年)を監督 |
| 1935 |
妻よ薔薇のやうにが『キネマ旬報』ベスト1に選ばれる |
| 1937 |
結婚して長男の隆司が生まれる |
| 1940 |
離婚 |
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東宝争議によって東宝を離れ、映画芸術協会を設立し、フリーの立場となり、後に東宝復帰 |
| 1952 |
稲妻がブルーリボン監督賞受賞 |
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| 1969'7'2 |
死去 |
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| 乱れ雲 |
| 1967キネマ旬報第4位 |
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藤本真澄
金子正且(製)
山田信夫(脚) |
| 加山雄三 |
| 司葉子 |
| 草笛光子 |
| 森光子 |
| 浜美枝 |
| 加東大介 |
| 土屋嘉男 |
| 藤木悠 |
| 中丸忠雄 |
| 中村伸郎 |
| 村上冬樹 |
| 清水元 |
| 十朱久雄 |
| 浦辺粂子 |
| 伊藤久哉 |
| 竜岡晋 |
| 左卜全 |
| 小栗一也 |
| 草川直也 |
| 佐田豊 |
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| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 2 |
4 |
4 |
3 |
3 |
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通産省に勤めアメリカ派遣の辞令を受け、更に妻由美子(司葉子)の妊娠を知ったばかりの江田宏(土屋嘉男)は幸せの絶頂にあった。だが、二人が祝杯を挙げた直後、江田は交通事故で死んでしまう。幸福から一転どん底に落とされてしまった由美子は告別式の日に現れた江田を轢いた三島史郎(加山雄三)を激しくなじるのだった。しかし責任感と由美子に対する憐れみの心から、三島はどんなに憎まれても彼女を支えていこうとする…
本作が成瀬監督の遺作となる。成瀬監督は特に男女間の情け容赦ない描写が得意だが、本作はかなりそれらはソフトに描かれている気がする。多分それは本作の構成がどれほどきつくても、一人の男と一人の女のメロドラマに仕上げられているからなんだろう。
この二人の関係は主人を殺した男と、それを恨む妻という関係だが、お互いに最低の関係のまま長い時が過ぎていき、その関係が微妙に変わっていくところが肝だろう。
申し訳ないが物語についてははっきりと「好みじゃない」としか言いようがないのだが、ただ主演二人の絶妙な演技は確かに見事。司葉子は場面毎に表情が変わっている。冒頭シーンでの慈しみに満ちた顔が、告別式の時には完全に表情を消し去っており、援助を申し出る三島を拒絶する時の感情むき出しの表情、そして少しずつ表情が軟らかくなっていく過程。一つ一つの画面に見栄えがしていて、その表情を見ているだけで巧いなあ。と思わせる。それで一方の加山雄三も男の強さと弱さを見事に演じ分けている好演を見せている。やせ我慢を強いる男の姿はそれはそれで凄く格好良いし、時折ぽろりと本音が出てしまい、それに照れる姿も良い。割と軽目に見られがちな加山も、こういうしっかりした役だってちゃんと出来る(と言うか、トータルで見るなら、映画ではしっかりした役を演じることの方が多いんだけど)。
それとやっぱりカラー作品だけに、田舎の風景がよく映えていた。春には瑞々しい新緑と湖の青さが、秋には紅葉の明るさが、そして冬の寒さが。日本の四季を巧く切り取って画面に出していた。
ただ、どうしても不満を感じてしまうのは、加山演じる江田の行動が由美子に対する憐れみではなく下心によってなされている印象をどうしても拭えなかった点だな。単に私の性格の問題か?
前述の通り本作が成瀬監督最後の作品になったのだが、監督本人はもう一本だけ、理想とした映画を撮りたいと語っていたらしい。病床の監督を見舞った高峰秀子に向かって、「もう一本だけ映画を撮りたい。それはバックなし、白か黒バックの前で映画を撮りたい」と語っていたそうである。全てを取っ払い、人間だけを撮ってみたい。というのが監督の最後の願いだったらしい。
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| 女の中にいる他人 |
1966キネマ旬報日本映画第10位
1966男優助演賞(三橋達也) |
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藤本真澄
金子正且(製)
井手俊郎(脚)
小林桂樹
新珠三千代
稲吉千晴
塩崎景子
長岡輝子
三橋達也
若林映子
草笛光子
稲葉義男
加東大介
黒沢年男
十朱久雄
藤木悠
中北千枝子
田辺和佳子
河美智子
伊藤久哉
小川安三
一の宮あつ子
佐田豊
河辺昌義
鈴木治夫
関千恵子 |
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| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
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| 乱れる |
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| 松山善三(脚) |
| 高峰秀子 |
| 加山雄三 |
| 草笛光子 |
| 白川由美 |
| 三益愛子 |
| 浜美枝 |
| 藤木悠 |
| 北村和夫 |
| 十朱久雄 |
| 柳谷寛 |
| 佐田豊 |
| 中北千枝子 |
| 浦辺粂子 |
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| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 2 |
5 |
4 |
2 |
3 |
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清水にある森田屋酒店の未亡人礼子(高峰秀子)は嫁ぎ先で夫もない身で森田屋をきりもりしていた。義弟の幸司(加山雄三)は、飲む打つ買うの放蕩三昧だったが、そんな幸司を礼子は常に変わらぬ笑顔で迎えていた。その笑顔を観る度に荒れる幸司。実は幸司は義姉である礼子の恋慕を抑えることが出来ずに荒れていたのだ。そんな心を知ってしまった礼子だが…
