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川島雄三、サヨナラだけが人生だ(書籍) _(書籍) |
1963 | 6'11 死去 | |
イチかバチか 監督 | ||
喜劇 とんかつ一代 監督 | ||
1962 | しとやかな獣 監督 | |
箱根山 監督 | ||
青べか物語 監督・脚本 | ||
雁の寺 監督 | ||
1961 | 花影 監督 | |
女は二度生まれる 監督・脚本 | ||
特急にっぽん 監督 | ||
縞の背広の親分衆 監督 | ||
1960 | 赤坂の姉妹 夜の肌 監督・脚本 | |
夜の流れ 成瀬巳喜男と共同監督 | ||
接吻泥棒 監督 | ||
人も歩けば 監督 | ||
1959 | 貸間あり 監督・脚本 | |
グラマ島の誘惑 監督・脚本 | ||
1958 | 暖簾 監督・脚本 | |
女であること 監督・脚本 | ||
1957 | 幕末太陽傳 監督・脚本 | |
1956 | 続・飢える魂 監督・脚本 | |
飢える魂 監督・脚本 | ||
わが町 監督 | ||
洲崎パラダイス 赤信号 監督 | ||
風船 監督・脚本 | ||
1955 | 銀座二十四帖 監督 | |
あした来る人 監督 | ||
愛のお荷物 監督・脚本 | ||
1954 | 昨日と明日の間 監督 | |
真実一路 監督 | ||
1953 | ひばりの お嬢さん社長 監督 | |
東京マダムと大阪夫人 監督 | ||
新東京行進曲 監督 | ||
花吹く風 監督 | ||
学生社長 監督 | ||
1952 | 明日は月給日 監督 | |
こんな私じゃなかったに 監督・脚本 | ||
娘はかく抗議する 監督 | ||
相惚れトコトン同志 監督・脚本 | ||
とんかつ大将 監督・脚本 | ||
1951 | 適齢三人娘 監督 | |
天使も夢を見る 監督 | ||
1950 | 夢を召しませ 監督 | |
1949 | シミキンのスポーツ王 監督 | |
1948 | シミキンのオオ!市民諸君 監督 | |
追跡者 監督 | ||
1947 | 深夜の市長 監督 | |
1946 | ニコニコ大会 追ひつ追はれつ 監督 | |
1944 | 還って来た男 監督 | |
1918 | 2'4 青森県下北郡田名部町で誕生 |
しとやかな獣 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1962キネマ旬報脚本賞 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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助監督に湯浅憲明。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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夜の流れ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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グラマ島の誘惑 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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暖簾 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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幕末太陽傳 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1957ブルーリボン主演男優賞(フランキー堺) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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幕末の品川宿。豪遊した挙げ句、無一文であることを明かした佐平次(フランキー堺)は相模屋で下足番として働くことになった。万事要領の良い佐平次はまるで番頭のように振る舞い、あっという間に品川宿の人気者にまでなっていった。いつしか相模屋の主人までもが佐平次を頼りにするようになっていくが… 本作はそもそもが落語のネタ(「居残り左平次」「芝浜の革財布」「品川心中」の3つ)を元本に山内久が田中啓一名義で脚本を書く(田中は松竹に籍があったため)。その手直しには今村昌平も参加していたとか。 元本が落語だけに軽快な会話とどたばた喜劇を進上とした作品だが、ぴりっと辛みを入れた巧い風刺になっている。川島雄三としては初の時代劇ながら、様々な要素を詰め込んで、大変バランスの良い作品に仕上げられているのが特徴。 ところで、誰しも理想的な生き方というものがあるだろう。