成瀬巳喜男晩年の傑作とされる作品で、成さぬ恋を高峰秀子、加山雄三のコンビで見事に作り上げる。確かにここでの高峰秀子の演技は見事と言うほか無く、私には絶対合わないメロドラマなれど、それだけはよく分かる。
とことん女性をいじめ抜くのが成瀬作品の醍醐味だが、観ていて辛すぎるのでどうにも苦手意識を消すことが出来ない。そしてここでもその撮影は冴え渡る。未亡人として家族に蔑まれながら、しかし自分がいなければこの家は駄目になると、身を粉にして働く女性と、その努力を知らず…否、知っているからこそ、鬱屈した思いを消すことが出来ない家族の関係。更に弟としてのみ愛そうとした義弟が自分に対し道無き恋を突っ走ろうとする事に苦しめられる…改めて書いてみると、これだけで私には到底合わない作品なのだが…
そのフィルターを通してでも、やっぱり見事だと思う。
高峰秀子の巧さもあるが、それに対する加山雄三も鬱屈した青年役を好演してる…加山雄三はイメージとしては爽やかすぎるが、それがかえって嫌味に見えず、清涼剤のような役割を果たしている。一種のファンタジーだろう。
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| 放浪記 |
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井手俊郎
田中澄江(脚) |
| 高峰秀子 |
| 田中絹代 |
| 宝田明 |
| 加東大介 |
| 小林桂樹 |
| 草笛光子 |
| 仲谷昇 |
| 伊藤雄之助 |
| 多々良純 |
| 織田政雄 |
| 加藤武 |
| 文野明子 |
| 飯田蝶子 |
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| ★★★★☆ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
5 |
4 |
5 |
4 |
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昭和初期。駄菓子屋の二階で母と二人細々と暮らす林ふみ子(高峰秀子)は、自らカフェーの女給として働き始める。そこでの空き時間に書いた詩を詩人の伊達春彦(仲屋昇)に見いだされ、二人で文芸同人誌を発行することとなった。相変わらず貧乏ながら充実した暮らしが始まったが、女性にだらしない伊達にやはり苦労させられることになる。その後男と同居や別居を繰り返し、職を転々としつつ、それでも本を出すことを諦めないふみ子。
林芙美子の同名の自伝の映画化作品。大正から昭和初期にかけ日本で盛んになった文芸同人の世界を、そのままリアリティ溢れる設定のまま描いている。
ここでの生活のリアリティは凄く、一見華やかな文壇も、一皮めくってみれば極貧と、ドロドロした愛憎の固まりであり、むしろそれを肥やしにして数々の作品は出来上がっていったことが分かる。特に林芙美子の場合それが顕著で、そのまんまの生活を吐き出すかのような文体は、彼女に関係した人間にとっては恐怖の対象だっただろう。こう言うのを書かせたら、男じゃやっぱり駄目。女性だからこそ情け容赦ない現実が描けたんだろう。はっきり言ってしまうと、観てるのが辛くなるレベルで、私が最も苦手とする作品だ。
だけど、ここでの高峰秀子の演技は特筆すべきレベル。観てるだけで辛くなるのに、彼女の姿から目を離すことが出来ない。ここでの高峰の造形はわざと不細工に作られているんだが、それを逆手に取っての生活に疲れ切ったと言った風情で、しかも目だけはギラギラとしてる。よくぞここまで演じられたものだ。
一方の男性陣は肉体的には彼女を支配しているのだが、実は精神的なレベルで彼女に支配され、追いつめられていく。そして裸の自分をさらけ出し、やがて彼女に耐えられずにいなくなっていく。これは同性でも同じ。彼女と関わると、よそ行きの自分ではなく、一番だらしない、素の姿をさらけ出されてしまう。
で、そうやって回り中を不幸にしながら最後は本当に成功を手に収める訳だが、逆にそこでのシニカルさは更に増していく。男がいなければ寂しくてたまらないのに、男に何の幻想も抱いてないという彼女の姿勢が明らかにされていく。あのラストシーンは男としてため息が出てしまう。
この辺はやっぱり成瀬監督の本領発揮。情け容赦ない描写が特に映えた一本。私が最も苦手とするタイプの話をここまでやられてしまうと、素直に脱帽。今書いてるだけでも思い出して背中がぞくぞくしてる。
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| 女の座 |
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藤本真澄
菅英久(製)
井手俊郎
松山善三(脚) |
| 笠智衆 |
| 高峰秀子 |
| 司葉子 |
| 星由里子 |
| 淡路恵子 |
| 草笛光子 |
| 三益愛子 |
| 杉村春子 |
| 北あけみ |
| 丹阿弥谷津子 |
| 宝田明 |
| 団令子 |
| 三橋達也 |
| 小林桂樹 |
| 夏木陽介 |
| 加東大介 |
| 大沢健三郎 |
| 大村千吉 |
| 関田裕 |
| 音羽久米子 |
| 一の宮あつ子 |
| 潮田満 |
| 三田照子 |
| 塩沢とき |
| 坂部尚子 |
| 小西ルミ |
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|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
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| 妻として女として |
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井手俊郎
松山善三(脚) |
| 高峰秀子 |
| 淡島千景 |
| 森雅之 |
| 星由里子 |
| 仲代達矢 |
| 水野久美 |
| 淡路恵子 |
| 飯田蝶子 |
| 丹阿弥谷津子 |
| 中北千枝子 |
| 関千恵子 |
| 藤間紫 |
| 賀原夏子 |
| 十朱久雄 |
| 大沢健三郎 |
| 中村伸郎 |
| 芝木優子 |
| 佐羽由子 |
| 西条康彦 |
| 大塚国夫 |
| 佐田豊 |
| 細川隆一 |
| 田辺和佳子 |
| 坂下文夫 |
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| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 2 |
3 |
4 |
3 |
3 |
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| 秋立ちぬ |
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成瀬巳喜男(製)
笠原良三(脚) |
| 大沢健三郎 |
| 乙羽信子 |
| 一木双葉 |
| 藤間紫 |
| 藤原釜足 |
| 賀原夏子 |
| 夏木陽介 |
| 原知佐子 |
| 加東大介 |
| 菅井きん |
| 三田照子 |
| 河津清三郎 |
| 西条康彦 |
| 小西瑠美 |
| 三浦敏男 |
| 杉浦千恵 |
| 園田あゆみ |
| 草川直也 |
| 桜井巨郎 |
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| ★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 2 |
3 |
3 |
2 |
2 |
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| 娘・妻・母 |
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藤本真澄(製)
井手俊郎
松山善三(脚) |
| 三益愛子 |
| 原節子 |
| 森雅之 |
| 高峰秀子 |
| 宝田明 |
| 団令子 |
| 草笛光子 |
| 小泉博 |
| 淡路恵子 |
| 仲代達矢 |
| 杉村春子 |
| 太刀川寛 |
| 中北千枝子 |
| 北あけみ |
| 笠智衆 |
| 加代キミ子 |
| 笹森礼子 |
| 松岡高史 |
| 江幡秀子 |
| 加東大介 |
| 上原謙 |
| 杉浦千恵 |
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| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
3 |
3 |
3 |
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東京山の手に住まう坂西家。ここには母親あき(三益愛子)を中心に、長男の勇一郎(森雅之)と妻の和子(高峰秀子)と子の義郎、会社勤めの末娘の春子が住んでいた。そんないところに長女の早苗(原節子)が帰ってきた。離婚も考えていた早苗だが、帰京中その夫が死んでしまう。思わぬ遺産が転がりこんだ早苗と、一方勇一郎の投資が失敗してしまい、抵当の家を取られそうになってしまう坂西家の家族との関わりを描く。
豪華キャスト、特に原節子と高峰秀子の18年振りの共演などが話題を呼び、興行的にも1960年邦画興行成績5位と大成功を収めた 。
ひたすら日本の家庭の中の女性を描き続けてきた成瀬監督の、一種純化された家族物語で、一種の成瀬イズムの集大成と言っても良い。性格の悪い人間に囲まれ、身の置き所のない女性が大金を手にしたときにどうなるのか。まずは設定ありで、そのワンアイディアを膨らませ、手慣れた物語に仕上げてくれた。
ただ、ここに描かれるのは結局、姑や夫にいじめられて婚家から逃げてきた女性が、実家の中でも金の絡んだ人間関係に巻き込まれてしまう話で、こう言うときに身の置き所のない女性は、その金を使うしかない…本当に観ていていたたまれない気持ちにさせられてしまう。どうもやっぱり私には苦手な作品だなあ。
大戦以前を経験している家庭と言うのはこう言うものなのかな。女性に自意識を持たせることは許されないことで、何があっても受け身でひたすら耐え続けねばならない。時としてそれは理不尽なものであり、しかも一度でもそれから逃げてしまうと、重ね重ね責められる…1960年という時代に作られたにしては、設定は古いが、まさにそれが“今”を示すものとして受け止められたのだろうか。
もしこれが現代に作られたら、同じ設定で作られても全く異なる物語になってしまうのだろうね。多分とっくに一家離散状態となり、それぞれが好き放題に生きてる物語になるんじゃないかな。対比としてそういうものを観てみたい気もするね。 |
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| 女が階段を上る時 |
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菊島隆三(製)
菊島隆三(脚) |
| 高峰秀子 |
| 森雅之 |
| 団令子 |
| 仲代達矢 |
| 加東大介 |
| 中村鴈治郎 |
| 小沢栄太郎 |
| 淡路恵子 |
| 山茶花究 |
| 多々良純 |
| 藤木悠 |
| 織田政雄 |
| 細川ちか子 |
| 沢村貞子 |
| 北川町子 |
| 中北千枝子 |
| 柳川慶子 |
| 横山道代 |
| 野口ふみえ |
| 賀原夏子 |
| 東郷晴子 |
| 田島義文 |
| 瀬良明 |
| 佐田豊 |
| 本間文子 |
| 千石規子 |
| 菅井きん |
| 園田あゆみ |
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|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
3 |
3 |
3 |
|
| 階段は人生の岐路を示している。 |
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| 鰯雲 |
1958ブルーリボン助演男優賞(中村鴈治郎)、脚本賞
1958毎日映画コンクール脚本賞、女優主演賞(淡島千景)、助演男優賞(中村鴈治郎) |
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藤本真澄
三輪礼二(製)
橋本忍(脚) |
| 淡島千景 |
| 飯田蝶子 |
| 新珠三千代 |
| 司葉子 |
| 木村功 |
| 中村鴈治郎 |
| 小林桂樹 |
| 加東大介 |
| 杉村春子 |
| 清川虹子 |
| 大塚国夫 |
| 太刀川洋一 |
| 長岡輝子 |
| 織田政雄 |
| 水野久美 |
| 賀原夏子 |
| 久保賢 |
| 三田照子 |
| 上野明美 |
| 藤井美智子 |
| 伊東隆 |
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| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
3 |
4 |
3 |
|