特に歴史の中にあって、功成り名を上げるというのも一つの理想だろうが、他にも、歴史の渦中にあって、義理やら人情やらから完全に離れて自分のやりたいように生きるというのも、やっぱり理想的な生き方の一つではないだろうか?少なくともかつてはそう言うのを“粋”と言っていたはずだ。自分で危機を招き、ギリギリの中で自分の才覚だけでそれを切り抜ける。人に迷惑をかけまくるのは確かだが、それを全て冗談にしてしまい、死んだ後に「あいつは面白い奴だった」と言われるような生き方。これはこれで理想的な生き方ではあろう。 ここでのフランキー堺演じる佐平次の生き方は後者。彼は極めて能力が高いが、労咳病みで、自分の体が長く保たない事を知っている。故にこそ、残った人生をおもしろおかしく生きていくことだけに全てを賭けたのでは?彼は高杉晋作らと親交を持ったりしていて、歴史の中枢をなす大人物達から一目置かれる存在ではあるが、決して彼らを大人物と扱っておらず、自分と同じ人間としてのみ(つまり面白いかどうか)だけで見ている。なかなか出来る生き方じゃないが、だからこそこういう生き方は憧れる。 本作はフランキー堺の代表作と言われるだけあって、その魅力を十分に発揮出来ている(空中に放り投げた羽織に袖を通すシーンは邦画の名シーンの一つとも言われる)。これが初時代劇出演という石原裕次郎を完全に食ってしまったのも面白い所。でも、フィルモグラフィを見ると、フランキー堺って、ほとんどこれデビューに近いんだけど。 ところで本作に『太陽』の文字が付くのは昨年のヒット作『太陽の季節』(1956)に表される“太陽族”から来ているそうだが、これは太陽族と幕末の志士をなぞらえ、新しい時代に生きようとする若者と、旧来の伝統に縛られる大人達の対比を描いたものと言われる(しっかり石原裕次郎が脇役で入っていたりもする)。 そういった激動の時代を飄々と生きること。これを“粋”というものに昇華したのが本作の魅力とも言えるだろう。 |
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洲崎パラダイス 赤信号 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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行く当てのない男(三橋達也)と女(新珠三千代)は街をぶらつき回った末、江東区にある洲崎パラダイスの飲み屋の女将(轟夕起子)に拾われた。女は飲み屋で、男は蕎麦屋の出前持ちの仕事にありつくことが出来たのだが、女の器量の良さに目を付けた客の一人(河津三郎)が金をちらつかせて女を口説いて連れ帰ってしまった。そんな折、女将の旦那という男(植村謙二郎)も飲み屋にやってくる。 下町の飲み屋を舞台にした人間模様。そもそも本作は新珠三千代が初めての汚れ役に挑戦したと言う事以外にさして話題のないプログラムピクチャーで、実際公開時はさほど売れた訳では無かったらしいが、後に大きく評価されるという不思議な作品。監督自身にとっても会心の出来だったらしく、後に自分の作品の中で一番のお気に入りだと言っていた。 今から改めて考えてみると、確かに売れた理由はいくつか思いつく。 本作はとても画期的なことをやってのけているのだ。 群像劇と言うにはキャラは少ないが、主人公を決めず、登場人物一人一人の行動よりも心の動きの方をしっかり捉えているために、この時代には珍しい心理劇として立派な出来になってる。 貧しく、結婚もしてない男女がどう生きるかと言うと、その場その場で生きられるように生きる。男は肉体労働をしたり、泥棒をしたり、場合によってはヒモになったり。女は飲み屋で色気を振りかけたり、時に体を使ったり。そんな場末の生活が克明に描かれていく。そんな二人が一緒になっても未来があるわけでないので、たまたま一緒にいただけと割り切り、お互い自由にパートナーを変えたりするのだが、気がつくとやっぱり一緒にいてしまう。 くっついて、離れて、又くっつく。他愛ない男女関係なんだが、根底になんか割り切れない人間関係みたいなものを感じさせてくれるので、見た目だけの単純な作品でないように思わせるところが本作の面白さだろう。 そして本作で一人も名前が無いということが、身に迫るという効果も生んでいる。実際身に覚えがある訳ではないにせよ、あまりに身近にありそうなネタのため、心が騒ぐ。ドキュメンタリー以上のリアリティが本作にはあると言う事だ。 |
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風船 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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とんかつ大将 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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