厚木附近の農村。ここで夫を戦争で失い、一人息子を育てながら農業にいそしむ八重(淡島千景)がいた。そんな彼女の元に、農家の実態を取材するために新聞記者の大川(木村功)が訪ねてくる。女学校出で割と世慣れた八重は大川とうち解けた気持ちを感じるが、今の状況は決して楽観出来るものではなかった。農村特有の狭い人間関係と、それを嫌って東京へ出ようとする若者たち。農地改革が行われ、土地を奪われつつも昔の地主気分が抜けない本家の旦那…さまざまな問題をはらんでいたのだ。
和田傳による同名小説の映画化。
日本有数の大監督となる成瀬監督は本来都会での人間関係を描くこと、殊に女にだらしない男と、けなげにそれを支える女性と言ったテーマを得意とするが、そんな成瀬監督がここで描いたのは当時の農村の風景だった。結構意外だが、これがうまくはまってる。テーマは決して軽くなく、むしろ日本の農村の行く末が明るくないという事実をしっかり見据えて描いているのだが、そこらかしこに見受けられるユーモアと、頑迷な老人も突っ走る若者も等しく温かく見守る目が感じられ、割とほっとする感じもある。それにドキュメンタリーではないにせよ、この時代の農村がどれだけ揺れているのかというのも物語を通してしっかりと描かれているので、資料的な意味でも結構重要な意味合いを持つ作品。私がこどもの頃の実家もこんな感じのところが実際にあって、ちょっと懐かしさも感じたりしたし。
だから、本作は成瀬監督作品にしては異色作とも言えるのだが、総合して考えると、本作はいろんな意味で監督の挑戦作だったからとも言えるだろう。
実は本作は成瀬監督にとっては初のカラー挑戦作であり、それで明るさを表現するために、都会ではなく田舎を舞台とした。更に野外のシーンが多く、それが色彩と相まって、非常に開放的な印象を与えてくれる。成瀬作品の大部分は都会で、しかもかなりごみごみした路地裏とか狭い家を舞台とすることが多いのとは真逆のベクトルだったのが功を奏したのだろう。
更に成瀬監督が作ると、本来もっとべたべたしたものである農家の人間関係が都会の人間よりもあっさりしたものになってしまうのも面白いところ。やっぱり成瀬監督は都会育ちであることをかえってよく示した作品になってた気がする。その分描写もおっかなびっくりと言った感じだから、いつもの感情に切り込むソリッドさが抜けてしまい、それが逆に温かい目で観られるようにしているのかもしれない。
人物描写は相変わらず上手さを見せてくれるのだが、淡島千景を農家の女性にしてしまったというのは、ちょっと無理があった気もそこはか。この人の上品さは到底昔から農家に嫁いでます。という雰囲気じゃないし、もんぺの着こなし方も今ひとつはまって見えない。まあ、そのギャップが逆に色気を増してるのも事実なんだが。
助監督に須川栄三。 |
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| あらくれ |
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田中友幸(製)
水木洋子(脚) |
| 高峰秀子 |
| 上原謙 |
| 森雅之 |
| 加東大介 |
| 仲代達矢 |
| 東野英治郎 |
| 岸輝子 |
| 宮口精二 |
| 中北千枝子 |
| 坂本武 |
| 本間文子 |
| 林幹 |
| 田中春男 |
| 三浦光子 |
| 千石規子 |
| 中村葉子 |
| 平兮淳司 |
| 横山運平 |
| 志村喬 |
| 清川玉枝 |
| 中村是好 |
| 音羽久米子 |
| 沢村貞子 |
| 高堂国典 |
| 谷晃 |
| 賀原夏子 |
| 丹阿弥谷津子 |
| 左卜全 |
| 馬野都留子 |
| 沢村いき雄 |
| 大村千吉 |
| 佐田豊 |
| 三浦常男 |
| 出雲八重子 |
|
|
| ★★★☆ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
5 |
3 |
2 |
3 |
|
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| 流れる |
|
|
|
藤本真澄(製)
田中澄江
井手俊郎(脚) |
| 田中絹代 |
| 山田五十鈴 |
| 高峰秀子 |
| 中北千枝子 |
| 松山なつ子 |
| 杉村春子 |
| 岡田茉莉子 |
| 泉千代 |
| 賀原夏子 |
| 宮口精二 |
| 仲谷昇 |
| 加東大介 |
| 竜岡晋 |
| 栗島すみ子 |
|
|
| ★★★★☆ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
5 |
3 |
4 |
4 |
|
東京の花街に芸者置屋を構えるつた(山田五十鈴)の家に新しい女中梨花(田中絹代)が職業安定所から斡旋されてやってきた。「お春」と呼ばれるようになった梨花は住み込みで働き始めるのだが、周囲からこの家があまり良く思われていないことを告げられる。事実つたの奮戦で火の車の家系を切り盛りしているのだが、勝ち気なつたは旦那衆とも折り合いが悪く、同業の置屋からも白い目で見られていた。気丈にそれをはねのけつつ、なんとか明日を探ろうとする女たちの姿を描く。
幸田文の小説の映画化。大物女優の共演が話題となる。事実女優で言っても、山田五十鈴、田中絹代、高峰秀子、中北千枝子、杉村春子など、当時の主役級の女優ばかりを集めて制作され、作品としても、大変豪華なもの。
ただし、ここで主題とされているのは古びた置屋。内容も重く、華やいだ作品とは決して言えない。この素材でいかにして観客を引きつけるのか。と言うのが、あるいは成瀬監督の挑戦だったのかもしれないし、だからこその、これだけの俳優陣が必要だったのだとも思える。
事実、本作での彼女たちの演技は凄い。芸妓の表舞台である華やかな部分は見せず、あくまで裏方のドロドロした人間関係をしっかりと見据えた演技が映えている。ぶつぶつと愚痴を言うのも、結局それはやりきれぬ思いを少しでも表面に出そうとしてのこと。そしてどんなに裏切られても、やっぱり同じ過ちを繰り返してしまう女性達。高峰秀子や山田五十鈴と言ったベテランだからこそ出来る演技の幅というものだ。
そして本作を特徴づけるのは、あくまでそれを部外者である梨花という女性の目で“観て”いるという点だろう。あくまで外から女性達を観る。その立場で一貫しているから、多くの女性達の思いが錯綜しつつも、物語がすっきりとまとまっているのだ。
この手の物語がどうにも苦手なはずの私でさえ目が離せなかったのだから、観るべき人が観たのなら、更に評価は高くなるんだろう。
…まだまだ私は客観的な視点というのが足りないようだな。
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| 妻の心 |
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藤本真澄
金子正且(製)
井手俊郎(脚) |
| 三好栄子 |
| 千秋実 |
| 中北千枝子 |
| 松山奈津子 |
| 小林桂樹 |
| 高峰秀子 |
| 根岸明美 |
| 田中春男 |
| 花井蘭子 |
| 杉葉子 |
| 三船敏郎 |
| 加東大介 |
| 沢村貞子 |
| 北川町子 |
| 北野八代子 |
| 塩沢登代路 |
| 本間文子 |
| 土屋嘉男 |
| 河美智子 |
| 桜井巨郎 |
| 堤康久 |
| 瀬良明 |
| 松尾文人 |
| 佐田豊 |
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| ★★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 4 |
4 |
3 |
3 |
4 |
|
|
|
|
| 驟雨 |
|
|
|
| 水木洋子(脚) |
| 佐野周二 |
| 原節子 |
| 香川京子 |
| 小林桂樹 |
| 根岸明美 |
| 恩田清二郎 |
| 加東大介 |
| 堤康久 |
| 堺左千夫 |
| 松尾文人 |
| 伊豆肇 |
| 塩沢登代路 |
| 長岡輝子 |
| 中北千枝子 |
| 出雲八恵子 |
| 水の也清美 |
| 林幹 |
| 東郷晴子 |
| 千葉一郎 |
| 村上冬樹 |
| 山本廉 |
| 佐田豊 |
| 大村千吉 |
|
|
| ★★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
4 |
3 |
4 |
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並木亮太郎(佐野周二)と文子(原節子)は結婚後4年が過ぎ、二人の間には倦怠感が漂っていた。そんな並木家に姪のあや子(香川京子)が新婚旅行の真っ最中であるにも関わらずやってきた。実は彼女は旅行中花婿が偶然古い友人と出会い、そのまま朝まで外で飲み明かしていたというのだ。花婿を弁護する亮太郎も、女二人の前には旗色が悪く…
岸田国士の戯曲「紙風船」「驟雨」「ぶらんこ」「屋上の庭園」「隣の花」「犬は鎖につなぐべからず」「かんしゃく玉」等から題材を取った成瀬監督後期の作品。確かに色々な短編から題材を取ったと言うことで、話にまとまりがなく、興行成績も振るわず、当時の批評家からも酷評を受けた作品らしいが、現代の目で観ると、ミニエピソードがうまくつながっており、それに成瀬監督お得意の男女のドロドロした関係が本作に限ってはさらりと流されているのは、かえって好感を持てる作品だと思う。
実際、この作品はほとんど一軒の家から舞台が展開せず、会話だけで成り立っているのだが、その会話が軽快だし、原節子がいろんなタイプの女性…と言っても実際演じているのは一人だけなんだけど、相手によって結構色々な側面を見せてくれる。ただ耐えるだけでなく、色々な面を見せる姿は大変面白い。ラストの紙風船のシーンは、それまで色々あっても、やっぱり夫婦は続いていく事を感じさせられる小洒落たまとめ方も好感度高い。
成瀬監督は職人監督と言われる。その理由はどんな予算でも、そしてどんな期間でも、会社から示された枠内できっちりと仕上げ、しかもそこそこのヒットを見込めるからだという。それを見事に体現したのが本作だと言えよう。
こんなエピソードがある。
『あすなろ物語』を撮影中の堀川弘道監督が、あまりの予算超過に東宝から「成瀬について勉強してこい」と言われて撮影スタッフとして参加。あまりの合理的なやり方に驚き、「まるで織物職人の筬(おさ)がかようようだ」と述懐していたとのこと。
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| 浮雲 |
| 1955ブルーリボン作品賞 |
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藤本真澄(製)
水木洋子(脚)
高峰秀子
森雅之
中北千枝子
岡田茉莉子
山形勲
加東大介
木匠マユリ
千石規子
村上冬樹
大川平八郎
金子信雄
ロイ・H・ジェームス
出雲八枝子
瀬良明
木村貞子
谷晃
森啓子
日吉としやす |
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 2 |
4 |
3 |
4 |
3 |
|
戦時中、赴任先のインドシナで富岡(森雅之)と愛し合ったゆき子(高峰秀子)。妻と別れて君を待っている、という言葉を信じ、戦後富岡のもとを訪れたゆき子は同棲生活を送ることとなるが、富岡はいつまでたっても態度をはっきりさせず、更に女癖の悪い富岡に、常に悩まされることとなる…
林芙美子原作の同名小説の映画化で鳴瀬監督の代表作と言われる作品。
成瀬監督は好んで林芙美子の小説を映画化するが、それはだらしない夫と、それに愛想を付けられない女性という構図を監督自身がかなり好んでいたからだろう。特に林芙美子は自分の半生そのものが小説の素材のようなものだから、生々しさが違う。その中でも本作は監督の最高傑作とも言われ、まさに監督の真骨頂とも言える作品。
確かに本作は凄まじい作品ではある。だけど根本的にこういう作品がいちばん苦手な私としては、どうしても観ているのが苦痛になってしまい、正当な評価を下すことが出来ないのが問題。
ただ、敢えて考えてみると、本作はかなり面白い設定ではある。
本作は男の側と女の側、どちらからでも観る事ができるが、根本的な点で、本作は「後の話」と言ってしまって良いだろうか。
戦地ではあたかも英雄のように見え、異常なシチュエーションの元、恋は燃え上がる。しかし、その英雄の実態というものを生活の中で見せつけられた時、女はどのような反応を取ることになるのか。一般に言われるヒロイック・アクション、あるいは「それから王子様と王女様は幸せに暮らしましたとさ」のおとぎ話の“その後”が描かれる作品とも言えよう。
一旦燃え上がったは良いが、燃えつきてしまった男ほど始末に負えないものもない。完璧な鬱状態の中、それでも何とかかつての情熱を燃やそうと努力して、それが無駄になって、又落ち込む。ネガティヴ・スパイラルに陥ってしまうから。こういう時の男は、誰か優しくしてくれるとそれにすがりたくなり、一方では現実を見ているから、それを拒絶したくもなる。常に自己嫌悪に陥りつつも、他者を傷つけずにはいられない。この思いはよく分かるんだ。
一方、そんな男に惚れた女性は、不幸は不幸なのだが…その辺の複雑さを描くのが林芙美子作品の醍醐味という奴。
まさに本作に描かれている男と女の関係はそれを端的に示した感じで、しかも当時の日本の置かれている脱力状態というのも相まって、凄い説得力を持ってしまう。
特にここでの高峰秀子と森雅之の名演ぶりは鬱っぷりに拍車をかけ、「凄い」と思わせる一方「耐えられない」という思いにもさせられてしまう。
こう考えてみると、本作は確かに凄い作品と言ってしまって良いのだが、それらは実際には「言わぬが花」ってやつで、こういう現実はなるだけなら見たくないもの。正直な話を言えば、本作はかなり私には見続けるのが苦痛だった。映画観て落ち込みたくないよ。
成瀬の映画で国内外を問わず最も高い評価を受けているのは『浮雲』であるが、『浮雲』はその重い雰囲気、こってりとした画調などが成瀬作品として異質であり、『浮雲』をして代表作とするべきではないという意見もある。成瀬も『浮雲』を自身の最高傑作とは見なしていなかったといわれている。 |
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晩菊
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| 1954ブルーリボン助演女優賞(望月優子) |
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田中澄江
井手俊郎(脚) |
| 杉村春子 |
| 沢村貞子 |
| 細川ちか子 |
| 望月優子 |
| 上原謙 |
| 小泉博 |
| 有馬稲子 |
| 見明凡太郎 |
| 沢村宗之助 |
| 加東大介 |
| 鏑木ハルナ |
| 坪内美子 |
| 出雲八枝子 |
| 馬野都留子 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
3 |
3 |
3 |
|
|
|
|
| 山の音 |
|
|
|
藤本真澄(製)
水木洋子(脚)
原節子
上原謙
山村聡
長岡輝子
杉葉子
丹阿弥谷津子
中北千枝子
金子信雄
角梨枝子
十朱久雄
木暮実千代 |
|
| ★★★☆ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 2 |
5 |
4 |
2 |
3 |
|
かつて妻の姉に恋心を覚えていた尾形信吾(山村聡)。既に老境に入り、家の裏にある山の音を聞いては死期を想う日々を過ごしていた。息子の修一(上原謙)は身持ちが悪く、がもらった嫁の菊子(原節子)もないがしろにして外に作った女の家に入り浸って菊子は一人泣き濡れる夜を送っている。更に修一の妹相原房子(中北千枝子)までもが夫と喧嘩して出戻ってしまい、尾形家は気まずい雰囲気に満ちていく。信吾は何とかこの状態を打開しようとは思っているのだが…
成瀬監督の好む川端康成の原作の映画化で、当時の文芸映画の中でも傑作と呼ばれた作品(本作を制作するに当たり、監督と美術の中古智が川端康成を訪ね、イメージを踏まえてセットを設定したという)。
成瀬監督の大きな特徴は男と女の関係を生々しく、しかも容赦なく描くことで、ことさらそう言う題材を好んだようだが、私はどうもその手の作品が苦手で、成瀬作品は評価が高くならない。
本作もやはりそうで、特に堕胎とかそういう話になってくると、どうにも引いてしまう。ただ、本作は面白いことに枯れた老人が主人公で、男女の営みを割と客観的に見ている立場で描かれるので、どれだけ話が行きすぎていても、どこか救いが見えているような印象を受ける。
ここに登場する原節子は清楚で我慢強く、日本女性の象徴のように見えるが、夫に対するせめてもの反抗がこれってのは、ちょっと寂しすぎるな。これが現代だったら、我慢に我慢を重ねるのは前半部で終了し、後半は舅の山村聡と共謀して…なんて感じになるんだろうな(一瞬そういう展開にならないか?とか期待したのも事実。でもこれだと『黒い十人の女』(1961)みたいになってしまうか)。尤も、成瀬監督だけに当然の如くそう言うのはなし。これで良いんだろう。
対する上原謙はやっぱり器用な役者だ。個性をあまり持ってない割りにやってることはえげつなく、微妙な役所を見事に演じていた。見事すぎて嫌いになれそうなくらい(笑)
もし小津監督が同一素材を映画化するんだったらこの辺をさらっと流して、舅と嫁の関係をもっと深く描いただろうけど、容赦ない所が成瀬作品の醍醐味だ。
それが分かっていてもストレスが溜まる作品だよな。
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| あに・いもうと |
|
|
|
| 水木洋子(脚) |
| 京マチ子 |
| 森雅之 |
| 久我美子 |
| 堀雄二 |
| 船越英二 |
| 山本礼三郎 |
| 浦辺粂子 |
| 潮万太郎 |
| 宮嶋健一 |
| 河原侃二 |
| 山田禅二 |
| 本間文子 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
|
|
|
|
| 妻 |
|
|
|
藤本真澄(製)
井手俊郎(脚) |
| 上原謙 |
| 高峰三枝子 |
| 丹阿弥谷津子 |
| 高杉早苗 |
| 中北千枝子 |
| 伊豆肇 |
| 新珠三千代 |
| 三国連太郎 |
| 石黒達也 |
| 坪内美子 |
| 谷晃 |
| 本間文子 |
| 馬野都留子 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
3 |
3 |
3 |
|
|
|
|
| 夫婦 |
|
|
|
藤本真澄(製)
井手俊郎
水木洋子(脚) |
| 上原謙 |
| 杉葉子 |
| 三国連太郎 |
| 小林桂樹 |
| 藤原釜足 |
| 滝花久子 |
| 岡田茉莉子 |
| 豊島美智子 |
| 木匠マユリ |
| 田代百合子 |
| 三好栄子 |
| 三條利喜江 |
| 中北千枝子 |
| 鳥羽陽之助 |
| 中村是好 |
| 本間文子 |
| 龍岡晋 |
| 高堂国典 |
| 井上大助 |
| 谷晃 |
| 出雲八重子 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
3 |
2 |
3 |
|
|
|
|
| 稲妻 |
|
|
|
| 田中澄江(脚) |
| 高峰秀子 |
| 三浦光子 |
| 村田知英子 |
| 植村謙二郎 |
| 香川京子 |
| 根上淳 |
| 小沢栄 |
| 浦辺粂子 |
| 中北千枝子 |
| 滝花久子 |
| 杉丘毬子 |
| 丸山修 |
| 高品格 |
| 宮島健一 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
3 |
3 |
3 |
|
同じく貧困をモティーフとしながら、『おかあさん』とは真逆の方向性で制作される。
監督が晩年に最も愛した自作と言われる。 |
|
|
| おかあさん |
|
|
|
永島一朗
青山硯(製)
水木洋子(脚) |
| 田中絹代 |
| 香川京子 |
| 三島雅夫 |
| 中北千枝子 |
| 榎並啓子 |
| 片山明彦 |
| 岡田英次 |
| 加東大介 |
| 鳥羽陽之助 |
| 三好栄子 |
| 一の宮あつ子 |
| 中村是好 |
| 本間文子 |
| 沢村貞子 |
| 永井柳太郎 |
| 伊東隆 |
| 小倉繁 |
| 小高まさる |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
|
心温まる作品だが、貧困や死もモティーフに取っている。同年に全く真逆の『稲妻』が作られている。
助監督に石井輝男 |
|
|
| めし |
| 1951ブルーリボン作品賞 |
|
|
川端康成(監修)
藤本真澄(製)
井手俊郎
田中澄江(脚) |
| 上原謙 |
| 原節子 |
| 島崎雪子 |
| 杉葉子 |
| 風見章子 |
| 杉村春子 |
| 花井蘭子 |
| 二本柳寛 |
| 小林桂樹 |
| 大泉滉 |
| 進藤英太郎 |
| 田中春男 |
| 山村聰 |
| 中北千枝子 |
| 谷間小百合 |
| 立花満枝 |
| 音羽久米子 |
| 滝花久子 |
| 浦辺粂子 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
4 |
3 |
3 |
|
恋愛の末結ばれて結婚をした岡本初之輔(上原謙)と三千代(原節子)は大阪天神の森で新生活を始めていた。だが、サラリーマンの生活に明け暮れしている日常が彼らの生活を覆い、いさかいを繰りかえすようになっていった。そんな時三千代の姪である里子(島崎雪子)が東京から家出してきた。華やかで奔放な里子は初之輔に気に入られて居候を決め込むが、里子はに家庭が乱され面白くない。やがて自分の留守中に二人が何をしているのかとさえ気を揉むようになってしまった。こんな生活はもう嫌になり、ついに家を出て東京の実家に戻ってしまう三千代だが…
林芙美子の絶筆で未完の小説の映画化で、監修に川端康成という豪華布陣で製作。監督の低迷期からの脱出作品とされている。
松竹はかつて成瀬監督に向かって「二人の小津はいらない」と言い放ったという。今にして二人の監督作品を並べてみると、まるでタッチが違うと思うのだが、本作を観て、なるほど。これは小津監督の『お茶漬の味』(1952)と一脈通じるものがあるな。と言う思いを持つ。オチも結構似てる。
違いがあるとすれば、時代の移り変わりの中での日本における夫婦のあり方を問いただしたのが小津監督であり、それを女性の視点からドラマにしたのが成瀬監督だったのではないだろうか?こちらの方がより生々しい描写がされているし、女性に対して容赦ないプレッシャーを与えているし、感情の爆発も起こっている。なるほどこれが成瀬調という奴か。一見仲睦まじく見えても夫婦はそれぞれの思惑を持ち、感情も違う。当然のことであっても、社会的な立場に立って、「これで良いんだ」としてしまうパターンがいかに多いか。そう言う所にメスを入れ方がやはり成瀬監督の巧い所だ…最後まで容赦なく終わらなかったのでほっとした自分もいるんだけど。
それにしても本作の演出は見事。特に原節子が身の回りの細かい出来事に目を向ける視点の描写は凄い。精神的に低迷期にあると、身の回りにある全てが心を苛立たせる。何をしても面白くないし、こう言う時に限ってどんな慰めの言葉も空虚にしか感じない。なんかとても身につまされる気分にさせられてしまったよ。
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| 舞姫 |
|
|
|
| 新藤兼人(脚) |
| 山村聡 |
| 高峰三枝子 |
| 片山明彦 |
| 岡田茉莉子 |
| 二本柳寛 |
| 見明凡太郎 |
| 木村功 |
| 大谷伶子 |
| 大川平八郎 |
| 沢村貞子 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
3 |
4 |
3 |
|
|
|
|
| 銀座化粧 |
|
|
|
| 岸松雄(脚) |
| 田中絹代 |
| 西久保好汎 |
| 花井蘭子 |
| 小杉義男 |
| 東野英治郎 |
| 津路清子 |
| 香川京子 |
| 春山葉子 |
| 明美京子 |
| 岡竜三 |
| 堀雄二 |
| 清川玉枝 |
| 柳永二郎 |
| 三島雅夫 |
| 小倉繁 |
| 田中春男 |
| 竹中弘直 |
| 落合富子 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
|
助監督に石井輝男
|
|
|
| 三十三間堂通し矢物語 |
|
|
|
| 小国英雄(脚) |
| 長谷川一夫 |
| 田中絹代 |
| 市川扇升 |
| 河野秋武 |
| 葛城文子 |
| 田中春男 |
| 横山運平 |
| 清川玉枝 |
| 林喜美子 |
| 三谷幸子 |
| 鳥羽陽之助 |
| 沢井三郎 |
| 花沢徳衛 |
| 鬼頭善一郎 |
| 永井柳作 |
| 深見泰三 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
|
|
|
|
| 歌行燈 |
|
|
|
| 久保田万太郎(脚) |
| 花柳章太郎 |
| 柳永二郎 |
| 大矢市次郎 |
| 伊志井寛 |
| 山田五十鈴 |
| 瀬戸英一 |
| 村田正雄 |
| 南一郎 |
| 吉岡啓太郎 |
| 渡辺一郎 |
| 山口正夫 |
| 中川秀夫 |
| 青木喜好 |
| 島章 |
| 花田皓夫 |
| 辰巳鉄之助 |
| 松島慶之助 |
| 柳戸はる子 |
| 明石久子 |
| 清川玉枝 |
|
|
| ★★★☆ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
|
|
|
|
| 鶴八鶴次郎 |
|
|
|
成瀬巳喜男(脚)
長谷川一夫
山田五十鈴
藤原釜足
大川平八郎
三島雅夫
横山運平
中村健峯
柳谷寛
山形凡平
福地悟朗
椿澄枝
清川玉枝
伊藤智子
松岡綾子
山田長正
榊田敬治
真木順
藤輪欣司
丘寵児
渥美君子
美沢由紀子
香川澄子
三條正子
三浦矢柄子
臼井サキ子
春本助次郎
竹本小和光
鶴沢清三 |
|
| ★★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
5 |
4 |
4 |
4 |
|
若くして名人と謳われた三味線弾の鶴八(山田五十鈴)と太夫の鶴次郎(長谷川一夫)。二人の息はぴったりで、まるで兄妹か夫婦のように見えるほどで、実際に幼なじみの二人はプライベートでの仲も良かったのだが、殊芸の話になると、先代の伝統を重んじる鶴八と、天才肌で新しい芸を考える鶴次郎は一歩も譲らず、大喧嘩を始めてしまう。
戦前の監督作だが、恋愛とはちょっと違う(それも多少絡めてだが)、男女の仲を真っ正面から描いた作品。
物語のメインは芸のことで、大衆文芸も芸術に昇華させられるということが伝えられる。それがどんなものであれ、それに命を賭けるような人の存在あってこそ、それは芸術になっていくのだ。
ただ、本作の場合はそこまで重くはなっておらず、結構ノリは軽め。丁々発止のテンポ良いやりとりも、芸に関するぶつかり合いも見栄えのする見事なできばえに仕上がっている。
実は後年の監督作品の重さが比較的苦手な私としては、この辺のバランスが巧く取れたこの時代の作品の方が好みには合ってる。
何より戦後日本の映画館を背負って立つこととなる長谷川一夫、山田五十鈴のコンビが引き立っているので、戦前映画では特に観るべき作品の一本だろう。 |
|
|
| 妻よ薔薇のやうに |
|
|
|
| 成瀬巳喜男(脚) |
| 千葉早智子 |
| 丸山定夫 |
| 英百合子 |
| 伊藤智子 |
| 堀越節子 |
| 藤原釜足 |
| 細川ちか子 |
| 大川平八郎 |
| 伊藤薫 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
4 |
4 |
2 |
3 |
|
女流歌人山本悦子(伊藤智子)の夫、俊作(丸山定夫)は悦子を東京に残して長野で砂金取りを始めた。やがて長野で愛人のお雪(英百合子)と共に暮らすようになってしまった。プライドの高い悦子はそんな俊作を振り捨てて生きていたが、娘の君子(千葉早智子)はそんな父を取り戻そうと長野まで出かけるのだが…
中野実による戯曲『二人妻』の映画化。
成瀬監督は当初あまり日本映画界ではあまり重く見られておらず、独自のスタイルをうち出すようになってから映画界に認められたのだが、その分水嶺的な働きをしたのが本作で、監督はこれでキネマ旬報ベストワンとなり、晴れて一流監督の仲間入りを果たす事となった。
確かに良作だし、意欲作でもある。映画に倫理が求められていた時代に愛人を出し、しかもその愛人というのが本当にかいがいしく、暖かい女性だったというのは、冒険色が強く感じられる。
それに監督が得意とする優柔不断な男が中心となる話で、既にこの時代に自分なりのスタイルを作り出しているのが特徴だが、実は私が成瀬監督作品をどうしても好きになれないのが、実はこの点。監督の創造した男連中はみんないい加減で、プライドだけ高く勝手なくせにその責任を取ろうとしない人間ばかり。本作でも結論は最後まで出ることなく、それまでの状況が続く。で終わってる。こう言うのがどうにも苦手な私としては相当にストレスが溜まる(と言いつつ、結構な数観てるのはちょっと矛盾だが)。
逆に女性の強さを描くとなると、この監督の独壇場。しかもその強さというのが、アメリカナイズされた意味ではなく、あくまで日本的な意味で、どんなに男がいい加減でも、それを包み込もうとする、日本的な女性像が描かれている。
本作の場合、その“妻”の役割を果たすのが愛人である点がユニークだが、男にとって、幸せって何だろう?と考えさせられる。結局の話、ここに出てくる俊作は、どこに行こうとも異邦人のままであり、居心地の良い場所なんてどこにもない。だから荒れるしかない。これが辛いんだよな。観てる側としても辛い。
…別段、私がそう言う人間だからと言う訳ではない…無いと思う。多分。
。この作品は“Kimiko”という英題で1937年にニューヨークで封切られ、アメリカで興行上映された初の日本映画となった。 |
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|
| 乙女ごころ三人姉妹 |
|
|
|
| 成瀬巳喜男(脚) |
| 細川ちか子 |
| 堤真佐子 |
| 梅園竜子 |
| 林千歳 |
| 松本千里 |
| 三條正子 |
| 松本万里代 |
| 大川平八郎 |
| 滝沢脩 |
| 伊藤薫 |
| 岸井明 |
| 藤原釜足 |
| 三島雅夫 |
| 大友純 |
|
|
| ★★★ |
| 物語 |
人物 |
演出 |
設定 |
思い入れ |
| 3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
|
昭和初期の浅草六区は歓楽街として賑わっていた。そんな中お染(堤真佐子)は妹分の少女たちとともに店を切り盛りしていた。そんなある日、デパートに買い物に行ったお染は、かつて親の決めた結婚に反発して家を出た姉のおれん(細川ちか子)と再会する。おれんは夫が病気のため職を失ったので、二人で郷里に帰るために金が必要だというが…
川端康成の「浅草の姉妹」映画化で、PCL(後の東宝)が松竹から成瀬監督を引き抜いて製作した。
初期の頃の成瀬監督はかなり冷遇状態にあった。松竹では先輩である小津安二郎監督に押され、しかもタッチが似ていたため、小津の亜流とまで言われて、松竹では「二人の小津はいらん」とまで言われていた。それでどうしても冷遇されてしまい、それまでの作品でもトーキーを撮らせてくれなかったという。本作は実質的に成瀬監督が小津監督の影響下から脱し、独自路線へと転換していく良い機会になったようだ。
話としては、まさしく成瀬作品。駄目な男に振り回されながら、それでも支え続けて悲惨な目に遭うと言った構図。三人の姉妹を対比させることで、それぞれの生活の中、健気に生きていく女性の姿が描写される。その分女性描写がかなり痛々しい。
それと、男優役が揃って今ひとつというのも残念なところか。PCLは新興だったし、サイレントからの転換が上手くいってなかったのだろうか?
ただ、本作の場合、それ以上の魅力があるのは確か。当時の浅草や上野と言った下町の描写が実に見事。というか、戦前でも下町ってこんな賑わいだったんだね。それが分かるだけでも充分と言えば充分。人の家の前で芸妓を行う職業を「門付け」と言っていたことも初めて知った。
表面的な華やかさと、人間関係の複雑さが妙にはまっているような、そうでないような…成瀬監督の入門編として観るべき作品だろう。 |
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はじめに喜劇ありき―清水宏、小津安二郎、成瀬巳喜男、山中貞雄、伊丹万作、そして斎藤寅次郎
| 書籍 |
| 著作・対談 |
評伝 |
|
|
| 2022 |
| 新版 成瀬巳喜男演出術 役者が語る演技の現場(2022) |
<A> |
<楽> |
| 村川 英 |
|
|
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|